|
■2005/08/10
日経金融新聞 2005年8月10日 ファンドが行く@ フェニックス・キャピタル 買収先再建も「日本流」貫く 2002年に活動を開始しており、国内系ファンドでは“老舗”の部類に入る。足元の投資総額は1600億円、投資先は50数社にのぼる。 先月には渡辺彰代表取締役最高経営責任者(56)が経営を受け持つ一方、創始者である安東泰志(46)取締役相談役が投資先企業の立て直しなどに注力する「分業体制」に移行。両氏ともに東京三菱銀行出身だが、直近まで三菱グループに属していた渡辺氏がCEOに就き、「三菱色が強まった」との見方がある。 「日本型の事業再生」がモットー。買収先企業の経営を立て直す際にも経営陣の総入れ替えなど欧米的な手法は採らない。まずリストラで固定費を再建可能な水準まで引き下げた後は、役員・従業員と討論を重ねて社内に埋もれている「知恵」を掘り起こし、攻めの経営につなげていく。 「従業員らとの協調を重視するので手間や時間はかかる」(渡辺氏)。出資者も国内金融機関など「日本流」を理解するところに限定、これまでは海外からの資金は受け入れていない。 投資先はほぼ黒字体質に転換しているといい、実際、運用利回り(評価益除く)は年換算で100%前後にのぼる。最大の投資先である三菱自動車も「(業績は)計画を上回って推移しており、大成功の案件」(安東氏)と評価する。7月には最新の「ジャパン・リカバリー・ファンド3」を組成、今月中にも初の案件が固まる見通しだ。 存在感が強まる再生・買収ファンド。主力ファンドの今を伝える。 |
|
■2005/08/10
日経金融新聞 2005年8月10日 SBIキャピタル 企業再建ファンド 100億円目標に出資募集 SBIホールディングス(8473)の資産運用子会社、SBIキャピタル(東京・港、中野智弘最高執行責任者)は、経営再建を目指す企業に運転資金を提供するメザニンファンドへの出資金募集を始めた。機関投資家からの出資を募り、来年3月までに運用資金の規模を百億円とする。 出資は1口1000万円で10口以上から受け付ける。昨年8月にSBIグループの自己資金331億円を出資してファンドを設立しており、残額分を機関投資家から募集することにした。地方銀行、損害保険会社、一般事業会社が応じている。 集めた資金は資金繰りに行き詰まっているが、経営再建が可能とみられる企業に一定の利率をつけて運転資金を提供するつなぎ融資に近い形で投資する。 投資先が金融機関から資金の手当てができた場合には2−3カ月で、再建に時間がかかる企業の場合はSBIキャピタルが再生計画づくりにも加わり2−3年で資金を回収する。ファンドは8年間運用し年間最終利回り(IRR)13%を目指している。 これまでの投資先は民事再生手続き中のゴルフ用品メーカー、本間ゴルフなど30社に上る。 |
|
■2005/08/05
日本経済新聞 2005年8月5日 日本土地建物 不動産ファンド 減損処理向け 中小企業に的 日本土地建物は、減損会計対応や事業再構築を進める企業を対象に私募型の不動産ファンドを立ち上げた。不動産を減損処理などを理由に手放す企業から買い取り、ファンドに組み入れ運用する。みずほ銀行などと連携し、減損対応を終えていない中小企業などに問題解決型のサービスとして提供する。 新設したのは「ネオパスソリューションファンド」。日土地のほか、みずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほインベスターズ証券などが合計50億円の出資枠を設定し特定目的会社(SPC)を設置。そのSPCと一般の機関投資家が共同出資し、複数の傘下SPCを作る。期間5年の二層型ファンドで、物件の受け皿は傘下SPCになる。 第1弾として4日、東京・銀座のオフィスビル2棟、さいたま市のマンション1棟で運用を始めた。資産規模は100億円、年率8−10%の利回りを目指す。物件取得と並行し傘下SPCを順次増やし、2年以内に総資産を500億円に引き上げる。 不動産は日土地がいったん買い取り、耐震補強などを施しファンドに譲渡する方針。企業が減損処理する場合、帳簿上だけで損失計上するか、時価で売却し現金を得るかを選ぶ。ただ、減損対応の物件は「買いたたかれるリスクが大きい」(日土地の中島久彰社長)。改修やファンド運用を前提にすることで「比較的高い値段で買い取ることが可能」としている。 |
|
■2005/08/04
日経金融新聞 2005年8月4日 栃木版再生ファンド発足1年 運営会社社長に聞く 地域に貢献できた 今後は小規模企業に投資 栃木県版地域企業再生ファンドの運営会社、とちぎインベストメントパートナーズ(宇都宮市)が発足してから1年が経過した。同ファンドは今後、より規模の小さな企業へのきめ細かな投資を強化する方針だ。山崎美代造社長に1年の評価や課題などを聞いた。 ――1年目の投資実績の評価は。 「足利銀行の一時国有化の影響を最小限に食い止めるという大きな目的は達成できたと思う。温泉旅館・ホテルへの投資は、(有名ホテルの倒産などによる)観光地のイメージ悪化や地域社会の崩壊を食い止めた」 ――温泉ホテル業の一部には、債務免除を受けた支援企業との競争に不公平感もある。 「企業再生は救済ではない。債務免除は株主責任、経営責任、私財提供という私的整理のガイドラインに沿って進められているはずだ。投資対象企業は、強い企業に再生する可能性で選択した。既存の制度をどのように有効活用すれば、地域経済に最大のメリットを引き出せるかを考える必要がある」 ――今後のファンド運営や投資回収に向けた出口戦略は。 「1年目は地域経済への影響度の大きい案件を優先したので、投資実績が中堅企業向けファンドに偏った。2年目は、中小企業を中心に投資件数が増えるはずだ。中小企業向けファンドで最初の投資を製造業者向けに1件決定した。投資実行に向けて精査中だ」 「投資対象の中小企業の数が多くなった場合、事業計画のきめ細かい検証・指導や人材確保が課題になる。中小企業をまとめて再生する手法を取り入れたい。ファンドの出口は、株式上場や入札によるスポンサー公募などのほか、投資企業の取引先に出資を打診したり、役職員の持ち株組織への譲渡やストックオプションの活用、地域の経済界からの出資など、多様な選択肢から投資効率などを考えて決める」 (宇都宮) |
|
■2005/08/03
日本経済新聞 2005年8月3日 未公開株下取りファンド続々 早期上場や転売目指す ベンチャーキャピタル(VC)などから未公開企業の株式を下取りする2次買い取りファンドの設立が活発になっている。2000年前後のIT(情報技術)ブーム期に設立したファンドの大量満期が迫っているのが背景にある。大型の専門ファンドを立ち上げ、早期の株式上場や他社への売却を目指す。 日興アントファクトリー(東京・千代田)は、2次買い取り専門のファンドを設立した。総額は200億円で国内最大級。運用期間は2013年2月までの約8年間で、期限を最大2年間延長できる。VCや事業会社の投資先のうち、早期の株式上場や他社への転売が見込める未公開株を買い取る。 運用資金を幅広く集めるため、公募方式で募集対象を個人の富裕層にも広げた。2次買い取りは通常のベンチャー投資に比べ早期回収が見込める利点があり、個人の需要も大きいと判断。募集では155人の個人投資家が出資に応じた。 日本アジア投資は9月に50億−100億円規模の専門ファンドを立ち上げる。 運用期間は6年間で、延長は最大2年間。大規模な一括買い取りに対応するほか、既存のVC事業で培ったノウハウを生かして投資先の企業価値向上を目指す。買収ファンドの投資先も買い取りの対象にする。 証券会社やコンサル会社など外部の専門家と連携し、売り手となるVCや事業会社に最適な買い取りの仕組みを提案する。ポートフォリオの見直しや投資戦略の再構築についても助言する。 独立系投資会社の新規参入も相次いでいる。バリュー・リンク(東京・千代田)は20億円規模の専門ファンドを通して、未公開株の一括買い取りやファンド持ち分への出資を進めている。総額20億円の専門ファンドを運営するマトリックス・キャピタル(東京・港)も、国内のVC数社から未公開株をまとめ買いするなど実績を積み上げている。 欧米では未公開株の有力な流通手段として、2次買い取りが定着している。日本でも今後は一段と未公開株の換金ニーズが高まる見通しだ。 |
|
■2005/08/02
朝日新聞 2005年8月2日 路線価下げ止まり 量的緩和で資金流入 バブル期並み 私募ファンド急伸 1日発表された05年分の路線価(評価時点1月1日)は、全国平均が13年連続の下落となったものの、最高路線価が上昇した都道府県庁所在地が1年前の3都市から倍増するなど、地価の下げ止まりが地方の中心都市にも広がりつつあることを裏付けた。日本銀行の量的緩和政策を背景に不動産市場への資金流入が活発化しており、商業地を中心とした下げ止まり傾向は今後も続きそうだ。 都道府県別では、東京都の平均路線価が13年ぶりに上昇に転じたほか、29道府県で下げ幅が縮小した。都道府県庁所在地で最高路線価が上昇したのは、昨年の3都市から6都市(東京、横浜、名古屋、京都、大阪、福岡)に増えた。 土地取引の活発化の背景には、ファンドや不動産投資信託(J−REIT)を通じた投資資金の流入がある。日銀統計によると、04年度にはバブル期に匹敵する約8兆2000億円が流れ込んだ。 台頭著しいのが、機関投資家から資金を集め投資する「私募ファンド」だ。住信基礎研究所によると、6月末の市場規模(取得物件の資産価値)は3.3兆円で、J−REITの2.6兆円を上回る。特定の投資家のニーズに合わせ、10%以上の利回りを狙うファンドが急成長しているが、「東京の好物件は少なく取得競争も激しい。どこも地方の中心部に向かっている」(大手幹部)という。 投資先は、大手企業が放出する不動産などだ。みずほ信託銀行系の都市未来総合研究所の調べでは、上場企業などが04年度に売却した不動産は865件、売却額は2兆6682億円。96年度と比べ件数で約3.4倍、売却額も2.4倍に達した。 大和総研の鈴木準・主任研究員は「東京ではバブル後の地価下落局面が終わったと言える。今後は景気動向に即して地価が形成される局面に入るだろう」との見方だ。 |
|
■2005/08/02
朝日新聞 2005年8月2日 路線価下げ止まり 量的緩和で資金流入 バブル期並み 私募ファンド急伸 1日発表された05年分の路線価(評価時点1月1日)は、全国平均が13年連続の下落となったものの、最高路線価が上昇した都道府県庁所在地が1年前の3都市から倍増するなど、地価の下げ止まりが地方の中心都市にも広がりつつあることを裏付けた。日本銀行の量的緩和政策を背景に不動産市場への資金流入が活発化しており、商業地を中心とした下げ止まり傾向は今後も続きそうだ。 都道府県別では、東京都の平均路線価が13年ぶりに上昇に転じたほか、29道府県で下げ幅が縮小した。都道府県庁所在地で最高路線価が上昇したのは、昨年の3都市から6都市(東京、横浜、名古屋、京都、大阪、福岡)に増えた。 土地取引の活発化の背景には、ファンドや不動産投資信託(J−REIT)を通じた投資資金の流入がある。日銀統計によると、04年度にはバブル期に匹敵する約8兆2000億円が流れ込んだ。 台頭著しいのが、機関投資家から資金を集め投資する「私募ファンド」だ。住信基礎研究所によると、6月末の市場規模(取得物件の資産価値)は3.3兆円で、J−REITの2.6兆円を上回る。特定の投資家のニーズに合わせ、10%以上の利回りを狙うファンドが急成長しているが、「東京の好物件は少なく取得競争も激しい。どこも地方の中心部に向かっている」(大手幹部)という。 投資先は、大手企業が放出する不動産などだ。みずほ信託銀行系の都市未来総合研究所の調べでは、上場企業などが04年度に売却した不動産は865件、売却額は2兆6682億円。96年度と比べ件数で約3.4倍、売却額も2.4倍に達した。 大和総研の鈴木準・主任研究員は「東京ではバブル後の地価下落局面が終わったと言える。今後は景気動向に即して地価が形成される局面に入るだろう」との見方だ。 |
|
■2005/07/27
日経金融新聞 2005年7月27日 不動産開発2社 投資用物件の開発加速 商業施設やマンション ファンド・個人に的 中堅の不動産開発会社が投資用物件の開発を加速する。ディックスクロキは2006年3月期に投資用マンションの販売戸数を前期比4割増やすほか、ゼファーは商業施設の開発にも乗り出した。不動産投資信託(REIT)などのファンドや個人富裕層の旺盛な投資需要に対応する。 福岡市が地盤のディックスクロキは今期、30棟、1400戸の投資用マンションの販売を計画している。6割がファンド、4割を個人投資家向け。場所は大半が福岡、東京だが、今期中に大阪市で初めて開発するほか、来期には名古屋市にも進出を予定している。 ゼファーは従来手がけるマンションに加え、商業施設の開発にも着手した。千葉県柏市に総事業費200億円の大型ショッピングセンターを来春完成させる。完成後はファンドに売却する予定。ほかに札幌市などで計4件の開発を進めている。 大手総合スーパーがファンド資金を活用し出店を増やしているうえ、REITなどの商業施設への投資意欲の高まりが背景にある。ゼファーにとっても、マンションに比べ案件規模が大きく事業効率を高められる。 昨年来、REITや私募ファンドの設立が相次ぎ、優良な投資用物件は争奪戦が激化している。また、都心部の地価下げ止まりを受け、個人富裕層がマンションなどを投資用に1棟買いするケースも目立っている。 |
|
■2005/07/27
読売新聞 2005年7月27日 投資ファンドの実力 「国内資本」も数多く参戦 国内独立系投資ファンドのMKSパートナーズは、家電量販店ラオックスの経営再建を支援している。 「電機製品だってコンビニのおにぎりと同じ。時間がたてば腐る」 MKSがラオックスに送り込んだ元セブン−イレブン・ジャパン取締役の本多利範社長は、昨年11月の役員就任以来、全国の売り場に足を運んでは、こう檄を飛ばしている。 薄型テレビやDVDレコーダーは、発売から1年で3割価格が下がるとされる。本多氏ら新経営陣は、古い商品を惜しまず損切りし、代わりに売れ筋商品を素早く大量投入した。 新旧の商品がごちゃ混ぜに並んでいた売り場の陳列棚は、利幅の大きい新製品で占められるようになり、9月中間決算で経常利益が黒字に転換する見通しとなった。 ある古参社員は「業務の効率が目に見えて上がってきた。コンビニ流経営が浸透し始めている」と、投資ファンドが送り込んだ経営陣の手腕を認める。 通信販売大手ニッセンは、2001年に国内独立系ファンドのアクティブ・インベストメント・パートナーズの出資を受け入れた後、大証2部から東証1部上場へ躍進を遂げた。 ここでも経営改革が功を奏した。ニッセンの取締役会に乗り込んだアクティブの青松英男代表は、発注から納入までの期間短縮を求めた。アパレルや家具を中心に、中国やタイから輸入する製品の仕入れルートの見直しなどを進め、3か月かかっていた納期を最短40日に短縮させた。 売れ残りやキャンセルが減り、昨年12月期の税引き後利益は、アクティブが入る前の2000年12月期の10倍近くに跳ね上がった。 かつて、経営不振企業の再生は、メーンバンクの役割だった。銀行は取引先企業に役員を派遣したり、追加融資や債権放棄などの手法を織り交ぜ、再生に責任を持った。しかし、バブル経済の崩壊以降、不良債権処理に追われる銀行は、経営不振企業を助ける余力に乏しくなった。 代わりに台頭してきたのが投資ファンドだ。たとえ目先の業績が低迷していても、潜在的な成長力を秘めた企業には必要な資金を惜しまず投入し、旧経営陣ができなかった斬新な経営改革を断行する。 「今後は淘汰」指摘の声も 米国生まれの投資ファンドだが、今や国内資本のファンドも数多く加わってきた。産業再生機構が再建を支援する大手スーパー、ダイエーの支援企業に、国内独立系ファンドのアドバンテッジパートナーズが丸紅と共に選ばれた。カネボウの買収にも国内外の複数のファンドが名乗りを上げている。 ただ、順調に実績を残すところばかりではない。野村プリンシパル・ファイナンスが110億円を出資して再建中の大型レジャー施設ハウステンボス(長崎県)では業績低迷が続き、転売や上場の見通しが立っていない。既に日本から撤退した外資系ファンドもあると見られている。「乱立気味の投資ファンドは今後淘汰の時代を迎える」(米系投資ファンド)との指摘もある。真価が問われるのは、むしろこれからと言える。 (尾関航也) |
|
■2005/07/26
読売新聞 2005年7月26日 投資ファンドの実力 定着した再生の担い手 「投資ファンド」の名を耳にする機会が増えた。産業再生機構の下で経営再建中のカネボウなどのスポンサー企業に手を挙げたファンドも多い。不良債権処理に追われる邦銀に取って代わり、次第に企業再生の担い手としての地歩を固めつつある。外資ばかりでなく、国内生まれの投資ファンドも実績を積んできた。乱立気味で、今後は淘汰が進むとの見方もある投資ファンドの実力を点検する。 (尾関航也) 日本プロゴルフ選手権などにも使われる茨城県の「美浦ゴルフ倶楽部」。この時期、炎天下を避けて夕方からスタートする客が目立つ。カートを飛ばせば、暗くなる前にホールアウトできる。夫婦など2人連れで回る組も少なくない。 同倶楽部は2001年、米投資ファンドのローンスターが、経営破たんしたゴルフ西洋から経営権を取得した。かつて会員権が8000万円した高級コースだ。だが、当時のスタート時間は最終組が午前10時半まで、1組2人だけで回ることはできず、カート乗り入れも禁止と、気軽な楽しみ方はできなかった。 「ゴルフ本来の楽しみを味わえるように改革した」。同倶楽部を運営するパシフィックゴルフマネージメント(PGM、本社、東京)は、米国流の運営手法を持ち込んだ成果を強調する。来場者数は、買収前の2倍近い年約5万人に増え、再建は軌道に乗った。 日本でゴルフ場投資を始めて約5年のローンスターは今やPGM傘下に93コースを有し、ゴルフ場経営の国内最大手にのし上がった。コースの維持管理に使う機材や肥料などを一括購入し、予約システムも一元化するなど、「規模のメリット」も生かす。 買収費用は1コース平均20億円程度と見られる。100コース近く買える資金を持つ投資ファンドだからこそ成し得た事業でもあった。経営ノウハウと巨額の資金力を武器にするローンスターは、年内にPGM株を公開し、上場益の獲得を目指している。 バブル経済崩壊後、日本市場にこぞって参入した投資ファンドは、当初、銀行が放出した不良債権をまとめ買いした。例えば、額面10億円の債権を買いたたいて1億円で譲り受け、貸出先企業に「今すぐ2億円返済すれば残りは帳消しにする」と持ちかけた。 企業にとっては債務を一気に減らせるチャンス。手元資金を必死にかき集めて返済に応じた。額面の5分の1で売りさばいても、ファンドには投資額の2倍の見返りが転がり込んだ。不良資産の切り離しに迫られた銀行と、借金返済に苦しむ企業の足元を見て利益をむさぼるようなやり方に、「ハゲタカ」との批判も受けた。 その後、投資対象は経営不振企業に移った。経営権を握った上、経営改革や不採算部門の売却などで再生を果たした後、売却したり上場させたりして利益を得る手法が主流になった。最近はゴルフ場やホテル、オフィスビルなどの不動産へも積極投資している。ただ、日本の企業経営が持ち直すにつれ、「“再生ビジネス”も峠を越えた」(大畑康寿・みずほコーポレートアドバイザリー社長)と見られており、新たな投資先を模索する動きも現れている。 米カーライル・グループなどは昨秋、KDDIの子会社でRHS(簡易型携帯電話)最大手のDDIポケット(現ウィルコム)を2200億円で買収した。業績は好調だが、選択と集中の観点から売却した」(小野寺正KDDI社長)という事業を買い受け、業務拡大を図った上で、4〜5年後をめどに上場を図る計画だ。 日本にも根付き始めた投資ファンドは、今後、不振企業の再生ばかりでなく、健全な企業が戦略的に切り離す事業の受け皿などとしても、新たな役割を担おうとしている。 投資ファンドとは 集めた資金運用、還元 投資家から集めた資金をひとまとめにしてファンド(基金)を開設し、運営する会社を指す。 運用会社は、資金を出す投資家と自社を組合員とする「投資組合」を設立し、組合名義の銀行口座を開く。この口座に投資家が資金を振り込むことでファンドが形成される。 資金の出し手は、年金基金や生損保、地域金融機関など国内外の機関投資家が中心。運用会社は、集まった資金を企業や不動産などに投資し、得られた利益を投資家に還元する。 1980年代に米国で始まったビジネス手法で、90年代後半に日本進出、99年に米リップルウッド・ホールディングス(現RHJインターナショナルに資産継承)が日本長期信用銀行(現新生銀行)を買収、注目を集めた。2000年前後からは国内ファンドも多数誕生している。 |
|
■2005/07/22
日本経済新聞 2005年7月22日 フィットネスクラブ 不動産ファンドで開発 三井不、コナミスポーツと 三井不動産はスポーツクラブ最大手のコナミスポーツと組み、不動産投資ファンドを活用したフィットネスクラブの開発に乗り出す。三井不動産の情報網を活用してファンドが土地を取得し施設を建設、コナミスポーツが入居して運営する。フィットネスクラブの開発に特化したファンドの組成は初めて。 私募型不動産ファンド「三井ジェムストーンファンドV・コナミスポーツクラブファンド」を設立し、来年2月にも運用を始める。投資家の出資と銀行からの借り入れで資金を調達する。三井不動産とコナミスポーツは出資しないという。 複数の施設を開発してコナミスポーツに貸与、収益を投資家への配当に充てる。今後3年間で資産規模を300億円に拡大する。施設数は最終的に十数カ所になる見通しだ。運用期間は5年で、1ケタ台後半の運用利回りを見込む。5年後に新たなファンド組成や他のファンドへの売却などを想定している。 まず兵庫県西宮市で「コナミスポーツクラブ本店西宮」を2006年2月に開業する。50メートルの温水プールなどを備え、延べ床面積は2万1000平方メートル超とコナミでは最大の物件。同社は年間10カ所以上の新規出店を目指しており、ファンドを活用し開発資金の負担を抑える。 三井不動産はファンドの運用・管理に加え、立地や周辺人口、規模でフィットネスクラブに適した不動産を同ファンドに仲介する。フィットネスクラブの単独出店のほか、都市開発などで自社のマンションや商業施設開発とも組み合わせる。 |
|
■2005/07/21
本経済新聞 2005年7月21日 非ファンド型M&A活発 成長戦略描き直す 内需型企業も主役 王子製紙は1日、スイスの写真用紙大手イルフォード・イメージング・スイスを推定60億−80億円で買収した。インクジェットプリンター向け写真印刷用紙の世界シェアは20%強と首位の三菱製紙に並ぶ。製紙業界は戦後、不況のたびにM&A(企業の合併・買収)を繰り返してきたが、M&Aの質は確実に変わり始めた。 「競争相手を1社消し去れば紙の販売単価は目に見えて上がる」。かつて製紙大手首脳が語ったように、これまでの合併や経営統合はパイが限られた国内市場でいかに生き残るかが念頭にあった。王子の買収は消耗戦に陥りやすい従来の競争から脱し、特色ある事業を獲得して世界で戦う姿勢に転じた表れだ。 背景にあるのは紙の内需縮小への危機感。紙の消費量は人口にほぼ比例し、少子化で人口減に転じる今後は頼みにしてきた国内需要の減少が避けられない。 M&Aで自社に足りない部分を一挙に手に入れ、成長力を固め直す動きはグローバル競争に早くからもまれた分野で既に活発だ。TDKは5月に香港の二次電池製造・販売会社を買収したのに続き、大手電源メーカー、デンセイ・ラムダの実質子会社化を決めた。 その一方で国内を主戦場とし、国際競争から距離を置いてきた産業にも、M&Aによる収益力強化が急速に広がり始めている。三菱製鋼は埼玉県の携帯電話用アンテナメーカー、ヒューマン電機を買収、鋼材から電子部品など精密部品分野へのシフトを進めている。 建設施工管理の夢真ホールディングスによる日本技術開発のTOB(株式公開買い付け)は救済が主だった建設業界のM&Aが、成長戦略を描き直す手段になるという新段階に入ったことを表す。夢真のTOBが投げかけているのは買収防衛のあり方と同時に、どの業界でもM&Aが当たり前になったという点だ。 この1、2年活発になった国内のM&Aは買収・企業再生ファンドがけん引してきた。資本の論理を持ち込んで規律ある経営を促し、「ファンド資本主義」が日本企業を揺さぶった。ただ、ファンドは企業価値を高めた後はその会社を売却する。 今、産業界で相次いでいるのは事業会社が他社の経営資源を自らの血肉にするM&Aだ。グローバル競争の激化や少子化、内需の先細りなど、いくつもの構造変化を日本の経営者が自覚し、先行きへの不安を持ち始めたことが背景にある。経営者自身がM&A戦略の質と深さを競う「非ファンド資本主義」の流れができつつある。 大人用紙おむつを中心とした介護関連の紙加工品分野はユニ・チャーム、花王、米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など20社ほどがひしめき、メーカーは過当競争と価格下落で二重の打撃を受けている。流通業の乱立を含め国内には非効率な構造が残る。製紙などはメーカー再編が一段落だが、業界再編が今後本格化するとみられる分野は少なくない。成長力の回復へ向けて「非ファンド」型M&Aが一段と増えそうだ。 (編集委員 水野裕司) |
|
■2005/07/21
日本経済新聞 2005年7月21日 パシフィック 不動産ファンド 商業ビル専門に投資 高利回り見込む 不動産私募ファンド運営のパシフィックマネジメントは、アパレルやレストランなどが入居する商業ビル専門に投資するファンド(基金)を設立した。商業ビルはテナントの出入りが多く、オフィスビルを対象とするファンドよりリスクが大きい半面、高い利回りが狙える。新たな投資家を開拓する。 ファンドの規模は110億円。33億円前後を損保、地方銀行、信用金庫を中心とした国内機関投資家から募り、2億円前後をパシフィック自ら出資。残りをノンリコースローン(非そ及型融資)で調達する。 運用期間は5年間。年平均の利回り(内部収益率)は9.5%以上と、オフィスビル対象のファンドより、利回りは1.5−2.0ポイント以上高い水準に設定した。 UFJつばさ証券と共同で東京都内や大阪、仙台、福岡の各政令指定都市の繁華街に立地する商業ビル9棟を購入した。1棟当たりの購入価格は6億5000万−30億円。 |
|
■2005/07/20
日経金融新聞 2005年7月20日 山陰合銀など 島根県とVBファンド 5億円規模 中小機構も出資 【松江】島根県の民間金融機関が県と共同でベンチャー企業を育成するファンド(基金)を8月に設立する。規模は5億円で、地域経済の活性化や新規雇用の創出につなげる。 ファンドの名称は「島根新産業創出投資事業有限責任組合」。投資会社のごうぎんキャピタル(松江市、浜辺弘志社長)が運営・管理にあたる。 山陰合同銀行や島根中央信用金庫(大田市)など県内の4金融機関が計2億3000万円、ごうぎんキャピタルが2000万円、県が5000万円拠出する。残りの2億円は中小企業基盤整備機構(東京・港、鈴木孝男理事長)が出資する予定だ。中国地方で中小機構の出資するVBファンドは初めて。 新ファンドは島根県が推進する「新産業創出プロジェクト」の受け皿となる会社や、創業後7年未満で急成長が見込める企業を対象に計10社前後を支援する。 業種は問わず、「県内で事業展開していれば本社は県外でも対象になる」(ごうぎんキャピタルの関谷知之投資営業部長)という。 地方銀行など地域金融機関が政府系金融機関や都道府県など「官」との連携で業務を拡大している。住宅ローン証券化やファンド設立、新型融資などで資本やノウハウを提供してもらっている。地元の企業や利用者の利便性を高める狙い。ただ、民間で努力するのではなく官に頼りすぎという一面もなくはない。 |
|
■2005/07/14
日経金融新聞 2005年7月14日 私募不動産ファンド 開発物件の青田買い競う 年金資金が流入、リスクも 私募不動産ファンドが新規開発物件の青田買いを活発化している。東京都心部を中心にファンド間の物件の取得競争が激しく、収益予想をたてやすい完成物件だけでは加速する資金流入に対応できなくなってきたためだ。ただ開発物件への投資はリスクもある。採算の見極めなど各社の力量が問われそうだ。 600億円ビル購入 若者でにぎわう東京・原宿の竹下通りと明治通りの交差点横。このあたりでは高層となる地上23階建ての商業・オフィス複合型ビルの建設が始まった。 完成時の資産価値は約600億円。大型の不動産投資信託(REIT)が中核物件に組み入れるような“Aクラス”ビルがまた一つ立ち上がる格好だが、買い主は私募不動産ファンド大手のダヴィンチ・アドバイザーズ。不動産ファンドが投資する開発物件では過去最大になるとみられる。 ダヴィンチは今期(2005年12月期)、同ビルへの一部投資も含め上半期だけで前期の2倍近い500億円を開発物件に投資した。開発への積極投資は他の不動産ファンドも同じ。パシフィックマネジメントは今期(05年11月期)1100億円と前期の17倍の資金を開発物件に投じる。 背景には年金など国内機関投資家からの不動産への資金流入加速がある。 例えばダヴィンチが600億円の開発物件を組み入れる新ファンド。同社のファンドは従来海外投資家の資金が大半だったが、今回は投資家出資分1000億円のうち5割が国内。なかでもその半分の240億円が国内年金(6団体)から集まり、当初3000億円弱のつもりが4000億円にファンド規模が膨れあがった。 利回り引き上げ 国内の企業年金の運用資金は40兆円。動き出した“巨象”のインパクトは大きく、REITも含めた物件争奪戦が不動産価格を押し上げている。家賃収入の利回りは都心の優良ビルでざっと2年前の6%前後から4−5%に下がったと言われ、物件の手当ては難しさを増してきた。 「(原宿のビルは)750億円程度で転売したい」とダヴィンチの金子修社長。テナントが想定通り入るかどうかなど完成物件より余計にリスクを取るため、新規物件は比較的投資採算が良いのは確か。ダヴィンチと並ぶファンド大手のケネディクスの本間良輔社長も「完成物件より、運用利回りを1−1.5ポイント引き上げられる」と話す。 もちろんリスク抑制にも手を尽くす。ケネディクスが4月に100億円で買った渋谷の専門店ビル。商業コンサルタントやゼネコン出身者などで構成する同社のチームが、顧客を各階に誘導しやすい通路や階段にするよう建築主に設計を何度も変えさせた。ファンドはカネだけでなく口も出す。 危うい「納得性」 ただ購入前の運用実績から収益の見当がつく完成物件に比べ開発物件のリスクはやはり高い。各社が現在仕込んでいる物件が立ち上がるのは06年から07年。団塊世代の大量退職や完工集中によるオフィススペースのだぶつきも考えられる。住信基礎研究所の井上淳二上席主任研究員は、「開発物件は最悪どのくらい価値が下落する可能性があるのか合理的な手法で出資者に説明していく必要がある」と話す。 バブル崩壊後の底値買いで順風満帆の運用実績を上げてきた私募ファンドだが、資金ありきで物件が作られはじめた現状は危うさもはらむ。年金など運用の「納得性」が必要な資金を相手に運用会社として定着できるかどうか。地力が問われる局面だ。(一丸忠靖) |
|
■2005/07/13
日本経済新聞 2005年7月13日 フィナンシャル越境バトル ファンドで覇競う 買収も回収も 不振企業は「金のなる木」 米ローンスターと米ゴールドマン・サックス証券。競うように日本のゴルフ場を買収した二つの外資が今度は投資の「回収」でしのぎを削る。 再建で「大化け」 ローンスター系のゴルフ場運営会社、パシフィックゴルフマネージメント(PGM、東京・港)は今秋にも東証一部に上場する見通し。地産など破綻企業を次々に買収し、国内最大の95コースを持ち、「今年の重量級ディール。調達額は1000億円を超えるんじゃないか」と機関投資家の話題の的。資本金は1億円でローンスターが100%出資している。上場により、設立4年あまりで元手の数百倍の資金が転がり込む計算だ。 ローンスターは1990年代後半から日本に投資した約3兆円のうち、2兆円は回収済みといい、東京スター銀行(旧東京相和銀行)など他の傘下会社の上場も視野に入れる。日本への投資ファンドは5本。ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学の基金も出資しており、利益分配の時期が近づいてきた。 ゴールドマン系のアコーディア・ゴルフ(東京・渋谷)も「来年度の東証一部上場に向け準備に入った」(ゴールドマンのマネージング・ディレクター、桐谷重毅)。 ファンド戦略で先行した外資系は回収だけでなく、新たな「仕込み」も始めた。視線は破綻企業から、経営手法を変えれば生き返る「経営不振企業」に移った。 破綻企業は再建に成功した場合に多額のリターンが見込める半面、投資リスクも高い。これに対して不振企業はリスクを抑えつつ、ファンド出資者を満足させるだけの収益率を追求できる。 メリルリンチ日本証券は新生銀行でロキテクノやシンワをTOB(株式公開買い付け)で買収した光益照智らを抜てきし、プライベート・エクイティ(非上場株)への投資部門を立ち上げた。光益は「投資額に上限はない」と意欲を見せる。 モルガン・スタンレー証券も買収ビジネスを手掛けてきた。97年から日本で積み上げた資産は1兆3000億円。「今年の投資額は昨年比5割増えるだろう」(マネージング・ディレクターのソニー・カルシ)という。 だが経営不振企業への投資は、破綻企業とは違う難しさもある。 従業員の反発も 「ファンドの傘下に入ってから会社との間にできた溝は、簡単には埋まらない」。東急観光(東京・目黒)の労働組合中央執行委員長、松本達也は憤りを隠さない。 英仏系ロスチャイルドと三井物産が出資するアクティブ・インベストメント・パートナーズ(AIP、東京・千代田)のファンドは昨年3月、東京急行電鉄から発行済み株式の約85を買い取り、筆頭株主に躍り出た。 ファンドと従業員の関係はこじれた。2004年度の賞与支給が一転、中止され、新たに「第2組合」が発足。会社は第2組合の従業員だけに賞与を支給する方針を打ち出す一方、AIPなど株主には3億円配当し、従業員の反発を買った。 東急観光の社長は生え抜きだが、取締役7人のうち5人はAIP出身者。AIPは「当社は株主でしかない。団体交渉に応じる必要はない」。両者は東京地裁で一時金支給や第2組合を巡って3件の訴訟・仮処分で係争中だ。 いかに早く企業をよみがえらせ、株式市場に返り咲かせるかがファンドの腕の振るいどころ。しかし現実には買い取った企業の「出口」が遠く、高い利回りを期待する投資家との板挟みで苦悩する例も多い。金融の「総合格闘技のリング」といえるファンド。買収から回収へ、新たな投資先へと競争は続く。 |
|
■2005/07/13
日経金融新聞 2005年7月13日 東海東京証券 不動産ファンド 名古屋の物件に限定 年内にも募集 【名古屋】東海東京証券は年内にも名古屋の不動産物件に投資対象を限定した不動産投資ファンドを募集する。トヨタ自動車など製造業の好業績を背景に名古屋のオフィス需要は堅調に推移しており、不動産投資信託(REIT)として将来の上場も検討する。 東海東京証券は2月に名古屋のオフィスビルを主な投資対象とするファンドを一部のスポンサーと共に立ち上げた。今後このファンドをもとに機関投資家や富裕層から追加的に資金を集める。現在30億円強の資産残高を来年末までに約200億円に増やす。 比較的高い投資利回りなどを目当てに、名古屋の不動産物件への投資は活発。価格上昇で利回りは低下傾向にあるが、東海東京証券では値上がりした入札物件を極力避け「小粒でも優良物件を集めていく」としている。 |
|
■2005/07/12
日本経済新聞 2005年7月12日 フィナンシャル越境バトル ファンドで覇競う 介護から美容まで 有望市場に独自ノウハウ 千葉市花見川区、JR総武線幕張駅から歩いて15分の住宅街にマンション風の有料老人ホームがある。この「シニア町内会まくはり館」は一昨年まで、経営再建中の中堅ゼネコン、東海興業の独身寮だった。 にわかに参入熱 野村証券グループの投資会社、野村プリンシパル・ファイナンスが昨年つくった不動産ファンドが社員寮を買い上げた。銀行からノンリコースローン(非そ及型融資)で資金を調達して老人ホームに改装する――。ファンドはこうして不動産投資を拡大する。 企画したのは野村プリンシパル不動産チームの初代ヘッドだった秋元二郎。だが秋元は3月に独立して運用会社、リエゾン・パートナーズ代表に転身。野村は投資対象として間尺に合わなかったためか、老人ホームの出資持ち分を売却した。 野村から出資分を買ったのは楽天グループだった。楽天証券は6月に機関投資家や富裕層を対象に有料老人ホームに投資する約70億円の私募ファンドをつくった。数年以内に200億−300億円に積み上げる計画で、秋元が運用を任された。野村時代に手掛けた幕張の老人ホームもファンドに含まれている。 高齢化社会を迎え、ファンドの介護市場への参入熱はにわかに高まってきた。三井不動産は4月、有料老人ホームに投資するファンド事業に乗り出した。資産総額は40億円規模。100億円まで拡大する計画だという。三井不動産の不動産証券化推進部長の尾崎昌利は「全国の老人ホームを回ってバリアフリーを研究した」という。それがファンド運営のノウハウとして生きている。 米国を手本に 介護事業には通信教育最大手のベネッセコーポレーションが参入し、不振の語学事業を補うまでに成長した。オリックスや居酒屋チェーンのワタミ、セコムも参入。異業種のバトルに、ファンドも参戦する構図だ。 ファンドには「お手本」がある。米国では老人介護施設のほか、病院にも投資する「ヘルスケアファンド」が続々と登場している。個人投資家も売買できる米上場不動産投資信託(REIT)市場には12銘柄が並ぶ。時価総額はおよそ1兆7000億円。日本のREIT市場全体に匹敵する。 銀行も参戦した。あおぞら銀行は5月、100億円規模の国内初の「病院再生ファンド」を立ち上げた。地域金融機関が手放した病院向けの貸出債権を買い集め、あおぞら銀の「病院再生の専門家」が医師の給与引き下げや設備投資の圧縮などリストラを助言する。 「刑務所」「森林」「携帯電話の電波塔」「映画館」「自動車ディーラー・銀行の店舗」――。米国のREITの投資は幅広い。運用会社ハイトマン日本支店マネージングディレクターの木浦尊之は「米国には不動産市場に目利きがそろっているから、多様なREITができる」と話す。 りそなグループは昨夏から窓口で、米国のREITを複数組み合わせた投資信託の販売を始めた。 国内最大規模の美容院チェーンを買収――。米大手証券ゴールドマン・サックスは5月、宝飾品販売のヤマノホールディングコーポレーションと組んで国内で250店を持つ美容室経営の「多賀志」(東京・台東)の営業権を買い取った。 「いずれはファンドにして投資家の資金を集めることも考える」とゴールドマンの担当者。「欧米ではゴルフ場での結婚式に人気がある。日本でも流行しないか……」。ゴールドマンは大量に購入したゴルフ場やホテルと美容室との相乗効果を高める案も練る。 機関投資家や富裕層のお金を引き付けるため、ひと味違う企業再生ノウハウを競うバトルが始まった。 |
|
■2005/07/08
日経金融新聞 2005年7月8日 広島銀 代替投資3年で倍増 私募ファンド通じ1300億円 運用難を補完 【広島】広島銀行は株式や債券などとの値動きの連動性が低い代替投資を拡大する。広島銀向けに組成した私募ファンドなどを通じて、投資残高を2005年3月期の677億円から08年3月期に1300億円程度に倍増させる。低金利が続くなか証券投資は収益確保が難しくなっており、代替投資で補完する。 広島銀では有価証券のうち、国債などの円建て債券が8割を占める。金利上昇リスクを軽減しやすい変動利付国債にも積極投資してきたが、低金利の長期化で利回り確保が課題になっていた。 このため、代替投資の比率を前期の4.5%から7−8%に高める。投資対象の見直しで、証券投資による収益を前期の172億円から20億円程度上乗せしたい考えだ。 代替投資の中核に位置づけるのは私募ファンドで、残高を前期の約500億円から今後3年で900億円に増やす。国内外の証券会社や運用機関などが複数のファンドをまとめて運用するファンド・オブ・ファンズを中心に購入する。 例えば、海外主要国10カ国のうち、利回りの高い5カ国の国債をその都度入れ替えながら投資するファンドや、元本確保型の新興国債券ファンドなどを検討している。さらにETF(株価指数連動型上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)、ヘッジファンドの残高も積み増す計画だ。 投資の多様化に合わせて、7月にはリスク管理を高度化した新ソフトを本格稼働。四月に新設したリスク統括部が、貸し出しと有価証券を合わせた資産全体のリスクを検証する。 |
|
■2005/07/08
日経金融新聞 2005年7月8日 北都銀 企業再生ファンド設立 みずほコーポ銀などと 【秋田】北都銀行はみずほコーポレート銀行、船井財産コンサルタンツと企業再生ファンドを設立する。ファンドが北都銀行の取引先企業の債権を買い取り、再建を支援する。07年3月までに15−20社の再生を手掛け、ファンドの規模は30億円程度を見込む。 ファンド名は「地域企業再生ファンド」(仮称)で、北都銀など3社は業務協力協定を結んだ。みずほコーポ銀と船井財産コンサルタンツが出資してファンドと同名の有限会社を設立する。 北都銀は、業績不振に陥っているが再生可能な企業を選定。船井財産コンサルタンツと支援先企業が中心となって期間3−5年の再生計画をつくる。北都銀は再生期間終了時に優先的に債権を買い戻すことができる。 再生計画は新分野進出や他社との業務提携など通常の経営支援策のほか、M&A(合併・買収)などを対象企業によって使い分ける。現在、債務者区分が危険債権や要管理債権の企業を正常債権などに引き上げる。北都銀はファンドを通じて企業再生を進めることで不良債権額を圧縮する。 |
|
■2005/07/08
日本経済新聞夕刊 2005年7月8日 経産省・豊田自動織機など 共同でファンド 「トヨタ流」経営、中小に 経済産業省・中小企業庁はトヨタ自動車グループの豊田自動織機などと共同で資金総額30億円規模の中小企業向けファンドを創設する。同グループの競争力を支える「トヨタ生産方式」を投融資先企業に導入し、生産効率と収益力を改善する。国内首位の連結純利益を上げるトヨタのノウハウを活用し、製造業の足場を支える中小企業の競争力を底上げする。 新ファンドの名称は「トヨタファンド」で、10月に発足する。出資額は経産省が所管する独立行政法人の中小企業基盤整備機構が15億円、豊田自動織機が8億円、豊田通商が4億円。有力地銀である名古屋銀行と十六銀行、百五銀行もそれぞれ1億円を拠出する。 支援は中部地区の中小メーカー向けで、15社程度を見込む。トヨタの系列外で取引がない企業も対象。支援先には、生産と出荷に合わせて必要な材料を随時調達して無駄な在庫をなくす「カンバン方式」や生産現場の改善を豊田自動織機が伝授。豊田通商は販売や流通の効率化を担当する。 |
|
■2005/07/07
日経金融新聞 2005年7月7日 三菱信託 受託年金 事業再生ファンドで運用 資金回収短期に 三菱信託銀行は年金基金の資金を事業再生ファンドへの投資で運用する国内初の試みを始めた。第1弾は約10の企業年金から100億円弱を受託。年内に第2弾を募集し、資金を再生ファンドに振り向ける。ヘッジファンドや不動産に続く新たなオルタナティブ(代替)投資商品として売り込む。 第1弾の資金は投資会社ジェイ・ウィル・パートナーズが組成した再生ファンドに投資した。同ファンドは全国の地方銀行などから中堅・中小企業向けの不良債権を買い取り、財務リストラによって債権回収し、収益を上げる。数百社をポートフォリオにしてリスクを分散。想定利回りは年10%程度としている。 再生ファンドでは企業の株式を買い取り、再生後に高値で売却するプライベート・エクイティ(PE)投資が一般的。ただ、投資後すぐに収益が上がらず、資金の回収まで10年程度かかることから年金の運用先としては活用しにくかった。 これに対し同ファンドは、安く買った債権の元利金の返済で利益を出して段階的に資金を回収する仕組み。回収期間も7年と比較的短い。 地方企業などの再生は本格化しており、すでに50近い事業再生ファンドが発足。三菱信託は他の再生ファンドも積極的に商品として提供する方針で、年内に第2弾を募集する。国内の初期の再生ビジネスは外資系投資ファンドが担い、海外の年金基金がその資金源となってきた。今後は国内の年金が、再生ビジネスへの新たな資金の出し手になる可能性がある。 |
|
■2005/07/07
日本経済新聞 2005年7月7日 フィナンシャル越境バトル ファンドで覇競う 商社 連携の妙 外資群がる「再生の知恵」 企業再生の主役に躍り出たファンドは外資系に加え、国内の銀行系、証券系などが入り乱れて覇を競う「越境バトル」の舞台になっている。 「ポスト資源」 「ティム(リップルウッド最高経営責任者のティモシー・コリンズ)はミスター・マキハラ(三菱商事相談役の槙原稔)と組んで成功した。次は我々の番だ」。米国の老舗ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)創始者のヘンリー・クラビスは今春、住友商事を訪ねてファンド事業での共闘を呼び掛けた。 旧リップルウッド(現RHJインターナショナル)が日本でファンドを立ち上げた1999年、三菱商事は210億円の投資枠を提供した。これに続けと今年に入り、住商に10件近い海外の有力ファンドが訪れた。 「人脈」「金脈」がものをいうファンドビジネス。二つに加え、投資先を事業面で支援できる商社は外資系ファンドにとって魅力的なパートナーと映る。商社は資源価格の上昇で最高益を謳歌(おうか)しているが、企業再生は「ポスト資源」の有望事業というわけだ。 多角化の失敗で銀行から金融支援を受けた年賀状の名入れ印刷首位のマイプリント(東京都多摩市)。住商は米ゴールドマン・サックス証券、日興コーディアル証券系投資会社の日興アントファクトリーとともに、共同で再生ビジネスに名乗りを上げた。昨年12月に3社がタッグを組み、数十億円出資した。 「年賀状の印刷注文先にマイプリントを加えてください」――住商の投資開発部課長代理、蝦名佳秀は傘下のスーパー、サミットに働き掛ける。販路拡大が目的だ。ゴールドマンの戦略投資部ヴァイス・プレジデントの鈴木正樹は「財務面の支援」、日興アントの執行役員、坂内克行は「組織改革などの経営指導」が主な仕事。3社の得意分野を生かした再生術で、マイプリントの2006年4月期の営業利益は過去最高(9億円強)に並ぶ見通しだという。 商社のファンドへの参入意欲は高い。 新生銀行、台湾交通銀行と伊藤忠商事が出資する133億円のラフィアファンド。伊藤忠は投資先の産業用フィルターメーカー、ロキテクノ(東京・品川)を事業面から支援した。 食料部門も協力し、シンガポールのネスレに飲料用ろ過装置を販売。北米進出を手助けしたほか、中国の化学品会社にもフィルターを納入した。伊藤忠執行役員の塩見崇夫は「ロキテクノ株の売却で、ファンドは20%以上の投資収益率を上げた」と話す。 思惑外れの例も 商社による連携も常に成功するとは限らない。英仏系大手金融グループのロスチャイルドと三井物産のファンド事業では、出資先のソーテックのパソコン販売不振が続き、同社の累積損失は190億円に膨らみ、減資に追い込まれた。 オリックス会長の宮内義彦は「ファンドが資金だけ出しても、会社活性化の知恵がなければ再生はおぼつかない」と言う。投資会社やファンドの出資先企業には、債務超過回避のため2度目の増資を余儀なくされた明星電気など業績回復が遅れている企業も目立つ。 「商社は事業投資家と金融投資家の両方の顔を持つ」(三菱商事金融事業本部長の門多丈)。ファンドの「商社人気」は事業の知恵が求められている証しともいえる。金融と事業支援の「最適解」を求めた連携の妙がファンドの競争力を左右する。 |
|
■2005/07/05
日経金融新聞 2005年7月5日 昨年度VC調査 新設ファンド総額48%増加 80本、3051億円に 2004年度に新たに設立したファンドは80本、3511億円で、前年度の調査より48%増えた。運用難に悩む金融機関や、リストラが一段落し現金収支に余裕の出た事業会社が高利回りを期待してVCに積極投資している。 出資者の内訳を見ると、大手銀行が23%、地銀、信金、信組が13%と、銀行と地方の金融機関で全体の3分の1を超えたのが特徴的だった。事業会社も14%に拡大した。前年度の調査では銀行、信金、信組は合わせて14%、事業会社は1%に過ぎなかった。10%を超える最終利回りも期待できるVCファンドへの投資はカネ余り、低金利下では魅力的に映っているようだ。 |
|
■2005/07/04
日本経済新聞 2005年7月4日 投資ファンド 企業の売却を加速 1―6月30件 昨年通年に並ぶ 投資ファンド(基金)が企業の売却を加速している。M&A(企業の合併・買収)仲介会社のレコフによると、今年1―6月の売却件数は30件と昨年通年に並んだ。再生目的で2―3年前に投資した企業の経営改革が進み、企業価値を高めたことが背景。買い手も新興企業や新規事業を成長させたい大手企業などにすそ野が広がっている。 売却した30件のうち3分の1以上の買い手が新興市場の上場企業。みずほ証券系の投資会社、日本産業パートナーズ(東京・千代田)は今年6月、信販会社の国内信販(福岡市)を楽天に売却した。 アドバンテッジパートナーズ(東京・千代田)の投資先である不動産関連会社、小倉興産(北九州市)を買ったのは、アパマンショップネットワークだ。 米カーライル・グループは現金輸送など集配金サービスのアサヒセキュリティ(東京・港)を豊田自動織機に、医療機器製造のコーリンメディカルテクノロジー(愛知県小牧市)をオムロンに売却した。豊田自動織機は従来の物流センター運営から現金の管理まで一貫したサービスを顧客に提供できる体制を構築する。オムロンは既存の家庭向け医療機器事業に医療機関向けの事業をそろえ、競争力を増す狙いだ。 |
|
■2005/07/03
日本経済新聞 2005年7月3日 病院再生ファンド 日本メディカル 地銀から債権購入 医療コンサルティングの日本メディカル・パートナーズ(NMP、東京・千代田)は、病院再生ファンド(基金)の運営に乗り出す。地銀などから経営難に陥った病院向け債権を買い取り、ファンドが改装資金を手当てして経営改善策を指導。正常債権になった段階で地銀に買い戻してもらう。まず50億円規模でファンドを立ち上げる。 特定目的会社(SPC)を今月末に立ち上げ、NMPと地銀やリース会社、大手商社など約七社が約25億円出資する。同時に銀行からノンリコースローン(非そ及型融資)を受ける。 地方都市にある病床数100−300の中規模クラスの病院が対象。ファンドの投資額は1件当たり4億16億円を想定し、債権買い取りのほか、老朽化施設の改装費用として1億円程度を投じる。 将来はファンドを100億円規模まで拡大する方針だ。 |
|
■2005/07/01
日経金融新聞 2005年7月1日 静岡銀 VBファンド追加 10億円、企業買収も対象 【静岡】静岡銀行はベンチャー企業向けの投資ファンド「しずぎん投資ファンド飛翔(ひしょう)」を設立した。総資金量は10億円で、静岡銀が80%、グループの静岡キャピタル(静岡市)が20%を出資した。静岡銀によるベンチャーファンドは3つ目。成長性のある企業に投資し、株式公開への支援を一段と強化する。 ベンチャーファンドの正式名称は「静岡キャピタル第3号投資事業有限責任組合」。 投資先の中心は大学発ベンチャーを含む「創造的事業を営むニュービジネス企業」で、創業段階にある企業や経営陣による企業買収(MBO)も対象とする。 静岡銀では1996年2月に総資金量5億円の1号ファンド、2001年8月に10億円の2号ファンド(愛称は「未来」)をそれぞれ設立。これまで合計42社(44件)に投資し、エッチ・ケー・エス、ビック東海、フレームワークスなど4社が株式公開している。 |
|
■2005/06/28
フジサンケイビジネスアイ 2005年6月28日 カーブアウトファンド 大企業の“社外ベンチャー”育成 政投銀、三菱商事が国内1号 大企業の“社外ベンチャー”育成 政府系金融機関の日本政策投資銀行(政投銀)と三菱商事は日本で初めてとなる「カーブアウト(事業の切り出し)ファンド」を組成した。大企業が保有しながら、自社では事業化できない有望技術を戦略的に社外に切り出して会社を設立、その企業に出資し、育成するのが狙いだ。現在、約60プロジェクトについて将来性を評価しており、年内には第1号案件を選定し、投資する意向だ。 政投銀と三菱商事は昨年10月に、カーブアウトファンドの運営会社として、「テクノロジー・アライアンス・インベストメント」を折半出資で設立、今春に第1号ファンドを組成した。ファンドには政投銀、三菱商事が40億円ずつ出資したほか、国内機関投資家も20億円ほどを出資。最終的には150億円程度のファンドになる見通しという。 ファンドは、電子産業を中心に、今後5年間で150億円すべてを投資する方針。1社平均10億―15億円程度で、最大30億円程度の出資を計画している。ファンドの投資期間は10年間。それまでに株式公開に伴う株式売却や、出資企業からの配当によって投資資金を回収したい考えだ。 日本企業は2001年のIT(情報技術)バブルの崩壊などの収益悪化を経て、事業の「選択と集中」を進めた。その結果、「ノンコア(非中核)」と位置づけられた事業は将来、収益を上げられる可能性があるものも含めて研究開発の継続を断念したケースが少なくない。カーブアウトはこうした事業を社外に切り出し、第3者の出資を受ける大企業ベンチャーで、今後、日本で普及する可能性があると期待されている。 日本に適した方法 大企業ベンチャーとして、将来有望とされる「カーブアウト」。前日本政策投資銀行(政投銀)理事で、カーブアウトファンドの運営会社、テクノロジー・アライアンス・インベストメントの会長に就任した一色浩三氏にその将来性を聞いた。 −−カーブアウトに注目したのはなぜか 「電子産業の研究開発費は年間約四兆円にものぼる。だが、このうち4分の3が事業化されず、大半が社内に眠っている。製造業の国内空洞化がいわれて久しいが、大企業の社内に眠っている研究開発のシーズ(種)を顕在化できれば、新技術・新産業で需要を創造できる」 −−社内ベンチャーなどほかにも方法はある 「社内ベンチャーは、資金の大半を親会社が提供し、事業化に失敗しても社員の身分は保証される。いわば企業の中の分社組織にとどまり、成果が上がらない。技術者が独立するスピンオフ、スピンアウトは、“エンゼル”と呼ばれる投資家や、人材もいる米国ならうまくいくが、日本では難しい。その点、戦略的に事業を社外に切り出し、外部からの出資を得るカーブアウトは日本に適している。ノンコア事業に携わっている研究者の活性化にもつながる」 −−企業の関心は 「今、約60プロジェクトの話を聞かせてもらっている。成功すれば、経営者もいい方法だと分かってくれるはず。そういう意味では早く実績を挙げたい。われわれは経営者に最後の一歩を踏み出させる“水先案内人”の役割を果たしたい」(高橋俊一) |
|
■2005/06/24
日本経済新聞 2005年6月24日 きょうのことば 再生ファンド ▽…内外の機関投資家や個人から集めた資金を、経営難や過剰債務に陥った企業の株式や債権に投資するファンド(基金)。経営に深く関与しながら事業を立て直すことで企業価値を向上させ、高い利回りを得ることを目的としている。 ▽…財務面のテコ入れだけでなく、経営陣に人材を送り込み、直接経営を指揮・監督することもある。株式の持ち合いの解消や銀行の影響力が薄らいできたことを背景に、リスクマネーの供給役としての地位が高まっている。米国系のほか、国内金融機関やベンチャーキャピタルが設立したファンドもある。ただ、これまでは株式保有期間が3−7年程度のケースが多かった。 |
|
■2005/06/24
日経金融新聞 2005年6月24日 平和不、今期 私募ファンド300億円 オフィスビル運用 平和不動産(8803)は2006年3月期上期に、東京都心のオフィスビルなどに投資する私募不動産ファンドを設定する。資産規模は300億円程度で、運用期間は約5年。不動産投資信託(REIT)の運用アドバイスなど証券化事業のすそ野拡大を目指す。 私募ファンドはオフィスビルや商業施設で運用する。都心だけでなく大阪や名古屋などの物件も組み入れ、地域分散を図る。すでに運用対象として2物件を取得したもよう。今期にファンドでの物件取得手数料などを計上する。 前期は、平和不が不動産ファンド運用のカナル投信と組んで組成したREIT(クレッシェンド投資法人)が上場した。REITへの物件売却などで、証券化事業の営業利益は8億円と04年3月期の1億円から大きく伸びた。今期はREIT関連が反動減となるが、私募ファンド設定に伴う収益増を見込んで、減益幅は小幅にとどまる見通し。 |
|
■2005/06/22
日本経済新聞 2005年6月22日 不動産ファンド 英グロブナーと提携 三菱商事、海外展開も視野 三菱商事は英不動産開発大手のグロブナーと提携し、不動産ファンド事業を拡大する。第一弾として都心のマンションに投資する約330億円の不動産私募ファンドを設定した。海外で不動産開発や運用ノウハウのあるグロブナーと組み、中期的に欧米など海外の不動産投資にも乗り出す。 三菱商事の全額出資子会社、ダイヤモンド・リアルティ・マネジメント(東京・千代田)と独立系の中堅不動産ファンド運用会社、キャピタルアドバイザーズ(同)、グロブナーが6月に共同でファンド運用会社を設立した。 第1号ファンドは期間は7年で、期待利回りは8%程度。今後も年金基金などを対象にファンドを立ち上げる計画。 中期的に欧米やアジアの不動産投資やファンド運用を始める方針。都心での地価上昇などを受け、不動産投資信託(REIT)の配当利回りが3%台まで低下するなど、不動産ファンドの利回り低下は顕著。一方、米国のREITは約7%と相対的に高く、海外物件に対する国内の機関投資家の需要が強まると判断した。 グロブナーは米英など17カ国で77億ポンド(約1兆5000億円)の不動産を保有、運用管理している。三菱商事と組むことで日本の投資家のマネーを取り込みたい考えだ。 |
|
■2005/06/21
日本経済新聞 2005年6月21日 四方元マイカル社長がファンド 関西の地場企業再生へ 米系投資会社のエートス・ジャパン(東京・港)と元マイカル社長の四方修氏(74)は7月、大阪で企業再生ファンドを立ち上げる。規模は300億円程度で、関西を中心に医療法人やパチンコ店、旅館など地場企業の再生に注力する。 ファンドは四方氏が新設した四方再生ファンド(大阪市)が運営する。四方氏はグリコ・森永事件当時の大阪府警本部長で、マイカルなどを経て現在は一富士債権回収(同)の社長。医療法人は診療報酬の伸び悩み、パチンコ店と旅館は競争激化で経営環境が悪化しているが、「既存のファンドは、再生のノウハウが少ない」(四方氏)という。 |
|
■2005/06/21
日本経済新聞 2005年6月21日 未公開株以外にも投資 VC、相次ぎファンド 不動産など含め収益確保 ベンチャーキャピタル(VC)各社が未公開株以外にも投資するファンドの運用に乗り出した。VCは株式相場の動向次第で流入する資金が増減しやすいため、不動産などを投資対象に組み込むことで幅広い資金を取り込み、収益体質を強化する。個人投資家や運用が保守的な年金基金など新たな投資家の開拓にもつなげる。 ソフトバンク・インベストメント(SBI)は不動産私募ファンドの運用を始めた。第1号ファンドの資産規模は投資家からの11億円の出資と銀行からのノンリコースローン(非そ及融資)を合わせて20億円。不動産の一括売却(バルクセール)に応じて賃貸マンション4棟を購入した。 新規株式公開(IPO)を控えた不動産会社1社にも投資した。マンションの賃料と不動産売却益、IPOの株式売却益などにより年間運用利回り10%を目指す。自己投資を含め、不動産投資事業を拡大する。 日本アジア投資は今夏にも、株式などを直接取得するのではなく、複数のファンドに分散投資するファンドの運用を始める。未公開株のほか上場株式や債券、商品ファンド、不動産ファンドなど様々な金融商品に資金を配分する仕組みだ。運用総額は未定。 両社は新ファンドを通じて、これまで取引のなかった投資家から資金を呼び込む狙いだ。SBIは1口当たりの投資額を100万円に下げ、個人投資家からも出資を募った。ペイオフ(預金などの払戻保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)の全面解禁でリスク商品を求める個人の資金を取り込む。 配当を3カ月ごとに支払う仕組みも取り入れた。VCファンドは出資直後は配当が出ないため、利回り志向の強い機関投資家も顧客として獲得する狙いがある。 日本アジア投資は株式、債券以外のオルタナティブ(代替)投資で実績がある他の投資顧問会社から運用担当者をスカウトする。運用能力を強化することに加え、顧客基盤をそのまま引き継ぐのが目的だ。新ファンドを通じ、これまで関係の薄かった年金資金などにもVCへの出資を働き掛けていく。 VCへの投資は株式相場の動向に大きく左右され「安定した資金を得るのが難しい」(日本アジア投資の立岡登与次社長)。しかもネット株バブル前後に設立したファンドが運用期間を終えつつある。新タイプのファンドで投資家の間口を広げ、運用報酬などを増やしたい考えだ。 ただ、ここにきて不動産の分野では物件を巡るファンド間の競争が激しくなっている。運用実績のなかった分野のファンドで継続的に資金を取り入れていくのは容易ではない。 (一丸忠靖、阿部哲也) |
|
■2005/06/21
フジサンケイビジネスアイ 2005年6月21日 アイズ・アイ 東洋大学経済学部助教授・白石真澄 不動産ファンドのインフラ整備 健全な市場、成長に不可欠 魅力ある投資に 2004年度の不動産証券化の実績額は前年のほぼ倍増の約7.5兆円に上り、1997年度以降の累計では約20兆円に達した(国土交通省発表)。証券化の対象となる物件もオフィスだけでなく、住宅、商業施設、工場、ホテルなど多様化が目立ち、オフィスの割合は8割(97年)から3割に低下している。また、証券化手法で集めた資金で不動産を取得し、賃料・テナント料の一部を投資口数に応じて投資家に還元するJリート(日本版不動産投資信託)も、05年3月末時点で16銘柄が上場され、約2兆円規模となった。 不動産ファンドが活況となった要因は複数ある。まず、不動産投資の利回りと10年国債の金利差を「イールドギャップ」と呼ぶが、昨今の超低金利政策で「イールドギャップ」が拡大し、投資家にとって不動産投資は魅力的なものとなった。また、減損会計の導入で、企業が資産のオフバランス化を推進していることもある。 不動産ファンドの隆盛が市場に与える影響は功罪両面ある。最大の功績は、土地政策の基本的テーマである「所有から利用へ」に価値を転換する役割を果たしていることだ。企業が自社ビルを証券化し、自社で借りることで、非収益不動産を収益不動産に変えることができ、また、投資単位の小口化で法人や個人の不動産市場への投資も容易になった。この結果、不動産取引が活性化し、地価の下げ止まりや、さらには都心部では地価が上昇に転ずる地域も見られるようになった。 他方、あまりにも急激に不動産ファンドが増大したことで、期待される収益を確実に生み出せるか否か、懸念も生じている。わが国の不動産ファンドの歴史はまだ10年にも満たないが、先行した欧米では過去、景気の後退に伴うテナントの減少、不動産の価値の下落等により大きなリスクが生じた経験を持つ。 わが国でも、不動産ファンドによる物件取得競争がやや過熱気味で、専門家の間では「ミニバブル」との指摘もある。不動産ファンドへの投資の過半が金融機関であり、投資先をすでに東京から地方の政令指定都市に変えつつあることや、地方銀行が地方で金を吸い上げ、収益性の高い東京に投資をしている実態があるからだ。 だが、不動産ファンドが国内外の投資ニーズに対応した形で広がりを持つことにより、不動産の価値の維持に対する投資家の関心を集め、不動産の質的向上や優良なまちづくりに資する可能性は大きい。そこで不動産ファンドの成長のために、早急に対策が求められる点を指摘したい。 信頼ある情報開示を まず、日本のテナント契約の実態と法体系をみる限り、将来の収益が見込み通りに実現するかどうかの判断はきわめて不透明だ。投資家自身も不動産ファンドについて学び、リスク管理を行う必要があるが、不動産業者は「不動産投資インデックス」など不動産に関する信頼性の高い情報開示を進め、コンプライアンスの徹底をはかってほしい。 また、投資判断を行う上で、不動産鑑定評価は不可欠であり、証券化市場の進展に対応した不動産鑑定士の実務について明確なガイドラインもほしい。国土交通省や金融庁は不動産投資の実態をどこまで把握し、どのような監視体制を敷こうとしているのか。ぜひ、連携して検討してほしい。 バブルとその後の失われた10年という厳しい時代を乗り切り、新しい時代を迎えつつある今日、健全な市場、投資家の保護はこれからの新しい日本を創り出すうえでの試金石と言えるかもしれない。 <<しらいし・ますみ>> 1958年大阪府生まれ。関西大学大学院工学研究科修士課程修了。西武百貨店、ニッセイ基礎研究所主任研究員を経て2002年から現職。専門分野は少子高齢化と地域システム。政府の構造改革特区評価委員、規制改革・民間開放推進会議委員などを務める。著書に『バリアフリーのまちづくり』(日本経済新聞社)『社会経済システムとその変革』(共著、NTT出版)『日本に生まれて 女性が考える日本国憲法』(共著、TBSブリタニカ)など。 |
|
■2005/06/17
日本経済新聞 2005年6月17日 外資系出身者 独立後、ファンド設立続々 未公開株・不動産に照準 未上場や再建途上の企業、不動産などに資金を投じる「投資ファンド」の設立が相次いでいる。なかでも外資系金融機関で腕を磨いた後、独立して自らファンドを立ち上げる例が目立つ。企業再生の立役者としてファンドが認知され、おカネの出し手である機関投資家が投資姿勢を強めていることが設立ラッシュをけん引している。 米系の有力ファンド、ウォーバーグ・ピンカスで日本代表を務めていた深川哲也氏(49)はクレセント・パートナーズ(東京・千代田)を設立、6月から投資活動を始めた。米系ファンド、オリンパスキャピタルホールディングス出身の根本修一郎氏(48)と共同で立ち上げた。投資対象は未公開株などで、約200億円を運用している。 米シティグループ系の投資会社シティグループ・プリンシパル・インベストメンツ・ジャパン(東京・港)の社長だった宍戸宏明氏(48)は、近く磐梯インベストメンツ(東京・港)を旗揚げする。すでに欧米投資家から300億円超を受託しており、日本の未公開株や不動産に投資する。 米大手投資ファンドのカーライル・グループで実績を積んだ静永賢介氏(54)も、元同僚とこのほどMBKパートナーズ(東京・港)を設立した。年内にファンド運用を始める計画。投資先は日本、韓国、中国に絞り、欧米の投資家から資金を募る。 3月に日本から撤退した不良債権投資ファンド、米ムーア・ストラテジック・バリュー・パートナーズの日本法人社長だった中村博氏(52)は、再生ファンドのストラテジック・バリュー・パートナーズ・ジャパン(東京・千代田)代表に就任。不動産やローン債権への投資を始めた。 ファンドはリスクを負って不良債権を購入したり、投資先の経営に深く関与するなどの手法で運用収益を高める。年率2−3割程度の利回りが目標で、実際に好成績を上げている例も多い。 運用難に直面した生損保など機関投資家はこの分野の投資を相次いで拡大しており、設立したての独立系ファンドにも多額の資金が流れ込むという図式になっている。 ファンド担い手「新陳代謝」 先行の外資系、資金回収期に 投資ファンドの新設が相次いでいる一因は、この分野で先行した外資系が投資先企業を転売するなど「出口戦略」と呼ぶ資金回収に動いているためだ。投資ビジネスが一区切りつき、外資での経験や人脈を生かして独立するファンドマネジャーが増えている。 M&A(企業の合併・買収)仲介のレコフ(東京・千代田)の調べによると、昨年1年間にファンド・企業が投資先企業を第三者へ売却した金額は4174億円と、前年の10倍に急拡大した。件数も3倍の30件となった。 不良債権投資で先行した外資系ファンドだが、投資家から5−10年程度の契約で資金を集めているため、1990年代後半に募集したファンドは投資の回収期にさしかかっている。 ムーア・ストラテジック・バリュー・パートナーズのように日本から撤退する例や「日本で投資回収した資金をドイツや中国などに振り向ける」(米系ファンド幹部)といった戦略変更が出ている。 一方で、国内系ファンドには潤沢な資金が流れ込んでいる。ファンドを活用した企業再生が定着してきたことが大きい。投資先も破綻・経営不振企業から、未公開株や不動産へと広がってきた。ファンドの担い手の新陳代謝が進み、企業の経営戦略を金融の面から支える手段も多様化している。 |
|
■2005/06/15
日経金融新聞 2005年6月15日 投資ファンド 賃貸マンション用強化 高木証券、富裕層に照準 高木証券が賃貸マンションに投資する不動産投資ファンドの販売を強化している。都市部の中小規模のマンションに投資するファンドで、オフィスビルなどに比べ安定的に収益を上げられる点をアピールし、富裕層中心に売り込む。 預かり資産残高を2005年3月期末の234億円から、今期は400億円程度にまで伸ばす計画だ。 ファンド名は「レジデンシャルワン」で、東京・大阪・名古屋の3大都市圏のマンションが投資対象。個人投資家は1口100万円で出資し、マンションから入る賃料収入を6カ月ごとに出資比率に応じ配当として受け取る。 物件の査定はレイコフ投資顧問(大阪市)が担当する。 1本のファンドは4−7程度の物件で構成。1本のファンドにつき投資家から10億−15億円の出資金を集めるとともに、金融機関からも借り入れをして物件に投資する。 マンションはオフィスビルに比べて物件が陳腐化しにくく、需要が安定しているという。 個人投資家に加え法人への営業も強化し、月間10億−15億円のペースで預かり資産を積み上げていく考えだ。 |
|
■2005/06/12
日本経済新聞 2005年6月12日 三菱商事と政策投資銀 事業「切り出し」ファンド運用開始 三菱商事と日本政策投資銀行は大手企業が保有する技術や事業部門を切り出して新会社を作り、資金と経営ノウハウを提供して企業価値を高める日本初のカーブアウト専門ファンドの運用を開始した。電機・電子メーカーなどに埋もれている有望技術を発掘、向こう5年間で15件程度、1件あたり3億−30億円を投資する。大手企業に人材や技術が集中する日本に向いたベンチャー育成方法と期待されている。 運用を開始した「イノベーションカーブアウトファンド」の資金は150億円程度を予定。三菱商事と政策投資銀が各40億円を出資、国内の機関投資家からも出資確約を得てファンドの組成をほぼ終えた。三菱商事と政策投資銀が折半出資で設立したテクノロジー・アライアンス・インベストメント(東京・港)が投資先の発掘や運用を担当する。ファンドの運用期間は原則10年。 カーブアウトとは大手企業による事業の選択や集中の結果、競争力を持ちながら非中核事業に位置付けられた技術などを切り出し、外部資金や経営資源を投入して事業化する手法。三菱商事は電子産業分野の子会社を活用、投資先企業に経営・営業ノウハウや人材を提供して事業を効果的に育成する。 |
|
■2005/06/11
フジサンケイビジネスアイ 2005年6月11日 05年版土地白書 不動産の証券化2倍に 市場規模が累計20兆円 2004年度に証券化された不動産の総額は、前年度の2倍に迫る7兆5183億円に膨らんだ。国土交通省が10日公表した「2005年版土地白書」でこんな結果が明らかになった。企業が資産圧縮の目玉として土地資産の売却を進めており、その売却や新たに開発する際の手段として証券化を多用していることがその背景にある。04年度の市場拡大で、証券化された不動産の累計は約20兆円規模に達した。 証券化された不動産への投資は、他の金融商品に比べ利回りが良いことも多い。 このため、国内の投資会社はもとより、外資系の投資も増えている。国交省も「(証券化が)停滞している市場を活性化し、大都市圏の地価の下支え要因の一つになっている」(土地情報課)とみている。 しかし、土地そのものの資産価値に関する意識調査では、預貯金や株式よりも優位と考える人が1994年に62%だったのに対し、04年度は33%とほぼ半減している。企業が処分する土地は、主に社宅やグラウンドなどで収益性は低く、減損会計の導入などから地価が事業活動に及ぼす影響も深刻化している。 現在の地価についても「事業活動に影響なし」との回答は、94年度には36%だったが、04年度には51%に増えた。 都市部で企業が放出した土地はマンション用地に転用されることが多く、五年前と比べた03年の持ち家世帯率が、東京都では3.2ポイント上昇し44.5%に、大阪府も2.3ポイント上昇し51.7%に、愛知県でも0.7ポイント上昇し58.4%に達した。 背景に投資ファンドの影響 証券化された不動産の資産総額が2004年度に急膨張した背景には、多くの投資家から資金を集め、土地や建物の不動産に投資する不動産投資信託(REIT=リート)の存在がある。国土交通省が3月に発表した05年の公示価格で、東京都心5区の商業地の地価が14年ぶりに上昇に転じたのも、不動産投信の市場拡大が一つの要素となっている。 東京証券取引所などに上場して個人も証券会社を通じて取引ができるJリート(日本版不動産投資信託)と呼ばれる不動産投信商品が代表例で、現在17銘柄が東証、大阪証券取引所に上場している。Jリート以外にも不動産会社や銀行など特定の投資家に絞り設定する私募型のいわゆるプライベートファンドもある。また、証券化された物件の転売も市場を押し上げる。 不動産証券化協会(東京都港区)によると、Jリートは2001年9月に第1号の銘柄が上場し、6月9日時点の上場17銘柄合計の時価総額は2兆1900億円に達している。 高収益を見込める都心の優良物件に投資する商品の設定が活発化しているほか、最近は商業施設や倉庫など投資対象も多様化し、不動産投信市場の拡大を支えている。 不動産投信市場に詳しい三輪不動産研究所(名古屋市中区)の三輪勝年所長によると、「東京は物件が手に入らない状態で、上場しているファンドに加え、プライベートファンドが地方都市に目を向けている。名古屋でも都心部はファンドバブルが起きて大変な状態」とその過熱ぶりを説明する。 超低金利のため、海外の投資家が金融商品以上の利回りを確保できる日本の不動産投信市場に目を向けていることも過熱する一因ともなっている。 (長島雅子) 不動産の証券化 不動産のさまざまな権利を証券として発行するしくみ。証券化で多数の小口投資家から資金を集められる。主に運用型と開発型の二つの方法がある。運用型はすでに存在する不動産が対象。一つの不動産を証券化し、その不動産から生まれる収益を証券購入者に分配する。例えば、1棟5億円の賃貸不動産事業を考えた場合、5億円の物件を1000口に証券化することにより、1口当たり50万円から出資が可能になる。出資者には賃貸不動産事業から生まれる純収益を、出資額に応じて配当する。開発型は土地の取得、建物建設、不動産の売却までに要する資金を証券化し、売却による開発利益を配当原資とする手法。 |
|
■2005/06/10
日経金融新聞 2005年6月10日 第二創業支援ファンド みなと銀、9月から公募 【神戸】みなと銀行グループは、第二創業を目指す企業を対象とする「みなと元気ファンドII」を設立する。9月から投資先の企業を公募する。 新たな技術を開発して新規分野に参入を検討しているか、省エネ技術や土壌改良技術など環境・エネルギー分野で新規事業の設立を目指すことを投資対象の条件にした。原則として兵庫県内の企業に限る。出資金の総額は1億円。みなと銀が9900万円、みなとキャピタルが100万円を出資する。1社当たりの投資額上限は1000万円で、出資期間は10年間。 みなと銀は阪神大震災で被災した兵庫県内の中小企業向けに「みなと元気ファンド」を今年1月に創設し、14社を投資先に決めている。 |
|
■2005/06/09
日本経済新聞 2005年6月9日 ゼネコン再建新段階 フジタをゴールドマン支援 ファンド表舞台に 新社長に網本 ゴールドマン・サックス証券や森トラストなどで組成する投資ファンドがフジタの第三者割当増資の引受先に決まった。これで三井住友銀行を主力取引行とするゼネコン(総合建設会社)の不良資産処理に終止符が打たれるとともに、ファンド主導によるゼネコン再建という新たな段階を迎える。フジタは会社分割を実施して建設事業に特化する。 フジタは8日、経営責任を取って退任する原田敬三社長(64)と後任社長に就く網本勝弥執行役員(57)が記者会見し、新再建計画を発表した。計画では、最終年度の2008年3月期(単体ベース)の売上高見通しが2553億円、営業利益が71億円で、05年3月期実績に比べそれぞれ13%、24%減少を見込む。 スポンサーに決まったゴールドマン・サックス証券の顧客ネットワークを活用する。商業、物流、医療福祉、工場など建築事業に経営資源を集中することで再建計画の目標達成を目指すが、予定通り収益を確保できる保証はない。公共工事の削減で今後、国内土木事業の大きな伸びは期待できないうえ、熊谷組やハザマなど他の準大手各社も建築事業に力を入れているためだ。 ゴールドマン・サックス証券など外資系の投資ファンドがゼネコン再生を支援する初めてのケースとなることも不透明要因。投資ファンドは株式売却などを通じて投資を回収する。フジタの中東耕執行役員は新再建計画発表の席上で「中長期的に株を保有してもらうことがスポンサー選びの条件の一つだった」と語ったが、安定株主として企業再生に本腰を入れるのかは見えない。 三井住友銀行系のゼネコンでは、三井住友建設が6月3日に総額1788億円の債権放棄で金融機関の同意を得た。フジタも10日に債権者会議を開き、金融機関に989億円の債権放棄を要請する。投資ファンド側は債権放棄の実現を今回の増資引き受けの条件にしている。 業界では、体力・技術力のある鹿島など大手5社などを除き単独での生き残りは難しいとの見方が多い。フジタも含む準大手を軸に再編を迫られる場面が出てきそうだ。 網本 勝弥氏(あみもと・かつや)70年(昭45年)早大理工卒、藤田組(現フジタ)入社。02年執行役員。大阪府出身。 ゴールドマン 投資ビジネスに傾斜 値上がり益狙い 経営監視 今回のフジタへの出資は、ゴールドマン・サックスが投資ビジネスに傾斜している象徴だ。ゴールドマンはフジタに役員を送り込む可能性があり、経営改革を監視することで株価上昇によるキャピタルゲイン(値上がり益)を狙う。投資銀行業界では、本業であるM&A(企業の合併・買収)仲介の利ザヤが世界的に縮小しており、ゴールドマンは自らが投資家に変身し、新たなビジネスモデルを打ち立てた。 ゴールドマンは4月、過去最大規模となる総額85億ドルの投資ファンドを設定した。自らが総額の約3割を出資したうえ、残りを機関投資家や金融機関から募集した。フジタへの出資は森トラストとの共同だが、大半が同ファンドからの出資とみられる。また、ゴールドマンが現在検討している西武鉄道グループへの出資も同ファンドが資金源となりそうだ。 ゴールドマンはフジタの非中核ビジネスである不動産関連事業でも収益チャンスをうかがう。ゴールドマンはゴルフ場などを保有する自社の不動産ファンドを運営しており、フジタの遊休不動産を買い取ったり、森トラストと連携したりして再開発するという。 フジタとメーンバンクの三井住友銀行は当初、米ローンスターを支援企業に想定していたが、「まずローンスターありきの再建計画に債権者から異論が出て、入札を実施した」(銀行筋)という。三井住友銀行は債務免除要請額の増額分80億円を追加負担する方向で検討。同行は「私的整理ガイドラインに基づく計画成立に向けて引き続き協力する」としている。 主力取引行である三井住友銀行が今回のスポンサー選びにどのようにかかわったかについて、フジタの中東耕執行役員は「ゴールドマン・サックスと三井住友銀が親しいのは事実だが、仲介はなかった。野村証券がアドバイザーで入札を実施した」と話した。 |
|
■2005/06/09
朝日新聞 2005年6月9日 買収風×防衛熱 会社は誰のものか ファンド 強引な変革者 そこには10社前後の企業名が並んでいた。4月下旬、市場の一部に出回った真偽不明のリスト。フジテレビとの和解で約1500億円を得て、いよいよ投資ファンド然としてきたライブドアの「次の標的」だ、とも取りざたされた――。 名指しされたIT(情報技術)企業の幹部は「相手が本気なら、やられてしまう」。急ぎ他社との資本提携話をまとめに入った。 さして大きくない会社にとって、相手を丸のみするライブドアのようなM&A(企業の合併・買収)志向の企業や、いきなり株式公開買い付け(TOB)をかけて支配権を狙ってくる投資ファンドほど、うっとうしい存在はない。 「道端にカネ」 ノーネクタイ、シャツ姿のやや小柄な米国人がビール大手、サッポロの持ち株会社を訪れたのは5月17日。ウォレン・リヒテンシュタイン氏。投資ファンド、スティール・パートナーズの創設者だ。 03年末に毛織物染色大手のソトー(愛知県一宮市)と金属加工油剤のユシロ化学工業に派手なTOBを仕掛けた。約180億円の剰余金があったソトーに、直前の水準にして38年分に当たる75億円の配当を約束させ、注目された。 モスフードサービス、ブルドックソース、ハウス食品など30社余りに1000億円超を投じ、目指すは「最低で年15%」の運用益だ。 サッポロでは約12%の筆頭株主。この日は「増配や有利子負債削減などの要望もない」(斉藤慎二専務)。他社でも「拍子抜けするほど静か」との印象を残している。 ただ、評判通りのこわもてもみせる。大手証券会社を訪ねた時には「日本人はおカネ(割安株)が道端に落ちているのに、なぜ拾わないのか」と言い放った。 ユシロ化学の吉田隆嗣社長は6月下旬の株主総会で退任する。「あんたのおかげで交代しますよ」。訪れたスティール幹部に言った冗談には皮肉も交じっていた。 ファンドに株を買われ、投資家向け説明会に熱心になるなどプラス効果はあった。05年3月期決算は最高益で、東証2部から1部への昇格もなり、吉田社長には退任の花道になった。 しかし、会社にとってファンドは依然として異物だ。「うちは決して平時ではない。いつ何を要求してくるか分からない緊張感はある」(千葉保雄常務) 取締役に招請 一方、その異物との共生を選んだ企業もある。「こちらからお願いしたんです」。即席めんの明星食品の永野博信社長は昨年暮れ、スティールの日本代表を取締役に迎えた経緯をこう話す。いま23%を持つ筆頭株主だ。 業界の競争は厳しい。加えてM&Aコンサルティング(村上ファンド)にも一時、株を買われた事情があった。「ファンドとのつきあいに精力は割けない。身近な方が気をもまずにすむ」と永野社長。 役員会は約2倍の4時間に延ばした。子会社の社長も出てデータに基づいた議論をするようにもなった。業績が悪ければ、役員の交代を求めるのは株主なら当然だ――そんな開き直りもある。 「身内の自分が言ってもだめだが、他人の意見なら聞くことがある。ファンドを利用させてもらっている」と永野社長。株価を上げたいのは、どちらも同じ。ファンドとの二人三脚が続く。 |
|
■2005/06/09
日本経済新聞夕刊 2005年6月9日 病院・老人ホームに投資 高齢化で新型ファンド 楽天証券・三井不など 市場拡大見込む 病院や老人ホームなど健康関連施設に投資する「ヘルスケアファンド」の設定が相次いでいる。高齢化の進展で有望な投資先として金融機関や不動産会社が注目しているためだ。老朽化や投資資金の不足に悩む施設に資金を供給する一方で、投資家には施設利用料を原資に配当金を支払う。一般の不動産投資に比べてリスクは高めだが、ファンド形式で分散させる。今後も設定が増えそうだ。 ネット専業証券の楽天証券は、6月中に機関投資家や富裕層を対象に有料老人ホームに投資するファンドを設定する。当初の資産額は70億円程度で数年以内に200億−300億円まで積み上げる予定。運用利回りの収入のほか、将来は不動産投資信託(REIT)への売却益も見込む。 不動産コンサルティング会社のゼクスは米国でREITを運用するLCPグループと提携し、賃貸マンションやオフィスビルだけではなく、老人ホームや高齢者向け住宅に投資するREITをつくる。早ければ今年秋の東証上場を目指す。 老人ホームに投資するファンドは三井不動産も始めており、残高は40億円程度に上る。また、銀行勢では、あおぞら銀行が100億円規模の病院再生ファンドを近く設定する。地方銀行が抱える病院向け債権を買い取って再生を手がける。 政府が発表した2005年版の高齢社会白書では、65歳以上の高齢者人口は昨年10月の2488万人から、2015年には3277万人、2050年には3586万人に増えると予測。総人口に占める割合は19.5%から、26%、35.7%にそれぞれ上昇する見込みだ。 それに伴い、「米国などに比べて普及が遅れていた高齢者向け施設などの市場拡大は続く」(KPMGヘルスケアジャパン)との指摘があり、ヘルスケアファンドは今後も増加する見込みだ。 もっとも、こうした施設は高齢者の入居期間が読みにくく、人材や設備など運営の巧拙によって計画通りの収益が上げられないリスクもある。専門知識が必要で金融機関や不動産会社単独での運用には限界がある。楽天はヘルスケア施設関連のアセットマネジメント会社であるリエゾン・パートナーズに出資、共同で運用するほか、三井不もKPMGヘルスケアジャパンの協力を受ける。 リスクを考慮して利回りは高い。楽天が7−8%、三井不が6−8%、あおぞら銀が15%程度となっている。 不動産ファンドなどは今年に入って競争が激化しており、運用利回りも低下傾向にある。今後はゴルフ場やホテルといった専門分野に特化したファンドも増えそうだ。 |
|
■2005/06/08
日本経済新聞 2005年6月8日 金融フラッシュ ヴァンネット、ワイン・ファンド10億円募集 ファンド運用のヴァンネット(東京・品川 北田朝雪代表)は、仏南西部ボルドー地方を中心とする銘醸ワインに投資するワイン・ファンドを募集する。上限は10億円で、ワイン・ファンドとしては国内最大規模。将来的に価格が上がれば投資家に利益を還元する仕組みで、元本は保証されない。運用期間は7年。 ヴァンネットは会計・税理士事務所を経営する北田氏が運営している。運用対象はシャトー・マルゴー、ラトゥール、オーブリオンなど、プリムールと呼ばれる熟成初期の高級ワイン。1口10万円で集めた資金を商法上の匿名組合に集約、ヴァンネットが投資する。 |
|
■2005/06/08
日経金融新聞 2005年6月8日 愛媛県内の7金融機関 中小再生ファンド設立へ 【松山】伊予銀行など愛媛県内の7金融機関(2銀行・5信用金庫)は総額30億円の中小企業再生基金を6月中に設立すると発表した。運営会社を近く設立する。中小企業基盤整備機構とリサ・パートナーズも参加し、当面は15社前後を支援する。 名称は「えひめ中小企業再生ファンド投資事業有限責任組合」。出資額は中小機構が15億円、伊予銀8億円、愛媛銀4億円、愛媛信金5000万円、リサ・パートナーズ子会社のリサ・リバイタル・サポート2億円など。運営会社は資本金3000万円の約3分の2をリサ・パートナーズが出し、社長も派遣する。 基金の目的は業績不振でも再生の見込みがある企業の立て直し。金融機関からの債権買い取りなどで経営を支援する。 |
|
■2005/06/07
日本経済新聞 2005年6月7日 神奈川の3セク 10億円ファンド設立 県とも連携 VBの成長支援 ベンチャー企業のインキュベーション(ふ化)施設を運営する神奈川県相模原市の第三セクター、さがみはら産業創造センター(SIC、里見昭社長)は総額10億円の投資ファンドを9月にも設立する。神奈川県央部や東京都西南部の「広域多摩」地区を中心に創業3−5年内のベンチャーに成長資金を提供する。 神奈川県は地域経済活性化の一環として「かながわベンチャー応援ファンド」の設立を地元企業に働きかけている。今回はその第四弾で、投資案件の紹介などを通じて県と連携を進める。 「SIC1号投資組合」には独立行政法人の中小企業基盤整備機構が5億円、八千代銀行が1億円を出資。このほか相模原市内に本社を置く湘南デザイン(松岡康彦社長)と権田金属工業(権田源太郎社長)の2社も計3000万円を出す。残りは県内企業から資金を集める計画だ。 投資先はSICに入居している65社だけでなく、神奈川県厚木市や八王子市、多摩市といった東京都西南部に立地する企業も含む。業種は限定せず、情報技術(IT)やバイオ、環境など幅広い企業を想定している。 ファンドの存続期間は10年だが、SICは今後も継続的にファンドを設立し、地域企業に成長資金を提供する方針だ。 神奈川県は「応援ファンド」構想で当初、今夏までに横浜銀、東京中小企業投資育成、TSUNAMIネットワークパートナーズの各社による計3本のファンド設立を想定していた。以前からファンド組成を模索していたSICが今回、県の構想に加わった。県は計4本のファンドで3−5年内に合計50−100社への投資をめざしている。 |
|
■2005/06/07
産経新聞 2005年6月7日 「ユニークファンド」続々 ワイン、映画、アイドル… 情報開示に課題 ワインや映画、アイドルタレントなどに投資する「ユニークファンド」が注目を集めている。少し前までファンやマニア向けのファンドとみられがちだったが、ペイオフの全面解禁や超低金利を背景に、運用難に悩む一般投資家も投資対象に加え始めた。ただ、高利回りを達成するファンドがある一方、頓挫するファンドもあり、真価が問われ始めている。(小熊敦郎) 平成13年にスタートしたヴァンネット(東京・品川)の「ワイン投資ファンド」は、仏ボルドー産などのワインを現地で買い入れ、値上がりを待って売却する仕組み。これまで七本のファンドを組んだが、1本目のファンドの時価が元本の約2.3倍になるなど「元本割れがひとつもない」(北田朝雪社長)好成績を残している。 最初は出資者の6割以上がワイン愛飲者だったが、現在募集中の8本目では半分以下。「問い合わせが20代から70代まで幅広い世代から来る」(北田社長)など、すそ野が広がりつつある。 個人向け映画ファンド(1口10万円から)を手がけるのは松竹。興行収入やDVDの販売収入に応じて収益を分配するもので、元本90%保証と高利回りが期待できる60%保証の2コースを設定した。 投資に不慣れな映画ファンを想定し、90%保証が大部分とみていたが、結果は60%保証が全体の6割以上にのぼった。「金融商品として投資家に認められた」(映像企画部)という。 こうした認知度アップを見込んで、アイドルの写真集やCDの売上高に応じて収益を分配する「アイドル・ファンド」を手がけるジャパン・デジタル・コンテンツ(JDC)は、今年1月に募集した2本目から幅広い投資家を意識した改善を行った。 1口5万円は変わらないが、新人のみだった1本目に対し、実績のあるアイドルも対象に加え、ヒット作を持つプロデューサーも投入。浜尾知樹企画部長は「投資判断がしやすいよう心がけた」と話す。 ただ、鳴り物入りで始まった東京・渋谷のラーメン店8店に出資する通称「ラーメン・ファンド」は目標の売上高に達せず、昨年、運用停止に追い込まれた。元本は全額返済されたため、投資家は損失を被らなかったが、配当収入はゼロだった。 第一生命経済研究所の嶌峰義清主席エコノミストは、「ユニークファンドは実績が乏しいだけに、業務計画を継続的に情報開示することが大切。投資家もより慎重に選ぶべきだ」と指摘している。 |
|
■2005/06/01
日経金融新聞 2005年6月1日 八十二銀が新ファンド 総額10億円 長野・新潟の企業に 【長野】八十二銀行グループは新規産業育成のための投資ファンド(基金)を6月1日付で設立する。基金総額は10億円で、長野県と新潟県の企業価値向上が見込める企業に投資する。 期間は10年。投資事業組合を設けて八十二銀が90%、八十二キャピタルが6%、八十二リースが4%拠出する。株式か新株予約権付社債に投資し、1件あたりの投資額は原則として5000万円以下とする。 八十二銀グループは1996年に第1号ファンドを設立。これまで5本、総額45億円の投資ファンドを設立している。「営業店から県内企業を中心に約300社の投資先候補が寄せられている」(コンサルティング営業部)ため、新ファンドの設立を決めた。 |
|
■2005/06/01
日本経済新聞 2005年6月1日 リサ、再生企業に出資 地銀などとファンド設立 不動産関連事業や企業再生を手がけるリサ・パートナーズは、ファンドを通じた再生対象企業への出資を始める。金融機関から債権を買い取って企業の債務負担を軽減する従来の再建手法に、出資による資金支援も加えて再生を速める。 地方銀行を中心とした金融機関や債権者と共同でファンドを設立。対象企業の資産査定(デューデリジェンス)を実施した上で、第三者割当増資に応じるなどして出資する。出資比率は案件に応じて決め、過半数を握ることもある。 出資後は前経営陣を総退陣させるなど経営責任を取らせ、新経営陣の選任や社外取締役の派遣で経営を掌握し、再建を進めやすいようにする。 商業施設などを持つ企業の場合、資産を流動化して事業に専念させるなど不動産関連事業のノウハウも生かす。再建の見通しが立った時点で、買い取った株式の売却などで投資を回収する。 これまではファンドで金融機関などから企業向け債権を時価で買い取り、回収を繰り延べして再生企業の債務負担を軽減。現金収支が黒字化し、金融機関からの融資が再開した後に債権を回収する形でファンドを運用していた。 |
|
■2005/06/01
日本経済新聞 2005年6月1日 不動産ファンド6社最高益 今期経常、運用資産残高が拡大 不動産私募ファンドを運用する6社の今期の連結業績は、全社が経常最高益を更新する見通しだ。地価が底打ちするなど不動産市況が復調し、ファンドへの資金流入が続いている。運用資産総額のうちオフィスビルなどに投資した運用資産残高に応じた手数料などを受け取る仕組みで、残高拡大に伴う手数料収入の伸びが好業績を支えている。 パシフィックマネジメントの経常利益は49%増えそう。自社で投資している不動産の売却が減少し売上高は7%減るが、オフィスビルに投資するファンドを新設、物件獲得が順調に増え、手数料収入が伸びる。採算の良いファンド事業が経常増益の原動力だ。 ダヴィンチ・アドバイザーズは経常67%増益の見通しだ。最大級の4000億円ファンドを設立し、物件を運用する対価である管理手数料が大幅に増加する。取得済み物件の売却が進み、成功報酬も増える。事業拡大で人件費が膨らむが、増収効果で吸収する。 ケネディクス(旧ケネディ・ウィルソン・ジャパン)は企業年金基金が出資するファンドを今期中に2本新設する。管理手数料と成功報酬で構成する事業の売上総利益が8割強増え、経常利益は41%増える。 ファンド以外の事業も収益源となる。アセット・マネジャーズの経常利益は48%増えそう。M&A(企業の合併・買収)事業も投資した企業の株式を売却するなどで利益が大幅に伸びる。 セキュアード・キャピタル・ジャパンは28%増益。債権売却が71%増の300億円と、債権投資、管理回収事業の収益拡大も利益水準を押し上げる。クリードは経常58%増益。不動産売買仲介事業の営業利益が3倍強に増加した。 |
|
■2005/05/31
日本経済新聞 2005年5月31日 一目均衡 村上ファンドと総会屋の差 元通産官僚の村上世彰氏が率いる投資ファンド、MACアセットマネジメント(村上ファンド)が株式市場で影響力を増している。10%の株式を握られた大阪証券取引所は株主総会を乗り切るため、配当を大幅に上積みした。村上ファンドはいわゆる総会屋とどう違うのだろうか。 村上ファンドは「投資判断の一環」という以外に個々の株式投資の理由を説明しないので、実際の行動を通じてしか狙いを読み取れない。ただ、配当余力の大きそうな銘柄を適切に選択、実際に大量の株式を取得したうえで企業側に圧力をかけ、増配などを引き出すことが多いようだ。 一般の機関投資家も株主配分の拡大を求めることがあるが、意に沿わなければ株主総会に増配議案を提出するというところはまれ。株式を保有し、総会の場を利用する点で「総会屋と共通する要素がある」(野村資本市場研究所の大崎貞和研究主幹)という。 ただ、村上ファンドと総会屋とは少なくとも2点で異なる。第一に保有株式数だ。総会屋は少量の株式を持つが、大量保有報告制度(5%ルール)に引っ掛かるほどは持たない。村上ファンドは5%ルールに基づいて名乗りを上げてから企業側に圧力をかけている。 第二に企業側への要求内容だ。総会屋の場合は自らの利益だけに関心がある。村上ファンドは大幅増配など株主全体の利益を計りながら、自らの利益を増やそうとしている。「利益配当以外のものを要求する」という狭義の総会屋の定義にはあてはまらない。 株式を大量に取得して値上がり益を狙う点では仕手グループと似た要素もある。経営陣が迷惑に感じる点や、村上ファンドや仕手グループの買いが市場で話題になって他の投資家の追随買いを招き、株価が大きく上昇することがある点でも同じだ。ただ、仕手グループは通常、企業側との直接交渉はしない。 こうしてみると、村上ファンドは総会屋と仕手グループを足し合わせ、不当利益の要求や不正手段による株価つり上げなど違法性がある要素を取り除き、2で割ったような存在と呼べるかもしれない。時には経営陣にきつい言葉を浴びせることもあるという。 村上ファンドのもう一つの武器は、元通産官僚というブランドだ。もし普通の資産家が大株主となって一時的な大幅増配を迫ったとしても、企業側は拝聴したうえで丁重にお断りするかもしれない。大株主が元総会屋ならば、企業側は会話をすべて録音し、脅迫を受けたと感じれば規制当局に駆け込むだろう。 この点、村上世彰氏は元官僚らしく一応、筋が通る要求をするから、世論が味方に付きやすい。しかし、決して長期株主ではない。ため込んだ利益をある一時点の株主にだけ配分するのは不公平ではないか。企業はもっと一貫した配当政策を掲げ、村上ファンドなどに「絶好の機会」を与えないようにしたい。 |
|
■2005/05/31
フジサンケイ ビジネスアイ 2005年5月31日 この会社この一手 (34) TFP不動産コンサルティング 「底地ファンド」で土地活用を支援 気軽に相談受ける“診療所”目指す バブル崩壊後、不動産業界の常識や慣例は大きく変化し、「所有する土地をいかに活用して収益を上げるか」という判断が重要になっている。専門家の知恵が求められる中、不動産の相談に気軽に応じているのが、TFP不動産コンサルティングだ。 同社は、ヘラクレス上場のTFPコンサルティンググループの子会社として1989年設立以来、不動産コンサルティングから派生する領域にも事業を広げ、新たな展開もみせている。 とくに、各方面から注目を集めるのが昨年手がけた「底地ファンド」。 底地とは借地権が設定された土地。地主と借地人の間には時に感情的なもつれから売買もままならないケースも少なくない。非常に扱いづらい不動産だ。 そこで同社は、投資家からお金を集めてファンドを形成、底地を買い取りり、借地人に売却キャピタルゲインを目指す。 当事者間の因縁が消え、期限が決まることで売却に向けて積極的な姿勢が生まれる。昨年の1号「底地ファンド」は利回り13.01%を実現して投資家にも喜ばれた。 6月22日からは、第二弾の「底地ファンド」のスタートを決定。投資家と底地を募集している。 昨年3月の村上社長就任以後は、グループの専門家集団の総力を結集し、コンサルティングの間口を広げているほか、企業意識の改善があいまって新規の受注も増えている。 その一因として、「クラブ・エントランスセミナー」の開催が挙げられる。今年に入り、「減損会計」や「相続税対策」などタイムリーな話題を取り上げて好評を博している。次回の6月3日開催のセミナーで第13を数え、「改正不動産登記法」をテーマとしてセミナーを開催する。 「病院に例えるなら、専門・細分化された大病院ではなく、どんな病気でも気軽に診察を受けられる診療所こそ目指す姿」と村上社長は語る。宅地建物取引業、一般不動産投資顧問業、一般建設業、一級建築士事務所、不動産コンサルティング技能登録、信託受益権販売業などの資格も取得して、事業の間口を拡大している。 しかも社員の大半は、ファイナンシャルプランナーで、窓口一つで多様な相談に対応する「不動産のワンストップコンサルティング」として頼れる存在だ。(チャレンジ企業取材班) ◇ 【会社概要】 ◇住所=東京都新宿区西新宿1丁目23番77号 新宿ファーストウエスト12F (TEL03・5322・3375、http://www.tfp-rc.co.jp) ◇設立=1986年 ◇資本金=1億円 ◇事業内容=相続税の物納コンサルティング、不動産有効活用コンサルティング、不動産売買仲介、賃貸物件管理など |
|
■2005/05/27
日本経済新聞 2005年5月27日 ファンド全面規制 素案判明 投資サービス法 銀行・保険も対象 金融商品に幅広く情報開示などの投資家保護ルールを設けるため金融庁が検討している「投資サービス法」の素案が26日、明らかになった。当初、想定していた証券会社や投資顧問の取扱商品に加えて、銀行や保険会社の商品も規制。企業再生などのファンドも全面的に対象に含める。 投資商品の多様化が進む中、詐欺などによる被害を防ぐ狙い。金融庁は27日の金融審議会(首相の諮問機関)で報告書のたたき台を示す。 事業再生ファンドやヘッジファンドは現在証券取引法で販売時に正しい説明を行うことなどを求めた販売規制のみがかかっている。新たな投資サービス法の対象になれば、当局への運用状況の報告や、集めたお金を顧客ごとに管理することなどが求められる。 ファンドには投資対象ごとに、商品では商品ファンド法、不動産では不動産特定共同事業法といった規制がある。しかし規制の網から漏れるものも多く、金融庁は対応が必要と判断。 こうした法の枠外にあるファンドにも金融庁への登録・届け出を求める。海外が本拠地でも日本に投資家がいれば対象となる。 融資や一般の保険商品の販売にも、より厳しい説明義務などが求められる。銀行、保険会社の反発を招く可能性が高い。 |
|
■2005/05/27
フジサンケイ ビジネスアイ 2005年5月27日 日興コーディアル 未公開株対象ファンド 国内で初の公募へ 日興コーディアル証券は、ベンチャーキャピタルなどが出資したものの、上場できない状態にある未公開企業の株式を投資対象とするファンドの公募を国内で初めて開始する。こうした企業に新たな投資を行い、その後に新規株式公開(IPO)による市場での株式売却や転売などで利益を上げる。 未公開企業への投資事業を担当するのは日興ココーディアル証券の子会社の日興アントファクトリー。同社が作るプライベートエクイティファンド「アント・ブリッジ2号投資事業有限責任組合」で、今月27日から募集する。出資金総額は200億円を予定。 同ファンドは、IPOを目指すベンチャー企業に出資した金融機関、ベンチャーキャピタル、機関投資家などから、その企業の株式を買い取り、その後のIPOなどで、利益を確保する未公開株式のセカンダリー市場への投資となる。 2000年前後に多くのベンチャーファンドが設立され、IT(情報技術)系ベンチャー企業などへの投資が相次いだが、その後のITバブル崩壊によって、当初のIPO計画から修正を余儀なくされ、上場が遅れているケースが多い。そのため、上場を待ちきれなくなった投資家が、株式の売却を検討するケースも多く、日興アントはこれらの株式を投資家から買い取る。 日興アントは、すでに、2003年10月に私募形式で出資金25億円の「アント・ブリッジ1号」を組成。04年12月には9億3000万円の利益を確保したことから、公募によって本格的に事業化することを決めた。 |
|
■2005/05/26
日本経済新聞夕刊 2005年5月26日 米買収ファンド 100億ドル調達 ブラックストーン 過去最大 米欧アジアで投資 【ニューヨーク=藤田和明】米投資会社ブラックストーン・グループは、総額100億ドル強(1兆円強)の資金を調達する。買収ファンドとしては過去最大の資金調達になる。米欧アジアなど世界の機関投資家から集めた資金で不振企業を買収、経営改革を進めて売却益を得るのが狙い。米投資会社は相次いで巨額の資金調達に動いており、買収ファンドが主導する企業再編が世界規模で加速しそうだ。 週内に年金基金や金融機関など大手機関投資家から資金の募集を本格的に始める。最終的な調達額は110億ドルに達し、同社が2002年に集めた65億ドルの2倍近い規模になる可能性がある。ファンドとしては4月にゴールドマン・サックスが85億ドルを集めたのがこれまで最高だった。 ファンドの投資対象は米欧市場が中心になりそう。経営不振企業を買収するほか、スピンオフ(事業の分離・独立)に伴って売り出される企業に投資する。日本企業が投資対象になるかどうかは明らかにしていない。 同社は素材や自動車部品、保険など幅広い業種で買収実績を持つ。3月には他のファンドと共同で、米データ管理大手サンガード・データ・システムズを買収。買収規模は113億ドルとレバレッジド・バイアウト(買収先資産を担保にした借り入れを使った買収)としては16年ぶりの大規模案件となった。 買収後は財務改善やコスト削減により収益力を立て直し、企業価値を高める。株式を上場したり、事業会社や他のファンドに企業を売却したりして投資資金を回収する。投資会社自身が巨大化し、傘下企業間での相乗効果が生まれるケースも増えている。 ブラックストーンはアジアへの進出も加速している。今月にはインドに拠点を新設し、10億ドル(1000億円強)規模の資金をインド市場に投じることを決めた。 ▼ブラックストーン・グループ 米国最大の投資会社。企業買収ファンドのほか不動産投資やヘッジファンド、コンサルティングも手掛ける。元商務長官のピーター・ピーターソン氏らが1985年に創業。過去20年間の運用資金は総額320億ドルに達する。買収実績は70社を上回り、現在の傘下企業の従業員は総勢20万人を超えるとされる。ピーターソン氏がかつて社外取締役を務めるなどソニーとも関係が深い。 最近の買収ファンドの資金調達 投資会社-----------------------調達額 ブラックストーン・グループ-----100億ドル強 ゴールドマン・サックス---------85億ドル カーライル・グループ-----------米で 78.5億ドル、欧州で22億ドル 買収ファンド 企業再編、存在感増す 企業再編における買収ファンドの存在感は増す一方だ。世界的にカネ余りが続く中、株式や債券など伝統的な投資対象では飽き足らず、ファンドへの資金流入が加速。豊富な資金を手にしたファンドはより大型の投資案件を仕掛けようとしている。 英米系調査会社ディーロジックによれば、昨年の買収ファンドによるM&A(企業の合併・買収)は総額3040億ドル。前年比64%増え、世界のM&Aに占める比率は14%に高まった。ファンドが連合を組んで大きな買収を仕掛ける例も多く、「資金不足で買収案件に手が届かないということはなくなった」(カーライル・グループ)。 米高級百貨店ニーマン・マーカスなど勝ち組企業の中にも、ファンド傘下に入って経営改革を急ぐケースも出ている。ただ、ファンド間で買収案件を奪い合うケースが相次ぎ、買収額が過度に膨らむ恐れも指摘されている。 (ニューヨーク=藤田和明) |
|
■2005/05/25
日経金融新聞 2005年5月25日 ポジション 不良債権売買、まだ宝の山? 外資ファンドに銀行マネー逆流 不良債権を中心に銀行が売却した貸出債権を市場で売買する取引が再び活況になっている。どの大手銀行も不良債権処理が峠を越え、2005年3月期決算では、その比率は2−3%に低下したもよう。本来なら、新たに市場に出てくる環境ではないはずだが、なぜなのか――。 「邦銀のバランスシート(貸借対照表)はまだ宝の山」。日本で額面4兆円強の債権を購入した米国銀行系ファンドのある幹部は今後約7兆円が市場に出回る可能性があるとみる。米系ファンドの中村博ストラテジック・バリュー・パートナーズ社長も「銀行から債権や不動産を購入し証券化商品などに変えて転売したい」と意欲を示す。 23日から順次始まった大手銀行の前3月期決算発表では、どの銀行も「不良債権は落ちるところまで落ちた」(前田晃伸みずほフィナンシャルグループ社長)と不良債権処理問題の終結を宣言する。バランスシートから不良債権が消えつつあるなか、ファンドがなお魅力的とみる視線の先は従来とは少し違う。 ターゲットにしているのは、不良債権ではないが貸し出しの回収に注意する必要がある「要注意債権」や、不良債権でも正常債権に戻れるメドがたっている「要管理債権」だ。銀行側も売る必要性は薄いが、数年後に景気が再び悪化し不良債権になる可能性を考えると、売ってもいいと感じる層だ。 「簿価の6割という高値で売れるとは」。三井住友銀行の関係者は満足げに話す。 同行が売却した不動産賃貸業、川崎定徳グループ向け債権。入札に競り勝ったローンスターは約550億円の額面を320億円程度で落札したもようだ。担保には東京・六本木周辺の優良な土地・建物が多数含まれ、再開発すれば、さらに高値で転売できると判断したもようだ。 是非売りたいと銀行が思うほどローン債権市況が好転してきた。債権売買仲介の日本ローンマーケットの荒井邦彦社長は「不良債権の玉が減ってきた事情もあり、要注意、要管理債権の相場が上昇している」と説明する。一概にはいえないが、要注意で額面の8-9割、要管理で5−6割というのが最近の相場で、この1年ほどは右肩上がりで切り上がってきた感じだという。 玉不足という事情だけではなく、地価が都心で下げ止まり、全般的に底入れムードが出てきたことも背景にある。「再生ノウハウと組み合わせて価値を高め、市況が良いうちに転売すれば、多少初期投資が高めでもおつりは十分来る」とファンド勢は踏んでいる。 債権の買い手である外資系ファンドへの資金の出し手がここにきて分厚くなっていることも、ファンドを勢いづかせている。その原動力は、外国人ではない。ほかならぬ日本の金融機関自身だ。 ベンチャーエンタープライズセンターの調査によると、国内の「再生・バイアウトファンド」出資者の20%強は日本の銀行・信用金庫・信用組合で、外国人はわずか5%弱。銀行にとって、株式は下落時にリスクを伴うため投資を控えている。債券もさらに相場が上昇する環境にはない。「代替資産としてファンド投資を増やさざるをえない」と大手銀幹部は語る。 銀行から債権を買うマネーを銀行勢が投資する。それどころか、最近は銀行勢がこうしたファンドへの融資も伸ばしている。ファンドを通した奇妙なサイクルが出来上がっている。 実は、この構図は銀行にとって「はしごを外される」懸念も潜んでいる。外資系ファンドが宝の山とみる日本の不良債権を突然見限る可能性もないとは言えないためだ。実際「日本で低利で借りた資金をドイツや中国の不良債権投資に振り向ける」という米系ファンドもある。 不良債権市場が活況という甘い話はいつまでも続くわけではない。 (杉本晶子) |
|
■2005/05/25
フジサンケイ ビジネスアイ 2005年5月25日 日興コーデ・みずほ証券 共同で不動産ファンド 数十億円規模 日興コーディアル証券とみずほ証券は24日、東京都港区にあるオフィスビル2棟を投資対象とする不動産ファンドを共同で組成し、運用を開始したと発表した。 日興コーディアルグループとみずほコーポレート銀行、みずほ証券は今年1月に株式引受業務などの分野で提携しており、今回のファンドの共同組成は、具体的な提携の成果の第一弾となる。 運用を開始したファンドは、「不動産私募ファンド」と呼ばれる。 特定少数の投資家を対象に募集し、出資者は営業者のために出資し、営業者はその出資を元手に投資した不動産の賃貸収入を得て、そこから得た利益を出資者に分配する仕組み。ファンドの規模は、数十億円程度とみられる。 商品の企画・設計は不動産私募ファンドの組成でノウハウを持つ、みずほ証券が担当。 営業は日興コーディアル証券とみずほ証券の両社がともに行い、出資者を募る。 また、投資対象となる不動産物件の選定などは、みずほフィナンシャルグループの系列不動産会社である興和不動産があたる。 |
|
■2005/05/24
日本経済新聞夕刊 2005年5月24日 みずほ・日興 共同で不動産ファンド みずほフィナンシャルグループと日興コーディアルグループは共同事業の第1号案件として不動産ファンドの組成に乗り出す。オフィスビルなどを組み込んだファンドを共同で立ち上げ、傘下の証券会社で販売する。両グループは今年1月に業態の垣根を超えて資本・業務提携に踏み切っており、今後も株式引き受けなど法人業務を中心に連携を深めていく考えだ。 今回組成するファンドは私募の匿名組合形式で、当初は数十億円程度の規模からスタートするとみられる。都内でオフィスビル数棟を購入、そこからあがる賃料収入を投資家に分配する。日興コーディアル証券、みずほ証券で主に法人顧客などを対象に販売する。 |
|
■2005/05/24
日本経済新聞夕刊 2005年5月24日 スポットライト ダヴィンチ・アドバイザーズ社長 金子 修氏(57) 不動産ファンドの先駆者 出るくいを打つ日本の空気に嫌気がさし米国で高校、大学と過ごした。結婚して東京に戻り、家業の和菓子店を数店任されたが、商売は下り坂。そこで貸した方がもうかると自分で収支を計算。さっさと店をマクドナルドなどに変え、戦後の砂糖菓子人気を引きずり店数が増えすぎた実家を業態転換してしまった。 日本の不動産ファンドビジネスの先頭ランナー。しがらみにとらわれない明敏な事業勘は半ば天性のものだ。家業立て直しで才能に目覚め再び米国へ。ハワイで知り合った弁護士と、借り入れなどで7億円ほど工面して買ったアパートを改修・分譲して利益を得たのを手始めに、不動産投資の世界に入り込んだ。 得意は相場下落時の底値買いで高いリターンを狙う「オポチュニティ(好機)投資」。1980年代、バブルに乗る日本企業が米国の不動産を競って買った時は売る側に。痛手を負っての撤退時には買う側にいた。 本場で一旗揚げ日本に「来た」のは97年。世界的に「絶好の買い場」とみてのことだ。不動産投資など見向きもされず、不動産ファンドとは何かも誰も知らない中、米国でも玄人筋の不動産投資家の資金を持ち込み東京のビルを買った。 「30年でここまで」と驚いたのは日本の変貌(へんぼう)ぶり。居心地の悪かった“護送船団”が社会の運営ルールでなくなり、変化を起こす先駆者、開拓者の声の通りが良くなっていた。 高い運用成績で海外投資家の資金を引き寄せ、2001年末に株式を上場した。競合企業に先駆けて、企業年金など保守的な日本の投資家も不動産投資に呼び込み、昨年末には4000億円規模と国内最大のファンド立ち上げにこぎ着けた。 欧米の不動産がいつ崩れるかを注視する。「日本の隠れた資源」と見る低利回りで眠る巨額のおカネを、海外の不動産市場で働かせるのが関心事という。波長が合い始めた日本に貢献する気でも出てきたか。「いや低コスト資金という宝の山をもったいないと思うだけ」。変わったのはやはり日本のほうで、異端児ぶりに変わりはない。 <<会社概要>> ▽本社 東京都中央区 ▽事業 不動産ファンド運用 ▽決算 売上高41億5600万円 純利益17億3000万円(2004年12月期連結) ▽上場 2001年12月 |
|
■2005/05/21
日本経済新聞 2005年5月21日 病院再生 大型ファンド あおぞら銀、100億円規模 地銀から債権取得 利回り年15%目標 あおぞら銀行は病院の再生支援を専門にする100億円規模のファンド(基金)を月内に新設する。地銀が抱える病院向け不良債権を買い取り、あおぞら銀の専門家が債権者として病院を経営指導。収益を改善させ元の地銀へ売り戻す。病院再生の大型ファンドは国内初。他の大手銀行も開業医向けの無担保融資を展開するなど、病院への投融資が多様化してきた。 銀行の不良債権処理は企業向けが前進したものの、地銀が抱える病院や旅館向けは遅れている。病院は常に患者を抱えているだけに、単純な廃業や厳しいリストラが難しい場合もあり、金融機関も二の足を踏んでいる。あおぞら銀は、銀行が問題のある貸出先としている病院が全国500−1000を数え、再生支援の需要は大きいとみている。 新ファンドを通じてあおぞら銀は初年度に十数件の債権買い取りを計画。1件当たり平均7億−8億円で買う。早ければ3カ月、遅くとも5年以内にその病院の再建にめどをつけ、買い取ったときよりも高値での債権売却を狙う。ファンドは年15%の利回りを見込む。 あおぞら銀は2002年度から病院再生の実績を積んでおり、医療と金融の双方に通じる専門家を活用したファンド設立で事業拡大のピッチを上げる。 病院に対し、医療制度の特殊性を踏まえながら、医師の給与下げや過剰な設備投資停止などを指導。地銀から債権を買うときから、その地銀へ売り戻すことを前提にし、再建計画も地銀と共有する。取引する地銀によるファンドへの出資も想定している。 企業の資金需要の低迷を踏まえ、大手銀行は病院への融資や経営助言に力を入れている。三井住友銀行や東京三菱銀行は開業をめざす医師向けなどに無担保融資を展開。日本政策投資銀行は千葉興業銀行と組み、病院再生融資に取り組んでいる。 厚生労働省は来年の医療制度改革で、保険給付や医療提供体制の効率化をめざしている。病院の経営環境は一層厳しくなることが予想され、大手銀行などにとっては病院再生ノウハウの蓄積が同分野での収益強化に向けて重要性を増しそうだ。 |
|
■2005/05/20
日経金融新聞 2005年5月20日 中小向けファンド相次ぐ 愛媛で再生支援 来月30億円規模 伊予銀など参加 地域金融機関や地方自治体が中小企業基盤整備機構(東京)と共同で地元中小企業の再生や育成を目的としたファンドを設立する動きが加速している。愛媛県では6月に出資総額30億円前後で再生ファンドを設立。札幌市はIT(情報技術)やバイオを中心にベンチャー企業に投資するファンドを20日に設立する。 【松山】伊予銀行や愛媛銀行など愛媛県内の金融機関が中小企業基盤整備機構と共同で、地域再生基金「えひめ中小企業再生ファンド投資事業有限責任組合」(仮称)を立ち上げる。出資総額は30億円前後になる見通し。企業再生を手掛けるリサ・パートナーズも参加し、経営は不振でも再生の見込みがある企業を立て直す。 愛媛信用金庫(松山市)など県内5信金も加わる。出資額は中小機構が15億円、残りを伊予銀8億円、愛媛銀4億円、リサ・パートナーズ2億円、信金が計7000万円などで調整している。 実際の再生実務は参加企業の共同出資会社が行う。運営では経験豊富なリサ・パートナーズが中心的な役割を果たすが、金融機関も人材を派遣するとみられる。 支援対象としては30−40社を想定。債権買い取りや出資、M&A(企業の合併・買収)など様々な手法で再生を目指す。愛媛県中小企業再生支援協議会などとも連携する。早ければ六月にも概要を発表する。 債権買い取りの場合、まずファンドが支援対象企業の経営状況や財務内容を判断し、銀行から債権を買い取る。その後立て直しの経営指導を実施して、体力を回復させたうえで債権を回収する。回収額と買い取り額の差が収益となる。収益は運営経費などに充てる。 「短期的な収益稼ぎではなく、地道な再生支援のための組織」(関係者)で、従業員の雇用や取引先との関係にも配慮するという。金融機関にとっては不振企業の債権を切り離すことで財務の健全化にもつながる。 四国では高知県で地元銀行と中小機構の出資で同様の地域再生基金を4月に発足させている。 |
|
■2005/05/18
日経金融新聞 2005年5月18日 顧客争奪戦略を聞く 富山第一銀行頭取金岡純二氏 専門拠点で個人に的 地元応援ファンドも販売 富山第一銀行(富山市)が個人向け金融商品の販売強化に動き出した。4月に個人向け商品専門の新型拠点を開設したほか、収益性も備える地元応援ファンドの販売も始めた。ペイオフ全面解禁を背景に個人資産の流動化が進む中、いかに顧客を維持・拡大していくか。金岡純二頭取に聞いた。 ――個人向け金融商品の販売に積極的だ。 「当行はかねて富裕層を中心に1口1000万円の定期預金などを販売してきたが、ペイオフ実施を背景に預金から預金以外の金融商品へのシフトは確実に進んでいる。当行の3月末の預金残高は前年同月末に比べ0.4%減。このうち法人は4.5%増、個人は0.8%減。個人預金は金額で約50億円の減少だ。一方、国債の預かり残高は73億円増え、投資信託の残高は約66億円増えた」 「顧客の間には、銀行が破たんすれば1000万円超の部分は戻ってこないが、金融商品は元本ゼロにはならないとの認識も広がっている。昨年12月に銀行による証券仲介業が可能になったこともあり、預金以外の金融商品を積極的に販売することにした」 ――全国でも珍しい個人向け金融商品の専門拠点を設けた。 「新型拠点『ファーストバンク資産運用プラザ』には新設の専門部署『金融商品サービス部』が常駐し、総勢12人が顧客ニーズにきめ細かく対応している。当行の全営業エリアを5ブロックに分け、地域別に戦略を練っている。窓口には設置ブースが二つで、1日平均約30人が訪れている。順調なスタートだと認識している」 ――商品の販売状況はどうか。 「4月1日から、富山県内の上場企業の株式を組み入れた地元応援型の投資信託『富山応援ファンド』を発売した。収益性を重視し、高利回りの外債を約80%組み入れた。現在までの累計販売額は46億7500万円。通常の営業店でも販売しているが、運用プラザ前には県内企業の株価ボードも設置しており、運用プラザ主体で販売を伸ばしている」 ――新拠点で証券仲介業も始めた。 「株式の仲介件数は実績としてはまだ1ケタ。当面は投信や国債、年金保険、外貨預金の販売が中心になるだろう。最近はインターネット証券と提携して取次業務をする銀行が出てきている。高齢者の富裕層を中心にネット売買が増えていることが背景とみられるが、当行としてもネット証券との提携は今後の検討課題に上げている」 ――金融商品の販売にはノウハウ蓄積が不可欠だ。 「これまでも有価証券の運用では高い実績がある。2004年9月中間期の有価証券の運用利回りは2.06%で全国の銀行のうち2番目。05年3月期は2.05%だが1位になった可能性が高い。証券会社への派遣研修などのほかに、専門知識やノウハウを持った行内の人材に講師を務めてもらい、株式仲介や投信販売の研修をすることも可能だ」 ――今後の展開は。 「実績を見ながら資産運用プラザの人員を増員する。他地域へのプラザの開設は考えていないが、プラザの担当者がニーズの高い営業店に出向き、商品説明や販売をすることになるだろう。顧客のもとにも営業店の渉外担当者と一緒に訪問し、販売実績を伸ばしていく。経常収益に占める手数料収入の比率は現在9.3%。今後は10%以上を目指し、収益の柱にしたい」 記者の目 販売員育成がカギ 富山第一銀行の3月末の連結自己資本比率は10.89%、実質業務純益ベースの総資産利益率(ROA、2005年3月期)は0.78%。いずれも地銀・第二地銀平均を上回っているもようで、財務の健全性を維持しつつ収益を上げていると言える。個人向け金融商品の積極展開は、資金需要の低迷下でペイオフ解禁を機に収益力をさらに強化する動きだ。 ただ、とりわけ証券仲介業は「地域銀行には採算が合わない」との声もある。金岡氏は「金融商品全体として採算が合うかが重要」と指摘する。今後、金融商品ノウハウの蓄積を進めるが、複雑化する商品に精通した販売担当者をいかに投入するかが課題だ。10月からは日本郵政公社も投資信託を販売する。競争下で手数料収入をどこまで伸ばせるかが注目される。 (富山支局 福士譲) |
|
■2005/05/17
日本経済新聞 2005年5月17日 ダヴィンチ 4000億円ファンド 前倒し募集終了 不動産私募投資ファンド大手のダヴィンチ・アドバイザーズは、昨年末に組成を始めた4000億円の私募ファンドの募集を終えた。低金利と首都圏を中心とした不動産価格の底入れを背景に、国内の機関投資家や企業年金の出資が旺盛になり、予定より半年あまり前倒しで募集が完了した。 ファンド資金のうち、私募で集めた資金1000億円の内訳は国内機関投資家が6社210億円、年金基金が6団体240億円、海外投資家が14社430億円。残りが自社と従業員による投資。 |
|
■2005/05/17
日経金融新聞 2005年5月17日 再生ファンド活性化 不良債権市場の構築を 日銀がリポート 日銀は最近の事業再生ファンドの動向を分析したリポートで、再生ファンドの活性化には不良債権の流通市場の構築が重要との見方を示した。 日銀は事業再生ファンドが増えてきた背景としてメーンバンクの役割が低下し、金融機関が同ファンドを積極活用している点などを指摘。事業再生ファンドは企業に「ノウハウの提供とリスクをとって資金を供給するという重要な機能を果たしている」と評価した。 事業再生ファンドは「損失の負担」まではしないことから、債権者間の調整で難航するケースが多いことを課題に挙げ、不良債権市場の活性化などで債権の適正な価格形成をすることが重要と指摘している。 |
|
■2005/05/17
日経金融新聞 2005年5月17日 取引所激動 証取株主厳しい視線 大証、総会へ神経戦 村上ファンド、説明責任突く 日米欧で証券取引所が激動期を迎えている。より有利な売買環境を求める利用者のニーズにこたえる形で、「地域」や「取引手法」の垣根を越えた合従連衡が急激に進む一方、調達力強化に向けた株式公開計画が進行する。新たに取引所の利害関係者として登場した株主からは、利益の足かせともなる市場規制部門のあり方などを批判する声も噴き出すなど、資本市場を支える公共財としての役割や運営手法も改めて問われている。 「村上氏の株主提案を退けるには、証券会社の協力が必要です」。大型連休明けの大阪・北浜。地元証券会社社長を訪ねた大阪証券取引所の米田道生社長は、こう言って頭を下げた。6月22日の大証の株主総会まであと1カ月あまり。大証株を大量保有する村上世彰氏のファンドとの「総会対決」に向け、票固めを急ぐ米田社長の行脚が続いている。 「30社がライン」 村上ファンドが大証株の10%を保有しているとの大量保有報告書を提出したのは先月11日。村上氏は26日には2万円の年間配当を求める株主提案を突きつけた。大証の配当予定額7000円を大きく上回り、2005年3月期の純利益20億円のほぼ全額を株主に配分するよう求める。 「株主の証券会社50社のうち30社が反対すれば村上提案を却下できる」。大証に近い関係者は「勝敗ライン」をこう読む。大証の発行済み株数は9万株だが、証券会社の多くは01年の大証の株式会社化時に割り当てられた800株を保有しており、銀行など友好的な株主と合わせれば過半数を取れるとの読みだ。 未知数の外国人 村上氏は提案の中で「大証がデリバティブ取引の決済事故時の備えに必要としている内部留保金の算定根拠が不明確」と指摘。これに対し証券界では「決済の安全性を守るのは取引所の使命。手厚い資金の確保は当然」(証券会社社長)と大証を支持する声は多い。「証券会社30社の理解を得ることは無理な話ではない」(大証幹部)との観測が広がっている。 ただ、地元証券界にも「村上提案はあながち非合理とは言えない」(地場証券首脳)との声があるのは事実。「村上氏は利益剰余金を取り崩せと言っているわけではない。内部留保をこれ以上厚くする理由を説明できなければ、その分は株主配分すべきという意見で、論理的には正しい」(同首脳)との見方だ。 さらに、外国人株主の存在が票読みを難しくしている。大証の外国人株主比率は30%台前半にまで上昇。上位10株主のうち7社までを外国系が占める。比率が15%程度とみられる個人株主がどう出るかも未知数だ。 大証が国内の証券取引所として初めて上場したのは昨年4月。「わずか1年でこんな事態になるとは想定外だった」と大証幹部はため息を漏らす。 東証“やきもき” この悩みは、年内にも上場する方向で主幹事の野村証券などと準備を進めている東京証券取引所にとっても他人事ではない。東証はカネボウの上場廃止問題に絡み、金融庁から市場運営と規制・監督部門の分離案への意見を求められている。仮に規制・監督部門を分離するならば、東証が投資家に対して示す「成長戦略」(エクイティ・ストーリー)も見直しを余儀なくされる。 株主である証券会社からは「本気で上場するつもりならば、(規制・監督部門の分離など)不透明な要因を早く払しょくして欲しい」(中堅証券)と不満の声も上がる。「利益」と「公益」のバランスや、株主、一般投資家、上場企業のそれぞれへの説明責任――。取引所は厳しい外部の目にさらされ始めた。(干場達矢) |
|
■2005/05/17
日経金融新聞 2005年5月17日 ドイツ取引所社長、事実上解任 ヘッジファンドが引導 買収計画葬る いち早く取引所の株式公開が進んだ欧州では、株主が経営への影響力を一段と強めている。 フランクフルト証券取引所などを運営するドイツ取引所。ロンドン証券取引所の買収を画策してきたヴェルナー・ザイフェルト社長が今月9日、辞任に追い込まれた。筆頭株主の英ヘッジファンドTCI(ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド)との対立が泥沼化、25日に開かれる株主総会を乗り切れないとみた監査役会による事実上の解任だった。 TCIはドイツ取引所がロンドン証取の買収提案をした直後に大株主として登場。一貫してロンドン証取買収に反対してきた。現在の保有比率は8%程度と言われる。攻防の末、ドイツ取引所は3月に買収提案を白紙撤回。ザイフェルト社長の退任により、買収の野望は完全に消え去った。 TCIの運用者クリストファー・ホーン氏はマスコミにはまず登場せず、TCIの資金の出所や本当の狙いは不明。欧州3大取引所の一つでロンドン証取を巡ってドイツ取引所と競い合う多国籍証取のユーロネクストを「より好ましい合併先」とコメントしているが、真意は不明だ。 ヘッジファンドが乱立する中、市場のすき間をついた取引では収益を上げにくくなっており、米国でも企業経営にかかわるヘッジファンドが増えている。取引所というインフラ自体が巨額の投資マネーに翻弄されている。 (フランクフルト=磯山友幸、ロンドン=田村篤士) |
|
■2005/05/16
日経金融新聞 2005年5月16日 HSBCの中国ファンドマネジャー 「元切り上げ、来年以降」3−5%ずつ 中国ファンドとしては世界最大のHSBC・GIF・チャイナ・エクイティ・ファンドのリチャード・ウォン チーフファンドマネジャーは日本経済新聞記者に対し、人民元切り上げについて「年内見送りの可能性が高い」と指摘。反日デモに伴う対中投資への影響は限定的との見方を示した。 ――米国で元の切り上げ要求が強まっている。 「切り上げは農業に響く。一方、輸入コストは削減され、製造業にはそれほどマイナスではない。このバランスを考えると、(切り上げは貧富の差を拡大するので)政府は年内の人民元制度の変更は見送るのではないか。今年は銀行改革や中日問題、台湾問題など懸案が多く、不安定要因は増やしたくないようだ」 「変動制に移行すれば投機を招き、混乱が起きやすくなる。来年以降、実質的に切り上げる場合も、米国で出ている切り上げ幅20%などはあり得ないと見ている。影響を見極めながら、3−5%ずつ徐々にしか動かさないだろう」 ――中国の景気過熱が懸念される。 「第1四半期の国内総生産(GDP)成長率の伸びは9.5%と高かった。消費、設備投資に支えられたしっかりした成長だ。しかも消費者物価上昇率は2.8%と抑制されており、過熱という状況ではない」 「構造的に見るとアジアの国・地域は1人当たりGDPが1000ドルを超えると急成長している。60年代半ばの日本、70年代初めの香港、70年代後半の韓国がそうだ。今、中国がそうした段階に差しかかっており、高度成長期に入った」 ――国営銀行の不良債権は依然高水準だ。 「不良債権比率はなお15%程度あり、以前に比べ改善しているが、完全に解決したわけではない。政府は問題を理解し、いくつかの銀行に公的資金を投入した。不良債権の新規発生は減り、心配はしていない」 ――中国株のどの銘柄に投資しているのか。 「強い需要が見込まれるのに参入障壁が高い業種に投資している。石油、ガスがその典型だ。コンテナ港のオペレーターなどもその範ちゅうに入るだろう。高成長が続くので、消費財や自動車にも注目している」 (聞き手は編集委員太田康夫) |
|
■2005/05/14
日本経済新聞夕刊 2005年5月14日 ファンド事業を拡大 不動産や未公開株投資 個人マネー狙う 中小証券 中堅・中小証券会社が相次いでファンドビジネスに乗り出す。資産運用子会社でヘッジファンドや不動産投資を新たに始める動きが目立つほか、独立系の運用会社との提携を強化するところも出てきた。低金利局面が続くなかで、高い利回りを狙うリスク商品を機動的に提供することで、個人マネーの取り込みにつなげるのが狙いだ。 4月に大阪証券取引所ヘラクレス市場に上場した金融派生商品(デリバティブ)専業のトレイダーズ証券は、傘下のトレイダーズ投資顧問を通じてヘッジファンドの運用に乗り出す。第一弾は割安な株や債券などの資産を買う一方で、割高な資産をカラ売りする「ロング・ショート型」のファンド。投資家から集めた資金を自ら運用できる投資一任業の認可を4月22日付で取得、夏から営業を始める。 エイチ・エス証券も今秋からヘッジファンド運用に参入する。2月に設立した子会社、21世紀アセットマネジメントの社長に野村証券で顧問を務めた清水孝則氏を迎えた。まずは機関投資家向けに運用を始める。年内に想定利回りで10%を狙う投資信託を個人向けに投入する。 不動産で運用する商品を拡充するのが楽天アセットマネジメント。同社はインターネット専業の楽天証券(東京・港)の子会社で、機関投資家向けの私募不動産ファンド組成に実績がある。これを個人向けに分かりやすい商品に組み替え、販売する予定だ。 各社が念頭に置くのは、低金利下、運用難に悩む個人マネーの取り込みだ。証券各社は公募投信などを資産運用会社から仕入れて販売しているが、「積極的に利回りを取りに行く商品は少ない」(ある中小証券)との不満がある。 野村ホールディングスはじめ大手3証券はすでに傘下に資産運用会社を抱え、個人向けヘッジファンド商品などの開発に取り組んでいる。ファンドビジネスへの新規参入組は、5−10%と高い利回りの実現を狙った商品を投入する。 傘下に運用子会社を置くのではなく、出資によって連携を図るのが藍沢証券(東京・中央)だ。2003年に独立系運用会社のファンドクリエーション(東京・港)に数千万円を出資。中国の不動産を運用対象とした外国籍投信や、未公開株に投資する投信など伝統的な資産とは違う運用商品をオーダーメードで組成している。 9日に設定した複数の未公開株ファンドに分散投資するファンド・オブ・ファンズ「FC J―トラスト―上場期待日本株ファンド」は約20億円を集めた。新規株式公開(IPO)ブームが続くなか、新株割り当てを受けられない個人投資家の人気を得た。 |
|
■2005/05/11
日本経済新聞 2005年5月11日 東急不動産 不動産ファンド 3年で規模1200億円に 担当部門を拡充 東急不動産は今後3年間で機関投資家向けの不動産ファンド事業を強化、運用資産規模を1200億円に拡大する。このほど担当者を増員し、4月末には商業施設に投資する新ファンドを立ち上げた。今後は半年に一つの割合で新設する。運用利回りの安定した「ミドルリスク・ミドルリターン」の不動産ファンドは機関投資家の需要が大きく、受け皿を整備する。 4月に新設した「アルカディア・プライム・リテール・ファンド」は都内と東海地方の大型複合商業施設2物件を取得した。詳細は明らかにしていないが、資産規模は225億円で、運用期間は3年間。予定投資利回りは8−9%台という。売り場面積増床など、転売を前提にした資産価値の向上も検討する。 私募ファンドを担当する部署は4月に従来の11人から20人に陣容を拡充。不動産取得と、ファンドの組成・運用管理で専任制を敷いた。複数の私募ファンドを順次立ち上げ、2008年3月末までに単独運用する資産を合計で1200億円規模に引き上げる。 東急不動産は昨年、賃貸マンションを対象にした「コンフォリア・レジデンシャル・ファンド」(資産規模300億円、利回り7−8%台)を組成。ドイツ証券と共同で運営するオフィスビルが対象の私募ファンド(290億円)は、1200億円の計画に含まないとしている。 |
|
■2005/05/11
日経金融新聞 2005年5月11日 中堅不動産各社、中・小型物件で運用 私募不動産ファンド拡大 新興三市場に上場する不動産開発や賃貸仲介の企業が私募不動産ファンド事業を拡充している。小回りを利かせた物件集めが持ち味で、不動産投資信託(REIT)や投資会社系の私募不動産ファンドが注目しない中・小規模ビルや賃貸マンションで運用する。本業で培ったテナント・入居者誘致能力を発揮。資産規模は少額だが高めの利回りを狙う。 いずれのファンドも生・損保や地銀が出資またはノンリコースローン(非そ及型融資)を提供する場合が多い。ただ資産規模が小さく、出資できる投資家は限られる。 ビル再生などのサンフロンティア不動産は九月にも、都心の中・小型中古ビルを組み入れるファンドを組成。3年の運用期間中に資産規模300億円程度にする計画だ。社内の建築請負部門がテナントのニーズに合わせた改装を実施し入居率を高め、投資家に提供する最終的な利回りは8−10%を目標にしている。 アパートなどの賃貸仲介を手掛けるアパマンショップネットワークは3月に地方都市の賃貸マンションで運用するファンドを組成。運用期間は3年で約200億円の資産規模をめざす。全国約800店のフランチャイズチェーン店を活用し優良物件と入居者を確保する。 マンションデベロッパーの明豊エンタープライズも賃貸マンションのファンドを3月に組成。将来はREITに移行する。耐用年数が長く環境配慮型とされる外断熱マンションをREITに組み入れ、上場後3年以内に1000億円の規模にする計画だ。 |
|
■2005/05/09
日本経済新聞 2005年5月9日 商店街支援ファンド 経産省 第一弾、都内で10億円 経済産業省・中小企業庁は商店街の事業者に資金提供と経営指導をする新しいファンドの仕組みを創設した。公的機関と金融機関がファンドの資金を拠出したうえで経営支援会社と業務提携し、投融資先の飲食店などに店舗の作り方や営業手法などを助言する。有力商店街のてこ入れで地域経済を活性化する狙い。政府は法改正を含めた中心市街地の活性化策を検討中で、新ファンドはその具体策の一つとなる。 第一弾として、東京都内の中野区、杉並区、福生市、羽村市を主な対象とするファンドを西武信用金庫(東京・中野)と共同で作る。資金額は10億円で、独立行政法人の中小企業基盤整備機構と西武信金グループが折半出資。飲食店の開業支援などを手掛けるベンチャー・リンクやコロンブスのたまご(東京・豊島)など5社と契約し、投融資先となる飲食店などに経営指導をしてもらう。 商店街の飲食店や雑貨店などは個人による経営が多く、金融機関から資金を借りようとしても担保がなく断られることもある。新ファンドは顧客が入りやすい店舗の内装作りなどの指導をすることで、投融資の回収確度を高める。商店街の複数の店舗に資金を投入することで集客上の相乗効果も期待できる。 公的資金が金融機関の融資回収に使われるのを防ぐため、手を組む金融機関の貸出先にファンドが投融資する際はその資金を金融機関への返済に充てることを禁じる。 |
|
■2005/05/08
日本経済新聞 2005年5月8日 ファンドでホテル開発 アーバンコーポ 共立メンテと組む 証券化を活用 不動産開発のアーバンコーポレイションは学生・社員寮運営などの共立メンテナンスと組み、証券化手法を活用したホテル開発に乗り出す。リゾートホテル向けとビジネスホテル向けに二つのファンドを設立し、宿泊施設を建設。共立メンテが運営する。 設立したのは「スプリングプロパティファンド」と「MBムートンファンド」。アーバンコーポの子会社がファンドの運営・管理を手掛ける。 スプリングは神奈川県箱根町の企業遊休地を取得。1万平方メートル超の敷地に地上5階・地下1階建て、客室数174室のリゾートホテルを11日に着工する。開業は2006年7月の予定。共立メンテに一括貸与し、賃料収入を配当原資に充てる。ファンドの資産規模は約35億円。 MBムートンは地方都市でビジネスホテルを開発する。秋田市と金沢市に温泉付きビジネスホテルの「ドーミーイン秋田」(06年6月開業予定)、「ドーミーイン金沢」(同10月)を建設する。ファンドの資産規模は約50億円。他の地方都市でもホテル開発を進め、200億−300億円に資産規模を拡大する。 ファンドによるホテルの再生事業は増えているが、開発まで手掛けるのは珍しい。 |
|
■2005/05/07
フジサンケイ ビジネスアイ 2005年5月7日 ヴァンネット ワインファンド募集 初の募集額上限設定 富裕層を狙う 国内で唯一、ワインを投資対象とするファンドを運用するヴァンネット(東京都品川区)は、初めて募集額の上限を設定したワインファンドの募集をはじめた。ペイオフ(預金などの払戻限度額を元本1000万円とその利息までとする措置)全面解禁で、資金に余裕のある富裕層をターゲットに募集する。 募集を開始したのは「2005ワイン投資ファンド」。1口10万円で最低申し込みは30口(300万円)から、10口(100万円)単位で申し込める。期間は27日までだが、上限の1万口(10億円)に達し次第、終了する。申込手数料は出資金額の3.15%となっている。 同社のワインファンドは、フランスのボルドーワインを中心に投資。醸造家が、収穫翌年から徐々に小口にして売り出すワインをファンドが購入し、熟成が進む中でタイミングを見計らって市場で売却し、収益を得る仕組みだ。 「シャトー・マルゴー」「ロマネ・コンティ」などの超高級品や、これに次ぐ高級品、新興のワイン醸造家の製品、醸造方法を変更したり醸造家が世代交代することで急に市場の評価が高まる可能性のある製品−などを組み合わせてファンドを組成する。 現物のみを対象とするが、ワインの相場動向や資産をユーロで運用することによる為替変動などのリスクがある。 2001年にワイン愛好家を中心とした出資者で、第1号ファンドを組成したが、昨年9月末時点で、2.3倍に値上がりしたほか、04年までの6号ファンドまで、いずれも値上がりしている。 ペイオフ解禁で これまでのファンドでは、特に上限は設定してこなかった。1号ファンドでは8000万円が集まったが、猛暑のためワインの当たり年となった03年もののワインを中心に組成した「2004ワイン投資ファンド」では5億2800万円と、申込額は徐々に拡大している。 今回は、「ワインファンドの認知度が高まったことと、ペイオフ解禁による投資対象多様化で注目されている」(北田朝雪ヴァンネット社長)ことから、人気が高まるとみて募集上限を設定した。すでに好調な滑り出しで、「10億円到達も堅い」(同)とみている。 ワイン、飲食店、アイドルタレントなどに投資する「変わり種ファンド」はここ数年相次いで登場した。しかし、トレイダーズ証券が販売を担当した東京・渋谷のラーメン店8店に運営資金を出し、収益確保をねらった「ラーメンファンド」は元本を投資家に返却して、運用を停止。このほかアイドルファンドも苦戦が伝えられている。 一方、ワインファンドの蓄財手法は、欧州で古くから確立されている。一般に、高級ワインは、生産量がある程度決まっているうえに年々消費されることから希少性が高まり、価格が上昇する可能性が高いという。 また、赤ワインのもつポリフェノールが、健康にいいとされ、全世界的にブームになるなど、さらに注目を集める可能性がある。 |
|
■2005/05/05
日本経済新聞 2005年5月5日 特集 変わる投資マネー ファンド、強まる発言力 ▼運用難が続くなか、高利回りを狙って機関投資家などの資金が様々な形態のファンドに流入している。 ▼経営の立て直しや資本政策の改善などをめぐり、「モノ言う株主」としてファンドの発言力が増している。 ▼株式持ち合いが進むなか、その受け皿になってきたファンドの動向が株価要因として働くケースも少なくない。 不振企業を買収したり、株式を買い占めて経営陣に配当還元を要求したりする投資ファンドの存在感が高まっている。コーポレートガバナンス(企業統治)強化の流れを受け、経営者が資本市場を向いた経営を意識し始めたためだ。従来の機関投資家と異なる行動原理は、一般の株主も巻き込んだうねりとなって、市場と企業社会を揺さぶっている。 今年3月、米投資ファンド、カーライル・グループのアジア地域担当幹部2人が独立し、新しい企業買収ファンドの運営会社、「MBKパートナーズ」を設立した。企業の非中核部門や後継者のいないオーナー企業を買収対象とし、企業価値を高めて売却する。資金規模は1000億円を超える見通しで、アジアに特化した独立系ファンドは初めてという。 投資ファンドには様々なタイプがある。バイオ、ナノテク分野の新興企業に投資するベンチャーキャピタル型、非戦略部門などを買収するバイアウト型、経営が傾いている事業会社を買収する再生型、倒産した企業債権や遊休不動産などの不良債権を買うディストレス型。MBKパートナーズはバイアウト型だ。大半は私募で、買収先を非公開化する例が多いため、「プライベートエクイティ」(未公開株投資)と総称される。 旧日本長期信用銀行(現新生銀行)を買収した米リップルウッド・ホールディングスなど、ここ数年増えたのが再生型。産業再生機構からの支援を受けたダイエーに丸紅と出資した国内系のアドバンテッジパートナーズはバイアウト型と再生型の両方の性格を持つ。再生ファンドだけで1兆円を超える投資枠が存在するとされる。買収では外部借り入れも使うことが多く、買収金額は4−5倍に膨らむ。 ニッポン放送株買い占めで知られるM&Aコンサルティングや、ソトーに買収を仕掛けた米スティール・パートナーズも投資ファンドの一種。上場株を買い占め株主還元を要求するが、株式公開買い付け(TOB)など敵対的買収を辞さないのが特徴だ。 投資ファンドが活躍し始めたのは金融機関の不良債権処理が加速、事業会社も株式持ち合い解消を進めたためだ。資金の出し手は年金基金や富裕層。高リスクながらも年20%超という投資利回りを上げる投資ファンドに人気が集まった。 米ゴールドマン・サックスは総額85億ドルという最大規模の投資ファンドを設立。ブラックストーン、ウォーバーグ・ピンカスなど米系大手3社も年内に300億ドル規模を調達する見込み。 資金のみならず、人材や経営ノウハウを投じて企業価値を上げるのが投資ファンドの目的。当初は短期的な資金回収を狙うハゲタカ・ファンドの印象が強かったが、着実に市民権を得ている。 投信、「買収候補」に的 投資ファンドの存在感の高まりで、株式市場では余剰資金を抱える「キャッシュリッチ企業」が注目されている。買収の標的にされやすい企業は、防御策として増配や自社株買いに踏み切る可能性が高いからだ。それを見越してキャッシュリッチ企業に投資する投資信託が相次いでいる。 日興アセットマネジメントはキャッシュリッチ投信を4月15日に設定。企業が増配や前向きな設備投資に資金を振り向ければ、株価の上昇が期待できるとみている。昨秋に販売期間限定で投入した大和証券投資信託委託でも先月22日に再度設定した。 個人の人気も高い。日興アセットは300億円を運用上限にしていたが、設定前の販売でほぼ上限に達したため、上限を50億円引き上げた。 昨秋以降、配当利回りに着目した投信も増えている。高い配当利回りの企業や将来の増配で利回り向上が期待できる企業などが投資対象だ。QUICK・QBRによると、世界の株式に投資するタイプも含めて、3月末の純資産残高は4700億円と半年前の約5倍に拡大した。「買収」候補に的を絞った投信は今後も増えそうだ。 地方でも活用広がる “ミニ再生機構”に 地方の中堅・中小企業の再建にもファンド活用の動きが広がっている。東京都、北海道、茨城など30強の都道府県で設定され、投資枠は計1000億円強に上る。大半は地方自治体や地方銀行が出資。地域経済を支える地元企業の経営を立て直す“ミニ産業再生機構”の役割が期待されている。 再生ファンドは地銀が不良債権として抱える貸出債権を割安な価格で買い取る業務が中核。不振企業の借入金をファンドが肩代わりし、まず経営破綻を避ける。再建が軌道に乗れば債権を銀行など外部に売却し、収益を上げる仕組みだ。 株式を取得し、経営を立て直した後、株式上場でキャピタルゲインを狙う買収ファンドとは異なるタイプが大半。そのため支援対象となるのは、過去の過剰投資などで借入金が多く財務内容は悪いが、本業が堅調で現金収入が見込める企業が中心となる。 こうしたファンドには、大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツや独立系のリサ・パートナーズなど投資会社も出資し、不良債権ビジネスのノウハウを生かして運営を支援している点も特徴だ。 もっとも、再生が容易な企業の数には限りがあるため、設定しても実際の投資が進んでいないファンドも少なくない。地方経済の再生役として力を発揮できるか真価が問われそうだ。 M&Aに詳しい弁護士の見方 業界再編 後押しの効果 新しいタイプの資本家といえる投資ファンドはM&A(企業の合併・買収)の市場を活性化させ、業界再編を後押しする効果がある。ベンチャー、バイアウト、再生型とマクロ経済の趨勢(すうせい)に合わせて投資ファンドが多様化し、あらゆる分野でのリスクマネーが用意されるようになった。一昔前は、日本の事業会社にM&Aに対する拒絶反応があったが、こうした議論は今やほとんどない。 それに対応して、売り手の事業会社の経営陣の善管注意義務などが一段と意識されるようになった。買い手のファンドを選ぶ入札選定の公正性、特定のM&A手法を選んだ合理性など、株主への説明責任も大きくなっている。投資ファンドの活躍で、買収先のデューデリジェンス(資産査定)、労務契約の見直しなど、我々弁護士も仕事が増えた。 一方、投資ファンドに出資する外国人投資家の課税強化策が取り上げられるなど、内向きの議論が出てきた。海外投資家を「ハゲタカ」と同じようにみるのは違和感を覚える。対日投資拡大の国策に矛盾するのではないか。日本経済の中期的な発展のためには、海外資金が必要。投資ファンドへの追徴課税もルールを明確化すべきだろう。また、敵対的ファンドへの対抗策として、様々な企業防衛策が政府などで検討されているようだが、経営陣に乱用されるリスクのない制度づくりが必要だ。 (アンダーソン・毛利・友常法律事務所 増田 健一氏) 投資ファンドとは Q ファンドの仕組みは。 A 機関投資家や富裕層から集めた資金を元手に、企業の株式や債権、営業権を取得する。しがらみにとらわれずに経営改革を実行し、投資先の価値が高まった後に株式や事業を売却し、利益を確保する。 Q 担い手は。 A 以前は旧日本長期信用銀行を買収したリップルウッド・ホールディングスなど外資系投資会社の存在感が高かったが、最近は国内勢も力をつけてきた。産業再生機構のスポンサー入札で多くのファンドが競い合ったのは記憶に新しい。 Q どんな支援をするのか。 A 不振企業の再建が目的の場合、経営トップを派遣し、不採算事業からの撤退と本業への集中、財務リストラを徹底し、収益力を上げる。一方、村上ファンドなどは株主の立場から効率的な経営を迫り、株価の引き上げを狙う。 Q 今後の見通しは。 A ここにきてファンドの乱立が目立ち、競争が激しくなってきた。優良な案件は買収価格が上昇している。投資回収が想定を下回る例も出てきそうだ。 ▽地域再生ファンドが急増、投資枠1200億円超(4月19日) ▽豊富な資金を抱える企業に投資する投信相次ぐ(4月13日) ▽村上ファンドが大阪証券取引所株を一〇%取得(4月12日) ▽米ゴールドマン・サックスが西武鉄道買収を提案(3月25日) ▽ダイエー、丸紅・アドバンテッジパートナーズ支援(3月8日) |
|
■2005/04/28
日経金融新聞 2005年4月28日 道内初「ご当地ファンド」 北洋銀、6月下旬から販売 北洋銀行は6月下旬から、北海道内の上場企業の株式などを運用対象とする地域限定型の株式投資信託の販売を始める。運用対象を道民に身近な企業に限定する「ご当地ファンド」の取り扱いは道内では初めて。道内企業の株価上昇を後押しするほか、投信になじみの薄い顧客を開拓する狙いがある。 北洋銀は手数料収入の増加につながる投信販売を積極化しており、同ファンドは当初30億円、将来は100億円規模に拡大したいとしている。 実際の運用は大和証券投資信託委託(東京・中央)が担当。道内に本社を置く上場企業と道内で雇用している道外上場企業の株式を全体の2−3割組み入れる。例えば、時価総額の大きい北海道電力などが投資対象となりそうだ。残りは運用の安定性を高めるため外国債券とする。 北洋銀行全店(一部出張所除く)のほか、札幌銀行と地場証券の上光証券(札幌市)でも販売する。 道外では百五銀行や愛知銀行など4行が東海地方の企業に運用対象を限定した個人向け投信を販売するなど、ご当地ファンドを扱う金融機関が増えている。(札幌) |
|
■2005/04/28
日本経済新聞夕刊 2005年4月28日 不動産ファンド 高利回り転機、仕入れ価格上昇、REITに活路 個人投資家に照準 不動産ファンド運用会社が、個人投資家の間で人気が高まっている不動産投資信託(REIT)に相次ぎ進出する。不動産仕入れ価格の上昇で、今後は機関投資家に高い運用利回りを確保するのが難しくなるとみて、比較的要求利回りが低い個人投資家層を新たに開拓する。各社は小型物件を多く保有しており、REITに投資する個人の選択肢が広がりそうだ。 不動産ファンドは、不良債権処理などで放出される不動産を購入、改修や入居者の底上げなどで価値を高めて売却する。公募で資金を集めて上場しているREITに対し、私募ファンドと呼ばれる。ダヴィンチ・アドバイザーズなど有力4社が、私募ファンドで保有する物件などでREITを組成し、年内に投資法人を東京証券取引所などに上場させる見通しだ。 REITの利回りは現在、4%弱。これに対し私募ファンドは20%を超える高い利回りを出したものもある。米国の不動産専門の投資資金に続いて、昨年以降は企業年金や機関投資家の国内資金が一気に流入。住信基礎研究所によると、運用資産は2兆円強と、REITに並ぶ規模となった。 ただ相次いで設立したファンドによる物件獲得競争が過熱化しているほか、都市部の地価が底入れし不動産仕入れ価格が上昇。今後は運用利回りが低下する懸念が強まってきた。このため高利回りを狙って積み上げた資産をREITに徐々に転換し、安定利回りを確保したい個人にも投資家層を広げることにした。 ダヴィンチはオフィスビル特化型のREITを資産規模500億円程度でスタート。同社の保有資産は現在私募ファンドのみの2000億円強だが、3年後にはファンド2600億円に対し、REITの運用資産を8000億円に増やす。ケネディ・ウィルソン・ジャパンも上場後地方の政令指定都市の不動産も組み込み、資産規模を数千億円に拡大する。 今秋上場が目標のアセット・マネジャーズは当初オフィスビル、商業施設、住宅など500億円規模でスタートする。クリードは投資対象を単身者や子供のいない夫婦向けなど少人数世帯向けのマンションに特化する。今年半ばに複数の不動産を一本のREITにまとめて上場させる予定。 私募ファンドのREIT進出で銘柄も多様化しそう。大手不動産会社が運用する既存REITは、1物件が100億円を超える東京都心の大型オフィスビルなどが中核資産。これに対し私募ファンドは1件が数億−数十億円で、対象も住宅やホテルなど幅広い。特定の不動産に絞ったREITを組成する企業もあり、個人投資家にとっては選択肢が広がる。 |
|
■2005/04/27
日経金融新聞 2005年4月27日 シグナル 不動産ファンド活用増える マンション開発で脚光 マンション開発会社と不動産ファンドなど運用会社との融合が進んでいる。マンション開発会社が投資家の資金を活用したマンション開発やファンド運用に取り組む一方、運用会社は開発事業に参入し始めた。開発会社は投資家の資金を導入することで売却先を確保できるうえ、資金負担を減らせる。運用会社も開発段階から関与することで物件を確保できるなどニーズが一致していることが背景にある。 ゼファーは3月、入居者が決まっていないマンションを特別目的会社(SPC)を活用して証券化した。マンション賃料収入などを裏付けに信託受益権を発行、受益権を担保に新規の開発資金を調達する仕組みだ。2月には商業施設で運用する不動産私募ファンドを設立し、物件の管理手数料や売却益を見込んでいる。マンション分譲に先行き不透明感が広がるなか、「投資家の資金を活用した流動化を分譲に並ぶ収益の柱にしたい」(井沢康平専務)という。 藤和不動産や日本綜合地所も2005年3月期から、SPCを活用したマンション開発を進めている。日綜地所はSPCを通じて商業用不動産ローン担保証券(CMBS)を90億円発行し、機関投資家から開発資金を調達した。「銀行借入に比べるとコストはやや割高だが、負債の削減や投資家との関係強化につながる利点がある」(藤和不)という。 一方、不動産ファンドを運用する会社がマンション開発事業に参入する動きが出ている。都心では物件取得競争が激しくなっており、開発段階から参加することで物件を安定確保する狙い。パシフィックマネジメントはシーズクリエイトなどマンション開発業者と連携して賃貸マンションを開発、運用する不動産ファンドに組み入れる。セキュアード・キャピタル・ジャパンも、地方都市のマンション取得を目的に地方デベロッパーと協力する計画だ。 |
|
■2005/04/26
日経金融新聞 2005年4月26日 列島金融ファイル 東北発 東北ベンチャーファンド1年 東北の自治体と民間企業が共同出資する全国でも最大規模の地域ベンチャーファンド「東北インキュベーション」が本格的に動き出して1年が経過した。大学発ベンチャーに絞った出資先は12社で、累計出資額は11億円になった。リスクマネーの供給元が乏しく、「ベンチャー企業が育ちにくい」と言われた東北で、このファンドの活動が地域に刺激を与えつつある。 仙台市郊外で今秋、MEMS(微少電子機械システム)開発を手がける東北大発ベンチャー、メムス・コア(仙台市)の新生産ラインが本格稼働する。MEMSはシリコンウエハーの上に、センサーなどを載せた装置で、自動車のエアバッグの制御システムなどに使われている。新生産ラインは現行の4インチウエハーより高度な生産技術を要する6インチウエハー用。同社は昨年4月、東北インキュベーションの第1号出資企業として、9000万円の出資を受けており、この資金をライン増設に充てた。 同社は2001年の設立。設立後数年間はMEMS技術も今ほど注目されていなかった。「銀行などは融資に二の足を踏んでいた」と本間孝治社長は打ち明ける。先端技術だけに、研究開発にも製造設備にもお金がかかる。資金調達に奔走していた本間社長にとって、ファンドの設立は渡りに船だった。 今年2月に1億2000万円の追加出資を受け、研究開発を加速している。現在は自動車メーカーなど大手企業からの委託生産が売上高の8割を占めるが、今後は自社開発製品の本格的な販売に乗り出す。これを08年に軌道に乗せるとともに、同じ年に株式を上場したい考えだ。「メムス・コアに続け」。ファンド運営を受託する東北イノベーションキャピタル(仙台市)に事業計画を持ち込むベンチャー経営者が引きも切らない。 ファンドは東北大学、東北経済連合会、宮城県、仙台市のトップが集まり、創設を決めた。日本政策投資銀行の「大学発ファンド」制度を活用。東北各県や地銀などが30億円を出資して昨年3月に発足した。「公共事業の長引く不振や生産拠点の海外移転が進むなかで、低迷する地域経済への危機感が強まっていた」と関係者は振り返る。 リスクマネーが不足するだけでなく、起業も少なく、大手VCが相次いで東北を去った経緯がある。「故郷に貢献したい」とファンド運営を引き受けた東北イノベーションキャピタルの熊谷巧社長自身も、ベンチャーを育てる風土の乏しさを感じていた。「月1社というハイペースで出資が実現するとは思わなかった」と驚く。 熊谷社長はかつて日興キャピタル(現日興アントファクトリー)の社長として、浜松ホトニクスなどハイテク企業の上場を支えた経験がある。東北各県を歩いた熊谷氏は、意外とも言えるほど多くのシーズ(事業の種)があることに気付いた。「優れた技術があっても、経営は未熟でPRも下手なことが成長を阻んでいた」とみる。 きめ細かなサポートが必要だと考え、事業計画の立案だけでなく、元ソニーの技術者など多様な経験を積んだ役員たちが生産現場に入り込んでアドバイスする仕組みを取り入れた。成長段階に応じて追加出資する「マイルストーン」型投資も特徴だ。「自らファンド運営会社を設立したときに、大手リース会社に冷たい対応をされた経験も役立っている」(熊谷氏)。 年内にも出資先の1社が上場を果たす見通しだ。「リターンが得られることを見せれば、新たな資金の呼び水にもなる」とファンド側は期待している。1年後をめどに第二ファンドを立ち上げる構想もある。ベンチャー不毛の地という汚名返上に向け、ファンドの成否が問われることになりそうだ。(仙台支局 堤篤史) |
|
■2005/04/26
日経金融新聞 2005年4月26日 ASSET 2年後 経常利益2.2倍めざす 不動産ファンド拡大 不動産などのファンドを運営するアセット・マネジャーズ(2337)は2006年2月期から始まる中期経営計画をまとめた。ファンドで投資している不動産と未上場企業の株式を売却するなどし、最終年度の07年2月期に連結経常利益を05年2月期比2.2倍の87億円に引き上げる。売上高も150億円を上回る見通しだ。 07年2月期の売上高は前期比2倍の152億円を見込む。主力の不動産ファンド事業では、今年2月末時点で1507億円の資産運用残高を毎月平均60億円のペースで増やす。管理手数料や成功報酬が増え、同事業の売上高は60億-70億円になりそうだ。 資産を増やすにあたっては完成済みのオフィスビルやマンション、商業施設のほか、中古の物件を複数買い取り、取り壊した後で新しいオフィスビルなどを建設、売却する開発型の案件も増やしていく。 企業の合併・買収(M&A)事業は30億-40億円の売上高を見込む。国内外の株式公開を間近に控えた企業に出資、上場した後、売却益を得る新規株式公開(IPO)ファンド業務で、すでに中国のがん治療機器製造会社と電気メーターの製造会社に出資済み。出資企業を米国や香港市場に上場させる。 同社の売上原価は、不動産ファンドでは物件取得の際の仲介手数料、M&A事業では企業の資産査定(デューデリジェンス)などの費用が占める。売上高原価率は07年2月期も前期並みの10%前後とみている。 不動産ファンド、M&A事業の拡大に伴い、ASSET本体の従業員数(2月末時点で39人)を毎年10-15人増やすほか、経営再建にあたっているホテルや卸売市場の人員も増えそう。このため人件費を中心に販管費は増える見通しだが、売上高販管費比率は30%台後半以内に抑制。純利益は1.8倍の42億円を見込んでいる。 中期計画期間中の経常利益は2年間で145億円になるとみており、このうち不動産ファンドで最低60億円、IPOファンドで同30億円を上げる計画にしている。 |
|
■2005/04/26
日経金融新聞 2005年4月26日 北海道銀 小口不動産を流動化 住友信託と共同ファンド 【札幌】北海道銀行は賃貸マンションや商業ビルなど小口不動産を対象にした流動化サービスを始めた。複数の顧客の不動産をまとめて流動化することで、コストを抑える手法を採用する。これまで手掛けていなかった数億円の小口物件でも対応できるとしている。 道銀は住友信託銀行と共同で不動産流動化ファンドを組成。そのファンドを通じて特定目的会社(SPC)に資金を提供する。顧客はSPCに不動産を売却。購入したSPCは一定期間後に道内企業などに不動産を転売する。 顧客は不動産をSPCに売却することで資金調達とバランスシートのスリム化が可能となる。道銀はファンドを通じた資金提供による配当収入のほか、SPCに不動産購入資金を融資することで金利収入を得ることができる。これまでは流動化の対象となる不動産ごとにSPCを設立するのが一般的で、費用負担が重かった。 |
|
■2005/04/24
日本経済新聞 2005年4月24日 かんたん!マネー学 Q最近、ファンド・オブ・ファンズという言葉をよく聞きますが Q最近、ファンド・オブ・ファンズという言葉をよく聞きますが、何ですか? ファンド・オブ・ファンズ(FOF)とは、集めた資金を複数の投資信託(ファンド)に分散投資する投信です。つまり「投信に投資する投信」ですね。そうすることで、どこか特定の投信が運用に失敗した場合でも、全体に与える影響を小さくすることが狙いです。個人にとっては、リスク分散のためにたくさんの投信を買うのは資金面で難しいですが、有力投信に同時に投資してくれるFOFなら、1万円程度から買えるというわけです。 1998年12月に外国投信型FOFの国内での公募販売が解禁され、99年7月からは国内型投信も販売できるようになりました。03年7月からは全額を不動産投信(REIT)で運用するFOFも認められました。QUICK・QBRの調べでは、FOFの純資産残高は4月15日時点で3兆2475億円と急速に増えています。ただFOFは投信を二重に購入することになるため、運用手数料が通常の投信より割高になることが多いことに注意も必要です。 |
|
■2005/04/19
日本経済新聞 2005年4月19日 東京三菱・政策投資銀 不良債権購入、無保証で融資 地域再生ファンド向け まず15億円 東京三菱銀行と日本政策投資銀行は、地域再生ファンドへの新たな協調融資に乗り出した。ファンドが地方銀行などから中堅・中小企業向けの不良債権を買い取るのに必要な資金を無保証で貸し出すのが特徴。ファンドにとっては債権買い取りの資金枠が広がり、企業再生戦略の機動性も高まるとみられる。 協調融資の第一弾はジェイ・ウィル・パートナーズ(東京・中央、佐藤雅典社長)の地域再生ファンドが対象。特定目的会社(SPC)向けに東京三菱銀と政投銀が合計15億円を融資した。 この融資は返済原資を不良債権の回収だけに限定し、ジェイ・ウィル本体の保証を求めない「ノンリコースローン」。この形式は不動産ファンドなどでは普及しているが、地銀の不良債権を対象とするローンとしては初めてという。 ジェイ・ウィルは福岡銀行、千葉銀行などの地銀と提携したファンドを全国各地で組成。地銀から地方企業の不良債権を購入している。これまでは機関投資家から集めたお金(出資金)で購入していたが、銀行融資を加えると購入枠は約3倍に増え、ファンドの投資効率が高まる。 貸し出し需要の低迷に直面している銀行にとっては収益機会が広がる利点がある。 不良債権を購入する地域再生ファンドは増加の一途をたどっており、ファンドによる資金需要を見込んで地銀などが東京三菱銀に追随する動きも出そうだ。 不良債権は将来どこまで回収できるか評価が難しく、ノンリコースローンになじみにくいといわれてきた。だが、東京三菱銀と政投銀は債務者である10社程度の中堅・中小企業の再建状況を6カ月ごとに点検するほか、優先的に元利金が返済される仕組みも導入。リスクを抑えて融資する道を開いた。 ▼地域再生ファンド 地方の中堅・中小企業を投資対象とした企業再生ファンド。株式を購入する買収ファンドと異なり、取引金融機関から貸出債権を買い取って債権者の立場で経営を再建するのが一般的。企業価値を高め、債権の転売などで投資を回収する。 |
|
■2005/04/19
日本経済新聞 2005年4月19日 地域再生 43ファンド、1200億円超 地銀積極活用で急増 地域再生ファンドが急増している。政投銀の調べによると15日までに設立されたファンドは43、投資枠は1200億円を上回った。不良債権処理を急ぐ地方銀行が積極的に活用しているためだ。 地銀がファンドを活用する狙いは、不良債権圧縮と営業基盤の維持を両立させること。貸出先が特定地域に集中している地銀が単純に不良債権を外部に売却すると、顧客基盤を失いかねない。 自らが出資するファンドを受け皿に不良債権を売却すれば、帳簿から不良債権を切り離しつつ、ファンドを通じて取引先の経営不振企業との関係を維持できる。不振企業が「正常先」になれば、債権を買い戻すなどして取引を再開できる。 こうした地銀側の需要を取り込み、共同でファンド設立に動いている投資会社はジェイ・ウィル・パートナーズ、リサ・パートナーズ、BNPパリバ系のルネッサンスキャピタルマネジメント、オリックスなどで、43ファンドの半数以上を占める。 産業・金融再生の主舞台は地域金融機関とその取引先に移る。 |
|
■2005/04/19
日本経済新聞夕刊 2005年4月19日 不動産投信ファンド 1年で4倍 残高8400億円 1口1万円から 個人に人気 複数の不動産投資信託(REIT)で運用する不動産投信ファンドの販売が急増している。3月末の純資産残高は8400億円と1年前の4倍に拡大した。円相場の変動などで元本割れとなるリスクはあるものの、国内低金利の長期化を背景に配当利回りの高さなどに着目した個人マネーが流入している。 不動産投信は商業施設やオフィスビルなどに投資して賃料収入を配当に充てる。だが、1口購入するのに最低でも数十万円必要で一般の個人には手が出しにくい。 そこで登場したのが小口の資金を集め、複数の不動産投信に投資する不動産投信ファンドだ。2003年7月に設定・販売が解禁された。証券会社のほか銀行の窓口でも1口1万円程度から購入できる。8000億円を突破した現在の残高は投資信託の主要商品の一つMMF(マネー・マネージメント・ファンド)の4分の1の規模。運用本数は50に増えた。 大半が1年に複数回決算するタイプで、毎月決算し分配金を支払う「毎月分配型」が7割強。年金以外に定期収入がない高齢者層などを中心に人気だ。配当利回りは年3−4%前後と国内預金金利などに比べ高い。賃料収入が裏付けのため、株式投信に比べ価格変動リスクが小さく、銀行が窓口で販売しやすいことも残高拡大の一因だ。 運用対象別に見ると、3月末の50本のうち米国やオーストラリアなど海外の不動産投信を組み入れるタイプが31本を占める。最も規模が大きいのは日興アセットマネジメントが昨年1月に設定した「日興・AMPグローバルREITファンド」で、3月末の純資産残高は1264億円に膨らんだ。 世界各国の不動産投信に分散投資することで市況悪化のリスクを軽減できる。ただ、為替変動をヘッジ(回避)していない商品の場合、円高が進めば円建てで値下がり損が発生し、元本割れとなるリスクもある。 |
|
■2005/04/18
日経金融新聞 2005年4月18日 ファンド販売額13%減 2004年度 運用額は7年連続減 日本商品投資販売業協会(東京・港)によると、2004年度の国内商品ファンド販売額は182億円で前年度に比べ27億円(13%)減少した。12本が新規に設定されたが、販売力不足などから、資金募集が低水準にとどまるファンドが多かった。 昨年度末(2005年3月末)時点の運用本数は前年同期に比べ2本少ない28本だった。運用総額は177億円(28%)減の449億円と7年連続で減少した。 昨年度は償還を迎えたファンドが14本あった。住友信託銀行やオリックスなどの元本確保型「リーディングヒッターファンド2」「同3」のほか、岡藤商事などの「クラッスラ・ファンド」など比較的販売額の多かったファンドが償還され、運用総額の減少につながった。 今年3月の販売額は10億円と前年同月に比べ66%増えた。個別ファンドの販売額トップは岡藤商事などの「クラッスラ・ファンドII」の2億6700万円だった。 |
|
■2005/04/14
日本経済新聞 2005年4月14日 企業の不動産流動化 住友信託、地銀と提携 まず道銀とファンド 住友信託銀行は地方銀行と提携し、地銀の取引先企業が持つ不動産の流動化事業に乗り出す。地銀が複数の中小企業を束ねて仲介することで、これまで扱えなかった小規模な不動産をまとめて流動化するのが特徴。地銀側は顧客企業に新たな資金調達手段を提供でき、取引先支援につながる。住友信託も営業拠点のない地域での手数料収入を増やせる利点がある。 第一弾として北海道銀行と提携。北海道銀の取引先企業が持つ賃貸マンションや商業ビルを住友信託に信託する。住友信託は家賃収入など不動産から上がる利益を受け取る権利(受益権)を、専用に設立した特別目的会社(SPC)に売却。売却代金を企業に返し、資金を供給する。 SPCが受益権を買い取る資金は、住友信託と北海道銀が共同で設立する不動産投資ファンドが拠出する。他の銀行や外資系金融機関などからも融資を募り、合計で数十億円規模の資金を出資や融資の形で供給する。 家賃収入はSPCを通じて各金融機関に配当される。物件の収益性を上げるための改装や管理会社の選定は住友信託のノウハウを活用。収益が増えれば金融機関は投資した資金を回収し、利益を上げられる。 不動産の流動化は通常、大規模な物件を持つ大企業が対象。地銀の主な取引先である中小企業は単独では信託銀行と契約しにくかった。提携により、北海道銀は新たなサービスを取引先企業に提供し、リレーションシップバンキング(地域密着型金融)機能を強化できる。 バブル崩壊後、下落の一途をたどった地価は大都市圏で上昇の兆しが出ているものの、地方都市では低迷が続いている。住友信託は、大都市圏での投資を続けてきた外資系ファンドなどが今後、地方への分散を進めるため、地方物件の需要は高まるとみている。 住友信託は支店がない地域での営業強化のため、全国の地銀・第二地銀との提携強化に乗り出している。地銀の業務支援はメガバンクが系列地銀に対して実施することが多かったが、メガバンクは不良債権処理の進展もあって地方支店を使った独自の営業に乗り出し、地銀と競合し始めている。住友信託は特定のグループに属さない独立系の強みを生かし、融資などでは競合しない協調路線で提携先を増やす。 |
|
■2005/04/14
日本経済新聞 2005年4月14日 カルパースが出資、2号ファンド設立 セキュアード総額700億円 不動産ファンドのセキュアード・キャピタル・ジャパンは13日、米国最大の年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)から出資を受けた、資産総額700億円のファンドを組成したと発表した。カルパースから資金運用を受託する不動産投資ファンドは2本目。企業が減損会計処理や経営再建の過程で売却する物件などにも投資する。 カルパースが約1億ドル(100億円強)を出すほか米生命保険大手のパシフィック・ライフ保険などが出資。全体の7割程度は借り入れ調達となる。出資金の最終利回りは10%台後半を目指す。 昨年3月カルパースの出資を受け組成した600億円の1号ファンドは今月までに全額投資を済ませた。カルパースは日本の不動産について、投資用不動産市場の拡大や不動産運営の効率化余地が大きいことなどから、世界的に見て依然、投資の好機とみている。ファンド手数料のセキュアードの業績への本格寄与は2006年12月期以降となる。 |
|
■2005/04/13
日経金融新聞 2005年4月13日 不動産ファンド 販売競う 個人富裕層に的 運営各社 専門部署新設も 不動産ファンド運営各社が出資者の獲得に向け、新たなファンド設立や販売体制の強化を進めている。個人富裕層からの出資を狙うファンドを設けたり、募集を委託する証券会社に運用計画などを詳細に説明する専門担当者を置き、出資獲得を強化し始めた。私募不動産ファンド市場は昨年末、2兆円強に達したが、金融商品としての認知度はまだ限られている。 不動産鑑定・投資会社のエー・ディー・ワークス(東京・中央、田中秀夫代表)は個人投資家向けの私募不動産ファンドを今月立ち上げた。年8-10%の利回りを目指す。借り入れ部分を含めた運用資産規模は30億円。安定的な賃料収入が見込める首都圏の賃貸マンションとオフィスビルを中心に組み入れる。 私募不動産ファンドは機関投資家向けが大半で、個人向けは珍しい。都心部の地価上昇で上場不動産投資信託(REIT)の配当利回りは3%台後半まで低下しており、REITの利回りでは満足できない富裕層の資金獲得を狙う。今後も同規模のファンドを年3本程度設定する方針だ。 地方企業の再生ファンドなどで地銀との関係を強めているリサ・パートナーズは、不動産ファンドの設立を検討する。同社では「地銀は株式や債券以外のオルタナティブ(代替)投資の需要が大きい」と見ている。 一方、クリードはファンド運営子会社にファンドマーケティング部を設置した。この専門部署を通じ、国内大手や外資系の証券会社にファンドの運用計画を説明し、出資者の募集を委託するようにした。設置後募集を始めたファンドは2本で、80億−100億円規模。約半分が地銀、損保を中心とした新たな国内機関投資家になる見通しで、早速効果が表れた形だ。 ケネディ・ウィルソン・ジャパンも今月、業務企画部を発足した。地銀や企業の資金も引き入れるため、証券会社、信託銀行を回り、運用状況や新ファンドの計画について定期的に説明する。 |
|
■2005/04/12
日本経済新聞 2005年4月12日 サンフロンティア 都心のビル再生、300億円ファンド ビル再生などのサンフロンティア不動産は今年九月をメドに中古ビルを購入、再生するための私募不動産ファンドを組成する。まず資産規模50億円で運用を始め、300億円の調達をめざす。千代田、港、中央の各区の中小型ビルに集中投資して再生事業を加速。自社保有の賃貸ビルの売却先としてもファンドを活用する。 サンフロンティアは老朽化したビルを購入し、改装後に賃貸仲介で築いた情報網を使ってテナントを集める。ビルは不動産会社などに売却するほか、自社ビルとして賃料収入を得る。従来は購入価格が10億円程度のビルが中心だったが、ファンド資金で50億−100億円の物件にも対象を広げる。 ファンド資金の七割は銀行から非遡及(そきゅう)型融資で調達する。サンフロンティアも出資する。運用期間は3年の予定で、最終利回りは8−10%を目標にしている。終了後は不動産投資信託に売却する。 都内では不動産ファンドによる新築ビルの取得競争が激化している。サンフロンティアは再生ビルの販売データを基に、採算の合う仕入れ価格と改装コストを算出。社内に工事請負部門を持つため、テナントのニーズに合わせた改装が可能で、ビルの入居率を高める。 |
|
■2005/04/09
日本経済新聞 2005年4月9日 米カーライル元幹部3人 1000億円ファンド設立 日中韓などアジア特化 米大手投資会社、カーライル・グループの元幹部3人が、10億ドル(約1000億円)規模の投資ファンドを立ち上げる。大企業の非中核部門や後継者のいないオーナー企業などが投資対象。日本、中国、韓国の東アジア地域に特化する。 名称は、MBKパートナーズ。東京、上海、ソウルに拠点を置く。3月初旬までカーライルのアジア地域部門を統括していたマイケル・キム氏、同元中国代表のケー・シー・クン氏が同社から独立し、同元日本代表だった静永賢介氏と組んで共同パートナー(経営責任者)になる。米ニューブリッジ、JPモルガンなど欧米系ファンドの多くがアジアで投資業務を展開するが、独立系運用会社でアジアに特化したファンドは珍しい。 投資資金は欧米の公的年金、企業年金などの機関投資家が大半。日本での資金調達も検討する。年内をメドに募集を締め切るが、十億ドルを超える見通しという。 投資利回りは年25−30%を目指す。大企業の非中核部門、戦略上必要なくなった多国籍業の日本子会社、ファミリー企業などを買収して株主価値を高める。株式の非公開化を目指す中堅の上場企業も身売りニーズが高いと見ている。 |
|
■2005/04/08
日経金融新聞 2005年4月8日 ベンチャーファンド 県外企業にも出資 埼玉りそな銀、都内など 【さいたま】埼玉りそな銀行のベンチャーファンド「Vファンド」が、県外企業への出資に乗り出した。従来は県内企業だけだったが、東京都と群馬県のバイオベンチャーに出資。これらの企業が将来成長し埼玉県でも事業を展開すれば、融資などの取引を拡大できると判断した。 このほど脊髄(せきずい)損傷の治療薬の研究・開発を進めるGBS研究所(東京・新宿)に5000万円、アミノ酸の化合物であるペプチドの解析を手がけるペプタイドドア(群馬県高崎市)に3000万円を出資した。 GBS研究所は慶応大学医学部初のバイオベンチャー。一方、ペプタイドドアは東証一部上場の太陽誘電の社員が経営陣による企業買収(MBO)で設立。「他社でもあまり例がない専門分野を研究しており、今後会社として成長が期待できる」(埼玉りそな銀の新事業支援室) 埼玉りそな銀は「Vファンド」を2004年春に設立。原則は埼玉県の企業が対象で、過去出資した2社も県内ベンチャーだった。ただ、今回はGBS研究所の役員に県内出身者がいたことや、ペプタイドドアが埼玉県内の営業展開を検討していることを考慮。事業が拡大すれば融資などの取引も期待でき、県外企業への出資に踏み切った。 |
|
■2005/04/08
日経金融新聞 2005年4月8日 四国銀・高知銀など 地域再生ファンド組成 総額20億円 債権買い取り 四国銀行と高知銀行、中小企業基盤整備機構などは高知県内にある中小企業を対象にした地域再生ファンド「南国土佐再生ファンド投資事業有限責任組合」を設立した。出資総額は20億円。経営不振だが、再生可能性のある中小企業向けの債権を金融機関から買い取ることなどで、対象企業の経営を立て直す。 ファンドへの出資比率は中小機構が50%、四国銀が39%、高知銀が10%、四国銀の子会社で投資業務の四銀キャピタルリサーチ(高知市)が1%。無限責任組合員は4銀キャピタルで、投資先の選定と経営支援などを担う。 再生ファンドは@対象会社に出資A債権者から対象会社の債権買い取り――の二通りの方法がある。高知の中小企業は規模が小さく出資後に上場や売却が難しいため、ほぼ債権買い取り方式になる見通し。例えばファンドが銀行から対象会社向け債権10億円分を1億円で買い取り、その後の支援で経営を立て直し2億円を回収できれば、その差額が収益になる。まだ出資金は集めておらず、実際の投資案件が出る時に各出資者から何段階かに分けて資金を集める。 (高知) |
|
■2005/04/08
日本経済新聞 2005年4月8日 折り返し地点 再生機構 ファンドの呼び水 産業再生 真価これから 産業再生機構が折り返し地点を迎えた。支援申し込みを3月末で打ち切り、これからは支援企業の再生が待ち受ける。企業の再生で一定の成果を上げた再生機構を検証し、今後の課題を探る。 東京・千代田の産業再生機構本社。9階にある社長室の壁には、機構が支援する企業の株価チャートがずらり。チャートを眺めて斉藤惇社長は満足げに話す。「機構が支援を手がけた企業の株価はみんな支援後に上がっている」 再生機構は不振企業の債権者から金融支援の合意を取り付け、事業再生の専門家が事業を立て直す。支援は41グループ。8グループは機構が保有した株式や債権を民間に売却し、支援を完了した。「再生機構は大幅な利益を出している」(幹部)という。 機構による企業再生の手法は地道だ。 支援第一号になった熊本市の九州産業交通。担当の松本順マネージングディレクターは昨年夏、バスの時刻表を見てあきれた。他社との競合路線で、九州産交はライバル会社のすぐ後に来るダイヤになっていた。「現場をよく見て、小さな工夫を積み上げることが再生の基本」(再生機構幹部)。時刻表を組み替え、売り上げ増につなげた。 足利銀行の破たんで経営不振が表面化した栃木県内の旅館群。観光シーズンを前に各地の有名ホテルで急ピッチの改装が進んでいる。再生機構が日光など有名温泉地の9件のホテル経営会社などを支援しているからだ。 ホテル四季彩(日光市)では個人の富裕層に的をしぼり、高級旅館へ脱皮すべく改装中。休業中には従業員教育を一からやり直し、接客を見直す。旧日本債券信用銀行で中小企業支援に取り組んできた再生機構の渡辺美衡執行役員は「当たり前のことを一つ一つ実行することが大事」と強調する。 「市場の閻魔(えんま)様が必要だ」。2002年秋、塩川正十郎財務相(当時)のひと声をきっかけに構想が進んだ再生機構。「金融と産業の一体再生」を目的に、竹中平蔵金融担当相(同)が掲げた「金融再生プログラム」の一つの目玉として盛り込まれた。 市場での敗者をファンドや事業会社が売買して再生する「再生市場」は育っていなかった。「機構は不振企業の売り手と買い手をつなぐ模擬的な市場の役目を担ったのではないか」と冨山和彦・最高執行責任者(COO)は振り返る。 「アカウント・フロード・インベスティゲーター(不正会計摘発機構)」。米政府高官は再生機構にあだ名を付けた。不透明な会計で業績下方修正した三井鉱山、グループ会社の架空取引がさらされたカネボウ、投資ファンドとの密約が発覚したダイエー――。再生機構は支援企業に資産の再査定を迫った。三井鉱山子会社は不動産の資産を10分の1に圧縮させた。 厳しい査定見直しと再生計画をつくれば、投資家が見向きもしなかった企業にも投資家が集まる――。再生機構をきっかけに、企業再生ファンドは急速に広がり、設立された企業再生ファンドは推計で1兆円を超えた。投資は融資と組み合わせるケースが多く、実質4兆−5兆円の民間マネーが企業再生に向く。 大手銀の不良債権比率も、金融再生プログラムに掲げた「半減」目標を達成した。金融再生にはめどがついた。だが、一体再生のもう片方である産業再生の真価が問われるのはこれからだ。 |
|
■2005/04/05
日経金融新聞 2005年4月5日 資産形成スウェーデンの現場から 「官製ファンド」受け皿に 200万人投資 国民監視 情報発信で信任確保 スウェーデンの日刊紙が運用成績を毎日掲載する大型ファンドがある。1990年代末の公的年金改革で導入された「積み立て型」の個人勘定向けに、政府が受け皿の一つとして用意したファンドだ。スウェーデンが推し進める自己責任型の年金改革は、この「官製ファンド」抜きに語れない。(ストックホルムで、田村篤士) このファンドは「プレミアム・セービング・ファンド(PSF)」と呼ばれ、個人の年金勘定のいわばラストリゾートの役割を果たす。積立年金庁(PPM)の登録ファンドの一つで、民間ファンドに投資したくない個人マネーの受け皿にする目的で設定された。民間ファンドを選ばない個人の掛け金は自動的にPSFに投資される。民間ファンドへの不信感を映して資金流入が続き、PSFの運用資産は500億クローナ(約7500億円)と登録ファンド全体の3分の1を占めている。 ストックホルム中央駅そばの地味なビル。PSFを運用する政府系運用機関、第7国民年金基金(AP7=第7基金)のオフィスはそんな建物の一室にある。約200万人が老後の備えを託す拠点だ。 成果報酬を廃止 経営責任者のピーター・ノーマン氏は「国民からの期待と圧力を感じる」と話す。“ラストリゾート”がつまずけば、国民に自己責任を求める制度そのものに不信感が高まりかねないからだ。PSFの運用報告書にはスキーを楽しむノーマン氏ら「普段着」の幹部の写真がずらり。顔の見えるファンドとして、親近感を持ってもらう試みだ。 第七基金は2年前には、大手保険会社で経営者の高額報酬スキャンダルが噴出したのを受け、成果報酬などを廃止した。スキャンダルとは無関係だったが、金融機関に対する国民感情に配慮したという。「国民の目」への意識が日々の組織運営からにじみ出している。 「決して低リスクのファンドではありません」。第七基金が運用方針で国民に強調するのはこの1点だ。資産運用は原則的に外部の運用機関を活用しているが、公的ファンドとしては異例の資産配分が目を引く。株式比率が80%を超え、債券は10%。2003年からはヘッジファンドと未公開株投資も開始した。 スウェーデンの公的年金制度の「幹」にあたる賦課方式部分の運用実態をみると、主力ファンドで債券比率が4割。一定の安定性を求められる「幹」部分と異なり、第7基金のリスク志向が浮き彫りになる。「20年以上の投資期間を念頭に一定のリスクをとる」。責任者のノーマン氏はこう強調する。 強気の運用裏目 こうした強気の運用姿勢はいまのところ裏目に出ている。運用を始めた2000年から世界的に株価下落が長期化したからで、運用開始時からのマイナス幅は2割近い。最近は持ち直してきたとはいえ、「民間ファンドの平均は上回る」という触れ込みも、比較対象がお粗末すぎる裏返しの面は否定できない。 対する民間側からは、巨大な「官製ファンド」を温存した現行の年金運用制度に批判が集まる。大手金融グループ、スカンディアの投信ビジネス責任者、ピーター・フリバーグ氏は「民間の競争を阻害する」と指摘する。自動的に掛け金が集まるメカニズムを維持する限り、「運用資金集めで民間は圧倒的に不利」という恨み節も漏れる。 見逃せないのは、第7基金が加入者への情報発信を続ける姿勢だ。年1回、全国20カ所余りの都市を訪ね、加入者向けのセミナーを開く。厳しい運用成果を報告するだけでなく、投資の仕組みや運用計画を直接語りかける会合だ。 改革で年金積み立てに一定の自己責任を求められるようになった個人は、年金運用への目配りを迫られる。政府やファンド関係者は、そんな個人に向け、分かりやすい運用のデータ開示や情報発信に務める。資産形成への1人ひとりの関心の高まりが、年金制度に一つの規律をもたらすのは間違いない。 |
|
■2005/04/04
日経金融新聞 2005年4月4日 船井財産 投資ファンド設立 不良債権、安価で取得・回収 財産コンサルティングを手がける船井財産コンサルタンツ(8929)は1日、投資ファンドを設立した。同ファンドを通じて不良債権を安価で買い取り、回収する。 既存の休眠会社を取得し、「有限会社船井企業投資ファンド1号」と商号変更して営業する。資本金は300万円。船井財産が全額出資する。 当初は、船井財産が運用目的で投資する6億8000万円を使い、金融機関の債権を安価で取得。契約したノンバンクを通じて債権を回収する。 ファンドが軌道にのった後は、船井財産の関係会社を通じ、コンサルティング契約した個人などから出資を募る。富裕層向けの財産コンサル会社は増えており、商品を増やすことで顧客を取り込む考えだ。 |
|
■2005/04/02
日本経済新聞夕刊 2005年4月2日 日本不動産ファンド 海外で初上場 豪の投資銀相場回復先取り オーストラリアの投資銀行バブコック・アンド・ブラウンは日本の不動産を対象にした資産総額470億円の投資ファンドを立ち上げ、4日に豪州証券取引所に上場する。日本の不動産に特化したファンドの海外上場は初めてで、不動産相場の回復を先取りした動きといえそうだ。 豪州の投資家から集めた三億豪ドル(約250億円)に借り入れによる運用分を加えた。事務所ビル8件と商業施設四件(合計床面積11万9000平方メートル)を所有する。東京・中央区、港区、新宿区、渋谷区の都心部のほか、横浜市や川崎市の物件で、平均入居率は97%。賃貸料収入のほか、値上がり時には転売益も狙う。将来は、首都圏以外での物件取得もめざす。 豪州では1971年に上場不動産投資信託の市場が創設され、市場規模は約800億豪ドルで日本の3倍以上。米欧に投資するファンドも多く、バブコックは回復基調の日本市場に目を付けた。住信基礎研究所の玉城逸彦研究部長は「資産デフレが底を打ったことや不動産投信の世界的な拡大などが背景にある。今後、日本の不動産を対象にしたファンドの海外上場が増える」と話す。 バブコックは日本では86年から野村証券と合弁で航空機リース事業を始め、98年から日本法人が不動産事業を手がけている。 (シドニー=野沢康二) |
|
■2005/03/29
日経金融新聞 2005年3月29日 再生ファンドへ出資完了 東京都が設立した新銀行東京は28日、2月にあおぞら銀行と共同で設立した中小企業再生ファンド「再生ファンド・東京リカバリ」への資金払い込みを完了したと発表した。出資金は約36億円であおぞら銀との折半。同ファンドは、債務超過などでも技術力や将来性などが見込める東京都内の中小企業を対象に、都内の信用金庫から融資債権を買い取る。すでに約200社分の債権の買い取りが決まっている。 |
|
■2005/03/26
日本経済新聞 2005年3月26日 UFJつばさと沖縄銀 企業再生で包括提携 ファンド共同設立 UFJつばさ証券と沖縄銀行は25日、企業再生分野で包括的に提携することで基本合意した。両者共同でファンドを設立。経営不振の企業向けの貸出債権を買い取り、UFJつばさが事業を見直すなどで再生を進める。 証券会社が地銀と包括的に企業再生分野で提携するのは初めて。UFJつばさは沖縄銀以外に2、3の地方銀行と提携交渉を進めており、運用総額は百億円程度を目指す。ファンドは支援企業ごとに組成し、UFJつばさが大半を出資する。UFJつばさは債権を沖縄銀から時価で買い取り、経営支援で収益力を高めて債権を回収。ファンドの利回りは10%を目標にしている。 地銀は不良債権処理が遅れ気味だ。UFJつばさはこれまでも地方自治体などと企業再生ファンド運営で実績があり、企業再生ノウハウを提供する。 |
|
■2005/03/24
日経金融新聞 2005年3月24日 金融機関・トヨタ・ブラザーなど “オール愛知”結集 中小再生ファンド組成 中小企業の支援に地元の力を結集――。名古屋商工会議所と中部経済産業局、愛知県は、実力があるのに過剰債務に苦しんでいる中堅・中小企業の再生を支援するために「愛知中小企業再生ファンド」を設立すると発表した。 ファンドには愛知県内に本店を置く金融機関のほか、トヨタ自動車、ブラザー工業など地元の有力企業も出資し“オール愛知”で応援する。 ファンドの総額は28億2000万円で、30日に組成する。独立行政法人・中小企業基盤整備機構が14億1000万円を出資、UFJ銀行と名古屋銀行(各3億円)を筆頭に、信用金庫を含む愛知県内の19の金融機関も出資する。ほかにトヨタやブラザー、松坂屋、名古屋鉄道、東邦ガス、名港海運が1000万円ずつを出資する。 金融機関の債務者区分で「破たん懸念先」に分類される企業や債務超過の企業でも、本業の収益力があれば出資や新規融資、金融機関による債権買い取りなどで再生を支援する。 (名古屋) |
|
■2005/03/24
東京新聞 2005年3月24日 信託販売業登録不動産ファンド運用会社が1号 金融庁は23日、不動産ファンド運用会社のアーバン・アセットマネジメント(東京)が昨年末に施行した改正信託業法で新設した信託受益権販売業の登録第一号になったと発表した。同社は、東京証券取引所一部上場で不動産開発のアーバンコーポレイション(広島市)の全額出資子会社。 信託業法は、金融機関以外の事業会社の新規参入を促すために約80年ぶりに抜本改正した。同時に新設した信託契約代理店は、野村証券が3月10日に預金を取り扱う金融機関以外の異業種で初めて登録している。 |
|
■2005/03/23
日経金融新聞 2005年3月23日 佐賀銀など VB育成ファンド設立、経営・技術も指南 【佐賀】佐賀県と佐賀銀行、佐賀共栄銀行(佐賀市)など県内の金融機関は共同で、「さがベンチャー育成ファンド」を設立した。県内の中小企業やベンチャー企業(VB)へ資金支援するだけでなく、支援先企業に経営、技術面などの指導も実施する。 同ファンドの基金総額は1億5000万円。佐賀銀が7000万円、佐賀県地域産業支援センターが5000万円、佐賀共栄銀が2500万円、佐銀ベンチャーキャピタル(佐賀市)が500万円をそれぞれ出資する。 対象企業は県内の中小企業、県内に事業所を持つ未公開のVBなど。出資する4社・団体で審査委員会を開き、支援対象企業のビジネスの将来性などを審査する。投資会社育成委員会も設置し、支援決定企業に対して経営、技術面で指導する。同ファンドは今月下旬にも第1回の審査委員会を開催する予定。 |
|
■2005/03/23
日経金融新聞 2005年3月23日 企業融資拡大競う 群馬銀 再生ファンド活用 広島銀 CMSソフト開発 地域金融機関が企業向け融資拡大へ向け知恵を絞っている。証券化やファンドを活用する例のほか、資金管理ノウハウの提供、環境配慮企業への優遇措置を打ち出すケースも多い。地元企業との密着営業で共存共栄を目指す「リレーションシップ・バンキング」が求められていることが背景。今後はこうした戦略をいかに収益に結びつけていくかが焦点となる。 【熊本】熊本ファミリー銀行は貸出債権をまとめて証券化し、投資家に販売するローン担保証券(CLO)の仕組みを使って、中小企業20社に合計4億5800万円を融資した。中小企業金融公庫との提携による商品で、無担保・無保証で借りられるのが特徴。 今回のCLO融資は、限度額が1000万円以上、5000万円以内で期間は3年(固定金利)。 【前橋】群馬銀行は、企業再生ファンドを活用した取引先支援に乗り出す。群馬銀が新ファンドに貸出債権を売却し、ファンドを運営するジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP、東京・中央、佐藤雅典社長)が経営指導や財務の立て直し、リストラで協力する。 買い取り原資は、JWPが運営する400億円規模の「親ファンド」を通じて国内投資家から調達する。債権の買い取りは今後2年とし、3-5年程度をかけて再生する計画だ。 【長野】八十二銀行は環境に配慮している企業向けの私募債の取り扱いを始めた。企業は一般の銀行保証付き私募債よりも低い保証料や引受手数料で融資が受けられる。対象は環境管理の国際規格「ISO14001」を取得している純資産3億円以上の株式会社。長野県内にある八十二銀の店舗で取り扱う。発行額は1億円以上2億円以内。期間は2-5年。八十二銀が保証し、全額を引き受ける。 【広島】広島銀行は取引先企業がグループの資金を一元的に管理できるキャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)の取り扱いを始める。 第一弾として電子機器メーカーのミヨシ電子(前川泰久社長)向けに資金の集中管理など基本機能を盛り込んだ専用ソフトを開発、22日から本格稼働させた。ミヨシ電子はグループの資金の流れを一本化し、余剰資金と不足資金を相殺。CMSの活用で有利子負債を2億円程度減らす。 【茨城】常陽銀行は、ビデオソフトレンタル店を展開するブックエース(水戸市、中村昭彦社長)向けに協調融資(シンジケートローン)を組成した。融資枠(コミットメントライン)方式で、初めて常陽銀が主幹事を務めた。コミットメントラインは7億円を設定。期間は1年間で、茨城銀行が参加した。 |
|
■2005/03/23
日経金融新聞 2005年3月23日 私募不動産ファンド 小型物件で運用 パシフィック、100億円組成 パシフィックマネジメントは2005年11月期中に、規模の小さいマンションやオフィスビルで運用する私募不動産ファンドを組成する。ファンド規模は100億円程度になる見通し。小型物件はこれまでパシフィック自社で保有していたが、運用対象に加えたいという機関投資家の声に応える。 運用対象にするのは、不動産投資信託(REIT)や中規模の優良物件で運用する私募ファンドに組み入れられない10億円未満の1棟マンションなど。不動産の一括売却(バルクセール)で取得した小型のマンションやオフィスビルの保有残高は前期末で40億円程度に積み上がっている。 同社は今期中に、商業施設で運用するファンドを組成する計画も持っており、マンション開発会社と組んでファンドに組み入れる物件の開発にも乗り出す。運用資金として投資家から受託する預かり資産は今期中に前期比2.5倍の4050億円まで増やす予定だ。 |
|
■2005/03/22
日本経済新聞夕刊 2005年3月22日 ペイオフ対策 新商品続々 飲食店ファンド ホテル期間所有権 富裕層に照準 4月のペイオフ(預金などの払戻保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)全面解禁をにらんで新手の金融商品が登場している。ワイン・飲食店などをテーマにしたファンドや、欧米で盛んなリゾート物件の期間所有権(タイムシェア)販売だ。ターゲットは個人の富裕層。ただ一部には法整備が追いついていないことからトラブルもあり、商品を見極めて投資する必要がある。 フランスや香港でワインファンドを運営するシャトーマネージメントグループは、4月から、日本在住の富裕層を対象にワインファンドを組成する。国内の投資会社エクセ(東京・千代田)が窓口。名産地の高級ワインを同社のファンドマネジャーが購入し、5年後に市場で売却。値上がりすれば出資者は利益を得る。 購入単位は1口500万円で初回募集額は5億円。償還方法は現金かワイン、または二つの組み合わせから選べる。 会計事務所のアーケイディア・グループ(東京・千代田)は年内に飲食店ファンドを始める。同社がファンドの管理運営者となり、飲食店を立ち上げる経営者向けに出資者を募る。出資者は飲食店が稼いだ利益から経営者の取り分35%と管理手数料を差し引いた金額を、出資額に応じて年2回配当として受け取る。 日本航空グループの商社JALUXはハワイのホテル物件のタイムシェア代理販売を始めた。タイムシェアはリゾート物件を1週間単位で所有できる権利。物件は不動産登記され相続も可能だ。国内のリゾート会員権などと比べ資産性が高い。販売価格は物件の種類や時期で異なるが、少なくとも200万円以上する。好評なため、近くアジアの物件をハワイの半値程度で扱い始める。 仲介業者を介して他の購入者と期間を交換できるほか、系列ホテルなら他の国のホテルの使用権にも変えられる。JALUXでは「ペイオフ解禁を踏まえて、30代の女性などが金融商品の一つとして購入している」として、今後の成長に期待する。 ペイオフ全面解禁に伴い普通預金が全額保護の対象でなくなるため、個人の間で資産分散の必要性が増している。一方で投資家を保護する法律は未整備。「ファンド管理業者と連絡が取れなくなるなどトラブルもある」(東京都消費生活総合センター)という。 改正証券取引法では、不特定多数の投資家から資金を集める匿名組合などの形をとるファンドも適用対象となった。 |
|
■2005/03/16
朝日新聞 2005年3月16日 村上ファンドが株15%取得 住友倉庫の筆頭株主に 元通商産業省(現経済産業省)官僚だった村上世彰氏関連の投資ファンドが、倉庫業界大手の住友倉庫(本社・大阪市、東証1部)の発行済み株式の約15%を取得していたことが15日わかった。昨年末時点で住友グループ各社をしのぐ筆頭株主になっており、株主総会などで株主への利益還元の拡大や経営刷新を求めていく可能性がある。「モノ言う株主」として知られる同ファンドが、旧財閥系の優良企業株取得に乗り出した。 住友倉庫の筆頭株主になったのは、MACアセットマネジメント(本社・東京)。通称・村上ファンドと呼ばれる。 関東財務局に提出された大量保有報告書によると、MACの保有割合は15.14%となり、取得資金は103億円とされている。 住友倉庫は、04年3月期の売上高が936億円で、当期利益が32億円。自己資本比率は46.3%。資本・利益剰余金は550億円ある。 |
|
■2005/03/16
毎日新聞 2005年3月16日 村上ファンド大量売却 特例が情報開示の壁に 大量保有報告制度 投資家の権利阻む ライブドアとフジテレビジョンとのニッポン放送株争奪戦のカギを握る「第3の大株主」として注目された通産官僚OBの村上世彰氏率いる投資ファンド、M&Aコンサルティング(通称・村上ファンド)の2月末時点の保有状況が15日、ようやく判明した。ただ、村上ファンドの具体的な動きは依然として不透明で、投資家からは大量保有報告制度(5%ルール)の不備や村上ファンドの情報開示姿勢の不十分さを指摘する声が高まっている。【若島正浩】 村上ファンドは03年にニッポン放送株を買い進めて筆頭株主となり、時価総額の小さい同放送がフジテレビの筆頭株主となっている「資本のねじれ」を解消するよう訴えてきた。村上ファンドが1月13日に関東財務局に提出した大量保有報告書によると、1月5日時点で18.57%まで買い進めたことが判明していたが、その後は不明だった。 上場株式などの保有比率が5%を超えた大株主(大量保有者)は、証券取引法で大量保有報告書を財務局に提出するよう義務付けられている。大量保有者の保有比率が1%以上変動した場合も同様で、売買日から原則5日(土日・休日を除く)以内に提出しなければならない。 ライブドアが大量取得した際、村上ファンドが1%以上売却していれば、報告期限は5営業日後の2月16日となるが、届け出がなかった。このため、当初は「村上ファンドは(ライブドアに)売っていなかった」とみられていた。しかし、証券会社やファンドなどには、3カ月に1度まとめて報告すればよいとの特例が認められている。 ただし、保有比率が10%を超えた場合は純投資とも言い切れなくなるため、特例は適用除外となる。村上ファンドは18.57%保有していたため、原則通り5営業日以内に変更届を提出しなければならないはずだった。 ところが、ここにも「ルールの盲点」(市場筋)がある。関東財務局によると、保有比率10%超でも1回の売却で月末までに10%以下になれば再び特例の対象となり、届け出を先送りできる。また、通常は1回ごとの詳細な売買情報などを記載しなければならないが、特例適用の場合は省略できる。村上ファンドが15日提出した変更報告も2月末時点で保有比率が3.44%に減ったことが記されているだけで、詳細な情報は不明のままだ。 さらに、グループ内の会社名を変更したり、グループ間で株の貸し借りを繰り返す手法も、実態をー層不透明にしている。グループ聞の企業同士の株の貸し借りは双方の企業が議決権を行使する可能性があるとしてダブルカウントされる。 このほか、同報告書は提出漏れや報告遅れが頻繁にある。「事務的なミスが大半で、その都度財務局が指導している」(金融庁企業開示参事官室)。本来は証券取引法違反だが、悪質な場合を除き立件されるケースはまれだ。また、有価証券報告書はインターネットで開示され、投資家はパソコンで誰でも閲覧できるが、大量保有報告書は電子化されておらず、財務局でしか閲覧できない。情報は関東財務局に集中しており、地方の投資家は事実上、情報から遮断されている。 「買収防衛策より企業統治確立を」北城同友会代表幹事 経済同友会の北城恪太郎代表幹事は15日の定例会見で、ライブドアによるニッポン放送株取得問題をきっかけに高まっている企業買収防御策の議論について「ポイズン・ピル(毒薬条項)を含めた防衛策を作ること自体はいいと思うが、株主を代表する社外取締役を中心としたコーポレート・ガバナンス(企業統治)が確立していなけれぱ、防御策が現経営陣を守るために使われかねない」と述べ、防衛策の前提として企業統治の確立が必要という考えを強調した。 一方で、北城氏は時闇外取引によるライブドアの株取得の手法にも「法に違反しなければ何をやってもいいのではない。企業経営者は大企業だけでなくベンチャーであっても社会的責任を考えるべきで、その観点から見ても、ライブドアの株式取得には問題があった」と批判した。【荒木功】 ◆大量保有報告制度の主な問題点◆ ▽特例措置の取り扱いが複雑で不透明 ▽グループ内の企業閻の貸し株・借り株の場合、両方の企業が保有していると見なされ、実態を反映していない ▽ネットで電子開示されておらず、投資家は財務局でしか閲覧できない ▽提出漏れや遅れが頻繁にある |
|
■2005/03/15
産経新聞 2005年3月15日 りそな銀とあおぞら銀 買収ファンド設立 中小企業対象 100億円規模 りそな銀行とあおぞら銀行は14日、中小企業を対象とした100億円規模の買収ファンドを今月中に共同で設立すると発表した。りそな銀が持つ幅広い中小企業の顧客基盤と、あおぞら銀が蓄積した投資ノウハウを組み合わせ、企業の合併・買収(M&A)ビジネスを強化する。 大手銀行がグループの枠を超えて中小企業買収ファンドを設立するのは、今回が初めてという。 投資対象は、後継者問題に悩む中小企業や、経営陣が親会社から事業を買い取って独立するマネジメント・バイ・アウト(MBO)を目指す子会社などが中心となる。投資先の株式を3分の1以上取得して経営に参画、企業価値を高めた上で、新規株式公開(IPO)やスポンサー企業への売却などによって投資を回収する。 これまでの投資ファンドは、業績不振企業を対象とする「企業再生ファンド」が中心だった。今回のファンドは、成長が期待できる企業を主な投資対象にしているのが大きな特徴。 |
|
■2005/03/15
日経金融新聞 2005年3月15日 りそな・あおぞら銀、中小企業買収ファンド発表 りそな銀行とあおぞら銀行は14日、総額百億円規模の中堅・中小企業向け買収ファンドを今月下旬に設立すると正式発表した。後継者が見つからないオーナー企業や経営陣による企業買収(MBO)で親会社からの独立を目指す子会社・事業部門などに出資し、株式上場などによって投資資金を回収する計画。 |
|
■2005/03/15
日本経済新聞 2005年3月15日 VBファンド200億円 みずほ、銀行系最大級 地銀なども出資 300社へ投資計画 みずほフィナンシャルグループのみずほキャピタルは15日、銀行系では過去最大級のベンチャー投資ファンドを立ち上げる。みずほ銀のほか地方銀行や商社などから総額200億円規模の出資を集め、3−5年で株式公開が見込める300社以上に投資する。将来来有望な企業と創業期から関係を深め、証券や信託を含むグループ全体の収益拡大につなげる。 新ファンド「みずほキャピタル第2号投資事業有限責任組合」には、スルガ銀行や荘内銀行、伊藤忠商事、沖電気工業など18社が総額156億円の出資をすでに決めた。みずほキャピタルは9月末までに追加出資を受ける方向で数社と調整しており、出資総額は最終的に200億円程度に達する見込み。 独立系ベンチャーキャピタルでは100億円単位の大型ファンドを運営する例もあるが、大手銀系列ではこれまでは数10億円単位が一般的だった。 新ファンドは、情報技術(IT)やバイオなど特定業種に絞らず、多様な業種や成長段階の中小・ベンチャー企業に投資を分散する。投資する300社以上の企業のうち100社以上の株式公開で上場益を稼ぎ、投資に対して年平均15%の利益を上げるのが目標。ファンドの期限は2012年末。 投資先企業が上場する際には、みずほインベスターズ証券が主幹事を務めるなど、グループ内の連携も一段と進める方針。 昨年末の証券取引法改正で、この種の投資ファンドは取引上、「有価証券」とみなされるようになり、勧誘ルールの厳格化など投資家保護が進んだ。みずほによると、新ファンドは法改正後に創設する初の大型ファンドになるという。 |
|
■2005/03/13
日本経済新聞 2005年3月13日 中小支援ファンド 愛知・高知に設立 経産省、地域経済を活性化 経済産業省・中小企業庁は3月中に、地域の中小企業を支援するファンドを愛知県と高知県でそれぞれ立ち上げる。地元の金融機関や企業と共同で設立、中小企業に投融資し経営指導もする。ファンドを使って中小企業の経営再建を進め、地域経済の活性化を狙う。 ファンドはともに独立行政法人の中小企業基盤整備機構が総資金の半分を出資する。総額28億円の「愛知中小企業再生ファンド」は残りをUFJ銀行など地元の19金融機関とトヨタ自動車などが拠出。総額20億円の「南国土佐再生ファンド」には四国銀行などが参加する。 |
|
■2005/03/12
日本経済新聞 2005年3月12日 業務外部委託や派遣社員の費用、振興銀、中小企業に融資 りそな・あおぞら銀、月内にも、中小企業買収ファンド設立 4大銀に対抗 りそな銀行とあおぞら銀行は総額百億円規模の中小企業買収ファンドを月内にも設立する。中小企業に幅広い顧客基盤を持つりそな銀と、ファンド投資の経験が豊富なあおぞら銀がノウハウを集め、中小企業に特化したM&A(合併・買収)ビジネスに本格参入する。中小企業向け投資で大手銀行がグループの垣根を越えて提携するのは初めてで、4大銀行グループに対抗する。 ファンドはりそな銀、あおぞら銀の両グループが合計で80億円程度を出資、残りの20億円程度は地方銀行など地域金融機関に出資を募る。運営期間は10年。中堅・中小企業10社前後に投資、年20%以上の投資利回りをめざす。すでに両グループはファンドの運営会社「アライズ・キャピタル・パートナーズ」を折半出資で設立した。 投資先は、後継者がなかなか見つからない企業や、経営陣による企業買収(MBO)で親会社である大企業からの独立をめざす子会社・事業部門が主な対象だ。 ファンドはこうした企業に株主として3分の1超を出資、必要に応じて経営陣も派遣し、企業価値を高める。そのうえで新規株式公開(IPO)や、将来の支援企業(スポンサー)への転売によって投資を回収する。 ファンドは経営不振企業に投資、再生をめざす「企業再生ファンド」と異なり、競争力のある優良事業を持っている企業に投資するのが特徴。銀行にとっては純粋な投資が目的で、複数の大手銀行がこうしたファンドで提携するのは珍しい。 りそな銀はファンドを通じ、取引先である8万社以上の中堅・中小企業に新たなサービスを提供できる。あおぞら銀は傘下のベンチャーキャピタル、あおぞらインベストメントを通じて蓄積したM&A投資のノウハウを活用できる範囲が広がる利点がある。 大手4大銀行グループと比べて規模の劣るりそな銀とあおぞら銀はいずれも外部企業との提携によってサービスを補完する戦略で、今回の提携もその一環だ。企業買収に伴う関連融資が増える効果も期待している。 |
|
■2005/03/09
日経金融新聞 2005年3月9日 神奈川県、県内金融機関と連携 VB支援 100億円ファンド 投資案件紹介で協力 【横浜】神奈川県は県内の金融機関と連携し、総額100億円規模となる投資ファンドを設立、本格的なベンチャー企業の育成に乗り出す。金融機関はそれぞれ資金を集めて個別にファンドを運営する。県は直接、出資はしないが、投資案件の紹介などで協力し、各ファンドの運営を側面支援する。民間の投資ノウハウと県のベンチャー支援策を組み合わせ、今後3-5年をめどに50-100社への投資を目指す。 神奈川県は複数のベンチャーキャピタルなどにファンドの設立を打診しており、月内にも第一号ファンドが誕生する見通し。ファンド全体の名称を「かながわベンチャー応援ファンド」とし、今夏までに3本のファンド設立を見込んでいる。 各金融機関は独自に出資を募り、10億円以上のファンドを個別に組成する。総額は100億円超となる見通し。ファンドに対し、県は神奈川中小企業センターなど外郭団体のネットワークを活用、インキュベーション(ふ化)施設の入居企業や産業技術総合研究所の技術支援先など有望企業の情報を提供する。投資先の発掘を進めたいファンドと、成長資金が欲しいベンチャー企業との橋渡し役を担う。 投資先は情報技術(IT)やナノテクノロジー(超微細技術)、ロボットなど幅広い県内ベンチャーを想定している。 行政機関がベンチャーファンドに直接、出資する例もあるが、神奈川県では投資先の選定などでリスクを伴う場合があるため、高度な専門知識が必要と判断。金融機関と連携しながら、間接的にベンチャー企業の育成を強化する方針だ。 VBファンド 京都銀、融資も可能に 【京都】京都銀行はベンチャー企業を支援する「がんばれ中小企業・活き活き育成ファンド」を3月末に設立する。ベンチャー企業の株式取得など投資に加え、融資にも対応する。投資しかできないファンドだと、将来の株式公開を考えていないベンチャー企業に使えない難点があった。 新ファンドの総額は10億500万円。京都銀が4億9000万円、中小企業基盤整備機構が5億円、ベンチャー支援企業であるベンチャーラボ(東京・港)が500万円、同社のベンチャーキャピタルであるスカイスターファイナンシャルマネジメント(茨城県つくば市)が1000万円をそれぞれ出資する。 京都銀はすでに将来の上場を目指すベンチャー企業向けに3本のファンドを設立、15億円の投資実績がある。だが、これらのファンドは株式公開を望まないベンチャー企業の場合は利用できず、銀行本体からの融資も難しい事例が多かった。 新ファンドは原則として京都銀の営業管内にある中小・ベンチャー企業に投資する。 神奈川県の主なベンチャー支援策 ・高校生チャレンジベンチャーなど起業家教育の推進 ・大学発、大企業発ベンチャーの創出促進 ・新産業創出拠点の形成を支援 ・製造業ベンチャーの情報技術(IT)化を支援 ・知的財産戦略の策定を支援 |
|
■2005/03/09
日本経済新聞 2005年3月9日 不動産ファンドのダヴィンチ 企業株式にも投資 収益力改善後に売却 不動産ファンドのダヴィンチ・アドバイザーズはホテル、外食チェーンなどの企業の株式に投資する事業を始める。出資先が運営する施設の収益力を改装などで向上させ、事業再生後に株式を売却する。不動産以外に投資対象を広げ、高利回り確保につなげる。 大型商業施設や医療モール運営会社など流通、サービスの幅広い業種を想定する。上場企業の株式は市場での買い付けか第三者割当増資に応じて取得。株式公開を目指している新興企業には上場のメドが立った時点で出資する。 昨年12月から運用を始めた4000億円規模のファンドのうち150億円を企業への投資枠として設定。120億円を上場企業に、30億円を新興企業に充てる。 ダヴィンチ主導で施設の収益性向上策を手がけることが出資の条件になる。不動産ファンド運用で手がけた資産価値向上のノウハウを活用。施設の全面改装や有力テナント誘致などで集客力を高める。 運営コスト引き下げなど経営改善アドバイスなども行う。 出資比率は2−3割にとどめる。上場企業の株式は出資先の株価が購入時より上昇した時点で、新興企業の株式は上場した後に株式を売却し売却益を得る。 ダヴィンチの4000億円ファンドは国内の不動産対象の私募ファンドでは過去最大級。投資対象を企業にも広げてリスクを分散させ、目標最終利回りである25%の確保を狙う。 |
|
■2005/03/09
日本経済新聞 2005年3月9日 みずほ・UFJ・興亜損保など 業態超えファンド 100億円規模 みずほ銀行、UFJ銀行、三井住友海上火災保険、日本興亜損害保険は中小企業を投資対象にした百億円規模のファンドに出資し、経営支援などに乗り出す。企業の要望に応じて協調融資もアレンジする。投資ファンドの設立ブームが続いているが、銀行と保険会社がグループを超えてファンド事業で連携するのは珍しい。 新ファンドは経営不振の中堅・中小企業に的を絞って投資する。投資先の選定など実務を担当するのは投資会社「JBFパートナーズ」。かつて東京海上火災保険で未公開株投資を手掛けた河野芳隆氏らが設立した。 みずほ銀などのほか地方銀行なども出資しており、すでにペットボトルのリサイクルで特許を持つ企業など3社に資金を投じた。独自技術を持つメーカーのほか、製造業を支える物流、販売会社など合計10社程度に対象を広げていく。 出資する金融機関は、必要に応じてファンド投資先への協調融資など資金面のおぜん立てもする。多様な手法で投資先の企業価値を向上させ、高いリターンを狙う。 こうしたファンドは米国で「ディベロップメントキャピタル」と呼ぶ。創業間もない企業向けのベンチャーキャピタルと異なり、市場の成熟化や経営ノウハウの不足などで利益が出にくくなっている中小企業の事業を立て直し、収益を上げる。 |
|
■2005/03/08
日本経済新聞 2005年3月8日 不動産ファンド 地方賃貸物件で運用 アパマン、200億円目指す 不動産賃貸仲介大手のアパマンショップネットワークは、地方都市の賃貸マンションで運用する私募不動産ファンドを組成する。不動産ファンドの増加から東京都内で物件の取得競争が激化しており、未開拓の地方都市で高利回り物件を確保する。200億円程度の運用資産規模を目指す。 新ファンドは3月中に立ち上げ、年内には運用資産を100億円程度に増やす。生損保などの投資家資金とアパマンの自己資金(5億円程度)で約30億円を調達。これに70億円程度のノンリコースローン(非そ及型融資)を組み合わせる。 対象は福岡や名古屋など人口の多い政令指定都市や衛星都市の物件を想定しており1棟単位で投資する。物件価格に対する賃料収入の割合が7%以上を条件とし、すでに10件程度をリストアップ済み。物件探しにアパマンの不動産賃貸フランチャイズチェーン(FC)情報網を活用する。 来年以降も物件を積み上げ、最終的には200億円規模にしたい考え。ファンドの運用期間は3年程度の予定。運用物件は別の私募不動産ファンドか不動産投資信託(REIT)に売却する。生損保などの投資家に提供する最終的な利回りは、20%以上を目指す。アパマンによると東京の物件での運用では10%程度がやっとだという。 |
|
■2005/03/03
日本経済新聞 2005年3月3日 ゼネコン「持たざる経営」加速 不動産ファンド 鹿島、初の設定 ビル売却300億円調達 鹿島は総合建設会社(ゼネコン)として初めて私募形式の不動産ファンドを設定した。第1弾として約300億円を調達、鹿島が保有する商業ビル4棟を売却した。大都市圏の地価反転をにらみ、大手ゼネコンはバブル崩壊で凍結していた不動産開発事業を相次いで再開しているが、資産を抱え込むことには警戒感が強い。不動産証券化などに続く資産切り離し手法として、ゼネコンの「持たざる経営」の流れを一段と後押ししそうだ。 鹿島が設定したのは「鹿島不動産ファンド」。生命保険会社や銀行、厚生年金基金など6社・団体と鹿島が115億円を出資。銀行借入金190億円と合わせて305億円の資金を集め、鹿島が都心と名古屋市に所有する計4棟の賃貸オフィスビルの信託受益権を買い取った。 ファンドの運用期間は5年で、分配金に相当する予想利回りは年7−8%に設定。鹿島は自社のビル資産を切り離して過去の投資を回収するとともに、その資金を新しい都市再開発プロジェクトに再投資する。 鹿島の不動産開発事業の売上高は2004年3月期で約1200億円。従来は物件ごとに売却先を見つけていた。鹿島は現在保有する約70棟のビルを複数まとめて売却する受け皿としてファンドを位置付けており、第2弾の設定を検討する。 大手ゼネコンは本業の建設請負事業が縮小するなか、自らが開発事業主になる不動産開発投資を拡大している。ただ、バブル期に銀行借入金に頼り不良資産が膨らんだ反省から不動産証券化などを活用してリスク軽減する動きが広がっている。 不動産投資シンクタンクの住信基礎研究所(東京・千代田)によると、私募不動産ファンドの2004年末の資産規模は2兆2000億円(外資系を除く)と、1年前の2.2倍に急増した。地価下げ止まりを受け、資金が流入しているのが背景。昨年来、三井不動産など大手不動産会社に加え、国内外の独立系の運用会社などが相次いでファンドを立ち上げており、市場は一段と拡大するとの見方が多い。 出資者は海外投資家が主力だったが、昨年以降は企業年金や生命保険会社、銀行など国内勢にシフト。私募ファンドは投資額に対する借入金の割合を7−8割以上に高めるなどして運用利回りを上げる戦略で、不動産投資信託(REIT)に比べ利回りは高い。 |
|
■2005/03/02
日経金融新聞 2005年3月2日 エイブル、不動産ファンド組成、賃貸マンションに投資 アパートなど不動産賃貸仲介のエイブルは、不動産ファンド事業に参入した。首都圏の郊外にある賃貸マンションなどに投資する私募不動産ファンドを組成する。当初は機関投資家向けに販売し、賃貸マンションのオーナーなど富裕層に広げる。今後3年内に1000億円以上の運用を目指す。同社が持つ550店強の店舗網を活用して、優良物件を取り込み、期待運用利回りは年率二ケタを目指す。 運用を担当するのはアジリティー・アセット・アドバイザーズ(東京・港)。同社は1月に不動産投資コンサルティング会社のミューチュアル・リンクス(東京・港、海保欣司社長)とエイブルが共同で設立した。物件を購入したうえで、投資家に対しては賃貸料を運用収益として分配する。 物件購入は3月から始める。単身者用から高級マンションまで、1棟当たり2億円以上をメドとする。既存物件だけでなく、新築、借地権付き建物なども対象にする。全体の50%は東京以外の地方のマンションに投資する。当面は500−1000棟で、1万−2万5000戸を目標とする。 物件購入に際しては投資家から募った資金のほか、購入資金総額の75%を上限にノンリコースローン(非そきゅう型融資)による調達を活用し、機動的な投資ができるようにする。物件購入後はエイブルの蓄積をもとに、間取りの変更など入居者の要望の多い部屋に改装し、付加価値を高める。 |
|
■2005/03/02
日経金融新聞 2005年3月2日 ホテル四季彩の株式 再生機構、6割売却 栃木県内のファンドに 【宇都宮】産業再生機構は支援決定先であるホテル四季彩(栃木県日光市)の株式約60%を「とちぎ地域企業再生ファンド」に売却すると発表した。購入名義は、同ファンドの匿名組合営業者であるとちぎフレンドリーキャピタル(宇都宮市、広瀬真二社長)。この結果、ホテル四季彩への再生機構と同ファンドの出資比率は、栃木県内で再生機構の支援を受ける他の温泉ホテルと同じく4対6となる。 再生機構や同ファンドは、一時国有化中の足利銀行の取引先である温泉旅館・ホテルを一体的に再生する試みに取り組んでいる。旅館などは再生機構の支援決定を受ける際、株主責任を明確にするため減資を実施。その後、再生機構と同ファンドが4対6の比率で出資する手法を採っている。 ただ、2004年6月にホテル四季彩が支援決定を受けた時点では同ファンドは設立されていなかった。このためホテル四季彩が清算され、受け皿会社に移管された際には再生機構が1億8600万円、新社長が300万円を出資していた。 今回、再生機構は保有していた普通株式(出資額9650万円)の58.7%、優先株式(8950万円)の60%を同ファンドに売却する。新社長が持っていた普通株式(出資額300万円)も同ファンドが購入する。 この結果、栃木県内で再生機構の支援を受ける全9ホテルの出資比率は統一される。再生機構は「足並みをそろえて、再生に取り組むことができる」としている。 |
|
■2005/02/27
毎日新聞 2005年2月27日 社説:投資ファンド 課税漏れ是正の先を考えよう 投資ファンドの株式売却益に4月から課税の網がかけられる。投資ファンド側や欧米のメディアは反発しているが、課税もれを放置しておくわけにいかない。課税の公平をはかるのは当然だろう。 投資ファンドは主に企業再生をてがけている。内外の投資家から資金を集め経営の行き詰まった企業を買収、それを再生して高値で売却し利ざやをかせぐ。投資ファンドは日本経済の活性化にとても大きな役割を果たしている。ただ、課税面からは問題なしとしない。現行税制では非居住者の日本株売却益は非課税だが、それが事業譲渡であれば課税となる。企業の株式を25%以上保有し5%%以上を売却すれば事業譲渡とみなされる。投資ファンドは事業譲渡で利益をだしているが、出資者がたくさんいる。個々の出資者に着目すると事業譲渡の条件をみたさないので、これまで税金を払わないで済んでいた。 今回の税制改正は個々の出資者でなく、ファンド単位で事業譲渡かどうかを判別しようとするものだ。その結果、事業譲渡とみなされれぱ出資者それぞれが課税される。実際には、米国やオランダなどの出資者は租税条約の取り決めで税制改正後も課税されず、英国、フランス、カナダなどの出資者が課税対象となる。 投資ファンド側は反発し、9社連名で財務省に反対の意見書を提出している。課税強化は日本政府がすすめる対内投資拡大の方針に反する政策だと批判し、海外投資家にそっぽをむかれかねないと警告している。 今回の税制改正の背景に「ハゲタカ・ファンド」批判があるのは否定できないところだ。典型的な例では投資ファンドのリップルウッド。公的資金を注入された日本長期信用銀行を買収し新生銀行に再生する過程で投資資金の何倍もの利益を手にした。政界を中心にハゲタカ批判の大合唱となり、株式譲渡益が非課税なのがやり玉に挙がった。 政府はおりから、定率減税の廃止、消費税の引き上げなど増税路線に踏み出そうとしている。国民に負担増を求める以上、投資ファンドの課税もれを見逃すわけにはいかない政治的要請もあった。 投資ファンドといえど、脱税を狙っているわけではあるまい。日本で課税されなければ本国で課税されるはずである。日本で課税されれば本国で税額調整をおこなえばよいだけだ。税制改正を理由に日本への投資が激減するというのは理解しがたい。 間題は経済ナショナリズムだ。投資ファンド批判は感情的なバッシングになっている。海外投資ファンドにやっかみの声をあげるのは見苦しい。嘆くべきはリスクをとって企業再生に投資する日本製のファンドが育っていないことだ。投資ファンド側も考えてみる必要がある。税制に敏感なのはいいが、国民感情というリスク要因を過小評価しているのではないか。内外どちらも自制し真の利益に思いをめぐらすべきだ。 |
|
■2005/02/23
日経金融新聞 2005年2月23日 「関西ファンド」相次ぐ なじみ深い企業で運用 関西に本社を置く企業の株式に投資したり、運用を連動させたりする投資信託の設定が相次いでいる。なじみの深い企業に関係する商品をそろえ、他の金融機関との違いを出すのが狙いだ。 池田銀行と新光証券は関西に本社を置く企業の中小型株で主に運用する追加型投信「夢三都」の販売を昨年11月から始めた。運用は新光投信。設定から約2カ月後の2月10日時点の販売総額は37億円で当初目標(30億円)を上回る。基準価格も1万232円に上昇している。 運用先(2月10日時点)は東洋機械金属(2.1%)やバンドー化学(2.0%)、ミルボン(1.9%)など26社。池田銀は「関西景気の回復による株価回復が人気の背景」とみている。 りそなホールディングスは西日本旅客鉄道や武田薬品工業など、関西系企業20社の株価に連動させる単位型投信「関西☆満載」を昨年10月に発売。クレディ・アグリコル アセットマネジメントが運用している。「関西店舗だけで売っているのを考慮すれば販売は堅調」(マーケティング戦略部)という。 |
|
■2005/02/18
毎日新聞 フジテレビVSライブドア 勝敗握る村上ファンド ニッポン放送株争奪 保有株の行方焦点 フジテレビジョンとライブドアによるニッポン放送株式の争奪戦で、投資ファンドのM&Aコンサルティング(通称「村上ファンド」)が、保有株をどう処分するかが最大の焦点になってきた。処分の仕方次第でフジとライブドアの勝敗が決する可能性が高いためだ。今後、予想される3つのシナリオで先行きを占った。 【位川一郎、若島正浩】 @ライブドアヘ 村上ファンドの持ち株比率は1月5日時点で18.57%。17日までに37.84%(子会社保有分含む)を取得したライブドアが村上ファンドから譲渡を受けるか、村上ファンドが保有したままでも両者が"共闘"すれぱ、過半数を占めニッポン放送の経営権を掌握する。 さらに、ニッポン放送の増資でフジの持ち株比率を25%以下に引き下げる可能性もある。商法の規定で、フジが25%超のニッポン放送株を持っていれば、ニッポン放送のフジに対する議決権が消えるためだ。フジヘの議決権を確保すれば、ライブドアはフジサンケイグループヘの関与を強めるのは確実。ライブドアの堀江貴文社長は産経新聞への関心も口にしている。 堀江社長は村上ファンドを率いる村上世彰氏と親交があり、両者が組む可能性が高いとみる関係者は多い。ただ、「村上氏は、株価が下がり続けているライブドアと組むリスクを冒さないのでは」と予想する大手証券幹部もいる。 Aフジテレビヘ 村上ファンドがフジに売却すると、フジの持ち株比率は25%を大きく超えてTOB(株式公開買い付け)は成功する。フジの持ち株比率が25%を超えれぱ、ニッポン放送のフジヘの議決権がなくなり、ニッポン放送は東京証券取引所の上場廃止基準(上位10株主で80%超)に抵触する可能性が高くなるため、ライブドアが大量の株を持ち続けるメリットは大幅に薄れる。 しかし、この場合もライブドアは持ち株が3分の1を超え経営の重要事項に拒否権を持つことから、フジは時間をかけてライブドアに譲渡を迫ることになりそうだ。 B市場で売却 ニッポン放送の株価次第で、村上ファンドが市場で持ち株を売却する可能性もある。ニッポン放送の株価が今後下がりTOB価格の5950円を下回ると見れば、早めに売却する判断も成り立つ。このケースでは、ライブドア、フジとも他の株主への働きかけに焦点が移る。 ライブドア株 年初来安値更新 17日の東京株式市場で、ライブドア株は前日終値比14円(3.8%)安の356円と5営業日続落して取引を終え、今年の最安値を更新した。ライブドア株は、9日終値の469円から113円(24.1%)も下落した形だ。「投資ファンド、M&Aコンサルティング(通称・村上ファンド)がニッポン放送株の多くをまだ保有している」との毎日新聞の報道を受けて「勝敗の行方がさらに不透明となり、買収合戦が長期化する」(市場筋)との観測が強まり、見切り売りが優勢となった。 一方、ニッポン放送株は「村上ファンドの保有株の争奪戦が強まる」(同)などの見方から続伸し、終値は同150円(2.2%)高の6850円。フジテレビ株の終値も同4000円(1.8%)高の23万2000円と反発した。【伊藤一博】 |
|
■2005/02/16
日経金融新聞 資産運用の新潮流 ヘッジファンドに聞く 2 リスク管理に全力 年金などの利用拡大 ファンド・オブ・ヘッジファンド(FOHF)が急拡大している。年金や個人の資金が大量に入る一方、将来の成績低迷を懸念する声も出てきた。JPモルガン・オルタナティブ・アセット・マネジメントのジョエル・カッツマン最高経営責任者(CEO)に戦略と見通しを聞いた。 投信と同じ ――FOHFが急拡大している背景は。 「今のヘッジファンド業界は『機関化』と『グローバル化』が同時に起きている。年金が本格的に投資へ動き出し、それが米国だけでなく欧州、アジアに広がっている。特定の富裕個人だけのものだった時代とは異なり、詳細な運用成績や保有資産の状況など情報開示が求められ、同時に定量的なリスク管理へのニーズが一段と高まる。それに対応できるのがFOHFの仕組みだ」 「ヘッジファンド投資の経験の浅い年金にとって、個別のファンドを選ぶのはリスクがある。その点、FOHFは専門家が分散投資し、リスク管理する。個別株ではなく投資信託に投資するのと同じだ。今後も機関投資家はヘッジファンドへの資産配分を増やし、拡大基調は続くだろう」 ――運用実績と体制は。 「当社のファンドが投資しているヘッジファンドは全部で100本超。投資の専門家22人を含む73人体制で、総計7000本のファンド情報を集め、常時500本を多様な角度から評価、追跡し、投資ファンドを選び出している。1995年以降で、年率11.9%の投資収益を上げた」 「最も力を割くのはリスク管理。会計士の資格を持つ専門家が常時、監視している。ファンドによっては証券取引委員会への報告内容と実際の運用実態がかい離したり、時には虚偽さえあったりする。FOHFとして予想外のリスクに直面することだけは、絶対に避けなければならない」 豊富なデータ ――他のFOHFに比べて特徴は。 「過去10年間で積み上げたネットワークとデータベースだ。運用者個人単位で経歴を追うことができ、相手が会社を移ってもクセなど特徴がわかる。定期的に運用者と直接会うことが重要。社内にインタビュー内容を蓄積して共有する。情報化投資にも力を入れ、ファンドの保有状況、流動性、リスク度が手元ですぐわかる。まとまって資金を入れるときなど最適な配分を瞬時にはじき出せるシステムも構築した」 ――業界の急激な膨張を危ぐする声もある。 「今のヘッジファンド業界は需要過多の状態。当社は来年にも資産残高が100億ドルに達する見通しだが、これでも顧客からの資金の受け入れを抑制している。大事なのは、運用の質を落とさないことだ。大量に資金が入るとヘッジファンド運用は難しくなる」 「この先、業界平均の運用成績は落ちていくだろう。しかも個々に見れば、裁定型は収益機会を食い合うから、市場の方向性に賭けるタイプのファンドが増える。それだけ市場リスクは高まる。リスクをきちんと管理し、全体として成績を最大化できるかどうかが本当の差が出るところだ」 運用者育成カギ ――具体的にどういう対応策があるのか。 「優れた運用者を自ら集め育てていくことが、FOHFとして勝ち抜くために重要だと考える。当社は『3%育成策』というプログラムを持つ。ファンド残高全体の3%だけ特別にプールし、若い有望運用者に運用を任せてみるのだ。投資単位は500万−2000万ドル。野球でいえばファームのようなもの。ここで実績を上げれば、1人前の運用者として卒業を認める。その条件は、運用手法に競争力があり、かつ持続性があることだ」 (聞き手はニューヨーク=藤田和明) JPモルガン・オルタナティブ・アセット・マネジメント 1995年にカッツマンCEOら2人でファンド・オブ・ヘッジファンドを立ち上げた。現在、100本超のヘッジファンドに分散投資し、運用資産残高は86億ドル。きめ細かい運用管理で定評がある。 |
|
■2005/02/16
日経金融新聞 CSRファンド販売 西京銀、AIG系に委託 【山口】西京銀行(山口県周南市、大橋光博頭取)は企業の社会的責任(CSR)に積極的に取り組む会社に投資する初の専用ファンドの取り扱いを開始する。CSRファンドは環境をテーマにしたものが多い。西京銀はこれに加え、女性の就業機会提供や地域社会への貢献などの社会的責任も加味して投資するなど独自性を打ち出す。 今回取り扱うファンドの商品名は「AIG−SAIKYO日本株式CSRファンド」(愛称すいれん)。西京銀のみが取り扱う初めてのCSR専用ファンドとなる。委託会社はAIG投信投資顧問(東京・千代田)で、募集期間は21日から3月17日まで。 当初の募集金額は20億円以上500億円以下。申し込みは10000円以上、1円単位で設定が可能。申込手数料は3.15%(税込み)以内に設定している。 同行は今回のファンド取り扱いを記念したセミナーもAIG投信投資顧問と共同で初めて企画。今月から3月にかけて東京や山口県の周南市、下関市の3会場で開催する予定だ。 企業の社会的責任に対する関心の高まりを背景に、今後もCSRファンドの取り扱いを拡大するとともに、積極的に情報発信していく考えだ。 |
|
■2005/02/15
日経金融新聞 資産運用の新潮流 ヘッジファンドに聞く 1 米ポールソン・アンド・カンパニー ジョン・ポールソン社長 M&A対象株に的 収益率、年15%を確保 ヘッジファンド市場に機関投資家の資金が急速に流入するのに伴い、ファンド運用会社はリスク・リターンの見直し、安定収益の確保など運用戦略の見直しも迫られている。運用手法や投資家向け広報(IR)対策などについて各ヘッジファンド運用会社の責任者に戦略を聞いた。 ――ファンドの特徴は。 「企業の合併・買収(M&A)の対象になっている会社の株式に投資し裁定取引をするマージャー・アービトラージを専門にする。10年前から運用開始し、総収益率は年率15%前後を確保している。ベァ・スターンズのM&A部門のマネジングディレクターだった私を含めて、運用スタッフは皆M&Aの専門家だ。各人の経験を生かして企業が発表するM&A案件1つ1つを吟味し、実際に合併が成立するかどうかを予測しながら投資先を選別する」 ピープルで利益 ――最近投資した銘柄で高収益を得たのは。 「オラクルに買収されたピープルソフトヘの投資だ。この買収が成立するまでに18カ月かかったが、この案件で最大の不透明要素は合併後の会社が反トラスト法に抵触しないかだった。そのため米政府と欧州連合(EU)からの買収差し止め回避がはっきりした昨年10月末にピープル株900万株を購入した」 「その時点からオラクルは再3買収価格引き上げを迫られ、昨年12月に買収が成立するまでにピープル株は約29%上昇。我々は追加購入して最終的に1200万株投資し7000万ドルの利益を獲得した。この買収は現金によるものだったが、株式交換による案件の場合は被買収会社株を買い、買収する側の株式を空売りして裁定取引する」 ――リスク分散は。 「現在、世界の企業約40社に投資しており、各社の投資額は運用資産全体の3%以下に抑えている。国別では60%が、米企業、残りが西欧、カナダ、日本、シンガポールなどの海外企業だ。中南米とアフリカは証券市場が整備されていないので投資しない」 日本ではUFJ ――日本企業の投資銘柄は。 「三菱東京フィナンシャル・グループとの統合を発表したUFJグループ株だ。三井住友フィナンシャルグループが対抗してUFJとの統合比率1対1の申し入れを公表した時点でUFJ株を購入した。現在、UFJ株約7万株を保有しているが、三菱が最終的にどんな統合比率を発表するか注視し、三井住友提案よりも不利の場合は、統合には同意しないつもりだ」 「この案件が変わっているのは、普通、複数の買収提案があったら被買収会社は買収会社を競わせへ、より高い価格で買収されるよう自社の業績や財務内容の精査の機会を買収提案者に与えるはずだ。しかし、UFJは三菱が統合比率を明らかにしていないにもかからず、三菱側との統合に合意、株主の意向は無視している。過去10年間に4000社あまりの案件を見てきたが、こんなM&Aは見たことがない」 GEの時は最悪 ――最悪の投資案件は。 「ゼネラル・エレクトリック(GE)によるハネウエルの買収だ。反トラスト法に抵触しないとして米政府からは買収承認を得たが、欧州連合が待ったをかけた。これは予想もしなかったことだ。結局買収は成立せず、我々は1.8%程度の損失を被った」 今年の世界のM&Aの見通しは。 ――「昨年以上にM&Aが加速するだろう。ピーク時の2000年にはM&Aの案件は総額1兆ドルに上ったが、現在は発表ベースで4000億ドルあまりだ。2002年の低迷時にも1600億ドルはあっただけに、たとえM&A活動が鈍っても投資機会は十分ある。テクノロジー、金融、薬品、通信、金鉱など投資先業種は広範囲だ」 (ニューヨーク=伴百江) ポールソン・アンド・カンパニー 94年ニューヨークに設立。運用資産総額35億ドル。マージャー・アービトラージのほかにリストラや倒産、スピンオフなどをする企業に投資するイベント・アービトラージのファンドも運用。 |
|
■2005/02/15
日経金融新聞 ミニ辞典 ヘッジファンド △…株式や債券、通貨、商品などに投資し、相場の下落局面でも損失を回避できるような高度な手法を駆使し、相場の上げ下げにかかわらず収益を狙うファンド。少ない元手に対して借り入れ比率を上げ、高い利回りを目指す手法が一般的。 △…米証券取引委員会(SEC)の新規制の対象は運用資産総額が3000万ドル以上、投資家数15人(機関)以上の会社。登録運用会社にはコンプライアンス(法令順守)計画書の提出、チーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO、最高法務責任者)の任命などが義務づけられる。 |
|
■2005/02/13
フジサンケイ ビジネスアイ 銀座ホステス 浅川夏樹の 増やせ!かわいいお金 レッスン19 REIT、プロパティーファンド ITを3倍上回る海外の住宅バブル 高利回りの東欧の不動産投資信託 こんにちは、浅川です。 流行語になりました「負け犬」ですが、夜の銀座は「華麗なる負け犬のエンターテインメント」の場所といえます。いつまで華麗でいられるかは本人の努力次第となりますが、最近こんな相談が多いのです。 「家を購入するのなら、今のうちよね…」。 銀座ホステスは個人事業主という立場なので、普通のサラリーマンのように長期ローンを組めません。しかし、逆にその方がいいのかもしれません。家を長期ローンで購入しますと、元本、利息、税金(固定資産税・都市計画税)を併せて、3倍近い金額を払うことになります。利息をもらえるのと払うのでは大きな違いです。 不動産は、金融商品を購入するときとは違い、税の優遇制度があります。しかし、保有しているだけで税金を払わなくてはならないのです。 不動産を英語で「リアル・エステート」といいます。「リアル」はサッカーのレアル・マドリードというチームをご存じの方もおられると思いますが、欧州では本来、「王」という意味です。つまり「王様の土地」です。 国が住宅ローンを制度金融にして個人にお金を貸してくれるのはありがたいことですが、土地のリース料金と思われる税金も一緒についてきます。購入時の税の優遇措置は、そのお礼とも思えます。また、老朽化すれば修繕費がかかり、メンテナンス費が高い商品ともいえます。 一方で、不動産は株や債券と違う値動きをすることから、メリットもあります。流動性の低さから、情報が価格に反映するまでに時間がかかり、価格変動が金融商品に比べて小さく、人に貸せば毎月、賃貸料がもらえますから、実質利益(インカムゲイン)が何よりも大きな魅力です。値上がり後に売却すれば、売却益(キャピタルゲイン)がありますが、現状の日本では難しいようにも思えます。 しかし今、海外では住宅バブルの状態です。 英エコノミスト誌は昨年暮れに、「過去3年間に世界の不動産の時価総額が20兆ドル(約2100兆円)拡大し、60兆ドル(約6300兆円)を超えた。かつてこれほど多くの国々で、しかも同時期に大幅かつ長期にわたる住宅価格の上昇は例がない」と報道しています。国内にいると不思議かもしれませんが、数年来の世界的な住宅ブームは、まさにバブルです。 1999年までのITバブル期の3年間に、世界の株式時価総額は10兆ドル(約1050兆円)増加しましたが、住宅バブルの拡大規模はITバブルを3倍も上回ります。これは、世界3大バブル(注1)を上回るかもしれません。 外国ではリバース・モーゲージ・ローンといって、ローンを払い終わった家を担保に年金方式でお金を借り、老後の生活資金にする方も多くいます。このモーゲージ・ローンの債券ファンドは多々あり、一部には11%以上のパフォーマンスもあります。米国政府が保証する商品もありますので、このような商品は格付けでいえば、実質「AAA」格といえるでしょう。 直接、不動産を購入しなくても、不動産投資信託(REIT=リート)があります。REITは投資家から集めた資金を商業ビル、マンションなどに投資して賃貸料や売却益を分配する仕組みです。年2回の決算時に配当があり、流動性の高さから人気があり、雨漏りや火災の心配もなくていいかもしれません。 わたしの場合は、同じREITに注目をするのならば、国内よりも、成長しそうな国に興味があります。欧州パブリック不動産協会(EPRA)のグローバル・プロパティー株式指数(注2)は、欧州が41.7%、アジアが27%、北米が23.9%の伸び率という結果です。 東欧は、住民の90%が賃貸住宅に住むといった特殊な事情から、今後、経済成長とともに伸びる可能性を秘めています。1万5000ユーロ(約200万円)から購入でき、最初の1年間は7.15%の確定利回り、目標リターンが15−20%という商品も探せばあります。 それでは、皆さま素敵な日曜日をお過しくださいませ。 (注1)世界3大バブル 17世紀のオランダのチューリップ・バブル、18世紀の英国の南海泡沫事件、そして史上最大のバブルはインターネット・バブル。 (注2)グローバル・プロパティー株式指数 アジア、欧州と北米で取引されている243の大型不動産株を集計したもの。 あさかわ・なつき 銀座のクラブホステス。上場企業のOLを経てこの世界に。ショットバー経営など経営者の顔も持つ。著書に「わたし、かわいいお金を海外投資でふやしました。」、主宰する海外の金融サイトはhttp://kaigaitoushi.com/ |
|
■2005/02/11
日本経済新聞 課税強化めぐり火花 投資ファンド猛反発、財務省は「方針不変」 政府が2005年度の税制改正で打ち出した海外の投資ファンドへの課税強化に対し、投資ファンドが「資金流入が細りかねない」と猛反発している。しかし財務省は「租税回避行為を防止するために必要な税改正だ」と判断、当初方針を貫く構えだ。 問題となっているのは外国人投資家が海外投資ファンドを通じて日本で得た所得への課税強化。日本企業に25%以上を出資する投資ファンドが大量の株式を売却して得た利益に対し、原則として株式譲渡益を課税することなどが1月に閣議決定した税制改正要綱に盛り込まれた。 現行税制でも25%以上を出資する大株主は納税義務がある。しかしファンドに参加する投資家が株式を分散保有すれば規制に触れず、納税を回避できるとの指摘があったため、ファンド全体で出資比率を判断することにした。日本と租税条約を結んでいる米国の投資家などは課税が免除される。 財務省が課税強化を打ち出したのは、政界や国内投資家の間で「海外投資家の徴税漏れが多発している」という不満がくすぶっているのに対応した面もある。定率減税の廃止や消費税率の引き上げなどの大型増税の前に、課税の公平性を実現することが不可欠との思いもあるようだ。 投資ファンドは今年に入って「突然の課税強化は遺憾」として財務省などに撤回を要望。市場でも株式相場への影響を懸念する声が出始めている。これに対し財務省は「現行税制の中で課税漏れを防ぐ措置を取っただけだ」と強調している。 |
|
■2005/02/10
日本経済新聞 再生ファンド投資を解禁 金融庁は9日、新銀行東京に対し、今年4月の営業開始まで停止を命じていた銀行関連業務を、企業再生ファンドヘの投資に限って解禁したと発表した。新銀行は昨年、既存銀行を買収して準備会社を設立。金融庁は、顧客の誤解を防ぐため準備会社の業務停止を命じていたが、同行がファンドヘの投資を希望しており金融庁でも実務上問題は無いと判断、関連業務の解禁を決めた。 |
|
■2005/02/10
日経金融新聞 紀陽銀 企業再生ファンド設立 来月メド、オリックスと組む 紀陽銀行とオリックスは9日、地域企業の再建を目的とした企業再生ファンドを3月末をメドに設立することで基本合意したと発表した。紀陽銀とオリックスグループの企業再生ノウハウを融合し、同行の営業圏内の経営不振企業を事業面・財務面から再構築し再建を目指す。ファンドの規模は100億円を目標にする。 ファンド名は「くろしお企業支援ファンド」。出資比率は紀陽銀が10%、オリックスが90%。紀陽銀や他の金融機関の貸出債権を買い取る形で再生対象企業に投資。業績を改善して債権価値を高め、投資を回収する。 ファンドの運営はオリックス、債権の管理回収はオリックス債権回収(東京)が担う。紀陽銀にとっては、リレーションシップバンキング機能強化計画における早期事業再生への取り組み強化の一環にあたる。地域経済の活性化を促すほか、不良債権処理が進む利点がある。(和歌山) |
|
■2005/02/10
日経金融新聞 注目集める“ご当地ファンド” 小さい価格変動リスク 本社や事業エリアが地元の企業の株式に投資する「ご当地(地域密着)ファンド」に注目が、集まっている。静岡や茨城、九州など主なもので現在10本程度あり、運用成績も総じて良好。投資対象が限定されるにもかかわらず、価格変動リスクは日経平均株価より小さいファンドが多い。分散投資の選択肢にもなりそうだ。 ご当地ファンドの先駆けは大和証券投資信託委託が2002年4月に設定した「静岡ベンチマーク・ファンド」。地域名をうたうもの以外では、トヨタ自動車グループが投資対象のファンドも、ご当地ものといえよう。 日経平均と比べた過去の運用成績には差があるが、基準価格はすべて当初元本を上回っている。注目は価格変動リスク。「トヨタグループ株式ファンド」以外はすべて日経平均より小さい。組み入れ銘柄数は「トヨタファンド」の20銘柄から、最大でも80程度と日経平均の225銘柄よりもかなり少ない。 価格変動リスクが小さい理由を探るため、時価総額100億円以上の上場企業を本社所在地で区分し、地域毎に所属銘柄を等金額で買い付けたポートフォリオの騰落率と価格変動リスクを調べた。直近3年間では、組み入れ銘柄数が全体(1574社)よりかなり少ないが、リスクは小さいものが多い。4社の沖縄は、リスクが全体よりやや小さい半面、株価は2倍強に上昇した。 理論的に、複数の銘柄を等しく組み入れたポートフォリオのリスクは、組み入れ銘柄個々の株価変動リスクの単純平均以下となる。銘柄間の株価連動性(相関係数)が小さく、逆方向であればあるほど下がる。実際、沖縄4社のうち3社の株価変動リスクは全体より大きいが、銘柄間の株価の連動性は小さめだづた。 全社を組み入れたものの騰落率をみると、3年間で6割近く上昇しており、同期間の日経平均の14%を大きく上回る。東証第一部の大型株だけではなく、新興企業や時価総額が小さい企業を平均した結果である。 今のところ、ご当地ファンドが全国的に広がるような動きは見られない。複数銘柄に投資したからといって、リターンがプラスになるとも限らない。ただ、こうした地方企業にも目を向けることで、より小さめのリスクで、より高いリターンを獲得するための選択肢が広がる可能性がある。株式の分散投資でも役立てたい視点だ。 (QUICK・QBR) |
|
■2005/02/09
日本経済新聞 信金と国立大 産学連携支援 中小仲介やファンド創設 全国信用金庫協会と朝日信用金庫(東京都)は4月をメドに、全国の信金と約40の地方国立大学を結ぶ産学協同の支援組織をつくる。取引先の中小企業と大学を仲介して共同事業を促すほか、技術開発や大学発ベンチャーに投資するファンドもつくる。私立大学や公的研究機関、自治体などにも参加を呼びかける方向で、金融機関と大学の連携網としては最大規模になる見通しだ。 朝日信金と電気通信大学の技術移転機関キャンパスクリエイトが昨年設立した産学協同組織「コラボ産学官」を母体とする。すでに大分大学や室蘭工業大学など10大学が加わっているが、40大学程度に増やし、参加信金も全国に広げる。 大学と中小企業の共同研究の成果を製品化するファンドも信金やリース会社などから出資を募り、50億円規模でつくる。 |
|
■2005/02/06
日本経済新聞 ファンド資本主義 熱狂から定着へ 4 「万能」の幻想 黒字に徹して存在感 「ああ、あのチームは6月に解散します」。1月28日、三菱自動車の新再建計画の発表会見。同社会長を兼務することになった三菱重工業会長の西岡喬は、リストラ策を練ってきた事業再生委員会について聞かれ、そっけなく答えた。 事業再生委は昨年5月の再建計画で750億円を出資したファンド、フェニックス・キャピタルが三菱自の社内に設置した組織。委員長であるフェニックス社長、安東泰志のもとに結集した若手社員は、西岡の発言に肩を落とした。 新再建計画では三菱重工など三菱3社が2700億円を追加出資する。フェニックスは三菱自の株式を順次売却するが、安東は「やるべきことはやった」と主張する。昨年5月にフェニックスが出資しなければ、三菱自の命運はその時点で尽きていたかもしれない。三菱各社に考える時間を与えることもできた。 再建を自らの手で軌道に乗せたいと考えていた安東が一線から退くことについて、ファンド関係者は一様に「三菱自の支配権を握れなかったのが原因」と指摘する。約3割という出資比率は、当時の三菱自の資金繰りから逆算したもの。過半数を取れず、三菱グループ企業に資本の論理で対抗しきれなかった。 昨年来のダイエー再建劇でも、名乗りを上げた海外の巨大ファンドが産業再生機構の入札で次々に競り負けた。経営ノウハウの面で同業の流通業や商社に及ばないのは明らかだ。 与党の2005年度税制改正大綱では、ファンドに出資する海外投資家への課税強化が盛り込まれた。実現すれば、ファンドの最大の武器である豊富な資金量を支えた海外マネーの流入が細る可能性もある。 海外ではファンドの機能を見極め、ファンドと企業との新しい関係を模索する動きが出始めた。 米映画会社メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)を投資ファンドと組んで買収するソニー。買収総額は49億ドルに上るが、ファンドに大半の資金を拠出させることで、自社の負担は3億が程度に抑える。ソニーは少額出資のMGMを連結対象にする必要がなくなる一方、同社のソフト資産は利用できる。投資ファンドがMGMの価値を高めてくれれば、自社の出資分も価値が上がる。 この壮組みを練ったのが、米国ソニーの最高財務責任者を務めるロバート・ウィゼンソール。2000年にソニー入りするまで、米投資銀行で14年間、企業の合併・買収業務に携わった。「ファンドに企業経営はできないが、良い経営者を送り込み企業価値を高めることはできる」。投資銀行マンとしてファンドと付き合ってきた、ウィゼンソールの結論だ。 バブル崩壊後、日本では機能不全に陥った銀行に代わり、ファンドが資金供給や企業再編の黒子として台頭した。今後、ファンドが根付いていくには、投資銀行や企業との役割分担を見極め、共存していくことが条件になる。=敬称略(おわり) この連載は小平龍四郎、大.西康之、村山浩一、菅野賢一、藤田和明、瀬能繁、松本清一郎が担当した。 ▼ファンド収益への課税 昨年12月の与党税制改正大綱で、投資ファンドを通じて得た海外投資家への所得に源泉徴収を導入する案が盛りこまれた。現在は海外投資家が日本の税務署に申告する方式だが、申告漏れが多発しているとの見方が背景。米系ファンドなどは撤回を求めている。 |
|
■2005/02/05
日本経済新聞 ファンド資本主義 熱狂から定着へ (3) 地方で「官」空回り 「使いづらい」利用者そっぽ 大阪版の産業再生機構として大阪府が創設した「元気出せ大阪ファンド事業」。事業開始から1年たつが、融資総額は目標の300社、600億円に対しわずか7社、9億5000万円だ。 同事業の内部委員会が支援決定した企業は商工組合中央金庫の保証付きの制度融資などを受けられるが、「体力の乏しい信用金庫などが債権放棄に応じにくく、利用が伸びない」(事務局)。人件費など府が出す運営費は6億円にも上る。昨年11月の府議会では「費用対効果があまりにひどい。政策ミスだ」(府議の松井一郎)と事業中止を求める声が飛び出した。 地域経済の活性化策が求められるにつれ、自治体や国の機関が出融資などをする官製ファンドの設立は急増、設立予定を含め16に上る。だが、大半は実績が伴わない。茨城県、国の中小企業基盤整備機構などが出資する「茨城いきいきファンド」は設立から9カ月だが、投資はゼロだ。 実績低迷の裏には「専門家の不在」がある。産業再生機構は実務経験が豊富な民間ファンド出身者らが腕を振るうが、地方の官製ファンドでは人材不足は決定的だ。銀行関係者は「一部弁護士を除くと、事業の担当者は企業価値の算定手法など企業再生のノウハウが不足気味だ」と批判する。 地方ファンドは運営会社選定にも問題を抱える。中小機構による出資ファンドは茨城のほか、栃木、静岡、鳥取・島根、高知、大分の計6つあるが、中小機構は運営会社を有力地銀の100%子会社などに限定し、大半はノウハウが豊富な民間の投資会社を排除した。「東京の投資会社に任せると途中で逃げられる」などと説明するが、しがらみを断ち、第三者の目線で再生を担うはずのファンドが、「地銀丸抱え」状態だ。 静岡中小企業支援ファンド「パートナー」の場合、運営するのは静岡銀行子会社の静岡キャピタルで担当者は皆、銀行からの出向者。静銀は中小機構に次ぐ出資者でもある。それでいて債権を持ち込むのも静銀。不良債権の買い手と売り手が同系列という不透明感はぬぐえない。 「中小機構が求める地銀子会社運営のファンドでは不良債権を持ち込みにくい」――。地銀と提携してファンドを運営するリサ・パートナーズ常務の田中敏明は中小機構に不満を漏らす有力地銀のトップの声を直接聞いた。子会社運営のファンドへの転売では、債権切り離しが認められない可能性があるからだ。官が設計する制度が民の実情に合わないでいる。 官の足元を見透かすように、民間主導の企業再生ファンドを選んだ地銀は実績づくりで先行する。福岡銀行は2003年からジェイ・ウィル・パートナーズとファンドを組成。簿価ベースで550億円、約50社の債権を売却した。このうち15社がすでに他の金融機関から融資を受けるなどファンドの手を離れた。地元の官製ファンドがあるのに別のファンド設立に向けオリックスと組んだ宮崎銀行は、「官より民の方が仕事が円滑だ」と言う。 次々と設立された地方の官製ファンド。「官の商法」がもたらした人材と制度の不備で、空回りが続いている。 ▼地方ファンド 地域の中堅・中小企業の再生をめざすファンド。数は設立予定も含め34、投資設定枠は1兆円を上回る。地方自治体や国の機関が出資する官製ファンドも。不良債権処理策の一環として地銀が積極的に活用し始めた。 |
|
■2005/02/03
日本経済新聞 ファンド資本主義 熱狂から定着へ 1 「淘汰」の予兆 人材難、だぶつくマネー 企業再生や資産売買の表舞台に躍り出た様々なファンド。豊富な資金を背景に活躍の場は広がるが、バブル化を懸念する声もある。過熱するファンドビジネスの断面を追い、ファンド資本主義が日本に定着するための課題を探る。 「予想よりも高い値段だった」−−。サッポロホールディングス社長の岩間辰志は喜びを隠せない。昨年12月、米スターウッド・キャピタル・グループなどに売却したウェスティンホテル東京(東京・目黒)の値段は501億円。過去に他社から打診された額を約100億円上回った。 都心に近い高級ホテルとはいえ、「供給過剰のなか、開業から10年の物件にしてはかなりいい売値」(ホテル業界関係者)。 ユニゾン・キャピタルが、昨年末まで資金を集めていた企業買収の2号ファンドは750億円と当初計画を5割上回った。東ハトなどへの投資実績から、出資希望が殺到。金額はもっと膨らみそうだったが、利回り確保に向け、「厳選投資するため」(江原伸好代表)と打ち切った。 日本経済新聞社の調査では事業再生などを手掛けるファンドに昨夏までの1年間に流入した資金は約1兆3000億円。市場関係者によると投資利回りは推定15%と悪くない。国内生損保やメガバンク、貸し出し難の地方金融機関、海外の大学基金、ファンドに投資するファンドなど、リターンを求める顔ぶれは多彩だ。 カネ余りを背景にあふれるファンドマネー。その一方で、投資案件を発掘するファンドマネジャーやターンアラウンドマネジャー(再生請負人)などの人材不足は深刻になっている。 人材あっせん会社、デルタウィンCFOパートナーズ社長の安藤秀昭は昨年、再生ファンドから最高財務責任者(CFO)探しの依頼を82件受けた。延べ11人を仲介したファンドもある。産業再生機構の人間も7、8人面接したが、“合格”は2人。「要求を満たす人材は少ない」 カリスマバイヤーの下で再建が進む福助。2003年に同社を買収したMKSパートナーズ代表、川島隆明は昨年9月突然退任。新ファンドを立ち上げ、500億円を目標に着々と資金を集めている。腕っこきのファンドマネジャーなら独立してもたちどころにカネが流れ込む。 だが、メガバンクなどの不良債権処理がヤマ場を越え、大型の再生案件が一段落するなかで、資金がだぶつき、投資家の期待に応えきれないファンドも目立ってきた。中堅・中小企業の再生に強みを持つアドバンテッジパートナーズ代表の笹沼泰助は最近、「ファンド間の競合が激しく、買収価格は上昇する傾向が強まっている」と感じる。 投資コストの上昇に人材難。ユニゾン・キャピタル創業メンバーで一橋大大学院助教授の佐山展生は「企業買収・再生だけで100以上あるファンドのうち、8割以上は5年以内に消える」と断言する。ある米系ファンドは、案件の減少などで投資のうまみが落ちるとみて、今春、日本の不良債権投資から手を引く。ファンド淘汰(とうた)の予兆はもう起きている。 ▼ターンアラウンドマネジャー 破たん、あるいは破たんが予想される企業に入り、財務から事業まで、企業活動に伴うすべてのリストラを担当する再生請負人。米国の業界団体、ターンアラウンド・マネジメント・アソシエイション(TMA)には約200人が登録、日本でも事業再生実務家協会など複数の業界団体がある。 |
|
■2005/01/25
日経金融新聞 広島銀など 再生ファンド設立 総額100億円 重複債権を処理 【広島】広島銀行、もみじ銀行、広島信用金庫(広島市)の広島県内の3金融機関は1月中に、共同出資で「広島版地域再生ファンド」を立ち上げる。日本政策投資銀行と仏BNPパリバグループも出資に加わり、総額は100億円規模になる地元の主要金融機関が足並みをそろえることで、融資の重なる取引先などの再建を加速させる。25日にも発表する。 今後、県内の他の金融機関が追加出資する可能性もある。出資期間は原則5年で、金融機関によっては最長7年まで延長する。 BNPパリバグループは出資に併せて広島市内に拠点を設置し、担当者を常駐させる。 支援対象は競争力はあるが、過剰債務で収益が低迷している企業。ファンドは地元金融機関が保有するこれらの企業向けの債権を査定して、時価で購入する。財務リストラを促すとともに、現金収入が増えるように営業活動などを支援し、企業価値を高める。最終的には第三者に債権を売却することなどで投資資金を回収する。 他県の取引先企業も対象にする。政策投資銀やBNPパリバはこれまでの経験をもとに助言に携わる。BNPパリバグループは従来、系列のルネッサンスキャピタルマネジメント(東京・千代田)を通じて出資してきたが、今回は本体で投資する。広島銀系のしまなみ債権回収(広島市)も再建に協力する。 |
|
■2005/01/24
日本経済新聞夕刊 私募不動産ファンド倍増 昨年末 資産2兆2000億円に 利回り、REIT上回る 国内の私募不動産ファンドの資産規模が昨年末で2兆2000億円と、1年前の2.2倍に急増した。大都市の地価下げ止まりを受け、不動産への投資資金流入が拡大。資金の受け皿として、私募ファンドの存在感が高まっている。 住信基礎研究所、(東京千代田)が外資系を除く国内ファンドに限定し、アンケートや公表データを基に集計した。調査対象は72社。同時期の上場の不動産投資信託(REIT)の市場規模は2兆1000億円で、私募ファンドが規模で逆転した。資産額に対する借入金比率を高めるなどREITに比べ高利回りな点が投資家の人気を集めた。 資金の出し手は国内シフトが進んでいる。ファンド出資額に占める比率では国内の機関投資家が47%と1年前の29%から大幅に増加。海外投資家は24%から13%に半減した。運用難を背景に、国内の銀行や企業年金などが不動産に資金を振り向けているためだ。国内機関投資家に次いで投資額が多かったのは事業法人と個人だった。 ただ、私募ファンドの乱立で物件争奪戦は激化している。今回の調査でも、7割強のファンドが東京都心の大規模オフィスビルは「取得が困難」と回答した。このため、関西やその他の地方などに投資地域を拡大する動きが目立つという。 |
|
■2005/01/21
日経金融新聞 岐阜の7金融機関 中小企業再生で連携 仏系ファンド活用 25日提携 時価で不良債権売却 【岐阜】十六銀行、大垣共立銀行、岐阜銀行など岐阜県内の7金融機関は仏BNPパリバ系の事業再生ファンド運営会社、ルネッサンスキャピタルマネジメント(東京・千代田)と連携し、地元中小企業の再生に乗り出す。経営不振に陥った中小企業の不良債権をファンドに譲渡し、ファンドが再生を支援する。中小企業の再生ファンドは全国で増えているが、民間の7金融機関による幅広い協力は初めてという。 中小企業再生の新たな仕組みに参加するのは3行のほか、岐阜、大垣、高山、東濃の4信用金庫で7金融機関。ルネッサンスキャピタルマネジメントと25五日に業務協力協定を結ぶ予定だ。 中核となる再生ファンドはルネッサンス社が運用する中小企業専門の「ルネッサンスファンド2号」。同ファンドには日本政策投資銀行、生損保など19社が計310億円を出資している。 ルネッサンス社が再生可能と判断した中小企業向けの貸出債権を査定したうえで、金融機関から時価で買い取る。不稼働資産の売却、不採算事業からの撤退、財務リストラなどで支援企業を再生させる。 金融機関は債権売却によって不良債権をバランスシートから切り離し、財務改善を加速できる。一方、ファンド側は中小企業が再生した後に貸出債権を第三者に譲渡する。買い取り価格との差額がファンドの利益となり、投資家に還元する。 岐阜県は地場産業中心に中小企業の比率が高く、地域経済の活性化には中小企業の再生が不可欠となっている。今回の連携は、地元の経済振興を重視した岐阜県が音頭を取り、県内の3地銀、4信金の参加をとりまとめた。岐阜県はさらに、岐阜県内の他の信金にも参加を呼びかけていく考えだ。 |
|
■2005/01/19
日本経済新聞 地方の企業対象の再生ファンド 投資枠1000億円超 32都道府県に拡大/きめ細かく経営指導/地銀と組む 地方の中堅・中小企業を投資対象とした企業再生ファンド(再生基金)の投資設定枠が1000億円を上回る規模に拡大した。不良債権処理を急ぐ地域金融機関などが相次いで設立したためで、ファンド数は33、対象地域は32都道府県に広がった。地方版の産業・金融の一体再生は受け皿づくりから実行の段階に入る。 具体的な投資設定枠が決まっている地方の再生ファンドは17。残りの16ファンドは投資枠について「案件次第」としている。今後の活動次第で地方再生ファンドの総投資枠は1500億−2000億円程度に膨らむ可能性もある。 地方の再生ファンドは経営不振企業の株式を取得するのではなく、取引金融機関から貸出債権を割安で買い取って投資するのが一般的だ。債権者の立場できめ細かく経営指導にかかわり、企業業績を改善して債権の価値を高め、投資を回収していく。 地域金融機関にとってはファンドへの債権売却で不良債権を一気に圧縮できる利点があり、百前後の地域金融機関が債権売却だけでなく、ファンドへの出資などの準備を進めている。 地方の企業再生ファンドの約3分の2は地方銀行が投資会社と組んで設立した。投資会社の一つ、リサ・パートナーズは広島、北日本、第四など地方銀行6行と提携し、ファンドを運営している。現在も30行以上と交渉を進めており、地銀と投資会社が組んだファンドが相次ぐ見通しだ。 地方自治体や公的機関が支援する官製ファンドも増えてきた。独立行政法人・中小企業基盤整備機構は四国銀行、高知銀行などと共同で月内に「南国土佐再生ファンド」を設立。東京都が4月以降に設立する新銀行東京(東京・千代田)は開業に先立ち、2月にも最大200億円規模のファンドをつくる。ただ、ファンドを設立したものの、まだ投資実績のない休眠ファンドもある。企業の実際の立て直しはこれから本番を迎え、成否はなお不透明だ。 ファンドの出口戦略も課題となる。大手企業が投資対象の大型ファンドは株式を支援企業(スポンサー)に転売するなどして投資を回収しやすいが、同じ域内で支援企業を探すのは難しい。大半のファンドは地域金融機関に債権を買い戻してもらう方式を想定しているとみられるが、投資先企業の業績が改善しないと塩漬けになる危険性も残る。 |
|
■2005/01/18
日本経済新聞夕刊 再生ファンドのリサ・パートナーズ 地銀と連携拡大 年内に20行 200億円運用 東京証券取引所マザーズ上場で企業再生ファンドを運営するリサ・パートナーズは、地方銀行との連携を拡大する。現在、地銀6行と共同出資で再生ファンドを運用しているが、年内に20行程度まで増やし、運用資産も昨年末時点の35億円から200億円まで拡大する。地銀の不良債権処理が今後本格化する見通しで、ファンドを活用した地域再生の動きも一段と広がりそうだ。 リサ・パートナーズは今年度から同事業に乗り出した。これまで広島、北日本、第四、東邦など地銀6行と再生ファンドを設立、ほかに30行以上と交渉中という。3月末までに3−4行とファンドを新設、資産規模を百億円弱にする。 問題融資先の債権を地銀から時価で買い取り、経営支援で収益力を高めて債権を回収する。ファンドの利回りは年8−10%を目標にしている。 地銀は不良債権処理が遅れ気味だが企業再生ノウハウに欠けるケースも多い。このため地銀支援のビジネスも広がっており、オリックスや投資会社のジェイ・ウィル・パートナーズ(東京・中央)なども地銀と連携し再生ファンドを設立している。 |
|
■2005/01/18
日経金融新聞 複数ファンド 一元管理 独銀、投資家向け新サービス 瞬時に成績確認 運用資産、2年で3割移行 日本で販売へ 【フランクフルト=磯山友幸】ドイツで「マスターKAG(マスターファンド)」と呼ばれる新型ファンドが急成長している。年金基金など機関投資家が持つ複数のファンドを統合し、リスク管理を一元化できるのが特長。導入2年で独国内の運用資産の約3割が移行した。同ファンドの管理を手がける独銀のうちプライベートバンク大手のメッツラー銀行が日本の機関投資家向けの販売に乗り出すなど、ドイツ国外へも広がり始めた。 マスターファンドは、機関投資家が持つ複数のファンドを統合し、銀行がひとつのファンドとして管理する。投資家は従来の運用委託先をそのまま引き継ぐことができる。複数のファンドに投資する「ファンド・オブ・ファンズ」に似ているが、法的には一つのファンドとして扱われ、監査費用や管理手数料などが少なくて済む。 投資家はマスターファンドを管理する銀行が提供する情報システムを通じて、ファンド内の投資状況を一元的に把握する。運用委託先の売買取引が証券保管(カストディ)会社を通じて管理銀行に報告されるため、投資状況を日々把握できる。 投資家はファンド全体の成績を瞬時に確認することが可能になり、株式や債券など投資対象別の情報も得ることができる。運用委託先ごとの成果や取引内容もチェックできるため、運用委託先への資金配分を見直したり、新規に他の運用委託先を加えたりしやすい特長がある。 規模の小さい複数の投資家が集まり、ひとつのマスターファンドを形成することも可能。メッツラー銀は「資産規模が小さい日本企業の年金基金などに最適」(パートナーのゲアハルト・ヴィースホイ氏)とみて、日本の機関投資家にも本格的に売り込む。資金規模を大きくすることで経費比率の引き下げが可能になる。 管理銀行はファンド全体を管理する。ファンド全体のリスクヘッジなど、付随業務も手掛ける。管理業務を本格的に手がけるのはメッツラーのほか、資産運用大手のウニベルサル、ヘッセン・チューリンゲン州立銀行、英HSBC子会社の投信会社INKAなど。大手銀行ではドイツ銀行やヒポ・フェラインス銀行の資産運用子会社が扱っている。 ただ、多額の情報インフラ投資が必要なため、資産運用業務に特化する主要行も多い。 独銀行法の改正によって業務の外部委託などが解禁されたことを受け、独銀は新型ファンドを取り扱えるようになった。2002年後半から年金基金や保険会社向けにサービスを提供し始めた。年内には資産運用会社が取り扱う独国内の運用資産の半分が、新型ファンドに置き換わるとみられている。 |
|
■2005/01/12
日本経済新聞 再生ファンド 回収急増 昨年4200億円、1年で10倍に 企業の再生を支援する投資ファンドの資金回収が活発になっている。投資先の企業を2004年に事業会社などへ転売した実績は、金額べースで前の年の10倍の4200億円に達した。経営陣の派遣や資金投入の成果で経営が立ち直り、売却で利益が確保できるようになった投資案件が増えた。2000年ごろから企業買収に積極的に乗り出した投資ファンドは、資金回収を実現する段階に入ってきた。 企業の合併・買収(M&A)仲介のレコフ(東京・千代田)によると、昨年1年間に再生ファンドが投資先の企業を事業会社や他のファンドなどに売却した件数(公表日べース)は30件、4174億円だった。2003年は10件、417億円で、件数も前の年の3倍に増えた。株式公開による投資回収は4件にとどまった。 売却先はソフトバンクやライブドアなど情報技術(IT)企業のほか、日立製作所や東京電力など大手企業も目立つ。各社は戦略的な事業分野を強化するには、ファンドが再生した企業を買うのが効率的だと判断した。 ファンドの最大の回収金額は米リップルウッド・ホールディングスが日本テレコムをソフトバンクに売却した3400億円。投資利回りは年率換算で3割を超えたもよう。転売前の買収額が推定できる11社でみても年率15%以上を確保したファンドが多い。事業会社への転売は株式を公開するよりも資金回収までの時間が短縮できる。 |
|
■2005/01/12
日経金融新聞 日本リテールファンド 投資法人債発行へ 国内初 今年、最大1000億円 不動産投資信託(REIT)を組成・販売する日本リテールファンド投資法人は国内で初の「公募投資法人債」を今年中に最大1000億円発行する。昨年12月の証券取引法の改正で投資法人も発行登録制度を利用して債券が発行できるようになったことを受けて活用する。 同社は昨年12月に3000億円の発行登録を済ませた。発行時期や回数、年限などは未定としている。調達した資金はREITに組み入れる不動産物件の取得費用に充てる。向社はテナントからの敷金や保証金など長期資金を預かっており、長期・超長期債の発行にはこだわらないという。 投資法人は法改正前は発行登録制度を利用できず、公募債を発行できなかった。私募債に比べて多額の資金を調達できるため、今後は発行する投資法人が増えそうだ。 |
|
■2005/01/12
日経金融新聞 パシフィックマネジメント 商業施設ファンド組成 100億円規模 利回り10%見込む パシフィックマネジメントは5月までに、都心の商業施設に投資する不動産私募ファンドを組成する。資産規模は100億円程度で、期待運用利回りは10%前後になる見通し。ファンドの投資対象を商業施設に限った不動産ファンドは珍しい。年金基金など機関投資家がオフィスビルなどに比べて高い利回りの見込める商業施設に注目している、ことに対応する。 パシフィックは昨年から、東京・渋谷の商業ビルや静岡・浜松のショッピングセンターなどを積極的に取得。自己勘定で保有する商業施設は昨年11月末時点で65億円程度に達した。 国内証券会社がファンドに出資する機関投資家を募集し、パシフィックがファンドの組成や商業、ビルの運営・管理などを担当する。ファンド組成当初は証券会社が自己資金で投資する。 これまでパシフィックはマンションやオフィスビルで運用するファンドを組成してきたが、商業施設ファンドを組成するのは初めて。10億円前後の都心の中型商業ビルや、郊外のショッピングセンターをファンドに組み入れる方針。 優良オフィスビルは取得価格上昇などを背景に高利回りが見込みにくくなりつつあり、「オフィスビルで運用するファンドに投資した投資家には、商業施設など投資対象を分散する需要もある」(経営企画室)。 パシフィックは不動産ファンドの残高を2006年11月期に前期比3倍の4500億円まで増やす計画。運用対象を広げ、投資資金を取り込みたい考えだ。 |
|
■2005/01/12
日経金融新聞 シグナル トヨタファンド313億円 28%上昇、地元で人気 トヨタ自動車とグループ企業20社の株式で運用する株式投信「トヨタグループ株式ファンド」の残高が昨年末に300億円を突破した。投資対象も購入者も大半が愛知県内の「ご当地ファンド」。トヨタブランドの威力で個人金融資産を取り込んでいる。 同ファンドは2003年11月に設定され、投資先は50%がトヨタの株式。残り半分がデンソーやアイシン精機などグループ企業。運用もグループのトヨタアセットマネジメントが手がける。残高は昨年12月22日に300億円を突破、1月11日時点で313億円になった。基準価格も設定当初の1万円を上回り、11日時点で12809円に上昇している。 購入している投資家の多くは愛知県在住とみられる。取扱金融機関はトヨタファイナンシャルサービス証券のほか、名古屋、愛知、百五銀行、豊田信用金庫など9つあるが、三井生命を除いて中部3県(愛知、岐阜、三重)に本拠を置く地域金融機関。なかでも名古屋銀と愛知銀の残高が突出しており、トヨタの"おひざ元"での販売好調ぶりが際立つ。愛知銀は「業績拡大を続けるトヨタヘの安心感と、地元で知名度の高い企業が多いことによるわかりやすさが売れる理由」とみている。(名古屋) トヨタファンドを構成する20社 ・トヨタ自動車 ・デンソー ・豊田自動織機 ・アイシン精機 ・日野自動車 ・豊田合成 ・あいおい損害保険 ・豊田通商 ・ダイハツ工業 ・光洋精工 ・トヨタ車体 ・小糸製作所 ・愛知製鋼 ・豊田工機 ・東海理化 ・関東自動車工業 ・愛三工業 ・中央発条 ・大豊工業 ・共和レザー |
|
■2005/01/06
日本経済新聞 農業ファンド芽吹く 農林公庫 ポッカなど 規制緩和にらむ 農林水産分野で投資ファンドを設立する動きが相次いでいる。農林漁業金融公庫が経営基盤の強化を図る農業法人をターゲットにした投資会社を今夏にもつくるほか、食品メーカーなども有機栽培などを手掛ける企業向けファンドの設立を計画中。規制緩和で農業分野に参入する企業が相次ぎ、有望な投資先が増えるとの期待があるためだ。 農林公庫は農協などと共同で投資会社を設立。耕作面積を広げて経営規模を拡大する農業生産法人などに資金を提供する。ファンドの規模は18億円。不良資産を抱えた法人や農家から、農地や栽培施設を買い取る資金を支援。農家が離農して耕作放棄となった田畑を集め、生産性の高い農家を育てる狙いもある。 民間レベルの動きもある。ポッカコーポレーションや三洋電機、大手ベンチャーキャピタルなどは今年の夏にもファンドを立ち上げる。投資先は有機野菜の水耕栽培やカニの養殖、シカ肉の生産などを手掛ける企業を検討中で、10−20社への投資を見込んでいる。 設立間もないベンチャー型企業の投資に力を入れる動きも出てきた。農林中央金庫などが出資するアグリビジネス投資育成(東京・千代田)は農業へ新規参入する企業の支援を加速する。同社は2002年10月に設立、21社へ約5億円の資金を提供した。さらに今年3月までに10社程度の投資を計画している。 ファンド設立が相次ぐ背景にあるのは農水省による農業参入規制の緩和。同省は年内にも一般の株式会社にリース方式による農地利用を認める方針。食品メーカーや地方の建設会社が野菜などの栽培に乗り出す予定。事業が軌道に乗れば株式公開もあり、農業分野は投資先としてひそかに注目が集まっている。 |
|
■2004/12/29
日本経済新聞 ファンド資本主義 投資企業は今 C 産業再生機構 カネボウ 選択と集中、負の連鎖断つ 「ナイーブの復活はカネボウの復活につながる」−−。カネボウ社長の小城武彦は看板商品、ボディーソープ「ナイーブ」のリニューアル発表会見でこう強調した。かつてはシェア20%を超えるトップブランドだっだが、現在は10%にも満たない。 過大な売り上げ目標に基づいた押し込み販売で、価格とブランド価値を下げ続けたカネボウの悪循環を象徴する商品。小城は中身の詰め替えやすさなどの使い勝手を追求し、商品力を工夫。宣伝費も従来の4倍を投入する。「ナイーブ再生」をカネボウ浮上の突破口に位置づける。 産業再生機構の支援を受けて再建を進めるカネボウでは、不採算事業が採算事業にもたれかかり、全体の士気と収益性をおとすという負の連鎖を断ち切る試みが進んでいる。機構が不採算や非中核とみなして売却や清算に踏み切った事業は20前後にもなる。 これまで不採算事業の赤字の穴埋めに垂れ流していた資金をナイーブなどの将来性のある商品に重点投入し、競争力を取り戻そうというのが基本姿勢だ。過去のしがらみにとらわれないファンドの力学が企業の切り分けを推し進める。 長くカネボウの屋台骨だった繊維事業も例外ではない。カネボウは他企業からの出資を受け、長浜工場(滋賀県)と北陸合繊工場(福井県)を運営する新会社を設立する方向だ。カネボウが5割弱を出資するが、将来は出資比率を下げ、繊維事業を完全に切り離すことも検討する。 機構は当初、北陸合繊工場の売却には慎重だった。しかし日用品、薬品、食品を中核とする消費財メーカーヘの転換を進める中で、同工場の長期保有は難しいとの判断に傾いたようだ。売却事業の範囲はさらに広がる可能性がある。 事業売却には「カネボウの解体だ」「企業価値と雇用を損なう」との批判がつきまとう。だが再生機構は、縮小均衡に陥るよりは、優良スポンサーに事業を売却した方が、結果として雇用の維持や投資の促進につながるとみている。 例えば食晶大手の加ト吉に売却したカップめん事業。加ト吉は生産ラインを追加し、カネボウのノンフライめんの技術を生かした新商品の投入を決めた。 選択と集中で事業再生をめざすカネボウだが、不安もある。高収益事業としていち早く別会社化した化粧品事業で、先行きを危ぶむ声が一部で出ている。 百貨店一階の化粧品売り場では、資生堂や海外ブランドが入り口正面の目立つ位置に陣取り、カネボウは片隅に追いやられているようにみえる。売り上げが位置を決める百貨店で「前年同月比で1割程度の販売減少が続いている」(都内百貨店)とされるカネボウの立場はぜい弱なまま。化粧品事業は、収益を他事業の、赤字の穴埋めに吸い取られ、地道な研究開発の積み重ねができなかったツケが回ったといわれている。カネボウ再生の出口はまだ見えない。 |
|
■2004/12/25
日本経済新聞 ファンド資本主義 投資企業は今A SBIキャピタル かわでん 配電制御設備メーカー、かわでん(旧川崎電気)社長の西谷賢は感無量の思いでジャスダック上場の11月25日を迎えた。民事再生法申請企業の再上場は初めて。上場廃止からわずか4年弱での復活劇を支えたのが投資ファンド、エスビーアイ・キャピタル(SBIキャピタル)だ。 かわでんは1926年創業。62年には山形県で初めて東証第二部に上場した。製品はオフィスビル、商業施設、工場などに幅広く採用されている。90年代に入り、「全国制覇」のかけ声のもと採算割れ受注に手を出した。「1万円札を張り付けて納入したようなもの」。SBIキャピタル最高執行責任者(COO)の中野智弘は当時の営業姿勢をこう表現する。 工場や営業拠点を急拡大し、大型研究所、豪華社宅も建設。採算割れ受注で体力を消耗し、過大投資が破たんの引き金となった。2000年9月に民事再生法適用を申請し、同年12月上場廃止。創業家による経営に幕を閉じた。 破たんが表面化したとたん、直前期の年商の3割近い40億円もの受注がキャンセルになり、再建への道のりは遠いかに見えた。 01年8月、SBIキャピタルが出資したのを機に事態は好転する。「ファンドの信用補完で取引先との関係維持に役だった」(西谷)からだ。 破たん後のスポンサー候補に名乗りをあげた企業は約10社。厳しいリストラ案を突きつけるところが多かったが、SBIキャピタルは人員削減を求めず、主力工場維持にも理解を示す。さらに開発、営業などの大半を生え抜きの西谷らに任せ、自らの役割を資金調達や再上場など財務戦略の支援などに限定。かわでんはトヨタ自動車に倣った方式の導入などで生産技術は優れており、「負の遺産を一掃すれば立ち直る」(中野)と判断したからだ。 社員の危機感をばねに、欠けていた営業担当と製造担当の意思疎通を密にし、「原価管理や納期順守を徹底できる体制を作った」(かわでん取締役の小林昭雄)。破たん後も工場の操業を1日も休まず、納期を守る姿勢を示し取引先の信頼も戻った。 業績は2001年3月期に17億8500万円の経常赤字(単体)だったのが、前期は8億9300万円の黒字まで回復した。SBIキャピタルも当初投資した約9億円が、保有株式の一部売却分と現在の保有時価を合わせ約30億円に膨らんだ。ファンドとの二人三脚で再上場を果たしたが、建設市場は大幅な伸びが見込めず、経営環境は楽観を許さない。 「顧客満足度120%」。いったんすべてを失ったことで、顧客の大切さを再認識した西谷の口癖だ。この言葉の重みを忘れることなく、たゆまず経営革新に取り組んでいけるか。2度目の失敗は許されない。 かわでんの変革 1926年3月:創業 1940年6月:株式会社化 1962年11月:東証2部上場 2000年9月:民事再生法適用申請 2000年12月:上場廃止 2001年7月:再生計画の認可決定が確定 2001年8月:SBIキャピタルが出資 2002年7月:民事再生手続き終結 2004年11月:ジャスダック上場 |
|
■2004/12/22
日本経済新聞 地銀、不良債権処理を加速 融資先の経営改善 債務株式化や地域再生ファンド活用 地方銀行が不良債権処理を進めている。今年9月までの1年半で、経営支援をした融資先企業約4万社のうち2割の経営が改善し債務者区分が上昇した。半年ごとにみた改善割合も徐々に高まっている。債務者区分の上昇が不良債権の減少につながり、9月中間決算では増益要因となった。地銀各行は地域再生ファンドや債務の株式化など多様な企業再生手法を活用。ペイオフ全面解禁を来春に控え、自らの財務健全化を急いでいる。 地域金融機関は不良債権処理と地域経済への貢献を進めるため、金融庁に提出した「リレーションシップバンキング機能強化計画」に基づき、2003年度から取引先の経営支援を積極化している。業界団体がまとめた地銀113行の取り組み状況によると、2003年4月から今年9月までの1年半に経営支援を実施したのは191万の融資先企業のうち4万700社(個人事業者を含む)に上った。 金融機関は融資先企業を業績や返済状況などに応じて「正常先」から「破たん先」まで6段階に分類している。正常先を除くと支援対象は3万6400社で、その19.8%にあたる7200社の経営が改善、債務者区分が引き上げられた。 改善のピッチも半年ごとに上がっている。03年度上半期の支援企業のうち債務者区分が上昇したのは8.4%だったが、下半期は9.8%、04年度上半期は10.9%となった。 支援手法では、自治体や政府系金融機関と連携し、地元専用の企業再生ファンドを組成する動きが目立つ。青森・岩手・秋田の3銀行は10月に東北の北部を対象とした広域の企業再生ファンドを創設するなど47行がファンドの組成や出資を実施した。 債務を株式に転換して返済負担を軽減した北越銀行や通常債権を返済順位が低い劣後ローンに切り替えた福岡銀行など地銀が従来あまり用いなかった支援策を活用する地銀も増えた。 債務者区分が上昇すると返済不能リスクが小さくなるため、貸倒引当金の必要額が減る。過去に積み立てた引当金を一部取り崩して利益計上する地銀が相次ぎ、04年9月中間期は80行が最終増益。113行合計の不良債権(リスク管理債権)残高は11兆3000億円と半年で8.9%減少。不良債権比率も6.4%と0.5ポイント低下した。 ただ地方によっては地価下落などで融資先の経営改善が進まない地銀も残る。こうした地銀は不良債権比率も10%台に 高止まりしており、改善した地銀との格差が広がっている。来年4月のぺイオフ全面解禁で預金者の金融機関選別の動きが強まるのを前に、これら地銀は一層の財務健全化が求められている。 |
|
■2004/12/20
日経金融新聞 ヘッジファンドに1000億円投資 りそな銀、攻めの運用 りそな銀行はオルタナティブ(代替)投資の一環として、2005年度末までにヘッジファンドなどに最大1000億円投資をする。取引先企業の保有株式を大幅に圧縮し、その一部を新たな運用資産に振り替える。国内債券が大半を占めていた余資運用の基本方針を転換、分散投資を積極化することで中期的に投資利回りを高める「攻めの運用」に動き出す。 日本の機関投資家によるヘッジファンド投資は農林中央金庫、生命保険会社などが1990年代から開始した。大手銀行も一定額を投資しているとみられるが、具体的な一投資方針が明らかになるのは初めてだ。 代替投資の対象は大半がヘッジファンドで、国内外のヘッジファンドヘの直接投資と「ファンド・オブ・ヘッジファンズ」などを併用。一部はローン担保証券(CLO)、住宅ローン担保証券(MBS)、国内の私募投信などに充てる。 9月から数十億円規模でヘッジファンド投資を試験的に開始。2005年3月末までに残高ベースで300億円程度まで増やし、06年3月末までに1000億円程度にする計画だ。残高を積み増すO6年3月末までの間は投資に伴う収益は上がらないが、06年4月以降は複数のファンドを売買することで収益を上げ、少なくとも年5%以上の投資利回りをめざす。 同行は取引先企業の株式を中心にピーク時で約2兆円の株式を保有していたが、昨年から急ピッチで売却を進めた。9月末時点の残高は約4700億円と中核自己資本(約1兆円)の半分以下になった。 これに伴い余資運用の余地が拡大し、ポートフォリオを再構築しやすくなった。ヘッジファンド投資の拡大はこの一環。今後はヘッジファンドに加え、外国債券、株式、不動産投資信託(REIT)への投資割合も徐々に高めていく。 |
|
■2004/12/20
日本経済新聞夕刊 不良債権投資 ムーア、日本撤退 米ヘッジファンド大手 処理進み妙味薄れる 米ヘッジファンド大手のムーア・ストラテジック・バリュー・パートナーズ(本社ニューヨーク)は2005年3月末をメドに日本での不良債権投資から撤退する。1999年に設立した日本法人を清算し、系列の債権回収会社も売却する方向。銀行の不良債権処理がヤマを越え、投資妙味が薄れたと判断した。 清算するのは99年6月に営業開始したムーア・ストラテジック・バリュー・パートナーズ・ジャパン(東京・港)。系列のミレニアム債権回収も売却する方向で詰めている。ムーアは2000年5月に破たんした第百生命向け不良債権など、大型破たん案件を中心に口ーン債権を金融機関から購入し、これまでに1000億円(時価ベース)強を投じてきた。 債権回収会社を通じ担保不動産を競売するなどして、投資回収を進めてきた。99年に設定した1号ファンド(約700億円)と今年設定した2号ファンド(約310億円)の運用を打ち切って欧米の投資家に分配し、投資業務を終了する。年間平均の利回りは8%前後と伸び悩んだもよう。邦銀の不良債権処理が峠を越え、90年代から不良債権に投資してきたファンドが日本での業務を縮小したり、撤退する動きが相次ぐ可能性がある。 日本での不良債権投資からは撤退するが、米ムーア・キャピタル・マネジメント出資の新しい投資会社、アルストラ・キャピタル・マネジメント・ジャパン証券(東京・千代田)を7月に設立、株式などへの分散投資は続ける。 |
|
■2004/12/16
日経金融新聞 伊藤忠と組み企業ファンド 北洋銀 【札幌】北洋銀行は伊藤忠商事と共同で総額2億円の企業投資ファンドを設立した。食品加工分野などで将来性のある道内企業に出資、事業拡大を支援する。多様な取引先を持つ大手商社と組み、投資効率を高める。 「がんばれ北海道企業ファンド」には北洋銀が1億円、伊藤忠と同社の全額出資子会社が1億円を拠出した。バイオや情報技術(IT)など幅広い業種を対象とし、1件あたり3000万−5000万円を出資。計8社程度への投資を見込み、上限に達した場合は追加のファンド設立を検討する。 創業年数は問わないが、販売可能な商品を持つ企業が投資対象。市場情報の提供や取引先紹介など販路拡大も後押しする。伊藤忠は昨夏、NTTグループなどと「がんばれ日本企業ファンド」を設立しており、今回のファンドはその地域版。 |
|
■2004/12/16
日経金融新聞 ベンチャー育成 阿波銀が2億円 ファンドに出資 【徳島】阿波銀行は徳島県などが24日に創設するベンチャーファンドに2億円出資する。出資総額は約8億円で、県と中小企業基盤整備機構、阿波銀が2億円ずつ、残りの約2億円を徳島銀行、四国銀行、徳島信用金庫などが分担する。ファンドの運用期間は10年で、阿波銀は電子部品や機械、情報通信、ソフトウエア、生命科学の分野を中心に、技術に特長があり、原則として期間中に上場する可能性のある企業に投資する。 |
|
■2004/12/15
日経金融新聞 期間延長や為替型 10月末残高 6割増1兆3000億円 リスク限定型ファンド多彩に 日経平均株価などが一定の水準を下回らなければ分配金を出して繰り上げ償還する「リスク限定型ファンド」と呼ばれる投資信託の商品設計が多様化してきた。従来は日経平均を対象とし1年で繰り上げ償還するファンドが大半だったが、最近では、判断する期間を延ばしたり、判断対象を円ドル為替レートにするなど新タイプが出てきた。 UFJパートナーズ投信が今月3日に設定した「ステップダウン04-12」は、1年後の日経平均が定めた水準を上回っていれば、450円程度の分配金を出して繰り上げ償還する。逆に下回っていた場合には、その後半年ごとに判定日を設け、分配金を支払うかどうかを決める日経平均の水準を引き下げる代わりに、分配金を25円程度とする。 興銀第一ライフ・アセットマネジメントが12月21日に設定する「ドリーム・タッチ2」も5年間にわたって繰り上げ償還するかどうかを判断する。 従来のリスク限定型ファンドは、運用開始後の1年内に日経平均が設定した水準を下回らなければ、原則として繰り上げ償還し、元本を確保し分配金を支払うタイプが多かった。 リスク限定型ファンドは、日経平均オプションなどデリバティブ(金融派生商邑を組み込んで運用する。判定期間を延ばす商品が登場したのは「日経平均の変動率が低くなり、期間を長くしないと投資家が従来並みの分配金を得られない」(興銀第一ライフ)ため。最近設定されたリスク限定、型ファンドの大半が、期間を延ばすなど商品設計を変えてきている。 一方、ソシエテ・ジェネラル・アセット・マネジメントが来年1月に設定する「かわせ予想図」は、日経平均の代わりに、円ドル為替レートの水準で判定する。設定時より15円以上の円高にならなければ、元本の103%を確保する。UFJパートナーズでも、為替などを対象とした新たなタイプのリスク限定型ファンドを検討している。 QUICKの調べでは、10月末の残高は1兆3000億円と前年同月末に比べ6割増えた。11月は7本が設定され、12月は17本の新設が予定されている。投信評価会社モーニングスターの花村泰広取締役は「商品設計の多様化で、投資家はリスク限定型ファンドの内容を十分に吟味する必要が一段と高まった」としている。 シグナル 新法でイメージ向上?外為どっとコム、証拠金取引急増 外国為替証拠金取引の大手、外為どっとコム(東京・港)で取引が急増している。顧客からの資産預かり残高は10月、11月にいずれも前月比16%増えた。円高の進行で、いずれは円が反落するとの、逆張りの思惑からドルを買う顧客が増加。 さらに、外為証拠金取引を初めて本格的に規制する改正金融先物取引法の成立も商品と同社のイメージ向上につながっているようだ。 外為どっとコムの預かり資産額は11月末時点で153億円。3月末と比べると2倍弱に増えた。この数カ月の伸びが大きいが「特に1ドル=105円を超えたころから新たに取引を始めた顧客が多い」という。円高・ドル安が進んだところでドルを買っておき、円が反落すれば為替差益が期待できるためだ。 証拠金取引は強引な勧誘などが社会問題になっているが、外為どっとコムは「目立ったトラブルがない会社」(業界関係者)。このため、今月1日に成立した規制法も同社の活況を後押ししている面もある。広告などを通む知名度が高いこともあり、顧客が集まっている。 同法は証券会社並みの自己資本規制比率の導入など、多くの事業者が現状のままでは存続できない厳しい内容。10月に概要が明らかになると、大手事業者からは「これで悪徳事業者が排除ざれる」と歓迎する声が出ていた。 |
|
■2004/12/10
日本経済新聞 私募不動産ファンドの資産 野村不、800億円の売却 利回り22% 投資回収急ぐ 野村不動産は国内のオフィスビルなどに投資する私募不動産ファンド4本の運用を10月までに終え、簿価で815億円の資産を売却した。このうち8割強は他社が運用する私募ファンド向け。4本平均の運用利回り(賃料収入含む)は年率換算で22.8%。物件争奪戦の激化でビルなどの取得価格が高騰し、利回りも低下傾向にある。野村不動産は売却の好機と判断、投資回収を急ぐ。 私募不動産ファンドは特定または少数の投資家から資金を集め、収益を生む不動産に投資。オフィスなどの賃料と物件の売却益が配当の原資となる。 野村不動産が売却した4本は国内外の投資家向けに設定、1999−2002年に運用を始めた。投資先は首都圏や関西地区のオフィス、ホテル、商業施設など。総資産のうち投資家の出資金が約3割で、残りを借入金で調達した。 私募不動産ファンドは不動産会社、独立系、外資などが入り乱れ、新規設定額は今年度に約1兆円に達する見込み。運用難の企業年金が積極的に資金を振り向け始めたほか、貸し出し減少に悩む大手銀行もファンド向け融資を拡大している。ただ物件の取得価格上昇で最近の利回りは10−15%程度に低下しているという。 |
|
■2004/12/09
日本経済新聞 新銀行東京 ファンド前倒し設立 知事表明 中小再生、開業前にも 東京都の石原慎太郎知事は8日の都議会本会議の代表質問に答え、来年4月以降を予定している新銀行東京(東京・千代田)の開業前の来年2月にも、中小企業の再生を支援するファンドを設立する考えを示した。 当初設立するファンドは取引先に対する債権を全額買い取る従来型の再生ファンド。規模は地方銀行や信用金庫など地域金融機関と合わせて20億円程度を想定している。新銀行は初年度10億円を上限に出資する。 新銀行開業後には金融機関の債権の一部だけを買い取る新型のファンドも立ち上げる方針。将来的にはファンド全体の規模を200億円程度に拡大する計画だ。 石原知事は「中小企業を支える地域金融機関も速やかな不良債権処理が迫られており、早期に中小企業の再生支援に取り組む必要がある」と前倒しの狙いを強調した。 一方、行財政改革に関連し、「包括外部監査を一時に終わらせない新しい監視機関の基本構想を検討している」と表明。行革の推進に向け、議員や民間の専門家などで構成する独自の組織を設立する考えを明らかにした。 |
|
■2004/12/07
日本経済新聞 融資ファンド 中小向けに3000億円 横浜銀、地銀で最大規模 横浜銀行は中小企業向けに3000億円規模の融資ファンドを新たに組成する。同行の現在の中小企業向け融資残高(約3兆円)の1割に相当し、地方銀行の融資ファンドとしては最大規模になる。「バリューファンド」は10日から扱う予定で、融資期間は来年3月末までの4カ月間。神奈川県と東京都西南部の年商3億円以上の中小企業を主な対象とする。 運転資金から設備投資資金まで幅広い用途を見込んでおり、融資限度額は1社当たり10億円。 |
|
■2004/12/07
日本経済新聞 弁護士・診断士など専門家 都、中小再生へ派遣 フアンドや制度融資紹介 東京都は来年度から、経営が行き詰まった中小企業の再生を人材面で支援する。弁護士や経営コンサルタントなど専門家を派遣して対応策をまとめ、「中小企業再生ファンド」など都の仕組みにつなげる。大企業の生産拠点の海外移転や後継者難などに直面した中小企業が多いことから、早い段階で対策を講じられる相談体制を構築する。 都が新設する「リバイバル支援事業」は、中小企業振興公社(東京・千代田)を拠点に実施する。事業再生の経験がある弁護士のほか税理士や公認会計士、中小企業診断士などを事前に登録する。公社が相談に訪れた中小企業に専門家の派遣を指導し、都が費用の一部を負担する仕組みだ。 専門家のチームが個別企業ごとに経営状況や再生の可能性を分析して、再生計画を作成する。事業再生の可能性がかなり低い場合は、事業の転換や廃業まで助言する。 再生の可能性が高いが資金調達面で苦労している企業には、都が25億円を出資した「中小企業再生ファンド」や制度融資を紹介する。中小企業振興公社に登録しでいる企業OBら約60人で構成する「ビジネスナビゲーター」が製品改良や販路開拓を支援する。 企業再生を後押しする国の仕組みとしては、産業再生機構が大企業や中堅企業を支援している。中小企業は東京商工会議所に再生事業を委託。「中小企業再生支援協議会」が外部の専門家のチームを作り、再生計画の策定から債権者との権利調整まで手がける。都はこれら制度の対象にならない中小企業を支援する。 都内の中小製造業は全国一の工場数を維持しているが、製造品出資額は1990年前後から減少傾向にある。背景には大企業の工場が海外や地方に展開するのに伴いへ中小企業との仲介役を果たしてきた中堅企業も移転して受注量が減っている。 |
|
■2004/12/06
日本経済新聞夕刊 不動産ファンド 国内最大4000億円 ダヴィンチ 機関投資家から資金 不動産ファンド運営のダヴィンチ・アドバイザーズは6日、オフィスビルなどに投資する4000億円規模のファンドの運用を始めたと発表した。日本の不動産だけを投資・対象とする私募ファンドでは過去最大。不動産ファンドには機関投資家や年金からの資金流入が一段と加速しており、物件の争奪戦が激化しそうだ。 1000億円の国内外の投資家資金に3000億円の借入金を組み合わせる。当初は投資家資金は700億円の予定だったが、国内投資家からの出資が計画以上に集まった。 投資家が運用を指示しない「一任勘定型」。従来こうした不動産ファンドは海外の投資家資金が大半を占めていたが、今回のファンドには大手の生損保など機関投資家や大手事業会社の企業年金が新たに出資。国内資金が半分強を占める。 オフィスビルや商業施設など賃料収益のあるすべての不動産に投資する。1件あたりの投資規模は数十億−500億円。改修などで価値を高めて売却、最終利回りは25%程度を狙う。 ファンドを通じた資金流入などで不動産の価格が底を打ち、今後3年間が投資の好機と判断。機動的に物件を購入できる大型ファンドを組成した。 米投資銀行系などが運用し、世界の不動産に投資する数兆円規模のグローバルファンドと互角に渡り合える数少ない日系のファンドとなる。 私募の不動産ファンドは不動産会社や外資系も相次ぎ設立、東京都心を中心に国内外の資金が日本の不動産に流入している。物件争奪が一段と激化するあおりで、今後は利回りが低下する懸念も強まっている。 |
|
■2004/12/04
日本経済新聞 日本企業のM&A2000件 今年初めて突破 投資ファンド倍増 1000億円以上14件 中国絡みも目立つ 日本企業がかかわる合併・買収(M&A)が増加している。2004年は2日までに2002件に達し、初めて2000件を超えた。投資ファンドなど投資会社によるM&Aが前年の約2倍に達したほか、1000億円以上の案件が14件と大型化も進んでいる。年間では前年比3割増の2200件程度になりそうで、過去最高だった2002年の1752件を大きく上回る。 M&A仲介のレコフ(東京・千代田)によると2004年1−11月のM&A件数(公表日べース)は1983件と前年同期に比べ27%増となった。1月から月間べースでも毎月過去最高を更新している。 今年の最大の特徴は投資会社によるM&Aが急増していることだ。米カーライル・グループが京セラと共同で実施したDDIポケットの買収や、日興プリンシパル・インベストメンツのベルシステム24買収など大型案件も多い。件数は前年同期比2倍の266件だった。 地域別では、国内企業同士が23%増の1511件と最も多い。ただ、全体に占める割合は76%と逆に2.5ポイント低下。増加しているのが国内企業による海外企業のM&Aで51%増の279件に達した。 特に目立つのが中国企業のM&A。アサヒビールと伊藤忠商事による康師傅飲品への400億円の資本参加や、日清食品の河北華龍麺業集団への200億円の資本参加など35件で、すでに昨年1年間の実績(28件)を上回った。 買収金額の合計(1−11月)は8兆4237億円と前年同期の5兆4430億円を大きく上回る。トップは8400億円の山之内製薬と藤沢薬品工業の合併。先月発表した大日本製薬と住友製薬の合併も2268億円で、2000億円以上の案件は11件だった。 一方、グループ企業の完全子会社化などグループ内のM&Aは11月までで5%減の832件とピークだった2002年の992件から減少傾向にある。グループ会社再編などのリストラが一段落していることを映している。 M&A増加の背景には国内企業同士の株式交換や、会社分割など法律の整備が進んだこともある。 来年の商法改正で、2006年から外国企業が日本企業を買収する際にも子会社を通じた株式交換が認められるようになることもあり、M&Aの一段の増加を予想する声が多い。 |
|
■2004/12/03
毎日新聞 旧商工ファンド 02年に手形訴訟乱発 東京地裁が違法性指摘 “公正証書”に手口変更? 商工ローン最大手のSFCG(旧商工ファンド)が02年、債務者や保証人に署名させた約東手形を基に給与などを差し押さえるため、東京地裁の受け付け分の8割に上る手形訴訟を乱発し、同地裁から違法性を指摘されたうえ、訴訟を起こさないよう異例の指導を受けていたことが分かった。その後、同社は契約者に無断で作成した公正証書による差し押さえを増加させており、債務者の弁護士らは「裁判所ににらまれ、手口を変えたのではないか」と指摘している。 【伊藤正志、石丸整】 関係者によると、SFCGは金銭貸借の契約時に私製の約束手形を契約書類の中に入れ、契約者を振出人として署名させたうえ、返済できなくなると手形訴訟を起こした。手形訴訟は、手形が真正であれば原則1回の審理で支払いが命じられる。同社はこの判決を基に給与や預金を差し押さえていた。 同社が東京地裁に起こした手形訴訟は02年に急増し、同年だけで1515件と、同地裁の手形訴訟の8割を占める異常事態になった。このため同地裁が「手形制度を乱用し、不適法」と、訴訟を控えるように指導。同社は「今後は控える」と約東したが指導に反し、同地裁以外の地裁に提訴するようになった。 うち1件は東京地裁に移送され、昨年11月、杉山正己裁判長が「同社は、原則として契約者に手形の説明をしないで他の書類と一括して署名させ、押印は担当者が一括してすることが多い。振出人は署名の認識がない場合が多い」と指摘。そのうえで「制度を悪用し、訴訟で契約者に圧力をかけて金銭を取り立てるのが目的と認めざるを得ない。他地裁への提訴は極めて遺憾」と述べ、同社の訴えを却下した。 同社は控訴せずに判決が確定し訴訟の大半が取り下げられたが、弁護士らによると、今度は公正証書を便った財産の差し押さえが増えてきたという。公正証書は当事者が契約内容を確認するための公文書で、金銭貸借の場合は差し押さえも可能。作成の委任状は、他の契約書と一緒に署名させており、弁護士らは「手形をめぐる東京地裁判決の指摘は、公正証書作成にも当てはまる手口だ」と話している。 同社の顧問弁護士は「無用な摩擦を避けるために控訴しなかったが判決に納得したわけではない」とコメントした。 ことば・手形訴訟 正当な手形の所持者が手形金の支払いを迅速に請求するため、証拠を制限して判決を出す特別訴訟手続き。手形の流通性を保護する目的で規定された。手形は本来、第三者間を流通し、最終的な所持者が振出人に手形を提示して支払いを請求する。 |
|
■2004/12/03
日経金融新聞 不動産ファンド運用助言を開始 住信基礎研 不動産投資シンクタンクの住信基礎研究所(東京・千代田、豊福忠雄社長)は、国内の不動産投資信託(REIT)を組み込んだ個人向け不動産投信ファンドに対する投資助言を始める。不動産投信ファンドは高利回りから人気を集め、運用残高は順調に伸びており、投資助言のニーズも拡大すると判断した。 グループの住信アセットマネジメントを含む投資顧問会社3社に対し、12月半ばにも設定する不動産投信ファンドの運用を助言する。REITが購入する不動産物件のリスク、成長戦略の評価、ファンドマネジャーの運用能力などの観点から投資先を推薦する。 |
|
■2004/12/01
日経金融新聞 ヘッジファンド 対日投資拡大840億ドルに 6月末、半年で17%増 【ニューヨーク=伴百江】世界のヘッジファンドの日本市場への投資が拡大している。株式中心の対日投資残高(実際の投資額を表すレバレッジ後)は今年6月末で840億ドルと、半年で17%増えた。代替(オルタナティブ)投資需要の拡大を背景に欧米の運用会社が日本株投資を加速。日本の金融機関による日本株専門ファンドの設定増も一因だ。 米国大和証券が世界のヘッジファンド約5600本を網羅するデータベースを基に推計した。対日投資は株式を中心に債券やデリバティブ(金融派生商品)なども含む。 日本市場への投資残高は2003年初めから拡大基調。機関投資家による地域分散投資や代替投資の一環として日本株運用が加速するのに伴い、増え続けている。 日本向け投資の内訳は、世界の証券に広く投資するグローバル・ファンドの対日投資額が480億ドルと全体の半分超、日本の証券専門に運用するファンドは280億ドルと3割強を占めた。前者は昨年末から小幅減少したが、後者は40%の大幅増だった。 対日投資ヘッジファンドは6月末で849本と昨年末比22%増加。うち日本専門は190本で、20%増えた。 対日投資残高急増の主因は「新規に設立した運用会社の日本市場参入の動きが活発なほか、既存会社の日本株投資ファンドヘの資金流入が加速しているため」(米国大和証券)。人気ファンドが、運用の限界とされる2億ドル規摸に達して新規投資家の受け付けを締め切るまでの期間も従来の1年−1年半から、6ヵ月に短縮するところも出るなど需給ひっ迫の様相も呈しているという。 |
|
■2004/11/30
産経新聞 松竹が「個人向けアァンド」 映画の製作・宣伝費 1口10万円で公募 きょうからネット受け付け 松竹は個人投資家や映画ファンから資金を集め、映画の製作費や宣伝費の一部に充当する「個人向け映画ファンド」の募集を始める。藍沢証券、日本協栄証券、楽天証券の3社が窓口となり、30日からインターネットなどで受け付ける。松竹によると、全国公開映画で個人からの公募型ファンドは初という。 ファンドの対象は、来年9月公開予定の「忍 SHINOBI」(仲間由紀恵、オダギリジョーら出演)。出資金は総製作費15億円の一部に充当される。出資額は1口10万円から。興行収入やDVDの販売収入に応じて利益が還元されるほか、試写会招待や映画クレジットに名前が入るなど、出資額に応じてさまざまな特典がつく。 ただ映画は収益予測が難しく、興行成績によっては出資元本が目減りするリスクもある。このため、映画への投資割合を10%に抑えた「90%確保タイプ」と、投資割合40%で高配当が期待できる「60%確保タイプ」の2コースを用意した。 松竹によると、興行収入が30億円の場合、「90%確保タイプ」で1口あたり約10万5000円、「60%タイプ」で約12万円が還元される。 映画業界では、デジタル技術の高度化などに伴い、製作費が膨らむ傾向にある。 松竹では、個人向けファンドの活用で、「スムーズな資金調達と、出資者の口コミによる幅広い宣伝効果」(映像企画部)を期待している。 |
|
■2004/11/30
日本経済新聞 首都圏発 話題の知恵袋 横浜に企業誘致ファンド みなとみらいキャピタル社長 大田 嘉春さん 「出資先の経営に積極的に関与、一緒に成長」 日産自動車の本社移転計画などが進む横浜市。国際都市として華やいだイメージと裏腹に、企業のリストラが進み、地盤沈下が進行中だ。ベンチャー企業の東京への本社移転も止まらない。そんな状況に歯止めをかけようと、横浜市内に本社を置く9社が地域振興型の投資ファンド「横浜メリット・ファンド1号」を29日に設立した。 横浜市のベンチャー誘致策と連携し、原則として市内に本社や事業所を移転したり、市内で創業するベンチャー企業を対象に投資する。東京に近い地理的条件を逆手に取り、東京から企業を呼び込もうという発想だ。 設立の中心的役割を果たし、ファンドの運営を受け持つのがベンチャーキャピタル(VC)のみなとみらい(MM)キャピタルだ。上場企業ではアイネット、アルテ、コロワイド、相模鉄道、CIJ、非上場では川本工業、紅梅組、タカナシ乳業、MMキャピタルが発起企業となった。 来年6月まで追加出資企業を募り、ファンドの規模は最終的に20億−30億円を集め、1社当たり2000万−3000万円を計60−70社程度に投資する。「オール横浜」体制で地域経済の活性化に一役買う狙い。 ずばり聞きます −−ファンドを立ち上げた理由は。 「今年の6月に中田宏・横浜市長とお会いした際、『何かいいベンチャー誘致策はないだろうか』といわれたのがきっかけです。企業誘致を目的としたファンドは全国でも珍しいと思います」 「東京に近く、本社や事業所を移転しやすい横浜だからこそ設立可能なファンドです。横浜の持つ高いブランドイメージもある。東京にVCが集中するなか、行政の施策と連携したリスクマネーの存在が必要だと思いました」 −−出資企業や投資案件は増えそうですか。 「ファンドは創業後間もないベンチャー企業を中心に投資するので、1社当たりの投資額も比較的少額で済みます。一方でリスクが高いため、出資企業に対する投資利回り見込みは通常より5−10%低めです。多くの企業から理念に賛同していただいており、実績をあげるにつれ軌道に乗ると思います」 −−ファンドを浸透させるための課題は。 「他のファンドがあまり投資しないような企業にも投資していくため、経営コンサルティングや人材育成などを含め、資金以外の面でも、様々な分野での協力が必要です。出資先の経営に積極的に関与し、一緒に成長していく考えです」 大田 嘉春(おおた・よしはる) 1953年生まれ。71年神奈川県立三崎高校卒業、横浜銀行入行。89年に同行のベンチャーキャピタル子会社の横浜キャピタルに出向。2002年独立し、みなとみらいキャピタルを設立。 |
|
■2004/11/30
フジサンケイ ビジネスアイ なるほど講座:「ヘッジファンド」 大口投資家対象の投資信託/デリバティブ駆使、リスクと背中合わせ 世界的に著名な投資家、ジム・ロジャーズ氏が、大和証券投資信託委託が設定する原油や金など国際商品に投資する商品ファンド「ダイワ・コモディティインデックス・ファンド」(募集開始は11月15日から)のプロモーションのため来日しています。同氏は、世界で最も知られる「ヘッジファンド」であるクオンタムファンドをジョージ・ソロス氏と立ち上げ、富と名声を得たことで知られています。 ところで、ヘッジファンドって何なのでしょうか。 ヘッジファンド(Hedge fund)は、機関投資家や個人の資産家といったごく少数の大口投資家を対象に設定される投資信託の一種です。 今から半世紀以上さかのぼる1940年代に誕生しました。「ヘッジ」には、投機などを分散して損失を防ぐという意味があります。つまり、へッジファンドとは、株式などの投資商品の暴落リスクを回避しながら運用することをいいます。 投資対象商品は株式や債券といった金融商品から、原油、希少金属、小麦といった国際商品、不動産まで多岐にわたります。 取引を始める際に予め預ける証拠金を積めばその数倍の金額の取引が可能な先物取引や、将来、買う権利や売る権利を売買するオプション取引といったデリバティブ(金融派生商品)を駆使。相場の上昇、下落にかかわらず、常に最大の収益を追求していきます。このところの原油高や急激な円高ドル安もヘッジファンドが一枚かんでいるとみられています。 年間の運用収益率が2―3倍に達するヘッジファンドがあるのもこのためです。投資信託の長期的な平均運用収益率が10%程度に対し、へッジファンドは20%を超えるといわれています。 ヘッジファンドは世界にどのくらいあるのでしょうか。 ヘッジファンドは私募型の投資信託のため、投資内容などの情報を公表する義務がありません。このため、実態を正確につかむことはできませんが、ファンド数は4000―5000本といわれ、運用資産残高は3000億ドルとも4000億ドルともいわれています。 ただ、取引規模は運用資産残高と異なります。運用手法にデリバティブを活用していることから、実際の取引規模は運用資産残高の数倍とも言われています。 ヘッジファンドの横綱として位置づけられているのが、前述の「クオンタムファンド」です。97年から98年にかけて深刻化したアジア通貨危機が起きたのも、実はソロス氏らのヘッジファンドがアジア各国の通貨を大量に売り浴びせたからといわれ、ソロス氏は当時のマハティール・マレーシア首相から名指しで批判されました。 ヘッジファンドは常に高い運用益を稼ぎにいきます。裏を返せば、常に高いリスクにさらされているといえます。このため、運用に失敗し、ファンドそのものが破綻に追い込まれるケースも少なくありません。 米国の金融街、ウォールストリートで、最強の相場師とうたわれたジョン・メリーウェザー氏をはじめ、ノーベル経済学賞を受賞したマイロン・ショールズ氏らが中心となって設立したヘッジファンド運用会社、ロング・ターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)がその典型です。 LTCMの豪華な顔ぶれにちなんでウォール街では“ドリームチーム”と呼ばれていましたが、運用の失敗から98年に事実上、破綻に追い込まれました。 しかし、LTCMの取引規模があまりにも巨額だったため、金融市場では国際的な金融不安につながる懸念が強まりました。これが現実のものにならないようニューヨーク連邦準備銀行が仲介役となり、欧米の金融機関14社が36億ドルを出資することで、LTCMを救済しました。 (松元洋平) |
|
■2004/11/28
朝日新聞 ミサワ旧経営陣 再建ファンド設立構想 現経営陣とUFJ、受け入れず ミサワホームホールディングスの再建をめぐって、ミサワホーム創業者の三沢千代治氏に近い元役員らが27日、同社買収のための基金(ファンド)を設立すると発表した。国内外の機関投資家から総額3000億円の資金を調達するとしている。ただ、ミサワは同日「元経営陣らによるファンドを活用するつもりはない」とのコメントを発表。トヨタ自動車からの支援を前提に産業再生機構を活用する方針のUFJ銀行もこの構想を受け入れない姿勢を示している。 ファンドは「ミサワファンド」との名称で、会社設立を準備している。ミサワOBなどが賛同し、国内1社、海外2社の機関投資家が各1000億円ずつ投資することを検討しているという。投資家の具体名や、資金調達時期は明らかにしなかった。主取引銀行のUFJに26日、同行が持つ債権を買い取る意向を示した書状を提出したというが、UFJはこの提案に応じない方針だ。 記者会見後、三沢氏は記者団に対し、「トヨタは住宅産業に参入した歴史が当社より浅く、経営陣は住宅産業を理解していない」と話した。三沢氏はミサワの株式の約7%(1661万株)を保有する大株主。株の取り扱いはファンドに一任するという。 ミサワの再建をめぐっては、UFJが資本増強のためトヨタに出資を求めており、住宅事業の強化を狙うトヨタも検討を進めていた。しかし、三沢氏が今年に入って幹部社員ら数百人にトヨタの傘下入りを拒否するように促す文書を送付したことなどから、三沢氏の影響力に対する懸念が強まり、交渉は難航。UFJやミサワは打開策として再生機構を活用して経営再建を目指す方針を固めている。 |
|
■2004/11/28
読売新聞 ミサワホーム社員、OBら HD買収に向けて投資ファンド設立へ ミサワホームグループのOBと社員のグループが27日、ミサワホームホールディングス(HD)の買収を目的とする投資ファンド「ミサワファンド」を設立すると発表した。 ミサワホーム創業者で、個人資産管理会社を通じて実質的にミサワホームHDの筆頭株主となっている三沢千代治氏が全面協力する。 同社の再建では、UFJ銀行などが産業再生機構の活用に向けた最終調整に入っている。三沢氏は昨年12月に経営責任を取って社長を退任したが、ファンドを通じて経営の主導権を取り戻す意向とみられる。 ファンドはOB、社員、外部の投資家ら500人からの出資を受け12月末に資本金100億円で設立する予定という。国内、海外の計3社から出資や融資で計3000億円を調達して、UFJ銀行のミサワホームHD向け債権や、UFJが保有するミサワホームHDの優先株を買い取るとしている。 ただ、UFJ銀行は「前経営者の関与しているファンドに売却する予定はない」などと、否定的だ。 |
|
■2004/11/28
毎日新聞 旧商工ファンド 公正証書作成 関連会社で代理人業務 司法書士 合意確認せず作成 商工ローン最大手のSFCG(旧商工ファンド)が、公正証書作成手続きを請け負う会社をつくり、役員の司法書士2人にSFCGと契約者双方の代理人業務をさせていたことがわかった。司法書士は、契約者(債務者・保証人)が作成に合意したかどうか確認をしていなかった。東京司法書士会は「合意の確認は常識で、契約者の権利を損ねた疑いがある」として調査を始めた。2人は同会の指摘を受けてすでに代理人を辞めている。 この会社は「リーガル・サービス社」(東京)。SFCGの大島健伸社長の持ち株会社が100%出資し、02年4月に設立した。司法書士2人は同じ司法書士事務所に勤めている。1人はSFCG側の代理人、もう1人は契約者側の代理人となり、SFCGが契約者から受け取った公正証書作成の委任状と印鑑証明を使って公証役場で手続きをしていた。 公正証書は給与や預金の差し押さえに使えるなど強い効力があるため、「契約者が合意したかどうか本人に直接確認するのが常識」と東京司法書士会は指摘。リ社の司法書士は契約者本人と直接会っての確認や電話での確認もしていなかった。 リ社は年間数万件の公正証書を扱い、売り上げは約18億5000万円。その9割超がSFCGからの委託分という。 公正証書の無断作成問題に取り組む弁護士らは「債権者側の会社の司法書士が、債務者側の立場で代理人を務められるとは考えられない」と話している。 SFCGの契約者から「知らないうちに公正証書を作られた」との苦情が東京司法書士会に寄せられ、問題を指摘された司法書士2人は昨年7月に代理人業務をやめた。リ社は司法書士の代わりに複数の行政書士と契約を結び、代理人業務をさせている。大島社長の持ち株会社はリ社の全株を第三者に売却したがSFCGの顧問弁護士がリ社の監査役を務めている。 この顧問弁護士は「(リ社が)契約者の不利になるような手続きはしていなかったが、誤解を招かないよう会社の透明性を高めた」と説明している。現在、リ社が契約者に、公正証書作成の意思確認をしているかについては「直接会ってはいないが、代理人の名前を文書で知らせている」と述べた。 【伊藤正志、石丸整】 |
|
■2004/11/28
東京新聞 ミサワ 元社員が投資ファンド 独自再建目指し設立へ ミサワホームホールディングスの再建問題で、元社員らが27日、同社の独自再建を目指した投資ファンド「ミサワファンド」を設立すると発表した。 ミサワホームの創業者、三沢千代治氏と関係の深い元社員らによる動きで、主力取引銀行のUFJ銀行の保有する債権を買い取る方針だ。 現在、ファンドの設立準備を進めており、国内外の投資会社3社から合計3000億円の資金を調達することを計画している。ただ、UFJ銀とミサワは、経営再建に向けた産業再生機構の活用で調整に入っており、年内にも再生機構に支援要請する見通し。 UFJ銀などは、元社員らによる投資ファンド設立の動きに慎重な構えを崩しておらず、最終的に実現するかは不透明な情勢だ。 ファンド活用せず ミサワHD談話 ミサワホームホールディングスは27日、元役員らがミサワ向けの債権を全額買い取るためファンドを設立、独自再建を目指す方針を打ち出したことに対し「多額の不良債権処理などの経営責任を果たすべき立場にあった当社の元経営陣が関係するファンドを活用するつもりはない」としたコメントを発表した。 |
|
■2004/11/27
フジサンケイ ビジネスアイ わが社のイチ押し商品 藍澤証券、日本協栄証券、楽天証券、みずほ証券 日本初、映画の興行収益で分配金 忍 SHINOBI ファンド匿名組合 「映画に出資しませんか」――。 藍澤証券と日本協栄証券、楽天証券の3社は、劇場で公開する映画の制作費などの一部資金を個人投資家から募り、封切り後の興行収入やDVD、ビデオ販売などの収益を出資額に応じて分配金がもらえる日本初の映画ファンド「忍 SHINOBI ファンド匿名組合」の募集を30日から開始する。 ファンドの対象となるのは、女優の仲間由紀恵さんや俳優のオダギリジョー氏らが出演し、忍者の活躍を描く松竹制作の作品「忍 SHINOBI」。総制作費は松竹として過去最高となる15億円の大作で、このうち10億円分を個人投資家からの出資で賄う。1口10万円から募集を受け付ける。 同ファンドは、みずほ証券、みずほコーポレート銀行などみずほファイナンシャルグループが金融商品化を支援し、映画の制作は松竹が担当する。藍澤証券、日本協栄証券、楽天証券の3社が販売する。個人投資家は特別目的会社(SPC)の松竹フィルムファンドと匿名組合契約を締結し、出資する。映画の劇場公開は2005年9月で、06年3月にはDVDやビデオを発売する。募集開始から2年後の06年12月末までに得た収益を配当金という形で個人投資家に分配する。 同ファンドは、元本の9割まで保証する安全性重視のタイプ「90%確保タイプ」と高配当を狙える6割保証型の「60%確保タイプ」の2種類の商品を用意した。 出資者には収益に関係なく、特別試写会の招待状や劇場用ポスター、劇場用チラシなどがもらえる。さらに、1000万円以上出資した場合、映画の終わりに流れる映画制作者などと一緒に出資者の名前も表記してもらえる特典もある。 気になる投資の損益分岐点だが、興行収入やレンタル用DVD・ビデオなどの合計売上高が35億6000万円を超えれば両タイプとも分配金がもらえるようになる。反対に合計売上高が17億8000万円を下回ることになれば、両タイプとも元本割れになる。 本邦初となる映画ファンドを取り扱う藍澤証券では、「これまで株式・投資信託などの金融商品に興味がなかった個人投資家も映画ファンドヘの出資を機に興味をもってくれるようになれば、引いては投資家のすそ野拡大につながる」(企画第二部)と期待をかけている。 |
|
■2004/11/26
毎日新聞 旧商工ファンド 慰謝料全額支払い 公正証書無断作成 事実上非認める 商工ローン最大手のSFCG(旧商工ファンド)による公正証書の無断作成問題で、不当に給与などを差し押さえられたとして慰謝料を求めて裁判を起こした保証人ら7人に対し、同社が計1430万円を支払っていたことが分かった。 同社はこれまで毎日新聞の取材に「契約者にはきちんと公正証書の説明をしている」と話していたが、自ら請求額全額の支払いに応じており、裁判で全面的に非を認めた形だ。 訴状によると、宮城県内の6人は、SFCGから貸し付けを受けた水道工事会社や設計会社、塗装会社の保証人になった。いずれも経営不振で営業を停止したため、返済状況を調べたところ、水道工事会社と設計会社は元金と法定利息を完済し、過払い状態になっていた。塗装会社は法定利息の残金があったため、残金を支払った。そのうえで債務者の設計会社社長を含めた7人が、債務がないことを確認する裁判をそれぞれ昨年2月から10月にかけて仙台地裁に起こした。 SFCGはその直後、貸し付け契約の際に合意のうえ作成したとする公正証書を基に7人の給料や売掛金を差し押さえた。7人は公正証書を無断で作成されたとして「公正証書は無効で、差し押さえも不当」と同社に慰謝料を求めて昨年11月、同地裁に提訴した。 原告側は慰謝料を求める裁判で、大島健伸社長が不当行為をすべて指示していると主張し、大島社長個人も被告に含めた。先月18日に本人の証人尋問が予定されていたが出廷せず、同社はこの日、請求を全面的に認める「認諾」の手続きをして裁判は終わった。 また債務がないことを確認する裁判はいずれも原告側の主張にほぼ沿う形で和解した。 原告側の新里宏二・弁護団長は「SFCGが公正証書の悪用を実質的に認めたものと考えている。他の裁判でも同社の違法性が認められやすくなったと思う」と話している。 同社は「勝訴する可能性はあったが、大島社長が証人として召喚され、(マスコミに)センセーショナルに取り上げられるおそれがあったので、やむを得ず訴訟を終結させた」とコメントした。 【伊藤正志、石丸整】 【ことば・認諾】民事裁判で、被告が原告の請求を無条件に認める手続き。請求が全面的に認められた判決と同じ効力を持つ。通常、裁判で争っても敗訴する可能性が極めて高い場合に、裁判を続けて無駄な労力や費用をかけるのを避けるために行われる。 |
|
■2004/11/26
日本経済新聞 ファンド資本主義 企業再生の仕掛け人 4 日米の「タリーズ」統合交渉 業界再編で価値高める −−昨年11月に株式公開買い付け(TOB)でセルフ式コーヒーチェーン「タリーズコーヒー」を運営するフードエックス・グローブ(フードXG)を約120億円で買収。そのフードXGの本家である米タリーズコーヒーコーポレーションと経営統合交渉を始めた。 「米タリーズとの統合はフードXGに対する投資判断の元となっている。出資後、年80店ぺースの新規出店を2−3年続けるが、国内だけでは限界がある。米国では店舗数が減っているが、マーケット的には再勝負が可能だ。統合でフードXGと米社の収益力を高めるだけでなく、同業を取り込み拡大する再編のシナリオも描ける。アジアや欧州でも共同の事業展開できる」 「グローバルで事業を展開したいというフードXG創業者の松田公太社長の強い思いも投資を後押しした。破たん企業を除き、投資先の経営陣も我々の投資対象だ」 「ただ日本で十分なキャッシュフローを生んでいる会社の海外企業との統合は一般の投資家にとってリスクを伴うのも事実。このため、大証ヘラクレス上場のフードXG株をTOBで非公開化した。我々ならリスクを取りながら、松田氏の経営能力をよりいかすことができる」 −−統合の計画は。 「統合手法や経営陣の構成などについて米側と話し合いを進めている。あと1年で統合の形が見えるようにし、その後、米ナスダック市場に統合会社を上場させるシナリオを描いている。外食産業の株価収益率(PER)は日本は10倍ちょっとだが、米では20倍を超える。投資のリターンを考えた場合、外食産業の評価が高い米国での上場の方が魅力的だ」 −−メガバンクの不良債権処理がヤマ場を超え、大型案件が限られてきている。外資系の大手ファンドも地方・中堅案件の発掘に乗り出した。 「総額200億円の投資枠を持つ我々はもともと、売上高200億円前後の中堅以下の企業を主な投資対象としている。資金、人的資源の双方から大手ファンドと戦うことは得策でないと考えたからだ。さらに大型案件は、我々のような投資先企業の経営に徹底的に関与するハンズオン型投資の効果は出にくい」 「確かに関東や関西では大手も中堅案件獲得に動き出しているが、それ以外の地方では競争が激化しているという認識はない。多くの地方では地域金融機関から不振企業の債権の買い取りが始まった段階だ」 −−臨床試験(治験)支援のアイロムと、医療施設の開業支援を目的とするファンドを12月に立ち上げる。どの分野に投資していくのか。 「医療業界は他のファンドが手を付けておらず、再編の余地が残されていると判断した。複数の診療所が同居する『メディカルモール』化で、事務部門の統合などを進めれば、個人病院の価値を向上できる。投資先の資産を担保にした資金調達も容易なため、手堅い投資になると思う」 「IT(情報技術)とエンターテインメントにも関心がある。復活してきたIT関連産業は早晩再編が必要となる。エンターテインメントの世界もこれまでの再編は仲間内で動いている。再編が必要な業種は、ファンドという外部から風穴を開けやすい。破たん企業への再生投資ではなく、業界再編を伴う買収投資が主流になっていくだろう」 エーシーキャピタル 代表取締役 藤原 史利氏 エーシーキャピタル 2002年設立の独立系投資ファンド。ゲームソフト開発のコーエーでCFO(最高財務責任者)を務めためた藤原氏など事業会社出身者と、不良債権処理ビジネスにかかわった外資系金融機関出身者が主なメンバー。 累計投資件数は4件で、このうち03年の業務用油揚げ最大手のオーケー食品工業への投資は既に回収済み。運用期間が7年間、投資回収期問が2−3年間と国内ファンドとしては比較的短い。 =この項おわり |
|
■2004/11/25
東京新聞 新たに3人逮捕 日商ファンド事件 金融会社「日商ファンド」(東京都中央区)の詐欺事件で、警視庁生活経済課などが、詐欺の疑いで、新たにさいたま市南区根岸5、西川慎一容疑者(44)ら営業担当社員3人を逮捕したことが24日、分かった。逮捕者は9人となった。 同課などは、詐欺容疑で既に社長の田辺秀雄容疑者(58)らを逮捕。同社が曲50万円出せば4倍融資します」などと株式投資を持ち掛ける「二八商法」で、社名変更を繰り返しながら、1999年ごろから、顧客の出資金など約30億円をだまし取ったとみている。 |
|
■2004/11/25
日経金融新聞 個人向け SBIが不動産ファンド 未公開株にも投資 ソフトバンク・インベストメント(SBI)は不動産信託受益権に加えて不動産関連企業の未公開・公開株式にも投資する不動産ファンドを組成する。未公開株まで投資対象にした個人向けの不動産ファンドは珍しい。これまでSBIが未公開株投資で実績を上げてきた経験を生かし、高い運用利回りを狙う。 新しいファンドは匿名組合の形で投資家から資金を集める。申込受付期間は25日から2005年4月22日まで。最小購入単位は100万円。残高は50億円を目標にしている。 集めた資金は主に、高収益が見込める住居やオフィスの賃料収入などを証券化した不動産投資信託受益権と、全体の50%を上限に不動産関連企業の株式に投資する。実際の運用は来年4月28日から開始する。 他の不動産ファンドに比べて高い運用利回りを狙う。このため、信託受益権投資では利回りが6%未満と試算されるものは原則として除外する。このところの新規上場(IPO)ブームで高い収益が見込める未公開株を投資対象とするのも高利回り追求のためだ。 同社の不動産事業部やファンド投資本部などの担当者が信託受益権部分、投資一任業者であるSBIアセット・マネジメントが公開・未公開株式の投資調査・運用を担当する。SBIが運用するファンドから公開した不動産関連企業はアパマンショップネットワークや菱和ライフクリエイトなどがある。 分配は四半期ごとに実施する。販売会社はイー・トレード証券、ワールド日栄証券、エース証券の3社。 |
|
■2004/11/25
日本経済新聞 ファンド資本主義 企業再生の仕掛け人 3 ライブドアに投資先売却 成長に貢献する企業選ぶ −−最近、投資先のソフト開発会社、弥生(東京・中央)をライブドアに売却する案件をまとめた。 「投資は成功。親会社からの独立支援として2003年2月に数十億円投資したのに対し、今回の売却額はファンドの持ち分94%を考慮すると188億円。弥生は好業績で2004年7月期の営業利益が前の期と比べて80%増えた。買収を希望する企業も多かった」 −−なぜ成功したのか。 「ポイントは6つ。@精緻(せいち)な経営管理制度の導入Aコスト削減の徹底Bコールセンターを活用した効果的なマーケティングC弥生の経営陣が優秀Dキャッシュフロー(現金収支)管理が奏功し、投資時の借入金を7月末までに実質5分の1に減らせたE新製品開発と市場への投入−−という点だ」 −−ライブドアが一番高い価格を提示したのか。 「もう少し高い価格を提示する企業もあったが、価格だけで決めるわけではない。売却後もその企業の成長が見込める先を選びたい」 「今回は弥生の経営内容を評価し、今後の弥生の発展にも貢献してくれると判断し、ライブドアに決めた」 −−これまでの投資実績は。運用実績は年率100%を超えているもようだが。 「15社に投資し、7社から回収した。成績は国際的にみても到達すべき水準にある」 −−1、2号ファンドの投資が完了し、今夏までに465億円の3号ファンドを集めた。 「3号ファンドは12-15社に投資する。この程度の数が分散投資の効果が最も高い。8割は健常企業、2割は法的整理などの再生案件を想定。企業価値(エンタープライズバリュー)が100億−1000億円程度の中規模の企業中心に投資する。これも投資効率がいいからだ。小さな企業だと手間の割に効率が悪い。一方で大型案件は統計上、リターンが少なくなる傾向にある」 −−何がアドバンテッジの強みか。 「経営コンサルティング会社出身者を中心に企業を育成する力が売り物だ。経営戦略の提案力、財務戦略を構築する能力、計画を実行する力の三つが重要だが、経営コンサルタントは財務戦略に弱い傾向がある。しかしアドバンテッジには金融機関を経て経営コンサルタントになった者もいてバランスがとれている」 −−日本経済新聞社の調査では8月時点で投資ファンドの累計投資額が1兆1000億円を突破。今後の展望はどうか。 「中長期的に日本経済の回復が見込まれるなか、市場の拡大が続く。大手企業が事業再編で非中核事業を売却したり、中核事業強化のために買収したりするケースが増える。独立系企業もオーナーが売却する動きが加速しそう」 「ファンド聞の競合が増えたのは確か。特に支援企業を入札で決める場合、買収価格が高くなる傾向が強まっている。アドバンテッジは早くから独自ルートで投資先を発掘する努力を続けてきた。独自案件の場合、買収価格も程よい水準で決まることが多い」 アドバンテッジパートナーズ代表 笹沼 泰助氏 アドバンテッジパートナーズ 国内の投資ファンドの草分け。コンサルティング会社で同僚だった笹沼泰助氏とリチャード・フォルソム氏が1992年設立し、共同代表に就いた。 投資フアンド市場の黎明期だった97年早くも1号ファンドを立ち上げ、98年から投資活動を本格化した。現在3号ファンドに及ぶ。これまで製塩事業の日本海水、高級家具販売のアクタス、高級レストランのひらまつなどの投資実績で知られる。 |
|
■2004/11/24
日本経済新聞 ファンド資本主義 企業再生の仕掛け人 2 ワールドコム再上場 納得できる企業価値算定 ラザード・マネージング・ディレクター F・サベージ氏 −−米通信大手ワールドコムは不正会計が発覚し、400億ドルの負債を抱えて倒産したが、2年足らずで再上場した。日本では信じられないスピードだ。破たん企業と債権者の間に入る再生アドバイザーとしてどう取り組んだのか。 「米国では企業経営者も債権者も企業再生のシステムをよく理解しており、両者の間に入ってリスクを取るヘッジファンドも発達している。さらにラザードのような中立の再生アドバイザーが加わり、入り組んだ債権・債務関係を短時間で解きほぐす」 「ワールドコムのケースで最も難しかったのは企業の本当の価値を見極める作業だった。不正会計と、世界的な通信市場の落ち込みで企業価値が見えにくかった」 「破たん処理には我々を含めたアドバイザーが5社、コンサルタントが3社、8つの法律事務所がかかわり、手数料は6億ドル(約612億円)にのぼった。こうした専門家によって、すべての債権者がおおむね納得できる企業価値を算定し、それに基づいてそれぞれの債権の適正価格をはじき出していった。妥協点さえ見いだせれば、時間をかけて得をする人はだれもいない」 −−米国の企業再生はなぜ早く、日本はなぜ遅いのか。 「企業が破たんすると、債権者は怒り、次に妥協し、最後に協力する。このプロセスは世界共通だ。米国では社債の二次市場が発達しているから、破たんの懸念が出ると企業価値が目に見えて下がっていく。債権者や株主は抜本的なリストラが必要だと認めざるを得ず、比較的短時間で協力し始める」 「これに対し日本は二次市場が未発達で、企業価値の下落が見えにくい。経営陣は大きな問題を抱えていても、知らんぷりできる。隠し通せず問題が顕在化すると、今度は妥協点が見つからず、債権者はいつまでも怒り続ける」 −−ラザードは再生アドバイザーとして日本に進出するのか。 「銀行の頭取がダイエーの社長と再建策を話し合っていたようだが、米国では多くの債権者の中の1人にすぎない銀行が主導した再建案では、他の債権者が納得しない。だから中立者として我々の出番がある。日本はまだメーンバンク制が強く、企業再生で銀行が大きな役割を果たしている。再生アドバイザーが必要とされるのは2、3年後だろう」 「しかし投資ファンドの台頭や、産業再生機構の登場で日本の企業再生市場はこの2、3年で大きく変化し始めた。かつて日本の銀行と政府は一心同体だったが、ようやく分離し始めた。再生機構などで企業再生の経験を積んだプロが増えれば、日本でも市場主導の企業再生が可能になる」 ラザード 1848年に米国で発足した老舗の投資銀行。米、英、仏3本社制で世界16ヵ国で2700人の従業員を抱える。企業再生アドバイザーとしてワールドコムのほか、韓国の大宇グループ、イタリアのパルマラットの再建に携わった。サベージ氏は企業再生で20年以上の経験を持ち、1999年に自らが率いたチームごと投資銀UBSからラザードに移籍した。 |
|
■2004/11/24
毎日新聞 旧商工ファンド 公正証書を無断作成 5年で101件 給与差し押さえに 商工ローン最大手「SFCG」(旧商工ファンド、東京都)が、金銭貸借に関する大量の公正証書を契約者の了解をとらずに違法に作成していた疑いの強いことが分かった。カーボン紙を使い、作成の委任状に無断で署名させていたケースも多く、契約者が突然給与などの差し押さえを受ける被害が急増している。日本弁護士連合会の調査でも「署名した認識がない」との回答が100件以上寄せられ、弁護士らは同社の公正証書が年間数万件に達するとみられることから「被害は氷山の一角」と指摘している。 カーボン複写で委任状 「今年はしていない」 公正証書は確定判決と同じ効力を持ち、金銭貸借などに関し、本来は債権者と債務者・保証人との合意で作成される。契約書では支払いが滞った場合の給与や預金の差し押さえはできないが、公正証書があれば債権者の都合のいい時期に可能。契約者が差し押さえを解除してもらうため、不利な返済条件を受け入れることも少なくない。 日弁連消費者問題対策委員会がこのほど会員の弁護士に全国規模で初のアンケートをした結果、最近5年間に公正証書による差し押さえのトラブルの相談を受けたと回答したのは180件に上り、118件がSFCGだった。うち101件が、委任状への署名の認識がなかった。 関係者によると、SFCGは貸借契約を結ぶ際、公正証書の意味をほとんど説明せずに作成の委任状に印鑑を押させたうえ、手続きに必要な印鑑証明を出させるという。契約書類の下にカーボン紙を敷き、委任状を見せずに作成していたケースも多数発覚。差し押さえは02年以後急増し、債務者側が元本と法定利息を完済した後に差し押さえられる例も多く、日弁連の調査では、これに対抗する訴訟が少なくとも61件起こされている。 慰謝料を求める訴訟も相当数起こされており、「勝手に公正証書を作られた」と訴えた訴訟で、SFCGが100万円の慰謝料相当額を支払って和解(先月、横浜地裁)するなど、実質的に違法性を認める裁判例も出始めている。 公証人法は代理人制度を認めており、司法書士らが委任状と印鑑証明を持参すれば、公証人は契約者の了解があるとみなす。しかし代理人が実際に委任を受けているか確認する義務はない。日弁連は、こうした制度不備が無断作成につながっているとみて、近く法務省に法改正を求める方針。 旧商工ファンドは99年、高金利と強引な取り立てが社会問題化し、大島健伸社長が国会で証人喚問された。 SFCGの話 当社では契約時に公正証書についてきちんと説明し、契約者の同意を得ていると考えている。カーボン複写で委任状を作る方法は今年に入ってやめている。 【伊藤正志、石丸整】 <ことば 公正証書> 法相が任命する公証人が作成する公文書。土地や建物の売買、金銭貸借などの契約や、遺言作成に使われる。昨年の公正証書約40万件のうち24万件が金銭債務関係。公証人は検察官、裁判官、法務局経験者らが就く。 |
|
■2004/11/24
日本経済新聞 やさしい経済学 企業戦略とM&A 4 ファンドの課題 東京大学助教授 柳川 範之 企業への投資ファンドに資金を提供する側からみた場合には、その提供にはかなりのリスクを伴う。このため、適切な形でファンドに資金が提供されていくかどうかが、ファンドにとっても日本の金融システムにとってもひとつの重要なポイントとなる。 そもそもファンドが行う投資がハイリスク・ハイリターンであるために、出資者がリスクを負うのはある意味では当然である。しかし注意する必要があるのは、それ以外にファンドと出資者との間の情報の非対称性(出資者はファンド内部の情報を完全には得にくい)から生じるリスクが存在する点である。 ファンドの投資内容や運用成績は、その運営者の能力や判断力に負うところが大きい。しかしこの部分は、出資者には正確に把握できない場合が多い。なぜならば、そもそも出資者にはそれを判断するだけの能力も情報もないからである。この点はやはり専門家である例えば医者や弁護士に仕事を依頼する際に生じる問題とよく似ている。 この問題は経済学ではエキスパートの理論として、近年そこから生じる非効率性とその軽減策が理論的に検討されている分野である。以下ではその結果からファンドの現状と課題を考えてみよう。 いま見たような状況では、多くの場合、出資者側としては様々な評判などを通じファンドの能力を間接的に判断するしかない。しかし残念ながら日本ではファンドの歴史が浅いために、過去の実績に関する情報が十分ではなく、また評判を得るだけの実績も少ない。そのため、偏った評判や情報によってファンドヘの投資が左右される可能性がある。またたとえ十分な歴史があったとしても、そもそも判断が難しい構造を抱えている。評判はあくまでも、部分的な情報を伝えるだけであり、それが能力の完全な証明や十分な投資収益を保証するものではないからである。 より重要なのは、元来ファンドの運営は人材が生命線であり、個人的な資質や能力に負う面が大きい点である。そのため、たとえば途中で能力を発揮できない事情が生じた場合には、運用成績が大きくぶれるという問題も抱える。 このため、能力の高いファンドに適切に資金が提供される状況を実現させることは、それほど容易ではない。ただし、この点が直ちにファンドに対する規制の必要性に結びつくものではないことは強調しておきたい。当事者による契約や評価システムの工夫がまず求められよう。 |
|
■2004/11/23
日本経済新聞 やさしい経済学 企業戦略とM&A 3 経営とファンド 東京大学助教授 柳川 範之 前回は経営戦略、特に組織改革において資本市場が果たす役割について述べたが、現実に株主が企業の組織改革に対して積極的に関与することは容易ではない。一般投資家は、そのような知識や情報収集能力に欠ける場合が多いからだ。 この点は現在の公開企業が抱えている構造的な問題であり、近年のコーポレートガバナンス(企業統治)に関する理論研究ではこの問題に注目したものが少なくない。 そこで議論されているポイントのひとつは、専門的な投資家の重要性である。ここで言う専門的な投資家とは、コストをかけて情報や知識を取得し積極的に経営に対して発言をする投資家である。具体的には、機関投資家や企業への投資ファンド、他の事業会社などである。彼らがどのようなインセンティブ(誘因)に基づき、どのような情報を収集するかで、コーポレートガバナンスや企業の経営判断は大きな影響を受ける。 ファンドの特徴は、資金を提供するだけでなく人材などの経営資源を投入する場合が多いということである。コーポレートガバナンスに関する金融契約理論では、資金提供の補完的機能として、経営資源を投入することの影響が近年議論されている。 法的に投資収益を得る権利が保証されていても、十分な経営能力がなければ株主は実際の収益を期待できない。そのために、株主は資金だけではなく経営資源を投入して、直接的に収益性を高めると同時に、それによって会社全体としての利害関係者への成果配分を調整する。その結果、株主は自らの収益の予想をある程度確実なものにすることができるので、より多くの資金提供が可能になる。企業側にも新たな経営資源を獲得できるメリットがある。 ベンチャーキャピタルや企業再生ファンドなど多くのファンドに特徴的なのは、経営に口を出すだけではなく、優秀な経営者を外部から連れてきたり、場合によっては自ら経営に参画したりして、重要な経営の意思決定にかかわるケースが多い点である。経営に積極的に参加することで企業価値を増大させ、結果として自身のファンドの収益性を高めようと努力している。 専門的な投資家が経営に積極的に関与していく姿は、今までの日本企業ではあまり見られなかったものであり、その意味でファンドの増加は、今後の日本企業のコーポレートガバナンスのあり方を大きく変えていく可能性を秘めていると言えよう。 |
|
■2004/11/23
日本経済新聞 ファンド資本主義 企業再生の仕掛け人 1 三井鉱山買収に名乗り 需給ひっ迫の石炭確保 日本企業の再生案件でファンドの存在感が高まるにつれ、企業買収にかかわる人物の動きも注目され始めている。「ファンド資本主義」の仕掛け人たちは企業再生ビジネスにどう取り組んでいるのか。国内外の4人に聞く。1回目は米鉄鋼大手、インターナショナル・スチール・グループ(ISG)会長で、同社大株主の再生ファンド、WLロスの創業者であるウィルバー・ロス氏。 −−産業再生機構傘下で再建中の三井鉱山買収に名乗りをあげた。その狙いは。 「ISGの中核企業である旧ベスレヘム・スチールは長年、三井鉱山から鉄鋼原料のコークスを買ってきた。石炭は鉄鋼原料としても発電燃料としても世界的に需給がひっ迫している。三井鉱山が持つ石炭調達ルートは魅力だ」 「ただし我々が三井鉱山を買収できたとしても、大口顧客の新日本製鉄へのコークス供給は最優先する。我々は三井鉱山に投資し、増産分でISGの需要を満たす」 −−WLロスは鉄鋼だけでなく石炭事業にも進出した。 「原油価格の高騰が続く中、米国では電力の安定供給のため原子力発電を増やそうという機運もあるが、対テロの安全性やコストを考えれば石炭火力がもっとも現実的だ。環境負荷を軽減する技術もある。そこで今年、経営破たんした米石炭大手のホライゾン・ナチュラル・リソーシズを買収し、インターナショナル・コール・グループ(ICG)を設立した」 −−ISG、ICGとならぶ事業の柱が繊維のインターナショナル・テキスタイル・グループ(ITG)だ。 「米国の老舗繊維会社、バーリントン・インダストリーズとジーンズで使うデニム最大手のコーン・ミルズを買収し、中国、インド、トルコなどで合弁事業を展開している。バーリントンやコーン・ミルズは単独では存続できなかったが我々が構築したグローバル・サプライチェーンに組み込むことで、中国やバングラデシュの繊維会社と戦えるようになった」 「染色技術やデザイン力に優れた日本の繊維会社にも興味がある。WLロスはカネボウに買収を打診したが、最終的に産業再生機構による支援が決まった。だが日本の繊維会社をあきらめたわけではない」 −−競争力を失った古い産業をかき集め、どうやって再生するのか。 「米国にとって鉄鋼、石炭、繊維は必要な産業だが、旧来の仕組みでは存続できなくなった。これらの古い産業に新たな資本と技術と経営を持ち込んでグローバル化させるのが再生ファンドの役割だ」 「例えばISGは年金を収益連動型に変え、会社を押しつぶしてきたレガシーコスト(年金の積み立て不足や退職者の医療費といった負の遺産)を断ち切った。一度、経営破たんした会社は過剰債務が処理されているから再建しやすい」 −−日本で今後も企業買収を続けるか。 「日本経済停滞の原因の一つに、実態は破たんしているのに存続している企業の存在がある。産業再生機構はこうした企業を再生し、民間に引き渡す。これからが我々の出番だと思っている」 WLロス 1970年代から投資銀行ロスチャイルドで企業再生を手がけてきたウィルバー・ロス氏が2000年に設立した投資ファンド。鉄鋼、石炭、繊維の3部門を主力に株式時価総額60億ドル(約6120億円)の企業群を率いる。 日本では2001年に関西さわやか銀行、自動車部品の日興電機工業を買収。03年には企業統治ファンドの大洋ファンドを設立し、ニフコ、エステー化学など7社に出資している。 |
|
■2004/11/19
日本経済新聞 景気認識 日銀も下方修正 11月1年半ぶり「先行き回復続く」 日銀は18日発表した11月の金融経済月報で、景気の現状認識を「輸出、生産の増勢に一服感がみられるものの、全体として回復を続けている」とし、先月までの「回復を続けている」より表現を下方修正した。現状認識の下方修正は昨年5月以来、1年半ぶり。内閣府は先に景気判断を引き下げており、福井俊彦総裁は「輸出、生産の一時的足踏みという認識は(政府と)共有している」と述べた。 日銀は貿易統計、機械受注など最近の景気指標の伸び鈍化を受け、これまで景気回復の起点になってきた輸出と生産の判断を引き下げた。一方、企業収益や設備投資は増勢を保っているほか、個人消費も「底堅く推移している」とした。雇用者所得は「下げ止まり」と表現し、前月よりも判断を前進させた。景気の先行きについては「回復を続けていく」として基本的な見方は据え置いた。ただ、前月まであった「前向きの循環も明確化していく」という記述は削り、景気へのやや強気の見方を微修正した。 |
|
■2004/11/18
フジサンケイ ビジネスアイ 三菱地所 C ファンドで丸の“外” デベロッパー機能を広く発揮 三菱地所は丸の内だけでなく、丸の“外”での都市開発プロジェクトにも積極的に携わっている。ただ、丸の内と決定的に異なるのが開発手法。資産保有に頼らず、不動産投資市場からの調達資金によって収益性に優れた施設を手掛けている点が特徴だ。 (伊藤俊祐) JR川崎駅前(川崎市川崎区)に立つ、延べ床面積が約8万9000平方メートルの大型商業施設「川崎ルフロン」。その所有者である三菱電線工業から昨年の初めごろ、資産保有の効率化と財務体質の強化を目的に、「流動化したい」との打診が三菱地所に対してあった。 国内では不動産投資ファンド(基金)市場が拡大の一途をたどっている=図表・グラフ。ファンド事業は投資家から集めた基金を使って割安な不動産を購入し価値を高めたうえで売却、運用規模や成績に応じた手数料を受け取る。不良債権処理に伴い、簿価以下で放出される不動産が増加している点が拡大の背景にある。 三菱地所は、この枠組みを活用するため、川崎ルフロンの“再生”計画に着手した。同施設が開業したのは1988年。完成後15年を経過していることから、大幅なリニューアル工事を施すことで集客力の向上につなげていくのが当初の目的だった。 その過程で舞い込んできた話が、大型テナントである西武百貨店の撤退だ。西武は消費不況の影響に加え、もう一つの核テナントである丸井と顧客が競合していたため、川崎では苦戦を強いられていた。03年8月に退店後のスペースをいかに確保していくかが、重要な課題となった。 資産開発事業本部執行役員の檀野博(56)によると、ファンド事業を成功させるには「投資家にとって魅力的な、旬のテナントを誘致すること」が重要だ。商業施設の賃料は一般的に、固定部分と一定の売り上げに連動する部分によって構成されている。つまり、繁盛すれば、収益性が高まり投資家はその分のメリットを享受できるというわけだ。 その意味で、圧倒的な集客力を誇る店舗が不可欠となる。ねらいを定めたのが、高い成長率を誇る家電量販業界の大手、ヨドバシカメラだ。 同社はすでに川崎に進出していた。しかし、スペースに物足りなさを感じていたのも事実。事業拡大には大規模な売り場面積を確保することが必要との考えから、三菱地所の働きかけに呼応する形で、話は順調に進んでいった。 出店が決まった後は、大規模リニューアルに着手する。具体的には床や壁、照明などを更新し、家電量販店という性格上、電気の容量も大幅に向上させた。店舗(地下1―地上4階)の延べ床面積は約1万4500平方メートル。同社にとっては大阪の梅田、博多に次ぐ大きさの主力店舗となる。 これと同時にカジュアルファッションや楽器販売店、大型書籍店といった、ヨドバシカメラへの来店客が足を運びそうな19のテナントを呼び込んだ。グランドオープンは今年の3月。目論見(もくろみ)通り集客力も大幅に向上し、今や川崎駅前の“新”名所として人気が高い。 川崎ルフロンの信託受益権は開業して20日後に売却される。相手先は、収益用不動産投資に関する総合サービスを行う三菱地所投資顧問が、日本国内の商業施設を投資対象とした不動産私募ファンドだ。 同ファンドは国内機関投資家と事業会社など十数社から、300億円の出資を受け入れて組成された。三菱地所は出資金のうち25億円を出資している。ファンドでは、特定事業を対象として返済は担保の範囲内に限定されるノンリコースローンと合わせ、計600億―700億円の商業施設への不動産投資を予定している。 川崎ルフロンの売却に伴って三菱地所グループは、不動産の管理・運営業務を示すプロパティ・マネジメントを推進することなどで、安定的な収益の確保を目指す。ファンドの対象となる物件では、新規テナント営業やリニューアル工事からはじまってプロパティ・マネジメントに至るまで、「バリューアップ」という収益の向上・安定化に向けた施策が不可欠となる。 今回のプロジェクトでは全段階で、三菱地所グループ全体がかかわった。檀野は「総合デベロッパーの機能が丸の内以外の場所でも、十分に発揮できることが判明した」と力説する。 不動産の収益性を高めるため、不動産の所有と経営の分離という動きに拍車がかかっている。丸の内で培ってきた都市開発ノウハウを、丸の“外”にも本格的に伝授する時代が到来しつつある。 グループ中核、三菱地所設計 提案に一段と重み 三菱地所グループが総力戦といった形で取り組んだ、川崎ルフロンの開発・運営事業。この過程で大きな支えとなったのが、建築や土木関連事業の設計監理を行う三菱地所設計の存在だ。 同社は三菱地所本体から2001年6月に分離・独立した。他の不動産会社も系列の設計会社を活用するケースがあるものの、連携力という面では三菱地所設計が一頭地を抜いているようだ。 小田川和男社長(60)によると、「もともと、兄弟・親子関係にあるという最大のメリットは提案営業を行いやすい」という点だ。 不動産は収益性が重視されており、所有者やテナントのニーズを単に受け止めるだけではなく、不動産のプロによる有効活用に向けた設計提案が一段と重みを増している。その際にグループの中核的な存在として活躍できるというわけだ。 三菱地所設計が手掛ける業務は、何も三菱地所による開発案件ばかりではない。例えばマンション。大型物件の場合、他の大手不動産会社と共同で事業を進めるケースが多く、これを契機として付き合いがスタートし、ライバル他社からマンションの設計監理も随時請け負っている。また、03年度に竣工(しゅんこう)した「日本テレビタワー」なども三菱地所設計によるものだ。 小田川社長が今、号令をかけているのが、こうした“他流試合”の積極的な仕掛け。「顧客がどういったものを望んでいるのかを的確に把握し、それに沿ったプランを1ヵ月間という短期間でまとめ、提案することが重要。その結果、専門家集団としての実力がさらに向上する」とメリットを説く。 とくにコンペには積極的に参画。昨年はコンペを通じ、1年間で12件の仕事を獲得した。今年は20件に達する見通しだ。 ただ、以前と異なるのは全社を挙げてコンペに取り組める環境づくりを進めている点。 従来はコンペに携わる社員だけが、「四苦八苦していた」(小田川社長)。これを反省しパソコンの画面上で、誰がコンペ案件に取り組んでいるのかを一目瞭然(りょうぜん)に把握できる体制を導入。当事者が集中して仕事に取り組めるようなインフラ整備を進めている。 |
|
■2004/11/17
日本経済新聞 ミサワ買収へファンド 創業者・三沢氏が設立構想 「3000億円調達」実現は疑問符 ミサワホーム創業者でミサワホームホールディングス(HD)前社長の三沢千代治氏(66)は16日、ミサワ買収を目的とする投資ファンドを設立する構想を明らかにした。UFJ銀行のミサワ向け債権などを買い取り、UFJが進める再生処理の対象からミサワを外す狙い。ただ、UFJはトヨタ自動車によるミサワ救済策を検討しており、同氏の構想の実現は難しい面も多い。 投資ファンド会社は「ミサワファンド」。資本金は2億円。ミサワ社員やOB、三沢氏ら約200人が計1億円、米企業など2団体が計1億円を出資。月内に正式発足する。資金提供企業については「米大手穀物商社と、米国の約40大学が拠出している基金」(三沢氏)との説明にとどまり、名称は明らかにしていない。出資に加え「3000億円の借り入れのメドが立った」(同)という。 計画では@UFJなど複数銀行のミサワ向け融資債権AUFJと米シティグループが持つ計1350億円のミサワ優先株−−の買い取りを進め、発行済み株式の3分の2以上を買い取るため株式公開買い付け(TOB)を実施。ミサワをUFJの大口融資先から除外した上で来年6月にファンドと合併させる。来月中旬に事業計画を発表する。 三沢氏の構想には課題も多い。まず3000億円もの資金を手当てできるかが不透明。またUFJは「(ミサワ救済は)トヨタにお願いする方向で変わらない」(同行幹部)意向で、三沢氏の提案に容易に応じるとは考えにくい。 |
|
■2004/11/16
日本経済新聞 元MKSの川島氏 買収ファンド設立 来春めど500億円 投資会社MKSパートナーズ(東京・千代田)の代表取締役だった川島隆明氏(52)が退任し、新たな投資会社を起こした。1号の買収ファンド(基金)として来春までに約500億円を集める計画だ。 新会社のカレイドホールディングス(東京・港、川島・代表取締役)には、著名なディーラーだった藤巻健史氏も取締役として投資戦略立案に加わる。大手金融機関などがファンド出資に同意しているという。構造転換が遅れた企業を買収し、経営改革や国際展開を支援するなどで企業価値を高める。 川島氏は旧日本興業銀行出身で、興銀証券執行役員などを経て2002年にMKS代表取締役に就任。靴下製造の福助、配管機材製造のベネックスなどの再生案件を手掛けた。 |
|
■2004/11/15
フジサンケイ ビジネスアイ フィナンシャルi. 急増する地方の再生ファンド 地域経済再建へ試行錯誤 都道府県単位など、地方レベルでの事業再生ファンド(基金)が急増している。県をまたぐ広域のファンドも含め、すでに25件以上のファンドが設定(予定)もしくは運用開始されており、ほぼ全国をカバーした。ファンド急増の背景には、地銀レベルでも不良債権処理の最終段階を迎え、融資先企業の再生へ本腰をいれ始めたことがある。(ジャーナリスト 和田勉) 地域レベルの事業再生ファンドは、地方銀行など地域金融機関と投資会社が共同で設計したファンドで、その地銀の融資先企業を対象に債権を買い取り、再生を助けるのが目的だ。 具体的には、ファンドは一部の債権放棄も含めて対象企業の財務健全化を実現し、事業領域の見直しなどを指導する。主として、その企業の収益力向上を通じた債権回収額の増額により投資を回収する。 再生実績を重視 地銀主導のケースが多いため、県単位の企業を投資対象とするファンドが多いが、中には近隣の県の金融機関が共同で企画したファンドもある。中堅・中小企業が対象のため、大手企業対象のファンドほど投資利回りは期待できないが、地銀同士で他の地域のファンドヘ出資するなど、利回りより再生実績重視の投資家を集めてファンドを組成している。 10月には、沖縄海邦銀行が投資会社リサ・パートナーズ運用の「かいほう事業再生ファンド」をスタートさせたほか、東京都が「東京チャレンジファンド」(運用は大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツ)を作った。また、足利銀行など栃木県内の金融機関が今夏作った「とちぎ地域企業再生ファンド」(運用はとちぎインベストメントパートナーズ)は10月末に、産業再生機構が支援している皮革メーカーの栃木レザーを第1号投資先に決めた。 日本政策投資銀行のまとめによると、地域型の事業再生ファンド(計画の公表べース)は10月までで25件ある。複数県対象のファンドがあるので、すでにほぼ全国をカバーしている。その他にも設立の動きは盛んで、地域型再生ファンドは年内にも30件に到達する勢いだ。 地域型の再生ファンドが登場したのは昨年の秋以降のことだ。急増の背景には、まず、体力のある地銀が引当金不足の解消など抜本的な不良債権処理の準備を終え、しっかりしたコア事業を持ちながら過剰債務に悩む企業の再生を助ける段階に入ったことがある。 それに、金融庁が昨春出した「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」で、事業再生ファンドを例示して、地域の中小企業の再生支援策を求めていることも各地域金融機関の動きを後押ししている。また、日本政策投資銀行や中小企業基盤整備機構からの出資という公的な資金支援を受けるケースもある。 登場1年で課題も そんな地域型の再生ファンドだが、登場から1年で早くも課題も見えてきている。ファンド業界によると、ファンドを設けたけれども対象企業が見つからない事例や、ファンドが地銀の希望する企業向けの債権を買い、地銀側の不良債権オフバランス化が進んでも、その対象企業の再建策が作りにくいケースなどが出ているという。 逆に、再建策がはっきりしている企業の場合、ファンドの投資から1、2年で、「卒業」することが多い。 6件のファンド運用を獲得しているリサ・パートナーズの田中敏明常務は「各地銀はいろんな仕組みを試しており、有力地銀は複数のファンドを持つことになりそうだ。われわれとしてもンニーズに応えたファンドの提案をしていく」と言う。同社は、対象企業ごとにファンドを作り、投資家も募集する方法により、最近、ファンド運用受注を増やしている。 地域金融機関の間では、この1年、とにかく再生ファンドを作るのがブームの様子だった。今後は、対象企業の再建に適した仕組みを考えてのファンド企画が増える見通しで、地域の中堅・中小企業の再生を通じた地域経済の活性化へ向け、金融機関の試行錯誤はまだまだ続く。 和田 勉(わだ・べん) 1966年、京都府生まれ。早大政経卒。日本経済新聞社に入り産業部、国際部の記者などを経て、98年から3年間、テレビ東京に出向し経済部記者。01年からフリーの経済ジャーナリスト。著書に「買収ファンド」(光文社)「企業再生ファンド」(同)「事業再生ファンド」(ダイヤモンド社)。 |
|
■2004/11/11
フジサンケイ ビジネスアイ 生活設計 話題の投資信託C 不動産投信とは 物件自体を証券化/着実な実績の一方、割高感も 家賃という定期収入が得られることで、人気があるのがマンション投資です。「家賃収入はインフレにも強いですよ」と、甘い言葉をかける業者も少なくありません。しかし以前とは違い、今は借り主のほうが強い時代。家主は借り主のニ一ズに応える努力をしないと、空室が常態化し収入は入らず、「どうしたらよいか」と対策に頭を抱えてしまう人が多いのです。同じ不動産収入が目的なら、日本版不動産投信(J−REIT=Jリート)も選択肢のひとつです。 2001年9月に誕生したJリートは、株式と同様、証券取引所でいつでも売り買いができ、現在までに14本が上場されています(今年10月現在)。 20万―80万円程度で購入でき、この低金利時代に年率4%程度という高い配当利回りが投資家に受けて、価額は設定以来、着実な上昇を続けています。 今後においても、こうした分配金を期待して、地方金融機関や投資信託などの大口の買いニーズがあり、しばらくは堅調に推移するという見方が大勢です。 Jリートは、不動産の所有・運営などを専門とする企業の株式とみることができます。株主の出資金と借入金で物件を取得・所有し、それを賃貸に出します。この賃貸収入が(物件を売買した場合はその損益も)、分配金の原資になります。 予想下回る例はなし Jリートは決算時に、1年先までの予想分配金を投資家に示します。これまでのところJリート銘柄で、実績が予想分配金を下回った例はありません。業績に左右される株式の配当とは異なり、賃料の見込み数字は大きく振れる要因が少ないからです。 この確度の高さが不動産投信をミドルリスク・ミドルリターンの金融商品と呼ぶゆえんでしょう。 高配当を維持するには、常に潤沢な資金が必要です。定期的な修繕で既存物件の価値を維持し、同時に新規物件を取得し収益機会を増やすことを、継続していかなければならないからです。 ただ、その資金のうち、借入金の割合が高いと、金利上昇が経営を圧迫することになりかねません。取得に要した資金の内、借入金の割合が60%を超えていたり、固定金利よりも変動金利の割合が極端に大きいところは要注意。借入比率を低く抑えるためには、自己資本を高める増資の継続が不可欠なのです。 プロが内容を選別 会社情報誌などでその会社の解散価値ともいえる一口純資産(不動産鑑定士の評価で計算)と価額との乖離もチェックしてください。この乖離は、取得物件の値上がり期待を映したものという見方もあります。 こうした値上がり期待を理由にしないと説明がつかないような、価額との乖離が30%以上ある現在の状態は、割高と考えていいでしょう。 Jリートは、@高い配当利回りが期待できるA換金性が高いB価格が明確C運用をプロに任せられるD投資情報が多い−など、本来は魅力ある金融商品です。 Jリートの資産内容が健全で取得物件の管理運営能力が高いことが前提ですが、価額が下がって割高が解消されれば、魅力的な投資対象であることは間違いないでしょう。 どのJリートがいいのか自分では選べないという人は、リートを投資対象にした投資信託もあります。これなら、第三者である投信のプロが各リートの運用体制や資産内容をチェックして選別してくれます。 すぐには換金できない不動産に比べ、Jリートは換金性に優れていますが、取引所で売買が成立せずに売れないことがあります。投信はそんなときでも換金しやすい商品です。 また、海外のリートを対象にした投資信託も増えてきました。不動産投資でも国際分散投資がしたいという人におすすめです。 (前川FP事務所アドバンス 前川貢) |
|
■2004/11/11
日本経済新聞 武富士、くすぶる再編観測 創業者一族、持ち株25%未満に ヘッジファンドに一部売却 貸金業登録取り消しは回避 武富士は10日、武井保雄前会長ら創業者一族の持ち株比率が、24.8%に低下する見通しだと発表した。一族は直近で約6割の株式を保有していたが、800万株(6%相当)を市場で売ったほか、約30%相当も信託し売却を進める。外資への売却案が浮上して消えるなど迷走したが、一応の決着をみる。 25%未満となることで、貸金業の登録取り消しの可能性は回避される。半面、今回の売却で一気に浮動株が増えることで、株価が下がれば、投資ファンドなどが株式公開買い付け(TOB)で買収に動く可能性も出てくる。再編観測が引き続きくすぶりそうだ。 武井前会長自身も2%分をすべて売却した。また、信託する株式のうち18%相当は、米系の複数のヘッジファンドヘの売却が決まっているもようだ。ヘッジファンドが利益確定のため空売りする可能性があり目先の株価の不安材料だ。 武井前会長は盗聴事件で検察から懲役3年を求刑され、17日に東京地裁で判決が出る。貸金業規制法では、禁固以上の刑が確定した人物が実質的に25%超の株式を保有することを禁じている。家族名義なども実質保有とみなされる懸念があったため、一族は株式売却を迫られていた。 一時は米投資会社ニューブリッジ・キャピタル、米投資銀行ゴールドマン・サックスなど外資への売却もまとまりかけたが、合意には至らなかった。武井前会長が処分に難色を示したためだ。結局、判決も近づいていることから時間切れとなり、信託を活用して売る形になった。 |
|
■2004/11/07
毎日新聞 中小企業 再生ファンド 地方でも設立加速 迫るペイオフ課員全凍結解除 不良債権処理の本格化で 自治体も後押し 経営難に陥っている地方の中堅・中小企業に投資して、再建を支援する「地域企業再生ファンド」の設立が全国で相次いでいる。これまでに25道府県で発足し、年内には30を超しそうだ。05年4月のペイオフ(預金の払戻保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)完全凍結解除を控え、地方金融機関が不良債権処理に本腰を入れ始めたことが背景にあるが、地域経済活性化につながるという期待も高まっている。 地域企業再生ファンドは、投資会社と地方金融機関などが資金を出して設立する基金(ファンド)。過剰債務を抱えている地域の中堅・中小企業に投資し、再建を支援する。日本政策投資銀行のまとめでは、北海道や大阪府、広島県など25道府県で発足している。 主な手法は、金融機関の持つ債権を安く買い取り、大口債権者の立場で不要資産売却やコスト削減などを指導。銀行から再び融資を受けられる程度に再建が軌道に乗った時点で債権を回収し、利益をあげる。1件あたりの規模が小さいため、債権買い取りから1〜2年で回収を目指す。 設立が相次ぐ背景には、地方金融機関が不良債権圧縮のため、取引先の事業再生に本格的に取り組み始めたことがある。一時的に売却損が出ても不良債権を処理できるほか、再建をファンドに任せることで本来の融資業務に集中する狙いだ。 投資会社にとっても、地銀との提携は大きな商機。独立系投資会社「リサ・パートナーズ」(本社・東京)は昨秋以降、広島銀行や北日本銀行などと組み、6県でファンドを設立。投資案件は10数件に及び、年内にあと数ファンドを発足する。リサの田中敏明常務は「将来は地方金融機関にも都銀並みの厳しい不良債権処理目標が課せられる可能性は高く、再生案件は確実に増える」と市場拡大に自信をみせる。 地方公共団体もファンドづくりを後押ししている。昨年9月発足した「北海道企業再生ファンド」は道が主唱し、北海道電力などの地元主要企業と証券系投資会社の大和SMBCプリンシパル・インベストメンツ(PI)が、共同で100億円のファンドを組成。すでにFM放送局など6社の債権計10億円を買い取った。大阪府は昨秋、「元気出せ大阪ファンド」を設立。東京都でも、石原慎太郎知事が主唱した「東京都中小企業再生ファンド」(100億円、仮称)が近く発足する。 大和SMBCPIの松島俊直・最高経営執行役は「地方公共団体が主導することで、企業経営者の抵抗感が弱まり、再生の成功率も高まる」と話す。 政策投資銀行事業再生部の富井聡課長は「地方金融機関は地元のしがらみから抜本的な対策に二の足を踏むケースが多く、地域経済停滞の一因にもなっていた。既存のファンドが実績を上げ始めればさらに設立が加速するのでは」と指摘する。 【坂井隆之】 |
|
■2004/11/06
日本経済新聞 武富士株 ヘッジファンドに売却 創業者一族、信託含め検討 消費者金融大手、武富士の武井保雄前会長ら創業者一族が、複数のヘッジファンドヘの売却などにより、武富士株の保有比率を25%未満に引き下げることを検討していることが5日明らかになった。一族の持ち株を巡っては、米投資銀行などへの売却交渉が暗礁に乗り上げていた。新たに、一族の放出株式数や会社経営への影響力低下を最小限に抑える案が浮上してきた。 武井前会長ら一族は現在、武富士の発行済み株式の58%程度を保有している。このうち20%弱を複数のヘッジファンドに売るほか、10%超を信託銀行に信託するなどし、保有比率を25%未満にする案が有力だ。 一族はこれまで、米投資会社ニューブリッジ・キャピタルや、米投資銀行ゴールドマン・サックスとも売却交渉をしたが、いずれも土壇場で行き詰まった経緯がある。武井前会長の意向次第では、今回浮上した案以外の売却策を模索する可能性も残っている。 武井前会長は盗聴事件で11月17日に東京地裁で判決が出る。貸金業規制法では、禁固以上の刑が確定した人物が25%超の株式を実質的に保有する場合、貸金業登録を取り消す規定がある。 |
|
■2004/11/05
フジサンケイ ビジネスアイ 面白テレビ 拡大鏡 テレビ東京系『ガイアの夜明け』 「復活する土地神話」9日放送より 土地は高利回り商品 「完全なV字回復」 地価が上がり続ける“土地神話”が復活しつつある。バブル崩壊後、下落してきた土地の値段が東京都心ばかりでなく地方でも反転、土地取引に“異変”が起きているのだ。9日午後10時から放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京系)は、地価上昇の謎に迫る。 (松田宗弘) 「取材してみて驚きました。東京都心の一等地では地価が上がり、底値(過去最低の価格)の2倍の坪(3.3平方メートル)7000万円以上で取引されているんです。バブル当時が1億円ですから、完全なV字回復になっているんですね」 番組を企画したテレビ東京報道局プロデューサーの福田一平さん(42)は、やや興奮気味にこう切り出した。土地取引で何が起きているのか。 流れ込む外国資本 ブランドショップが並ぶ東京・銀座。シャネルのビルは200坪で推定170億円だ。ギフト商品の販売会社が建設中のビルは80坪で推定50億円。土地の買い手は、外国企業と「勝ち組」の日本企業である。 10月16日、東京・渋谷に商業ビル「ピカソ347ビル」がオープンした。開発したのはオフィスコーヒーサービスのユニマット(東京都渋谷区)。会長の高橋洋二さんは「かなりの高利回りを実現し、そのタイミングによって膨大な利益を確保できる…」と話す。 「利回り」とは、土地価格に対する、その土地に建てられる商業ビルやマンションなどの建物が生み出す収益の比率。100億円の土地に建つビルの年間のテナントの家賃収入が10億円なら年利は10%というわけだ。 「地価上昇の背景には、土地が金融商品に変貌したことがあります」と福田さんは指摘する。土地を安く買い、高く売り抜ける「土地転がし」というバブル時のビジネスモデルは崩壊、土地は「低金利時代の高利回り金融商品」に姿を変えた。 工場建設ラッシュに沸く福岡県は、人□がこの10年で13万人増加した。西日本一の繁華街天神(福岡市中央区)にはブランドショップが立ち並び、6月には九州最大のショッピングセンターがオープンした。その福岡に外国資本が流れ込んでいる。 資金の行き先は、福岡の中堅デベロッパー、ディックスクロキだ。昨年建てた貨貸マンションは17棟。社長の黒木さんは「ファンドヘの売却は(来年)3月までで180億円ぐらい。30棟ほど手がけ、(外資など)17社からオファーがきている」と明かす。 “投信”に落とし穴も J−REIT (不動産投資信託)。多数の投資家から集めた資金で、ビルやマンションなどの不動産に投資、賃貸収入などを投資家に還元する不動産を対象とした投資信託だ。 産業再生機構による再建が決まったスーパー、ダイエーの旗艦店、東京都目黒区のダイエー碑文谷店も、J−REITの対象物件で、その家賃収入は証券化され、個人でも買える仕組みだ。 証券市場に上場されている不動産投資信託は14銘柄で、時価総額は1兆6000億円にのぼる。1口30万円から80万円で買え、利回りは3―5%と、超低金利時代には魅力的な金融商品だ。 土地転がしのようなリスクはなさそうだが、落とし穴はないのか。 不動産投資研究所の伊藤紀幸社長は番組の中で「賃料が思うように入らなくなってしまった。配当収入が得られなくなってしまうとか(中略)不動産特有のリスクはあります。個人の方は自己責任で見極める必要があります」と警鐘を鳴らす。 プロデューサーから一言 土地ビジネスがバブル当時と大きく様変わりしました。土地そのものを取引する時代は終わり、土地は今や金融商品です。そして土地取引では、土地を手放す「負け組み企業」と買う「勝ち組み企業」。また、買ってから資産価値を上げている「勝ち組」と、その逆の「負け組」の二極分化が起きています。日本人はバブル崩壊で何を学んだのかを伝えられればと思っています。 |
|
■2004/11/05
産経新聞 世界有数の米運用会社「ラサール」 物流施設でファンド 日本不動産市場に本格進出 世界有数の不動産運用会社、米ラサール・インベストメント・マネジメントは4日、日本市場に本格進出する方針を明らかにした。日本の物流施設に特化したファンド(私募)をつくる。同日までに日本通運向けの物流センターなど2件の組み入れが決まった。5日に正式発表する。日本の不動産市場の回復を海外も確信した動きともいえ、国内の不動産投資にも影響を与えそうだ。 ラサールによると、ファンド名は「ラサール日本ロジスティクスファンド」で欧米の大手年金基金や企業など機関投資家を対象とした私募ファンド。外資が日本の物流施設に特化したファンドを立ち上げるのは初めてという。第1号物件は千葉県市川市に建設する日通向けの市川塩浜センターで17年9月末の完成予定。2号物件も同県柏市に取得した。ラサールによると、今後も物件を取得して、同ファンドの規模を1500億円程度まで拡大していく考えだ。 ラサールは米シカゴに本社のある不動産投資会社。運用資産残高は244億ドル。世界トップクラスの総合不動産会社、ジョーンズ・ラング・ラサールの不動産証券投資部門として1985年に設立された。 ラサール日本法人の森内ナンシー千代社長は、「日本の不動産市場には世界の投資家の強い関心が集まっている。全般的に底入れは明らかだ」と指摘。欧米では物流への投資は普及しており、「施設管理が容易で、安定した賃料収入が見込める」(中島康雄・投資執行役員)。また、収益に占める管理コストはオフィスが25%に対し物流施設は15%で済むという。 ラサールは今後、国内での投資顧問業の免許も取得予定で、日本の年金基金向けの私募ファンドや不動産投資信託(Jリート)についても開発を進める方針で、来年に現在20人の日本スタッフを2倍にする予定だ。 価格底入れ・・・強気 「4%配当」に資金もシフト 世界有数の不動産運用会社が日本に進出するのは、日本の不動産価格の底入れを背景に、不動産投資市場が拡大しているためだ。東京証券取引所に上場する不動産投資信託(Jリート)の時価総額は現在1兆6000億円を超え、この1年で2倍以上に拡大。景気回復基調の中、年率4%近い利回りを得られることもあり「高配当商品」との見方が定着しつつある。 不動産証券化協会(東京都)によると、平成16年10月末のJリートの時価総額は1兆6627億円。昨年10月末が7621億円だから約2.2倍となった。 拡大要因のひとつは、都心を中心にした再開発で、土地や建物の収益性が上がり、バブル後、下落の一途をたどった地価に反転の兆しが広がったこと。今年9月に国土交通省の発表した16年都道府県地価(基準地価)では再開発の進んだ都心部が17年ぶりに上昇に転じ、大都市圏で上昇の兆しがみられた。地価回復がデータで確認できたことで「単なる期待が確信に変わった」(証券アナリスト)という。 さらにデフレ解消の期待が高い中で、今年5月以降、株価の上値が重くなったことも資金を不動産に振り向かせている。年率3.9%とされるJリートの平均配当利回りは、運用に苦しむ機関投資家や個人には魅力的な投資先と映っているわけだ。「Jリートは今年度末までに2兆円を超える。むこう1年で1兆円増える」(みずほ証券の石沢卓志チーフ不動産アナリスト)との見方も強い。 こうした中、「投資効率が良くない」としてきた外資系投資ファンドも「日本の不動産市場の底入れを確信して、強気の投資姿勢になっている」(石沢氏)という。 欧米ではオフィスや商業施設とならんで倉庫をはじめ「物流施設への投資は一般的」とされる。それだけに、外資が日本の不動産に着目し、さらにほとんど競争のない物流施設に焦点をあてるのは、必然的な流れともいえそうだ。 (福島徳) |
|
■2004/11/02
日本経済新聞 米ファンドのスティール 国内14社に300億円出資 米系投資ファンドのスティール・パートナーズが株式を新たに取得した金額が、10月に判明しただけで300億円を超えることが分かった。預金や有価証券など手元資金が豊富だったり、企業の純資産に対して株価が比較的割安な銘柄が目立つ。大株主になった企業の中には大幅増配に踏み切る企業もあるなど、日本企業の資本政策に影響を与えている。 スティールが提出した大量保有報告書で、10月に株式の新規取得や買い増しが判明したのはアデランスやサッポロホールディングス、ワコールなど14社(届け出義務発生日べース)。株式の取得日が分からないため、正確な投資金額を算出するのは難しいが300億円を超えるとみられる。 スティールが5.04%を取得したアデランスは、スティール担当者が訪れた際「割安株を探していると話していた」(IR室)という。アデランスは無借金経営で現預金や有価証券が豊富。今期も増配を計画している。 スティール側は個別銘柄への投資理由は明らかにしていない。投資した14社平均の株価純資産倍率(株価を1株当たりの純資産で割った値)は1.1倍で、東京証券取引所一部上場企業の平均1.6倍に比べ低い。手元資金が豊富で増配余力が大きい企業が多いのも特徴だ。 |
|
■2004/11/01
日経金融新聞 投信スコープ REIT向け投資拡大 インカム型資産に注目 ユーエイエムジャパン シニア・マネージャー 木浦 尊之 昨年7月に国内外の不動産投資信託(REIT、以下リート)を運用対象にしたファンド・オブ・ファンズ(FOF)の組成が解禁されて以来、こうしたFOFの純資産額が飛躍的に伸びている。米国中心に主に海外のリートに投資する国内の公募FOFだけを見ても、昨年9月末に第1号ファンドが設定されて以来、今年9月末までに25本を超え、純資産額も4400億円程度に達している。 最近では、年金基金や金融法人などの機関投資家を対象とした私募ファンドの設定も相次いでおり、個人投資家、機関投資家にかかわらず、ファンドを通じたリート投資に勢いが感じられる。 こうしたリート投資ブームは我が国だけの現象ではなく、世界的に起こりつつある傾向だ。本場である米国を例にとっても、ファンドを経由した資金流入が一昨年以降増加しており、4月に価格調整が起こった今年も勢いに衰えが感じられない。米国の年金基金も近年、積極的にリートヘの投資を増やしている。 米国でのリート投資ブームには背景がある。個人投資家については人口構造の変化があげられ、昨年からベビーブーマーの初期世代が60歳を迎え、今後数年内に第一線から退く人口が劇的に増加する。こうした世帯は安定したインカム収入とインフレヘッジの両立を目指す必要があり、リートはその資産特性からこうしたニーズを満たす有力な資産となる。 また、ハイテクを中心とした株式相場の崩壊を受 け、個人投資家の間でも分散投資の意識が高まっており、株式や債券と相関の低いリートヘの投資が増えるのは当然と言える。 一方、米国の年金基金がリートヘの投資を増やしているのは、過去の投資収益と各資産間の相関、更に受給者の増加によるインカムニーズの高まりを背景に、不動産への投資を新たに開始するか増やす必要が出てきているためだ。実物不動産への直接投資が困難な規模の小さい基金は、リートを通じて不動産投資を達成しつつあり、リート市場の時価総額の増大により大型基金も不動産投資資金の一部をリートに振り向け始めている。 こうして見ると、国内の個人投資家、年金基金によるリート投資の増加は必然と言えよう。日本の人ロ構造の高齢化は米国よりも早く、安定したインカム収入のニーズは国内により多く存在する。これまで個人投資家に供給されてきたインカム型の商品は債券に投資するものが中心で、こうした資産への偏重は投資家のポートフォリオを不安定なものにする。 そのため、インカムニーズに対応しながら、同時に分散効果を与える資産として、リートFOFが個人投資家に受け入れられるのは理解しやすい。また、インカム収益と分散投資効果の獲得は国内の年金基金にも重要なことであり、積極的な基金から徐々に国内外のリート資産への投資が開始されつつある。 日米で人気が高まりつつあるリートだが、もう1つ面白い傾向がある。ファンドを通じたリート投資の増大で、ある調査によると米国リートの投資家の約3割がリート専用ファンドを経由して投資しているということである。 現在の米国リートの銘柄数は180を超え、投資する物件タイプも多岐にわたっている。投資家の種別にかかわらず、プロでない投資家が自ら時間を費やし、リスクを負ってリートのポートフォリオを構築するのは非効率である。 特に情報を得にくい国内投資家が、現地の運用会社の能力を利用することには大きな意義がある。例えば弊社の関係会社である米国のハイトマン社は、不動産投資顧問会社という専門性を生かして個々のリート銘柄が所有する不動産を十分に吟味し、リートの市場指数を上回ることを目標に運用している。世界的なリート投資の需要の増大を背景に、こうした運用会社に対するニーズはますます高まっていくことだろう。 |
|
■2004/11/01
フジサンケイ ビジネスアイ ハウツー金融Q&A 最近よく目にする「J−REIT」、読み方は「ジェイ・リート」。利回り力が良いらしい。そこで、どんな金融商品なのか、金融相談会に足を運び、ファイナンシャル・プランナー(FP)に聞きに行った。 【井田光洋】 J−REIT 不動産で運用する投資信託 客「J−REITについてお伺いしたいのです。何も知らずに恥ずかしいんですが」 FP「そんなことないですよ。ちょっとした疑問に答えるのもわれわれの業務ですから」 客「そういっていただくと何でも相談できそうで助かります」 FP「J−REITとは、Japanese Real Estate Investment Trustの略で直訳すると日本版の不動産投資信託です」 FP「アメリカ発祥の金融商品で、アメリカでは“REIT”と呼ばれているので、その日本版として“J−REIT”と名づけられました」 客「株式で運用する投資信託とは何が違うのかしら」 FP「株式の配当は、企業が投資家から集めた資金を使って、事業を運営し、その利益から投資家に分配します」 客「株式はそうですね」 FP「投資信託(投信)とは、こうした株式などで運用するために資金を集めるいわば“器”です。不動産投資信託は、株ではなく、不動産で運用する投信です。投資家から集めたお金で、オフィスビルや商業施設などを購入し、その不動産から得られる賃料収入や売却益を投資家に配当する仕組みの金融商品のことをいいます」 客「どこで買えるのですか」 FP「ほとんどの証券会社で購入することができます。不動産投資信託には、株式と同じように上場しているものもあります。東証や大証に上場されているものは、情報も集めやすいはずです」 客「どのくらいの金額から投資できるのですか」 FP「1口40万円―80万円前後で購入でき、予想配当利回りは3−4%台です。元本保証はなく、利回りもあくまでも予想ということを忘れないでください」 井田光洋(いだみつひろ)氏は、不動産を中心としたコンサルティングを行うウェーブリアルエステート社長。CFP。 |
|
■2004/10/31
日本経済新聞 三菱商事と政策投資銀 事業「切り出し」支援 電機向け、年内にファンド 三菱商事と日本政策投資銀行は年内に、大手電機メーカーの事業を切り出して独立会社にするのを支援する投資ファンドを設立する。両社がそれぞれ40億円出資するほか、機関投資家などに呼びかけ、総額150億円を調達・運用する。大企業の内部に埋もれた技術や人材を外部に切り出すことで、産業活性化につなげる考え。 新ファンドは「カーブアウト」と呼ぶ独立形態に焦点を合わせる。技術者が会社から飛び出して新会社を作ることを「スピンアウト」と呼ぶが、カーブアウトは元の会社も一定程度出資し、つながりを残したまま独立企業に衣替えする形態だ。 新ファンドは電機メーカーと協力しながら、独立する技術者らに出資。ファンド運営期間は原則10年で、2年の延長もあり得る。15社程度に出資、1社当たり5億―30億円を投じる計画。 |
|
■2004/10/30
毎日新聞 中小企業再生にファンド創設 都と民間共同で来月から 都は29日、優れた人材や技術を持ちながら、経営難に陥っている中小企業を再生させるための投資事業有限責任組合「東京チャレンジファンド」を民間と共同出資で創設したと発表した。事業は来月から開始する。 チャレンジファンドは都内に本社を置く、再生可能な中小企業が対象。株式を取得したり、金融機関が持つ債権を買い取るなどし、経営再建の指導もして、再生に成功した場合は投資資金を回収する。 期間7年と定め、投資額は100億円規模を予定している。うち都の出資は25億円、民間が75億円程度。来年3月末まで地域金融機関など出資者を募るが、すでに地銀、信金、信組の10金融機関が参加を検討しているという。 石原慎太郎知事は会見で「これまでの融資では十分になしえない中小企業への支援を効果的に行って、東京の経済、ひいては日本の経済の活性化につなげていきたい」と話した。 【田中義宏】 |
|
■2004/10/28
日本経済新聞 代替投資商品ファンドを販売 マネックス、個人向け マネックス証券は企業再生ファンドやベンチャーキャピタルファンドなど複数の代替(オルタナティブ)投資商品で運用するファンドを個人投資家に販売する。インターネット専業大手が自前で国内に設定、販売するのは初めて。当初は販売先を少人数に絞るが、将来は同種のファンドをいくつか立ち上げ、これらを組み入れた公募型の投資信託を提供する。 マネックス証券の親会社であるマネックス・ビーンズ・ホールディングスとあすかアセットマネジメントが共同設立したマネックス・オルタナティブ・インベストメンツがファンドの企画・運営をする。第一弾となるファンドは匿名組合の出資形式をとり20億円規模で11月末までに立ち上げる。 |
|
■2004/10/28
フジサンケイ ビジネスアイ 地元企業向け投資第1号 関東つくば銀など設立のファンド 関東つくば銀行は27日、フューチャーベンチャーキャピタル(京都市)と共同で設立した投資事業有限責任組合「つくばベンチャーファンド」が、ベストシステムズ(茨城県つくば市)に2000万円を投資すると発表した。同ファンドによる投資第1号となる。 ベストシステムズは、科学技術計算分野の総合コンサルテーションを行っている。 関東つくば銀行が有限責任組合員、管理運営を行うフユーチャー社が無限責任組合員として、それぞれ4億5000万円、5000万円を出資した。ファンドの運用期間は10年。 |
|
■2004/10/27
日経金融新聞 危うい「ミニバブル」 物件争奪激化 利回り低下 調達コスト低下が拍車 物件取得競争の激化は利回りの低下をもたらしている。都心のオフィスビルの投資利回り(賃貸事業利益を取得額で割った値)は昨年まで5%台後半が通常だったが、今年は3―4%台の物件も出ているもようだ。 先行する外資の一部では警戒感も出ている。米モルガン・スタンレー不動産投資銀行部のフレッド・シュミット・マネージングディレクターは「日本の投資家の期待利回りは我々の半分以下。利回りの低下に伴い我々にとってのビジネス環境は厳しくなるだろう」と話す。 調達コストの低下が物件獲得競争に拍車をかける。ファンド向けのノンリコースローンは、融資残高を増やしたい銀行が集中し、現状は「借り手市場」になっている。 ケネディ・ウィルソン・ジャパンが9月設定のファンド用の協調融資を募集したところ、必要額の2倍の200億円が集まった。同社への協調融資はこれが3回目。取引金融機関も初回の4社から2回目は7社、今回は15社に増えた。金利もこれまでより0.55%低い好条件を勝ち取った。 中央三井信託銀行の岡野淳・資産金融部担当部長は「ノンリコースローンの利ザヤは1年前に比べ1―1.5%程度縮小した」と話す。三菱信託銀行の担当者は「協調融貧を組成する手数料も0.05%程度と、昨年のほぼ半分」と明かす。 調達コストが下がれば、ファンドは投資利回りの低い物件でも収益を確保できる。ただ、賃料収入は依然下落が続いており、物件の購入価格も上限がある。都心部の不動産価格が再び下落に転じるリスクも残る。 投資家側にも不安がある。最近目立つ年金の積極投資については、専門家が警鐘を鳴らし始めた。大和総研の飛田公治・資産運用評価本部長は「私募ファンドは運用期間中の3―5年は換金できず、流動性の高いREITに比べると危険」と指摘する。 1990年代前半も年金基金は不動産を資産に組み入れたが、無残な結果に終わった。「10年間の利回りはマイナス80―90%にも達した」(ラッセル・インベストメント・グループの木口愛友ディレクター) 地価上昇期待に後押しされた「ミニバブル」は、そう遠くない時期に破裂する危険をはらんでいる。環境が厳しくなる中で、今後は投資先の選別眼も問われる。 |
|
■2004/10/27
日経金融新聞 私募不動産ファンド 過熱 独立系・外資も設定 年金資金流入 今年度新規1兆円へ オフィスビルなどに投資する私募不動産ファンドが乱立の様相を呈している。不動産会社、独立系、外資などが入り乱れ、新規設定額は今年度に約1兆円に達する見込みだ。大都市圏の地価上昇期待を受け、年金など機関投資家の資金流入が拡大しているためだ。不動産投資信託(REIT)を含めた物件争奪戦は一段と激化しており、利回り低下も目立ってきた。 (松本清一郎) 東京・銀座2丁目に1日開業した「メルキュールホテル銀座東京」(208室)。昨年末まではオフィスビルだったが、4月に三井不動産が運用を始めた私募ファンド「三井ジェムストーンファンドT」が購入、好立地を生かしてホテルに衣替えした。近い将来、別の投資ファンドに売却し資金回収を狙う。 三井不は低稼働物件をファンドで購入、改装などで付加価値を高め運用利回りを上げる戦略をとる。来年3月までにもう2本を新設、資産を1000億円に増やす計画だ。私募で2000億円の運用実績を持つ野村不動産も、500億円規模の新ファンドを準備中だ。 独立系や外資の動きも活発だ。セキュアード・キャピタル・ジャパンは10月、賃貸マンションに投資する800億円の私募ファンドを設立した。パシフィックマネジメントも8月に約120億円のオフィス向けファンドを新設。9月までに約120億円を追加設定した。 不動産投資シンクタンク、住信基礎研究所(東京・千代田)によると、今年3月末の私募不動産ファンドの資産規模は1兆3000億円。今年度の新設額は計画ベースで約9800億円に達する。 背景に大都市圏 地価下げ止まり 大量設定の背景にあるのは、大都市圏の地価下げ止まり。物件売却による収益を期待した機関投資家の資金が集まる。金融機関や事業法人に加え、運用難に悩む企業年金の資金も流入が加速している。 企業年金は、代行返上や確定拠出型への移行などの制度変更が一段落。住信基礎研の井上淳二研究員は「資産構成を見直し、不動産を取り入れる動きが今年度から一斉に始まった」と指摘する。三井アセット信託銀行は、年金の私募不動産ファンドでの運用残高を2004年5月末の123億円から、今期は200億円上積みする。 REITの活況 新設を後押し カネ余りで、借り入れによる資金調達も今は容易だ。私募ファンドは借入比率を7―8割と高くして利回りを上げる。貸出金が減少する国内銀行にとって、ファンド向けのノンリコースローン(非そ及型融資)は利ザヤの取れる有望な融資先になっている。 昨年来のREIT市場の活況もファンド新設を後押しする。REITに物件を売却したり、私募ファンド自体がREITに昇格したりとエグジット(投資回収)の機会が増えたためだ。 各ファンドの投資物件は大都市に集中する。それだけに都心の優良物件では取得競争が激化、大型ビルが入札にかかると応札が殺到する事例も出ている。 UFJ銀行の大口融資先である国際自動車が売りに出した東京・赤坂の賃貸ビル3棟の入札もその1例。米大手ファンドのローンスターが1166億円で9月に落札したが、入札にはファンドも含め25社程度が参加したようだ。札を入れたある大手不動産会社の役員は「入札の過熱で価格が釣り上がりすぎた。1000億円以上だと割に合わない」とこぼす。 相対でも過熱ぶりは同じ。住友不動産は今夏までに都内の4棟の小型マンションをファンドに売却した。松井久生専務は「買い手はフィーバー気味。マンションの1棟売りが1年に4棟もあったのは過去に経験がない」と、ファンドの購入意欲の強さに驚く。 |
|
■2004/10/27
日経金融新聞 ミニ辞典 私募不動産ファンド △…特定または少数の投資家の資金で、収益を生む不動産に投資するファンド。オフィスなどの賃料と物件の売却益が配当の原資となる。運用期間は5年程度が多い。上場の不動産投資信託(REIT)と異なり、通常は満期まで換金できない。最終的な利回りは運用期間中の不動産市況の影響を受ける。 △…投資家の出資金と金融機関からの借入金を組み合わせて組成する。総資産に対する借入金の比率は7−8割程度が通常で、4割程度のREITより高くすることで、ファンドの運用利回りを上げるケースが多い。 |
|
■2004/10/26
日本経済新聞 新日鉄・王子製紙 不動産投信に参入 住信と組む 来春にも上場 新日本製鉄、王子製紙は住友信託銀行と共同で、不動産投資信託(REIT)に参入する。来春にも投資法人を設立、東京証券取引所へ上場する。当初は500億円の資産規模で運用を始め、将来的には3000億円前後まで拡大する方針。不動産開発物件を不動産投信へ売却することで投下資金の回収を早めると同時に、グループの保有資産を有効活用する狙いがある。 新日鉄の100%子会社である新日鉄都市開発(東京・中央)、王子製紙の100%子会社である王子不動産(同)、住信の3社が22日付で資産運用会社「トップリート・アセットマネジメント」を設立した。出資比率は新日鉄都市開発、王子不動産がそれぞれ31%、住信が38%。 3社は運用会社が投資信託委託業者の認可を得た上で、「トップリート投資法人」を設立し、来年4月にも東証へ上場申請する方針だ。運用会社が投資法人から投資物件の選定や運用を受託する。 投資対象とするのは、東京、大阪、名古屋の3大都市圏のオフィスビルや商業施設、賃貸マンションなど。新日鉄、王子製紙の両グループの保有不動産だけでなく、新規に物件を取得する。不動産投信は現在、東証に13社、大阪証券取引所に1社が上場している。 |
|
■2004/10/25
日経金融新聞 対日直接投資 10兆円突破 上期急増 ファンドの買収目立つ 「5年で倍増」首相公約達成も 日本企業への出資や買収などによる対日直接投資の残高が今年6月末時点で10兆円を突破した。日本の景気回復を受け、ハイテク分野などで投資が進んだため。2004年上期だけで6000億円増え、投資額上位では投資ファンドによる買収が目立つ。小泉純一郎首相が公約に掲げた「2001年末から5年間で対日直接投資残高を倍増する」という計画達成が視野に入ってきた。 04年6月末の対日投資残高は10兆2000億円。今年1−6月の投資額はすでに昨年1年間の2.5倍に達した。昨年度後半に実質経済成長率が6%を超えるなど、日本経済の回復基調が鮮明になったことが主因だ。 日本企業関連の企業の買収・合併(M&A)のうち、最高額は米投資ファンドのカーライル・グループなどがKDDI傘下のPHS最大手DDIポケットの経営権を獲得した2200億円。投資対象はハイテク分野だけでなく、食品やリースなどに広がりつつある。 7月には新しい日米租税条約が適用された。国境をまたぐ直接投資の負担が軽減された。小泉首相は01年末に6兆6000億円だった直接投資残高を、06年末までに13兆2000億円に引き上げると公約した。「景気回復が持続すれば対日投資は高水準を保ち、首相公約を上回る」(内閣府)との声も出ている。 ただ、国内総生産(GDP)に対する対内直接投資残高の割合は、欧米先進国に比べ依然としで低水準だ。02年時点で英国(40.9%)など欧米各国が軒並みニケタなのに比べ、日本は2%に過ぎない。市場開放の遅れを示しているとともに、民間企業の対外投資力にも格差があるようだ。 解説 外資が補う貯蓄減少 投資促進へ税制見直しを 国内企業の設備投資の資金源となる民間貯蓄は、少子高齢化により減少傾向をたどるのは必至だ。長期的に経済成長を阻害し、「円安・ドル高」要因になる可能性がある。こうしたリスクを軽減するためにも、対日直接投資を促し、外国資本を日本に呼び込む努力が欠かせない。 国際通貨基金(IMF)は、少子高齢化が進み日本が2020年ころに経常赤字に転落する可能性があると指摘した。高齢者が退職後に貯蓄を取り崩し、貯蓄と投資のバランスが崩れるためだ。 BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「団塊世代の退職で家計の貯蓄率は07−09年にゼロ付近まで低下する」とみている。貯蓄と投資のバランスが崩れれば、海外資金の流入の増減で金融市場が不安定になりやすい。 日本の景気回復は対日直接投資を後押しする好機となる。政府は商法改正で、2006年度にも外国株を活用したM&Aを外国企業にも一部解禁する。今後は、関連税制の見直しなども早急に進める必要がある。 (経済部 川手伊織) |
|
■2004/10/20
日経金融新聞 地域金融の債権買い取り 再生ファンドに政投銀が出資 日本政策投資銀行は事業再生ファンドに出資する。地域金融機関から経営不振企業向けの貸出債権を買い取って事業再生を目指すファンドで、出資額は50億円。地域金融機関の不良債権処理を側面支援する狙い。 出資先のファンドは投資会社のジェイ・ウィル・パートナーズ(東東都中央区、佐藤雅典社長)の「ジェイ・ウインド・ツー」。同ファンドは地銀が組成した企業再生ファンドに出資する仕組みで、年内に組成する。ファンドの総額は400億円程度になる予定。政府系の政投銀の出資が呼び水となり、他の金融機関による出資が増える可能性もある。 ジェイ・ウィル・パートナーズの事業再生ファンドは二つめ。第一号の大半は、福岡銀行の再生対象企業の債権の一括買い取りが占めた。 |
|
■2004/10/19
フジサンケイ ビジネスアイ なるほど講座:「不動産投資信託」 証券会社通じて手軽に売買/物件毀損、法人倒産などで損失も たくさんの投資家から資金を集めて、オフィスビルや商業施設などの不動産を購入し、そこから得られる賃料や売却益を投資家に分配する投資商品、不動産投資信託(REIT=Real Estate Investment Trust)が日本で解禁されて間もなく4年が経ちます。 人気も上々で、東京証券取取引所に上場している13本のREITの時価総額は今年9月末で1兆6000億円を突破しました。 では、なぜREITが注目されているのでしょうか。 その理由に挙げられるのが、安定した分配金です。 2000年11月に解禁されたREITは、01年9月以降、複数の不動産投信が証券取引所に上場され、株式などと同じように時価で売貿されるようになりましたが、比較的安定した投資商品との位置づけから人気化、上場数も増えてきたことからも分かります。 というのは、通常、株式会社の場合、収益のほとんどを将来の事業拡張のための資金に充てますが、REITは、そのための資金を確保しておく必要がありません。 このため、配当可能な利益の90%超を投資主は配当として受け取れます。REITが株式と比較して高い分配金が期待できる商品特性になっているわけです。一方、法人税が免除される仕組みが取られており、投資法人にとっても魅力的です。 また、REITの分配金は、不動産などの賃貸料が原資になっています。賃貸料はあらかじめ決められた金額が定期的に入ってきますので、収益という面で大きく振れることはなく、その結果、安定した分配につながります。 手軽に不動産に投資できるという特徴もあります。証券取引所に上場していますから、上場企業の株式と同様に証券会社を通じて売買できる換金性の高さも魅力の1つです。さらに、実際、不動産に投資する場合、数千万円あるいは数億円と高額になりますが、REITの場合、数十万円から投資できるため、資金面から個人では難しかった不動産投資が比較的容易といえるでしょう。 しかし、REITは市場で取引されますので、もちろん購入価格を下回る価格変動リスクも伴います。不動産賃貸市場や金利環境などさまざまな経済情勢の影響を受けて、REIT価格が下落したり、分配金の受取額が減少したりする恐れもあります。 また、投資した不動産物件が火災や地震などの天災にあった場合には、建物に損傷した場合には思わぬ修理費用が発生したり、投資法人が倒産したりすれば、投資家が損失を被ることになります。 市場の透明性確保・投資家保護のため、証券取引所では投資法人に関する情報や運用資産内容などの情報については、株式と同様に適時情報開示を求めています。 (松元洋平) |
|
■2004/10/19
フジサンケイ ビジネスアイ 野村証券 過去最大の総額800億円 機関投資家向け 住宅ファンド設定 野村証券は18日、年金基金や銀行・生損保など国内の機関投資家を対象に、総額約800億円と過去最大規模の住宅投資ファンド(資金)を設定した、と発表した。東京都心のマンションなどの優良な賃貸不動産物件に投資するための出資金を募り、投資物件の賃貸や売却で得た利益を支払う仕組み。 一般の個人投資家では出資できないことから不動産投資信託(REIT)とは異なる。不動産投資ファンドの設定や管理を手がけるセキュアード・キャピタル・ジャパン(東京都港区)の協力を得て、ファンドの枠組みをまとめた。 出資金を集めるにあたっては、従来の信託銀行の機能を活用した。投資家(委託者)は野村証券グループの野村信託銀行と契約を結び、投資資金を信託金の形で拠出する。 同信託銀からは物件購入を目的とする便宜上の組織(匿名組合)への出資という方式を通じ、対象物件ごとに管理業務などを担う株式会社や有限会社を設立する形で投資する仕組みだ。 セキュアード・キャピタル・ジャパンの全額出資子会社が同信託銀に対し、資金運用の助言などを行うほか、物件管理などの業務も担う。 資金規模を大きくし、より多くの利益を得られるようにするため、設定した総額800億円のうち最大600億円を限度に投資家以外の外部借り入れ(レバレッジ)で賄う。 主に東京都心部に所在し、安定的な賃貸収入が見込まれるマンション物件を中心に投資。一定期間は賃貸収入などを受け取り、売却時には収益を最大限確保できるように収益性の高い物件を一括で放出する。 アナリスト評価システム 野村証券が採用 野村証券は18日、証券アナリストに対する客観的な評価を手がける業界最大手の米スターマイン社が開発したアナリストの実績評価システム「スターマインモニター」を採用したことを明らかにした。 各アナリストが提示する銘柄ごとの利益予想の正確度と、「買い」「中立」「売り」などの推奨からのリターン(予測された収益)を5段階(最上位が5つ星)で評価されるため、同業他社のアナリストとの比較が可能になる。 野村証券は70人弱のアナリストを抱え、約600社について投資判断を行っている。スターマインによると、同社が追跡評価の対象としている300社の株式評価を担当するアナリストのうち、平均して3分の1が4つ星または5つ星だが、野村の場合、半数以上が4つ星以上の格付けを受けているという。 また、スターマインのランキングでは多くの野村のアナリストが日本の業界トップの評価を得ている。 |
|
■2004/10/19
日経金融新聞 「九州物件」限定REIT キャナルシティなどに投資 地元経済化が設立 来年6月上場へ 【福岡】福岡地所(福岡市、八木聖二社長)や九州電力など福岡経済界が投資対象を九州に限定して立ち上げる不動産投資信託(REIT)の対象物件が固まった。大分市の大型商業・娯楽施設「パークプレイス大分」と福岡市の大型商業施設「キャナルシティ博多」、同市のオフィスビル「呉服町ビジネスセンター」の3物件で、いずれも集客力が高く、安定した賃貸収入が見込める。優良物件の組み入れで、円滑なREIT上場につなげようと狙っている。 今回のREITは九州地区に限って不動産物件を買収する地域限定型の不動産投資ファンド。福岡地所グループが58%、九電、西部ガス、福岡銀行など地元企業が42%出資して設立した運用会社「福岡リアルティ」(福岡市)が、出資金や銀行から調達した資金で不動産を購入する。 今回固まった運用対象の不動産のうち、パークプレイス大分は2002年4月に開業した大型商業・娯楽施設。九州ジャスコや複合映画館のほか飲食店やアパレルショップなど約120店舗が出店し、客足も順調に伸びており、比較的高い投資価値を期待している。 呉服町ビジネスセンターは03年11月開業のオフィスビルで、福岡市営地下鉄呉服町駅から徒歩1分の好立地にある。三洋信販やNTTなどの企業が入居しており、安定したテナント料の確保が見込める。 3施設のうち、呉服町ビジネスセンターは施設をすべて買い取る。パークプレイス大分とキャナルシティ博多については一部の施設を購入する。上場時の資産規模は計600億−700億円となる見通し。3物件以外にも投資対象を広げ、最終的に2000億円程度に資産規模を拡大する計画だ。 このREITは東京証券取引所と福岡証券取引所への同時上場を目指している。ただ、東証の審査基準が変わったため、同時上場は当初計画の年内から来年6月ごろにずれ込む見通しだ。 東証によると、現在東証に上場しているREITは計13銘柄で、時価総額は約1兆6000億円(9月末時点)。投資資金が流入している上場REITに参入することで、福岡地所は「九州地区の不動産取引の活性化につながる」とも期待している。 |
|
■2004/10/19
日本経済新聞夕刊 不動産投信 上場に急ブレーキ 今年度まだ2社 先送りも2社に 規制強化が影響 不動産投資信託(REIT)の新規上場に急ブレーキがかかっている。昨年度は6社が上場したが、今年度はまだ2社にとどまり、住友不動産系など2社が上場を来年度以降に延期する見通しだ。東京証券取引所や金融庁が市場の質を高めるため、規制を強化していることが背景にある。地価の底入れ期待からREITの人気は過熱気味だが、当面は健全な市場育成のための調整期間になりそうだ。 住友不は年内にも資産規模で1000億円程度のREITを上場させる予定だったが、来年度以降にずれ込む見通し。福岡地所(福岡市)も約800億円で立ち上げるREITの年内上場を断念、来年5−6月に延期する方針だ。 東証は10月にREITの増資規制を導入。上場申請日からさかのぼって半年以内に増資した場合、割り当てを受けた者は上場から半年間は投資口を売却できないとした。「上場直前に特定企業に割当増資し、上場時の売り出しで短期的に利益を得ようとする事例が出ている」(東証)ため。 住友不と福岡地所は上場前の増資と売り出しを計画していた。規制強化で、計画を変えない限り上場を半年以上、先延ばしする必要がある。今年度、市場では6−7法人の上場が見込まれていたが、現時点では年度内に新規上場の予定はない。 金融庁もREITの運用会社を認可する基準の週用を厳格にしている。以前は兼務でもよかったコンプライアンス(法令順守)担当者を専任とすることを要請。また、購人物件を決める社内の投資委員会の運営について、弁護士など第三者に拒否権を与えることなどを求めている。 REITの母体は従来、大企業中心だったが、最近は外資や独立系の中小企業の参入も増えつつある。金融庁はコンプライアンスなど社内管理体制の充実を運用会社に強く求めていくことで、市場の質を高める。 REITは投資家から資金を集め、オフィスビルや商業施設などに投資し、賃料収入を配当に充てるファンド。東証に13社、大阪証券取引所に1社が上場しており、東証の時価総額は約1兆6000億円に達する。機関投資家や個人投資家の人気を集め、東証REIT指数は上昇基調にある。 |
|
■2004/10/19
フジサンケイ ビジネスアイ 地域事業再生ファンドに出資 日本政策投資銀行は18日、不良債権ビジネスを手掛けるジェイ・ウィル・パートナーズ(東京都)が運営する事業再生ファンド「ジェイ・ウィンド・ツー」に出資すると発表した。 同ファンドは・地域金融機関の不良債権処理を促進するため、再生可能と見込まれる中堅・中小企業向け債券を地銀などから買い取ることが目的。昨年9月に組成された1号ファンドに続く2号ファンドとなり、資金規模は350億円から400億円程度を見込む。政策投資銀行の出資額はこのうち50億円程度となる予定。 |
|
■2004/10/19
フジサンケイ ビジネスアイ 野村証券 過去最大の総額800億円 機関投資家向け 住宅ファンド設定 野村証券は18日、年金基金や銀行・生損保など国内の機関投資家を対象に、総額約800億円と過去最大規模の住宅投資ファンド(資金)を設定した、と発表した。東京都心のマンションなどの優良な賃貸不動産物件に投資するための出資金を募り、投資物件の賃貸や売却で得た利益を支払う仕組み。 一般の個人投資家では出資できないことから不動産投資信託(REIT)とは異なる。不動産投資ファンドの設定や管理を手がけるセキュアード・キャピタル・ジャパン(東京都港区)の協力を得て、ファンドの枠組みをまとめた。 出資金を集めるにあたっては、従来の信託銀行の機能を活用した。投資家(委託者)は野村証券グループの野村信託銀行と契約を結び、投資資金を信託金の形で拠出する。 同信託銀からは物件購入を目的とする便宜上の組織(匿名組合)への出資という方式を通じ、対象物件ごとに管理業務などを担う株式会社や有限会社を設立する形で投資する仕組みだ。 セキュアード・キャピタル・ジャパンの全額出資子会社が同信託銀に対し、資金運用の助言などを行うほか、物件管理などの業務も担う。 資金規模を大きくし、より多くの利益を得られるようにするため、設定した総額800億円のうち最大600億円を限度に投資家以外の外部借り入れ(レバレッジ)で賄う。 主に東京都心部に所在し、安定的な賃貸収入が見込まれるマンション物件を中心に投資。一定期間は賃貸収入などを受け取り、売却時には収益を最大限確保できるように収益性の高い物件を一括で放出する。 アナリスト評価システム 野村証券が採用 野村証券は18日、証券アナリストに対する客観的な評価を手がける業界最大手の米スターマイン社が開発したアナリストの実績評価システム「スターマインモニター」を採用したことを明らかにした。 各アナリストが提示する銘柄ごとの利益予想の正確度と、「買い」「中立」「売り」などの推奨からのリターン(予測された収益)を5段階(最上位が5つ星)で評価されるため、同業他社のアナリストとの比較が可能になる。 野村証券は70人弱のアナリストを抱え、約600社について投資判断を行っている。スターマインによると、同社が追跡評価の対象としている300社の株式評価を担当するアナリストのうち、平均して3分の1が4つ星または5つ星だが、野村の場合、半数以上が4つ星以上の格付けを受けているという。 また、スターマインのランキングでは多くの野村のアナリストが日本の業界トップの評価を得ている。 |
|
■2004/10/18
日本経済新聞 不動産ファンド マンション向け800億円 セキュアード、野村と組む 不動産ファンド運用のセキュアード・キャピタル・ジャパンは野村証券と共同で、主に賃貸マンションに投資する私募不動産ファンドを組成した。資産規模は800億円で、住宅に投資するファンドとしては過去最大となる。不動産投資信託(REIT)よりも高い利回りを確保したい企業年金など投資家から資金を募った。 資産規模の3割程度は地銀など金融機関や事業法人、企業年金など合計20社程度が出資した。期待利回りは12−14%程度になる見込みだが、運用期間中は不動産市況が悪化しても自由に売却できないリスクがある。残りの7割の資金は金融機関からの借り入れで調達する。投資対象は都心のワンルームなど賃貸マンションが中心。運用期間は5年で、終了後はREITなどに物件を売却する方針。 セキュアードはこれまで海外資金を集めて不動産の短期転売などで高い運用利回りを上げてきたが、今回のファンドでは安定した利回りを狙う。同社にとって国内投資家向けファンドは初めて。 野村証券が投資家集めやファンドの枠組み作りを担当した。セキュアードは野村と組むことで販路を拡大する一方、野村はファンド組成手数料などを得る。 |
|
■2004/10/18
日本経済新聞 月曜 経済観測 買収ファンドが投資攻勢 日本で大型M&A続く 米カーライル・グループ共同創業者兼パートナー デビッド・ルーベンスタイン氏 世界的に買収ファンドが投資攻勢を強めている。日本企業絡みだけでも、買収ファンドなどによる企業の合併・買収(M&A)は年初から9月までに400件近くに達し、昨年の年間実績を上回った。総額184億ドルが(約2兆円)を運用する世界最大級の投資会社、米力ーライル・グループの共同創業者兼パートナーのデビッド・ルーベンスタイン氏に聞いた。 配分額は最高に −−買収ファンドが高い運用成績を上げているようです。 「情報技術(IT)バブル崩壊後、低金利や低インフレが続き、買収対象となる資産も値下がりしたからだ。その後、景気回復が鮮明になり、プライベートエクイティ(買収ファンドやベンチャーキャピタルを含めた未公開株投資のこと)全体では、投資のエグジット(出口)が確保しやすくなってきた」 「当社でもエグジットが増えている。例えば、韓国では韓美銀行株の売却で5億ドルの利益を得た。その結果、9月までの1年間で、53億ドルの収益を年金基金などファンドヘの投資家へ配分できた。1年間で投資会社が配分した金額では過去最高ではないか」 −−ソニーが買収ファンドと共同で米映画会社メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)の買収で合意しました。 「ソニーはバランスシート(貸借対照表)に大きな資産を載せたくない一方で、買収ファンドはこぞって有望な投資先を探しており、利害が一致したのだろう。ヘッジファンドが苦戦している中で、買収ファンドを中心にプライベートエクイチィは好調を維持し、それを背景に投資家から多矩の資金を吸収している状況だ」 「当社も、投資家へ収益を配分する一方で、大型投資を積極化している。得意とする通信では、木国で通信衛星大手パンナムサットなどを買収したほか、日本では20億ドル投じてKDDIからDDIポケットを買収することなった」 −−原油高や金利上昇が懸念されています。 「20年前と比べれば各国経済の原油への依存度は低下している。かつての石油危機のような状況にはならない。買収ファンドは借り入れも利用するから、金利上昇の影響は無視できない。だが、インフレ懸念は大きくなく、資金調達できなくなるほどの金利上昇はないと見ている」 車部品など興味 −−米リップルウッド・ホールディングスが新生銀行の株式上場で大きな利益を得ました。外国人投資家の間で日本に対する見方に変化は。 「昨年、日本企業を対象とした買収ファンド設立で500億円の資金を集めていた際には、外国人の多くは『日本に興味はない』との反応だった。それが『日本は有望市場』へ様変わりした。新生銀行のエグジットが影響したのは間違いない」 「ただ、それとは関係なく、当社はかねて日本に楽観的だ。官僚による規制を少なくし、外国資本に対してオープンになるなど、努力して変わろうとしているからだ。日本には教育水準が高く、勤勉な労働力が豊富にあるうえ、世界的な優良企業も多い。復活するための土台がある」 −−日本も含めたアジアでDDI級の大型買収は今後も起きますか。 「大型買収に躊躇(ちゅうちょ)はない。日本で興味があるのは、通信のほか、自動車部品、金融サービス、ヘルスケア関連だ。現在、アジアヘの投資シェアは全体の九%。だが、今後数年間でシェアは倍増するだろう。中国やインドが成長し、日本も再び成長軌道に乗るからだ」 (聞き手は編集委員 牧野洋) デビッド・ルーベンスタイン氏 昨年に米IBMの前会長ルイス・ガースナー氏をスカウト。弁護士出身。55歳。 |
|
■2004/10/17
日本経済新聞 中小企業庁 日立とファンド 資金・経営ノウハウ 中小に提供 日立製作所は中小企業庁と共同で、資金と経営ノウハウを一緒に提供する新タイプの中小企業向けファンドを10月中にも設立する。有力な先端技術を持つ企業が主な対象で、日立は投融資先企業と製品の共同開発などにも取り組む。中小企業庁は企業を堅実に育てる新手法を通じ、日本の製造業を支える中小企業を支援する考えだ。 中小企業庁と関係が深い独立行政法人である中小企業基盤整備機構と、日立グループが共同出資してファンドを設立する。資金額は40億円で、約20社に投融資する予定。今年度中に電子部品や基板用材料メーカーなど5社に出資する計画だ。1件あたりの投融資額は数千万-数億円。 新ファンドは中小企業に対し、通常の融資だけでなく、事業が成功した時にだけ返済を求める融資や株式の取得などで資金支援する。同時に日立が経営ノウハウを提供する。品質の高い金属材料を持つ企業に、微細に加工する技術を教えて電子部品を作ったり、製品を販売する体制作りを教えたりすることなどを想定している。 投資資金は配当や金利、コンサルティング料などで回収する計画。日立は中小企業と技術面での協力関係を築き、自社製品の開発力を高める。中小企業側には自社で埋もれていた技術を日立の技術と組み合わせ、製品化につなげられるなどのメリットがある。 中小企業庁は今回と同じように投融資と経営ノウハウの提供を組み合わせたファンドを伊藤忠商事グループとも設立しているが、メーカーと組むのは初めて。 |
|
■2004/10/16
日本経済新聞 地銀債権、最大400億円買い取り、投資会社が再生ファンド 元ATカーニー極東アジア代表の安田隆二氏が会長を務める和製投資会社が、全国の地方銀行が抱える中堅・中小企業の債権を買い取る事業再生ファンドを立ち上げた。ファンド総額は400億円程度と地銀の債権を対象としたファンドとして最大規模になる。 安田氏らが率いるジェイ・ウィル・パートナーズ(東京・中央)が、事業再生ファンド「ジェイ・ウィンド・ツー」を組成。新ファンドは傘下に地方ごとの再生ファンドをぶら下げる役割を持つ。 具体的には既に立ち上がっている再生ファンドに対し、新ファンドが出資し、受け取る配当を投資家に回す。新ファンドには日本政策投資銀行や事業法人といった機関投資家が匿名組合出資でお金を出す。すでに300億円規模が集まり、今後は400億円程度まで積み増す。 ジェイは昨年9月に福岡銀行が抱える債権を買い取ってファンドを作った。このノウハウを活用し、全国規模で地銀の債権を対象に加えることにした。 |
|
■2004/10/15
日本経済新聞夕刊 マネーレッスン 投資ファンドの基礎知識 C 広がるすそ野 銀行と連携、地方進出も 投資ファンドによる国内企業への投資額は年々拡大しています。最近目立つのは投資案件の大型化です。米投資ファンドのカーライル・グループが京セラと組みPHS(簡易型携帯電話)最大手のDDIポケットを買収しましたが、要した資金は2200億円に上りました。2001年にカーライルが日本に本格進出して以来、最大の投資案件だといいます。 こうした買収を大手銀行が支えていることは、あまり知られていません。米投資会社リップルウッド・ホールディングスが日本テレコムを買収した時は、約2600億円の投資資金のうち、8割程度を銀行融資で賄ったといわれます。融資を使った買収はレバレッジド・バイアウト(LBO)と呼ばれ、投資ファンドの間では一般的な手法です。買収先企業の資産や現金収入を担保にすれば、比較的少ない自己資金でも大規模な買収が可能になります。 買収案件の大型化に伴ってLBOは急速に普及しており、銀行側も相次いで専門部署を設けるなど資金需要に応えようと躍起です。投資ファンドは最大の顧客の一つになっています。 さらに見逃せないのは地方企業の再生案件の増加です。地方では依然、多くの中堅・中小企業が経営不振に苦しんでいます。地方銀行の不良債権処理が加速し始めたこともあり、ファンドが投資案件を探しやすい状況にあります。 地方企業への投資は金融機関から貸出債権などを割安で買い取るケースが主流です。地方企業は地理的な制約があったり、オーナー経営者の影響力が強かったりします。株式の過半を取得して経営を直接立て直すやり方では人材や時間を必要とし、投資効率が低下する恐れがあるためです。財務面の負担を減らすなど間接的な経営支援で債権の価値を高め、投資利益を得る方法が選ばれます。 ファンドの地方進出では地銀と連携する例が多いのも特徴です。地方の優良な投資案件を見つけ出すには地銀が持つ豊富な情報が欠かせないからです。地域再生ファンドで実績のある独立系のジェイ・ウィル・パートナーズや、仏BNPパリバ系のルネッサンスキャピタルグループは有力地銀と提携しています。 最近も不動産・金融ベンチャーのリサ・パートナーズが広島銀行と共同で立ち上げたファンドを通して地元企業の支援を決めました。このほか「中小企業再生支援協議会」への期待も高まっています。2003年に経済産業省が地方版の産業再生機構と位置づけて発足した組織で、投資ファンドが地方で活躍する機会は一段と増えそうです。 これまで企業買収は日本の社会風土になじまないとされてきました。しかし企業間の株式持ち合いの解消が進み、企業組織の再編などを規制してきた商法も改正されるなど環境は大きく変わってきています。 ただ、こうした変化は株式を上場している企業に新たな緊張を生んでいます。米投資ファンドのスティール・パートナーズが昨年、ソトーとユシロ化学工業に余分な手元資金の還元を求めて敵対的な株式公開買い付け(TOB)を仕掛けました。日本企業が限られた経営資源を有効活用するために、ファンドがさまざまな手法で変革を迫る可能性があります。 =この項おわり 投資対象・手法も多様化 手法:主な案件 大規模LBO:日本テレコム、ワンビシアーカイブズ、DDIポケット 地方企業への投資:ハウステンボス、ダイ精研、滝沢鉄工所、九州産業交通、うすい百貨店 敵対的買収:ソトー、ユシロ化学工業、東京スタイル |
|
■2004/10/14
フジサンケイ ビジネスアイ i.マイク 金融市場活性化の課題は何ですか 社会経済生産性本部理事堺屋太一さん(69) 市場化と行政の関係を再考 一般投資家が楽しめるマーケットに ――25日に金融市場活性化協議会を立ち上げます。何を話し合うのですか 「日本の金融・証券市場は全世界的な変革に、やや立ち遅れた観がある。まず証券取引所は、東京、大阪のほか、名古屋、札幌にもありますが、ほとんど機能していない。東証一極集中というのが果たして正しいのか。東証も出来高の割に効率が悪い。また、ジャスダックとマザーズ、ヘラクレスなどの新興市場についても新規公開の際の値付けの方法が違い、これをどう統一するかなどさまざまな問題があります」 ――株式以外にも改善点はありますか 「REIT(リート=不動産投資信託)などの金融商品も上場されていますが、最近はイベントの証券化、映画製作、なかにはタレントの証券化まである。日本のプロ野球もファンドでやるという考え方が出てきて当然。そういったものをエクイティ(資本調達の手段)商品として市場に上場すべきです。それがままならないのは、上場基準が厳しかったり、上場まで時間がかかったりするためです」 ――市場を整備しても個人投資家は証券投資に慎重です 「もっと一般の国民に劣後債、優先株などの証券商品を理解してほしい。『ファンドとかボンドというのはあやしいものだ』という教育をしてきた結果かもしれません。投資家の保護と楽しみ、リスクとリターンをどう位置付けるか。リスクとリターンの大小ではなく“おもろいでぇ”というのがあるでしょう。成功すれば名誉も楽しみも得られる。そういうマーケットがあってもいい」 ――その他の課題は 「バブルが弾けてからゆっくりではあるが、日本は金融自由化、市場化の方向に進んできました。橋本内閣、小渕内閣、森内閣、この期間には相当大きく金融の市場化を打ち出し、国際的な場裡にまみえるという方向だった。ところがここへきて、『リスクの国有化』という方向が出てきた。これが問題です」 ――裁量行政の問題ですね 「早々と公的資金を投入したり、産業再生機構に持っていく。統制とはいえませんが、金融指導のなかに宮僚の強い意志が反映されている。ある意味で銀行は戦々恐々という感じ。UFJグループと三菱東京フィナンシャルグループの経営統合やシティバンクヘの業務改善命令がよい例です。旧日本長期信用銀行、旧日本債券信用銀行が礁総したときには、まず証券市場が(株価の額面割れという)赤信号を出して、それから国有化という段階を踏んだ。これに対し、UFJの時は株価が四百何十円しているときに(金融庁の意思を反映して)統合。そういう『自由化か行政指導か』という問題をもう1度取り上げる時期にきています」(高山豊司) ■ファンド 出資者からお金を集め、そのお金の運用益を出資金に応じて配分する基金のこと。金融商品としては、複数の企業の株で運用する投資信託が一般的だが、最近では映画やアイドルを一つの商品ととらえ、その制作や育成にかかる費用調達を目的とした商品ファンドが登場し、注目を集めた。この場合のリターンは、映画の入場料収入やアイドル写莫集の利益に比例する。投資対象を組み合わせ、リスクを軽減し、なおかつ高い運用益を上げられるかは、ファンドマネージャーの手腕にかかっている。 《プロフィル》 大阪府立住吉高校卒、東大経卒。60年通産省(現経済産業省)入省、工業技術院業務部研究開発官などを経て78年退官、執筆評論活動に入る。98年経済企画庁長官、00年12月内閣特別顧問、04年9月退任。東大先端科学技術研究センター客員教授、金融市場活性化協議会会長(予定)。大阪府出身。 |
|
■2004/10/14
日本経済新聞夕刊 マネーレッスン 投資ファンドの基礎知識B投資回収 買収価格上昇で損失懸念 投資ファンドの資金の出し手は、主に生損保や銀行などの機関投資家です。ただ、投資ファンドヘの出資は運用資産の一部にとどめています。主な運用手段である株式投資などよりも、さらにリスクが大きく、その代わりにリターン(収益)も大きい投資と考えているからです。 国内の投資ファンドに最も多く資金を供給しているといわれているのは、日本政策投資銀行です。民間のファンドの活動支援を目的に出資を始め、これまでの出資総額は約1000億円に達しました。最近では年金基金がファンドに出資する例も増えています。 投資ファンドは投資先の企業価値が高まった後に株式を売却し利益を確保します。国内のファンドの場合は一般に年10―30%の投資利回りを目標にしています。1案件について3―5年後をメドに、魅力ある企業に育つように計画を立て経営を支援します。 投資回収の方法で多いのが、同業や関連業界のほかの事業会社への株式売却です。日興アントファクトリーは、複合映画館運営のヴァージン・シネマズ・ジャパンに投資しました。複数の人材を派遣しコス卜管理など社内体制を整備、約1年後に東宝に株を売りました。他社への売却は一度に株式を現金化できる点が特徴です。 上場させ、市場で株式を売却することもあります。昨年12月に東証2部に上場したトーカロは店頭(現ジャスダック)に上場していましたが、経営陣とジャフコが株を買い取りいったん上場を廃止。その後、半導体製造装置の部品加工を伸ばして収益力を高め、再上場しました。上場は時間やコストがかかりますが、投資先企業の社員の目標にしやすく、株式の価値も高くなる可能性があります。 また、ファンドが投資した企業の業績を立て直して別のファンドに売却するケースもあります。 ファンドの運用成績はほとんど明らかにされていませんが、三菱自動車を支援しているフェニックス・キャピタルの場合、2003年の運用成績は、1号ファンドと2号ファンドでの投資回収額が111億円で、利益は45億円だったもようです。投資額に対する利益率は7割弱と非常に高くなりました。 リップルウッド・ホールディングスなどがソフトバンクヘの日本テレコムの売却で得た利益は約800億円と、成功案件では巨額の利益が得られることがあります。売却益は運用者が成功報酬として一定割合を受け取り、残りを出資者が出資比率に応じて分けます。 投資が順調に進めば、次のファンドを設立します。このときに投資回収の実績が重要になります。高い利回りのファンドは、出資者が再度投資するため、さらに資金が集まる好循環が生まれます。逆に成績が悪ければ資金が集まらず、ファンドを運営できません。 大型のファンド設立が相次ぐなど、国内のファンドの運用はおおむね順調とみられています。ただ、ファンドによる投資が本格化したのは最近で、投資回収にこぎ着けた例は少数です。このところファンドが乱立気味で、優良な案件は多数のファンドが競合し、買収価格が上昇する傾向にあります。このため今後は売却時に損失が出るケースも出てきそうです。 |
|
■2004/10/13
日経金融新聞 ミニ辞典:企業統治ファンド ▲…企業統治の巧拙などに着目して投資するファンド。198O年代以降、企業の不祥事が相次いだ米国で、投資家が経営者に改革を迫る動きが活発になり、運用手法として注目された。米著名投資家ボブ・モンクス氏が始めたLENSファンドなどが先駆例。 ▲ …統治に問題のある企業に経営改革を迫り収益を狙うバッドガバナンスファンドと、統治の優れた企業に投資するグッドガバナンスファンドの主に2種類がある。米加州職員退職年金基金や英最大級の年金運用受託機関ハーミーズなどが前者に投資している。 |
|
■2004/10/13
日経金融新聞 企業統治 浸透へ一歩 ファンド創設半年 キーマンに聞く 厚生年金基金連合会が日本で初の企業統治専門ファンドの創設を発表してから半年。銘柄選択に業績や株価を加味しなくてもよいのか、企業統治の巧拙をどう判断するのかなど課題も指摘されている。連合会の矢野朝水専務理事と、運用担当の野村アセットマネジメントの稲野和利社長にファンドの目的と運用手法を聞いた。(聞き手は小滝麻理子) ●厚生年金基金連合会 矢野朝水専務理事 目的 統治の理想像示す ――なぜ企業統治ファンドを作ったのか。 「企業統治がはやり文句のようになっているが投資家から見ておかしい点が多い。株主重視といいながら社外取締役はメーン銀行や親会社、取引先出身者が圧倒的で、しがらみだらけに見える。ち密な調査を基にファンドという形で選別することで、投資家から見た理想の企業統治像を具体的に示す必要があった」 ――社外取締役の登用を重視した結果、トヨタ自動車やキヤノンなど日本を代表する優良企業が抜け落ちた。 「委員会等設置会社など、形の議論だけでは取り込めない会社をいかに評価するかというのは課題だ。5年後、10年後も良い会社として存続しているというのが我々にとっての企業統治。中身はあるが形はないという会社は、今の我々の評価基準では不十分なのだ」 ――今後の活動は。 「議決権行使をしっかりやる。パッシブ運用で多数の会社に投資している我々のような機関投資家にとって、総会議案のチェックが経営監視の端緒になる。次に、企業経営者との対話を重視したい。3期連続赤字なのに取締役に退職慰労金を支給した会社や取締役が50人を超えていた会社などには、手紙を出し、話し合いに行く予定だ」 ●野村アセットマネジメント 稲野和利社長 運用 市場平均 長期で上回る ――企業統治ファンドの運用手法は。 「アンケートによる客観的なデータを基に、約7、80社の経営者や社内外の取締役に会ってインタビューした。トヨタのような優秀な企業が入っていないのは問題だとの指摘もあるが、選別のプロセスには自信がある。組み入れから漏れた企業やもっと順位を上げたい企業とも対話を継続する。基準やインタビュー手法の精度をより洗練することにこだわりたい」 ――業績や株価で評価しないのは投資手法として疑問との声もある。 「業績そのものは見ていないが、アンケート項目で答えてもらった経営目標と結果が相反しているところは外している。目標が株主資本利益率10%なのに、過去ずっと赤字の会社などだ。しかしあくまで、業績や株価よりも、企業が安定的に成長していくための経営の仕組みに焦点を当てたファンド。実証はされていないが、3―5年の長期で見れば市場平均を上回るパフォーマンスが可能と思っている」 ――個人向けなど他の商品への応用はあるのか。 「ただちには難しいが、運用会社としてこの手法を追求していきたい。企業価値を財務的に予測する従来のやり方を基本に、企業統治の観点が入っていることが重要だ。当社の運用全体に、なんらかの形でこの手法をフィードバックしたい」 「企業統治の悪い企業を選んで投資し、経営を改善させることで収益を狙う『バッドガバナンスファンド』は、野村グループとして手掛けるのは難しいと思う。投資銀行部と業務面で重なることから、当社の企業統治の観点から利益相反の恐れがあるためだ」 |
|
■2004/10/13
日本経済新聞夕刊 マネーレッスン 投資ファンドの基礎知識 A 投資対象 無駄を排除し本業磨く 投資ファンドが投資するのは成長余力がある企業や事業です。業績不振企業や経営破たん企業に投資するケースもありますが、財務体質を改善し、本業に集中すれば十分に利益を出せると考えているからです。不振に陥っている企業だけでなく、後継者がいないオーナー企業や大企業の非中核事業の子会社などもしばしば投資対象となります。 ファンドが経営不振の企業の再建で一般に手掛けるのは、@投資による財務リストラAコスト管理の徹底や情報化など、効率化の推進B不採算事業からの撤退と本業への集中−−の3つです。これらを実行するために、経営者を送り込むこともあります。 例えば、アスキーはジャスダック市場に上場していましたが、多角化が裏目に出て業績が悪化、債務超過に陥っていました。支援に乗り出したユニゾン・キャピタルは社長を派遣し、外部からも資金を調達して債務超過を解消しました。 ゲーム事業などの不採算事業は他社に譲渡し、人気雑誌を軸に情報技術関連の出版事業に絞りました。同事業では媒体ごとにコスト管理を徹底し、収益力を高めました。再建に着手する前の2002年3月期の営業損益は15億円の赤字でしたが、2年後には10億円を上回る黒字に回復。角川ホールディングス(HD)がユニゾンから株式を買い取り、角川HD傘下で再スタートを切りました。 経営トップを交代して改革を推進するのは、再建を目指す企業の常とう手段です。ただ、大企業のグループ会社などでは、親会社からの順送り人事の慣例化や危機意識の弱さなどでうまく軌道修正ができない場合があります。 東急観光はアクティブ・インベストメント・パートナーズの支援を受け東京急行電鉄から独立しました。生え抜きの役員を社長に昇格させたほか、成果主義を重視した給与体系を導入するなどグループに依存しない体制を整えました。 ファンドが同業の買収を主導し、事業規模を拡大させることがあります。みずほキャピタルパートナーズは、自動車用品のアルティアを買収した2年後、自動車外装部品の橋本フォーミング工業を買収しました。製品の共通品目が多い両社の経営を統合し、競争力を高める狙いでした。 投資先の企業に上場、非上場の区別はありません。ただ、上場企業に投資した場合は非上場化するケースが多いようです。株主が少ない方が大胆な策が打てるからです。パソコンメーカーのソーテックや、明星電気などのように上場を維持する例もあります。株式は市場で取引されているので売却しやすく、知名度も生かせますが、業績が悪化すると株価が下がるため慎重な経営にならざるを得ないとの見方もあります。 投資ファンドは出資者の利益の最大化が目的です。このため、株主どして経済合理性に沿った判断をできる点が強みです。ファンドの指摘が、株主重視の企業改革につながるとの意見もあります。 |
|
■2004/10/12
日本経済新聞夕刊 マネーレッスン 投資ファンドの基礎知識 @仕組み 企業活動の再活性化図る 三菱自動車や福助など再建を目指す企業に対し「投資ファンド」が支援に乗り出すケースが目立ちます。投資ファンドは登場して間もないため活動が分かりにくい面がありますが、最近は事業再生や産業構造の変革を加速するとの期待も高まっています。ファンドが企業に投資する目的や、どのように収益を上げているのか、初回は基礎的な仕組みを整理しましょう。 投資ファンドとは、経営不振に陥っている企業や過剰な債務に苦しむ企業に投資する基金(ファンド)を指します。機関投資家などから資金を集めてファンドを設立し、企業の株式や営業権を取得します。新たに経営者も派遣し、企業の収益力を上げる、すなわち企業価値を高めた後に株式を売却し、値上がり益の獲得を目指します。 投資ファンドは1980年代に米国で活発になり、徐々に認知されるようになりました。不況で、リストラが必要な企業などに投資し、高い投資利回りを達成しました。その後、欧州などでも広がり、やがて外資系のファンドが日本企業にも投資するようになりました。 国内で投資ファンドによる初の大型買収となったのが、2000年の米投資会社リップルウッド・ホールディングスによる日本長期信用銀行(現新生銀行)の買収です。大規模なリストラや相次ぐ新サービスの開始などで新生銀は再生し、今年2月には東証一部に再上場を果たしました。 国内でも金融機関などが中心になり、ファンドを設立するようになりました。設立や運用を担当するのは銀行などの金融機関、ベンチャーキャピタル(VC) などです。VC最大手のジャフコが留学支援会社の経営陣による企業買収(MBO)に出資したことが、国内勢による初の買収投資と言われています。 コンサルタントや投資銀行の出身者が独立して設立した投資会社によるファンドも増えています。アドバンテッジパートナーズやユニゾン・キャピタルなどが代表的です。アドバンテッジはこれまでに3本のファンドを設立、旭化成の製塩事業など15件に投資を行っています。今までに各ファンドが国内で投資した総額は1兆5000億円超とみられます。 2003年春に設立した産業再生機構もカネボウや大京など25件の再生案件を手掛けています。不振企業に資金を投じ、経営者を派遣、企業再生を目指す手法は買収ファンドとまったく同じです。ただ、民間のファンドと違い、立場が公的・中立的で投資利回りよりも社会的な要請に応じる側面が強くあります。 再生機構が設立された背景にはリスクが高く債権者との調整に手間がかかるなど民間のファンドが近づかない案件の支援を進める狙いがあります。投資期間は来年3月までで、その後3年間で回収を目指します。 不況下では企業は新規の投資を控え、事業も市場の縮小で苦戦する悪循環に陥りやすくなります。ファンドは人材や資金を投じて企業価値を上げますが、当初は企業の再生や成長より短期的な投資の回収を優先する「ハゲタカファンド」の印象が強くありました。このためファンドの支援を受けることをためらう経営者も多かったようです。 |
|
■2004/10/09
日本金融新聞 ゼミナール 買収ファンド 法整備を 事業の再生・再編に不可欠 三菱総合研究所専門研究員 田中雪絵 昨今、日本のバイアウトファンド市場の拡大はめざましい。日本の投資会社で第1号のバイアウトファンドを組成したのは1997年のアドバンテッジパートナーズ。具体的な投資案件は98年のジャフコのICS国際文化教育センター向けが初めてだった。 2000年には外資系ファンドのリップルウッドが日本長期信用銀行(現新生銀行)を買収。2001年には日本政策投資銀行が再生ファンドに1000億円の投資を決定した。外資による大型案件、政府資金のファンドヘの流入が決定したころから、事業再生ファンドの設立が盛んになった。 今後は大企業が経営再編のため売却する事業を買収するファンドの活動が一段と活発になるだろう。 2003年度にバイアウトファンドが出資した案件は前の年度の3倍の51件に急増し、合計取引金額も5倍の6000億円前後に達した(ファンドがグループの自己資金で投資するプリンシパル・ファイナンスを含む)。今年度の取引金額も昨年度と同程度か若干上回るとみられる。 ファンドの役割が増すにつれ、日本では不十分だった関連法の整備もバイアウ卜先進国の米国にならい着実に進み始めた。 例えば、現在はファンドが買収した企業から少数株主を排除するのが難しく、新会社の経営権を完全に握るのに多大な時間とコストがかかる。 米国ではこうした事態を避けるため、ファンドが一定の株式を取得すれば、株主に保有数に見合う現金斉支払って株の放棄を求められる「キャッシュアウト・マージャー」というシステムがある。 日本でも法制審議会の会社法現代化関係部会が同システムの導入を決め、10月末までに「要綱案」を正式にまとめる予定だ。 今後、企業再生や事業再編を促進するためにも、日本でバイアウトファンドの活動を活発化する必要がある。そのためには主に二つの課題が残されている。 ▼証券取引法改正に伴う有限責任組合への影響 4月の証券取引法改正で、有責組合が運営するファンドが同法の規制対象になり、一定の条件に当てはまるファンドには継続的な情報公開義務が課せられることが決まった。必要な情報公開の範囲は年末までに決められる。 ただバイアウトファンドの投資の大半がプライベートェクイティ(未公開株) を活用し、情報公開を前提としていないため、早くも神経質になっているファンドが多い。ファンドにとっては時間やコストの負担も大きい。 ファンドの投資活動が白日の下にさらされるような事態になるのか、プライベートエクイティ・ファンドの特性を考慮して情報公開義務に一定の歯止めがかかるのか。今後のファンド・ビジネスのあり方を大きく左右する可能性がある。 ▼LPSの位置づけ LPS(リミテッド・パートナーシップ)は日本の法律には存在しない組織だが、2003年度末までに組成された外資系ファンドはすべてLPSの形態をとっている。 日本の投資会社でもMKSパートナーズ、みずほキャピタルパートナーズ、ユニゾン・キャピタル、日本みらいキャピタルは海外にLPSを設立し、ファンドを運用している。 日本ではファンドの運用主体となる有責組合制度はベンチャー投資促進を目的に制定されため@投資先が「中小企業等」に限定A公開株に投資できないB融資ができない――など使い勝手が悪かった。4月に改正法が施行され、こうした難点はかなり改良された。 LPSはこうした制限からさらに自由なうえ、そのメリットを知っている海外投資家からの投資を集めやすい組織形態である。 LPSに関して早急に取り組むべきテーマは課税問題である。本来、組合であるLPSは法人格を持たず、組織自体には課税されない。 LPSに出資する投資家に直接課税される。ただ日本では、この点の法令規定や税務当局の見解が不明確で、LPSへの課税を巡る問題が起きている。 過去には、海外のタックスヘイブンに本拠を置くLPSが日本で投資・運用活動を行っているということを理由に、法人税や配当税の対象と判断されたケースもあった。 ファンドが法人税や配当税の対象となれば、投資家への大きな影響は不可避だ。海外の投資家に不信感を抱かせ、日本への投資が阻害されかねない。こうした混乱を避けるため、日本におけるLPSの位置づけを早期に法令で明確に規定し、課税問題をクリアする必要がある。 |
|
■2004/10/07
日経金融新聞 不動産証券化協会 岩沙理事長に聞く 「証券化、今年は3兆円超」 不動産会社と投信の共生続く 2005年度に導入される減損会計を前に企業の保有不動産の売却が加速している。誕生3年目を迎えた不動産投資信託(REIT)は時価総額が約1兆6000億円まで拡大、受け皿として注目を集める。国内不動産市場の在り方などについて、不動産証券化協会の岩沙弘道理事長に聞いた。 (聞き手は戸田敬久) ――企業の不動産売却が相次いでいる。 「バランスシートから不動産を外す動きが顕著だ。今まで特定目的会社(SPC)や、不動産投信などを利用した不動産証券化の累計額は12兆円強になる。昨年は2兆4000億円が証券化されたが、減損会計導入の前年である今年は3兆円を超えるとみる。このうち優良物件については、最終的に不動産投信が保有することになるだろう」 ――不動産投信のオフィスビル投資が集中、“ミニバブル”の指摘もある。 「不動産投信は、生み出すキャッシュフロー(現金収支)をべースに不動産の価値を算出する収益還元法に基づいて投資し、購入額などを適時開示している。そのため、不動産投信の誕生後、不動産の価格形成はこの収益還元法にシフトしてきた。公示価格で一等地のビルだからといって、高い値段が付くわけではない。リスクに見合った価値があって、初めて不動産投信は投資する」 ――不動産投信の所有が進むと、不動産会社の役割はどうなるのか。 「不動産会社が開発した物件を不動産投信が購入するという、良い意味での共生関係が続くと思う。不動産会社にとっても、不動産投信などの投資市場向けに不動産を開発し、開発利益を享受することも経営戦略の柱の一つになるだろう」 時価総額は1兆6000億円 上場REIT 上場REIT数は現在14法人。2001年9月に三井不動産系の日本ビルファンドと三菱地所系のジャパンリアルエステイトの2法人が上場。当初はオフィスビル主体のREITが多かったが、三菱商事系の日本リテールファンドや日本たばこ産業(JT)が設立したフロンティア不動産など商業施設REIT、日本レジデンシャルなど賃貸住宅REITなどが登場してきた。 当初、J-REITは金融商品としてなじみが薄く、公募価格を割り込む場面もあった。だが、5%強と長期金利と比べて高い配当利回りが注目され、預金運用に苦しむ地方銀行を中心に資金が流入。昨年7月に解禁されたREIT主体で運用する投信も人気を集める。 こうした資金流入を背景に、各REITは公募増資を実施し、新規不動産の取得を加速。首都圏を中心に累計2兆円弱の不動産を購入した。「市場が拡大したことで流動性が向上し、年金基金など新たな資金が流入する好循環につながった」(UBS証券の沖野登史彦シニアアナリスト) ただ、人気が高まるにつれ、投資口価格(株価に相当)が上昇し、配当利回りが一部では3%台まで下落してきた。また、優良物件については、REITや私募不動産ファンドなどの間で取得競争が激化し、物件価格が上昇、投資効率を上げるのが難しくなってきた。新たな物件を妥当な水準でどう購入していくのか、各REITの実力が問われている。 |
|
■2004/10/05
日本経済新聞 三洋電機 ファンド事業を拡大 子会社が運営 京都の建設会社支援 三洋電機はファンド事業を拡大する。金融子会社が運用する企業再生ファンドが京都府で最大規模の建設会社、中川工務店(京都市)の支援を決め、グループ会社が手掛ける企業買収(MBO)ファンドが機械メーカー子会社を買収した。ファンド事業を核とした金融事業を製造業に次ぐ第2の柱に育て、連結収益を底上げする。 金融子会社である三洋パシフィック投資顧問の運用する企業再生ファンド「新日本創造ファンド」が、中川工務店が実施した100%減資後の増資を引き受け、新資本金9000万円のうち55%を出資した。 中川工務店はマンション建設など京都府内で約800件の施工実績があり、ピーク時には約70億円の売上高があった。しかし、バブル期の過剰投資で財務体質が悪化していた。 企業再生ファンドが市場縮小の続く建設会社を支援するのは珍しいが、京都で強い地盤を持つ中川工務店はリフォーム事業などの強化で再建が可能と判断した。 |
|
■2004/10/04
日経金融新聞 スクランブル REIT人気にもろさ 利回り過剰期待、業績軽視 1日の株式市場では日経平場株価が続伸した。日銀が発表した企業短期経済観測調査(短観)で足元の景況感が市場予想を上回ったことが好感され、2004年度下期はまずは好スタートを切った。ただ、高止まりする原油相場などを背景に、市場関係者の間では引き続きもみ合いを予想する見方も根強い。 もたつく株式相場をよそに、国内不動産投資信託(REIT)相場が堅調だ。上場来高値を更新する銘柄が相次いだ9月30日まで、QUICKが算出するリート・インデックスは17日から一貫して上昇し、そのうち22日からは6営業日連続で最高値を記録した。1日は下げる銘柄が目立ったが、下値では押し目を拾う動きが活発だった。 リート・インデックスと東証株価指数(TOPIX)のパフォーマンスを比べると不動産投信市場と株式市場の勢いの違いは明らかだ。昨年9月末を100とすると、直近のリート・インデックスは138.4でTOPIXを約30ポイント上回る。 地方銀行や生・損保など金融機関が積極的に買い進んでいることが要因。以前は不動産への投資を敬遠していた年金資金が信託銀行経由で不動産投信に資金を振り向けていることもある。住友信託銀行は今年3月に不動産投信で運用する企業年金向けファンドを設立、残高は直近で約30億円となっている。「残高はまだ多くないが、年金基金の間で着実にニーズが広がっている」(総合運用部の井戸照喜主任調査役)という。 金融機関や年金ばかりではない。投資信託協会のルール改正を受けて昨年8月以降に相次いで設定された不動産投信ファンドは、個人の資金を集めている。不動産投信ファンドは複数の不動産投信を組み入れた商品。世界の不動産投信で運用するものも人気が高いが、運用対象を国内に限ってみても、9月末の純資産残高は1400億円近くになる。指数連動型が多いため、相場上昇時には買いの主体になり上昇に拍車を掛ける。 人気の理由は配当利回りの高さだ。全14銘柄の平均の配当利回りは3%台後半。長期金利の指標である10年物国債の利回りが1.5%を割り込んで推移する中で、2%強の差を付けていることが購入の動機になっている。 過大とも言える人気ぶりだが、その足元は決して強固とは言えない。「投資家が個々の業績の中身を見極めて買い、それで上昇しているというより、運用難の投資家の極めて強いニーズが相場を引っ張っている」(みずほ証券の石沢卓志シニア不動産アナリスト)からだ。 その典型的な例として石沢氏が挙げるのが、24日に業績の上方修正を発表したユナイテッド・アーバン投資法人。週明か27日は1万6000円高の64万9000円まで買われた。株価を押し上げたのは利益増に伴う配当利回り上昇に着目した買いだ。だが、そもそも上方修正はテナントの退去に伴う違約金によるかさ上げ。石沢氏は「株価上昇は見かけの利回りの高さに過剰反応した」とみる。 長期的にみれば、肝心の業績にも不透明感がつきまとう。早くから私募不動産ファンドを運用する新興企業の担当者は最近、都心と地方の入札で立て続けに不動産投信に敗れた。「物件の競争が激しく、2、3年前より取得価格は確実に1―2割は高い」と嘆く。今後、取得競争が一層し烈になるのは間違いない。景気が回復傾向をたどれば賃料収入が上昇し、不動産投信の収益改善も期待できる。だが、それ以上に競争が激化すれば、収益性が低下する可能性も否定はできない。 「低金利の状況は当面変わらない。よほどの急速な金利上昇がなければ、不動産投信市場は堅調な相場が続く」。市場関係者はこう口をそろえる。確信にも近い楽観的なムードだ。かつてのIT(情報技術)相場に沸いた2000年前後がそうであったように、市場の見方が一方向に偏れば反動も大きくなりやすい。そのリスクを抱えることについても、投資家は覚悟する必要がある。 (仮屋俊一) |
|
■2004/09/29
日経金融新聞 北海道企業再生ファンド発足1年 鳴り物入りもまだ5件 飲食など“小粒”目立つ 北海道や道内企業が出資する「北海道企業再生ファンド」が発足して1年が経過した。これまでに不動産会社など5社の再生に着手したが、北海道経済の立て直し役として鳴り物人りでスタートしただけに、物足りなさを指摘する声もある。道議会からは情報開示など運営方針で不満も漏れており、2年目への課題は多い。 「道や経済界の総意ということであれば賛成せざるを得ない」――。中堅FM局のエフエム・ノースウェーブ(札幌市)は21日、臨時株主総会を開き、道企業再生ファンドを活用した再建計画を提示、株主の承認を得た。ファンドは北洋銀行や北海道銀行などから債権12億円を買い取っており、このうち8億円を10月中に株式に転換。支援先が決まり次第、株式を譲渡する。 主力行の北洋銀がファンドを使ってノースウェーブを再生する方針を決めたのは今年初め。「会社は黒字を確保しており、自力で再生できる」。同社の経営者は抵抗したが、過去に大手商社や家電量販店に支援を打診、財務体質を理由に断られた経緯もあり、最終的に受け入れた。同行幹部は 「中立的なファンドが仲介することで、関係者の理解を得やすくなった」と効用を強調する。 道企業再生ファンドは昨年9月24日、道と道内3行、大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツなどが計50億円を出資して創設。今年6月には道内企業などが追加出資し、規模は100億円に達した。 設立から1年。ファンドには62社の相談が持ち込まれ、建設会社や飲食・宿泊業など5社の再生に着手した。高橋はるみ北海道知事は「1歩を踏み出した」と語るが、再生ぺースは当初見込みに比べて遅れている。 「遅くとも03年内に第1号を決め3年間で20―30社の再生に着手する」。ファンド発足時に関係者はこう意気込んでいたが、実際に第1号が決定したのは今年6月。年商10億円以下の道内の不動産会社だった。 ファンドは銀行から貸出債権を時価で購入する。このため銀行は「損失を恐れてファンドヘの案件持ち込みに慎重になる」(道内行幹部)とされ、小型案件が目立つ結果となった。収益を最優先する外資系ファンドとは異なり、道再生ファンドは行政が設立に関与しているため、投資案件すべての再生を目指すのが大前提。支援先の再建が確実な計画が固まるまでは再生決定ができないといわれる。 「活動状況が見えず政策評価ができない」。道議会では徹底した情報開示を求める声も出ている。ファンド側は「あくまで民間主導で道は出資者の1部」と強調するが、今後、政治的な干渉が強まる恐れもある。 地域限定の企業再生ファンドは、宮崎県や茨城県、長野県などでも発足している。景気低迷が続く道内で、目に見える成果を出すことができるのか。 まずは地元で知名度の高いノースウェーブの再建が試金石となる。 (札幌支社 土居倫之) |
|
■2004/09/29
日本経済新聞 ファンド資本主義 再生の最前線 4 描けぬ機構退場後 「民」の調整力まだ途上 東京・丸の内の産業再生機構。本来なら競合相手であるはずの民間ファンドの訪問が引きも切らない。機構傘下の企業の部門買収でもうけようと、集まってくる。例えば、カネボウの部門買収に名乗りを上げたファンドや企業はのべ100社を超えた。 民間が機構に群がるのは、機構の資産査定(デューデリジェンス)能力に定評があるから。会計士や弁護士を大量投入し、事業や資産をきめ細かく査定できるのは再生機構だけ。今年6―7月に資産査定を実施した玩具卸の服部玩具(名古屋市)の場合、機構がはじいた企業価値は当事者や主力取引銀行の査定結果を約2割も下回った。 最終的に服部を事実上買収した大手玩具メーカー、タカラ社長の佐藤慶太は「機構の支援がなければ受けなかった」と振り返る。ダイエー社長の高木邦夫が機構活用に抵抗するのは、強力査定が不安だったからとの指摘もあるほどだ。 ただ、機構の査定が「過激」になれるのは、コストを気にせぬ「官製ファンド」だからとの面は否定できない。民間ファンドならせいぜい数干万円しか出せないカネボウの査定に、機構は約10億円を投じた。 産業再生機構は産業・金融の一体再生をめざし、昨年5月に発足した。主力行以外の銀行から債権を買い、貸し手間の調整も担ってきた。こうした「官」ならではの調整能力も査定力と並ぶ再生機構の利点だ。 その代表例が、機構の手を離れる第1号案件となった食品スーパー、フレック。今年4月の機構の支援決定からわずか4ヵ月で買い手が借金を返済し、決着した。実は主力行の千葉銀行とフレックは昨年末までに複数の引き受け手を見つけていたのに、わざわざ再生機構に支援を仰いだ。干葉銀は「私的整理は時間がかかるが、機構なら迅速に進む。時間経過で法的整理に追い込まれるのを避けたかった」と説明する。 私的整理と法的整理の間の空白を埋める――。米国では取引先の債権は保護しつつ、金融機関の債権放棄だけで素早く再生手続きを進められる「連邦破産法11条(チャプターイレブン)」という制度があるが、日本にはない。再生機構最高執行責任者の冨山和彦は「我々こそ日本版チャプターイレブンの機能を担っている」と主張する。 だが、企業の合併・買収(M&A)の専門家である一橋大学大学院国際企業戦略研究科客員助教授の服部暢達は「企業再生の手続き・機能は民事再生法で相当カバーできる」と機構が誇る「機能」には疑問を投げ掛ける。質の高さが評判の再生機構の資産査定にしても、民間でも金さえかければ同程度のことはできる。調整能力の問題も含め、機構の中からも「機構の仕事の大半は民間でもできる」との本音が漏れてくる。 法律が定める再生機構の債権買い取り期限は来年3月末。機構は企業再生の現場に一時的に咲いた「あだ花」として、その役割を終えつつある。今後は、民間ファンドがその役割を肩代わりしていかなければならない。 ▼デューデリジエンス: 買収・売却対象の企業・事業を詳細に審査・調査すること。買収価格の決定に不可欠な作業で、資産・負債の実態把握など財務の査定、重要契約などの法務の調査、組織や生産・販売活動の調査などに大別される。実際の作業は監査法人や弁護士などが実施する。 |
|
■2004/09/29
日経金融新聞 北海道企業再生ファンド発足1年 鳴り物入りもまだ5件 飲食など“小粒”目立つ 北海道や道内企業が出資する「北海道企業再生ファンド」が発足して1年が経過した。これまでに不動産会社など5社の再生に着手したが、北海道経済の立て直し役として鳴り物人りでスタートしただけに、物足りなさを指摘する声もある。道議会からは情報開示など運営方針で不満も漏れており、2年目への課題は多い。 「道や経済界の総意ということであれば賛成せざるを得ない」――。中堅FM局のエフエム・ノースウェーブ(札幌市)は21日、臨時株主総会を開き、道企業再生ファンドを活用した再建計画を提示、株主の承認を得た。ファンドは北洋銀行や北海道銀行などから債権12億円を買い取っており、このうち8億円を10月中に株式に転換。支援先が決まり次第、株式を譲渡する。 主力行の北洋銀がファンドを使ってノースウェーブを再生する方針を決めたのは今年初め。「会社は黒字を確保しており、自力で再生できる」。同社の経営者は抵抗したが、過去に大手商社や家電量販店に支援を打診、財務体質を理由に断られた経緯もあり、最終的に受け入れた。同行幹部は 「中立的なファンドが仲介することで、関係者の理解を得やすくなった」と効用を強調する。 道企業再生ファンドは昨年9月24日、道と道内3行、大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツなどが計50億円を出資して創設。今年6月には道内企業などが追加出資し、規模は100億円に達した。 設立から1年。ファンドには62社の相談が持ち込まれ、建設会社や飲食・宿泊業など5社の再生に着手した。高橋はるみ北海道知事は「1歩を踏み出した」と語るが、再生ぺースは当初見込みに比べて遅れている。 「遅くとも03年内に第1号を決め3年間で20―30社の再生に着手する」。ファンド発足時に関係者はこう意気込んでいたが、実際に第1号が決定したのは今年6月。年商10億円以下の道内の不動産会社だった。 ファンドは銀行から貸出債権を時価で購入する。このため銀行は「損失を恐れてファンドヘの案件持ち込みに慎重になる」(道内行幹部)とされ、小型案件が目立つ結果となった。収益を最優先する外資系ファンドとは異なり、道再生ファンドは行政が設立に関与しているため、投資案件すべての再生を目指すのが大前提。支援先の再建が確実な計画が固まるまでは再生決定ができないといわれる。 「活動状況が見えず政策評価ができない」。道議会では徹底した情報開示を求める声も出ている。ファンド側は「あくまで民間主導で道は出資者の1部」と強調するが、今後、政治的な干渉が強まる恐れもある。 地域限定の企業再生ファンドは、宮崎県や茨城県、長野県などでも発足している。景気低迷が続く道内で、目に見える成果を出すことができるのか。まずは地元で知名度の高いノースウェーブの再建が試金石となる。 (札幌支社 土居倫之) |
|
■2004/09/27
日本経済新聞 ファンド資本主義 再生の最前線 2 利用効率高めの収益確保 地価反転の仕掛け人 「まず従業員の再教育とショッピングモールの改装に着手する必要がある」。米大手証券系のモルガン・スタンレー不動産ファンド(MSREF)を率いるソニー・カルシは今、今年2月にダイエーグループから130億円強で買収した新神戸オリエンタルホテルの再建案を練っている。 MSREFは全世界で推定4兆円強を運用する、世界最大級の不動産ファンドだ。日本への投資額は7000億円強。1990年代に経営難に陥った不動産会社や金融機関から積極的に不動産を買い集め、東京などに約2000の物件を持つ。国内の不動産業界では、「青い目をした日本の大家」と呼ばれるようになった。 新金融街も外資の手に――。カルシが新神戸オリエンタルの再建に乗り出した今年5月、MSREFは英国でも話題を独占した。同ファンドが「第2のシティー(英金融街)」と呼ばれるカナリー・ウォーフ地区の開発・運営会社を3400億円で丸ごと買収することになったからだ。 グローバルなファンドは「収益還元法」と呼ばれる投資基準で物件の価値を見極め、割安と判断すれば国にこだわらず資金を注ぎ込む。日本での矛先は商業ビルだけでなく、バブル期に増殖したホテルやリゾート施設、ゴルフ場などに広がる。バブル崩壊の傷が癒えない国内企業が見向きもしない「不良資産」を底値で買い、新しい事業モデルで再生しようとしている。 日本のゴルフを変えたい」。全国で80弱のゴルフコースを管理・運営するアコーディア・ゴルフ最高経営責任者の竹生道巨は力説する。同社は米大手証券ゴールドマン・サックスがゴルフ場買収業務のために設立した子会社。竹生は米英の名門コース経営に携わった経験を買われスカウトされた。 竹生がまず目指したのは、規模のメリットを生かしたコスト削減。それは企業の接待需要が支えてきた、日本のゴルフ場経営に最も欠けていた点だった。特に「まずくて高い」が定説だった併設食堂を改善するため、専門の食材会社も設立。1万点あった食材を3000点にまで減らした。 米再生ファンドのローンスターは、傘下のゴルフ場管理会社パシフィック・ゴルフ・マネジメント(PGM)を、2006年前後に株式上場させる見通し。PGMも90年代半ば以降に破たんしたゴルフ場を買い、全国に90強を持つ。ローンスターはPGM上場で、業界内で「常識外れ」と言われたゴルフ場投資の果実を享受する。 日本の「失われた10年」の資産を蘇(よみがえ)らせた――。米大手証券リーマン・ブラザーズの投資が、不動産関係者の間で話題になっている。関連企業を通じて保有する4000室強のウイークリーマンションのことだ。すべて過剰債務に苦しんだマンション会社から、90年代後半に買い取った。買収後はインターネット予約などを導入し、稼働率を85%と15ポイント上げた。 企業の抱え込んだ不良資産が凍りつき、不動産市況は長らく底値が見えないデフレに苦しんできた。ファンドの再生術で不良資産が息を吹き返し始めるとともに、日本経済にはデフレ脱却へのほの明かりが見え始めた。 ▼収益還元法 賃料など土地や建物が生む収益から不動産の適正価格を逆算する方法。近隣の不動産価格から推定する従来の日本的手法とは異なる。米国で開発され、日本では外資系ファンドなどの利用により90年代半ば以降に広がり始めた。 |
|
■2004/09/26
日本経済新聞 ファンド資本主義 再生の最前線1 技術に着目、商機つくる 老舗の呪縛解く 企業再生ファンドの存在感が増している。国内投資額は累計1兆円を超え、前年の5倍以上に拡大、投資対象業種も広がった。高利回りの確保を至上命題とするファンドの下、再生案件が次々に動き出している。 米投資家のウィルバー・ロスが率いる再生ファンド、WLロス。米鉄鋼大手5社のうち3社をこの2年で買収し、瞬く間に粗鋼生産米国2位の会社をつくり、一躍名をはせた。そのロスが日本に照準を定めた。手始めに2億ドルの投資枠を設定、素材産業を狙う。 幻の第1号大型案件はカネボウ。「海外工場を含め天然繊維事業を丸ごと買収したい」。産業再生機構の支援決定前に打診した。繊維事業では2003年9月に米国でジーンズ生地の15%を押さえる繊維大手バーリントン・インダストリーズを買収。中国で縫製会社も手に入れている。 WLロスは単独では成長力を失った老舗企業を安く買い集め、自ら構築する「グローバル・サプライチェーン」に組み込んでよみがえらせようとしている。カネボウの事業もその輪の中で生かそうと青写真を描いた。 「カネボウの染織技術は世界一。バーリントンと組み合わせれば世界市場で戦えた」。WLロス幹部は再生機構の手による切り売りを惜しむ。一方で「日本の鉄鋼、繊維産業は魅力的」と次に向け値踏みを急ぐ。 ファンドにとって大企業の構造改革でこぼれ落ちる事業や系列企業は安値で買える格好の投資対象だ。一方、大企業もファンドの活用に目覚め始めた。「参考書」は日産自動車の系列解体だ。 自動車部品輸送のバンテック(横浜市)は2001年、「ゴーン改革」で持ち株を売却された。投資ファンド、スリーアイ興銀バイアウツの出資を仰ぎ、経営陣による企業買収(MBO)で生き延びた。 04年3月期の売上高は3年前に比べ12%増え、最終利益は10倍の30億円。系列から解き放たれ、トヨタ自動車などかつてはタブーだったライバル会社の仕事も得た。会長の奥野信亮は「1、2年後の上場を目指す」と鼻息も荒い。 この3年半に日産が売却した系列企業は約50社。うち8社をファンドが買収した。「ファンドがなければ巨大な系列を短期間に解体するのは難しかった」と日産の元役員は振り返る。 日立製作所は昨年秋、冷蔵庫など「白物家電」事業の売却で米リップルウッド・ホールディングスとひそかに交渉した。収益改善のため『連結売上高のうち割の事業から撤退する」と宣言した社長の庄山悦彦が、グループ企業の旧日本コロムビアを売却したリップルウッドを再び頼った。 日立の戦略転換でこの話は進まなかった。だが、かつて“ハゲタカ”と敬遠していた大企業のファンドアレルギーは薄まり、その活用こそが事業改革の有効な手段という認識が広がりつつある。 「日本の伝統産業の再編はこれからが本番」とリップルウッド幹部はつぶやく。ファンドを触媒に「ニッポン株式会社」の殻を破る産業構造の組み替えは始まったばかりだ。 ▼経営陣による企業買収(MBO)経営陣が株主から株式を購入して経営権を握る企業買収。再生ファンドが買収する時、資金の一部を経営陣に負担させ、リスクを共有する形で経営改革に当たらせる。子会社の経営陣がファンドと組み、親会社から持ち株を買い取り独立する例もある。 |
|
■2004/09/25
フジサンケイ ビジネスアイ 再生ファンド会社を設立 みずほ、オリックス共同で みずほ銀行、みずほ証券、オリックスの3社は24日、経営不振に陥った中堅・中小企業の再生に共同で取り組むため、再生ファンド会社および再建に関する助言会社を設立したと発表した。みずほ銀、オリックスそれぞれが培ってきた再生ノウハウを活用し、中堅・中小企業の再生手法の選択肢を拡大、効率的に企業再生を進める。 再生ファンド会社はオメガ・パートナーズ。出資額は約1000億円。オリックスが85%、みずほ証が10%、みずほ銀が5%を出資した。10月から10社程度、合計100億円規模の貸し付け債権を買い取る計画だ。 3社は再建に関する助言会社としてマックス・インベストメント・アドバイザリーを設立した。オリックス50%、みずほ証、みずほ銀が各25%を出資。再生ファンドに対して、再生対象企業に関する再生・事業計画の立案などで助言をする。 |
|
■2004/09/23
日本経済新聞 中小再生ファンド1000億円 みずほ、オリックスと組む みずほグループはオリックスと組んで10月から、経営不振に陥った中小企業の再生事業を始める。1000億円規模の再生ファンドを設立し、両社が大手企業の再生で蓄積したノウハウを活用する。比較的小口の不良債権をグループ内外の銀行から買い取り、事業分割などを活用して経営の立て直しを目指す。 みずほ銀行、みずほ証券とオリックスが企業再生の助言会社と不良債権を買い取る再生ファンドを設立した。再生ファンドは10月から貸出債権の買い取りを始める。まず、みずほ銀行などみずほグループの金融機関をはじめ、グループ外の金融機関も含めて、取引先10社程度、計100億円規模の債権を買い取る計画だ。対象になる債権は1社当たり10億−20億円程度と、小口になる見通しだ。 債権を買い取る企業は業種や地域にこだわらず、全国から集める買い取った後は事業の分割や企業の合併・買収(M&A)などで早期の業績回復を目指す。 みずほグループは2003年に大口の取引先を対象として4つの再生会社を設立した。みずほコーポレート銀行など傘下の3銀行が抱える約4兆5000億円の貸出債権を切り離してこれらの再生会社に移管した。 中堅・中小企業の再生事業はほかの大手銀行にも広がっている。三井住友銀行は米大手証券ゴールドマン・サックス、大和証券SMBCグループと共同で取り組んでいる。UFJ銀行は米メリルリンチと再生会社を設立して、UFJから移した債権を引き受けるなど、再生企業のすそ野が広がりつつある。 |
|
■2004/09/23
日本経済新聞 都内で開発のマンション 投資ファンドへ売却拡大 千葉の新日本建設 在庫リスク軽減 千葉市に本社を置く中堅総合建設会社(ゼネコン)の新日本建設は、東京都内で開発したマンションについて、不動産投資信託(REIT)など投資ファンドヘの売却を拡充する。自社販売で要する経費や在庫リスクを軽減する狙いで、2005年3月期は6棟程度を売却予定。不動産流通の新形態として注目を集める投資ファンドを活用して経営効率を高める。 9月末、東京都港区に建設した19階建ての賃貸マンション「エクセレントタワー乃木坂」を39億円で日本レジデンシャル投資法人に売却する。東京メトロ千代田線乃木坂駅の出入り口が併設される好立地で、高い入居率が見込める物件を1棟丸ごと譲渡する。 投資ファンドヘの1棟売りを手掛けるのは「経費を軽減できる」(金綱一男社長)利点があるため。マンション販売では、モデルルーム経費や広告費用が総投資額の1割を占めるとされる。1棟全体で売却する場合、収入は自社販売と比べて1割程度割安になるが「販管費を抑えて、確実に資金回収できる」(金綱社長)。販売不振の際の在庫リスクを切り離す効果もある。 同社は今期中に、品川区や中央区で建設中のビルも1棟丸ごと投資ファンドに譲渡する予定。 |
|
■2004/09/22
日本経済新聞 ジョイント・コーポ 不動産ファンド拡大 総額330億円、運用多様化 ジョイント・コーポレーションは静岡県浜松市の商業施設など6物件、資産総額250億円分を購入し、これらを運用する不動産ファンドを新設した。グループで運用するファンドの総資産規模を約330億円に拡大した。現在、賃貸マンションで運用するファンドに特化しているが、運用物件を多様化して賃料収入を安定させ、同事業を収益の柱に育てる。 17日付で「浜松プラザ・浜松ウエスト」(静岡県浜松市)など6物件を商社から一括購入した。浜松市の物件は資産規模150億円程度とみられる。 同日付で三つの特定目的会社(SPC)からなる私募ファンドを組成。SPCの構成は平均すると購入額の約7割をSPCが金融機関から借り入れ、残り3割分をジョイントと複数の機関投資家が出資する計算。ジョイントの総出資額は約50億円とみられる。 ファンド運用と購入物件の運営・管理はジョイントのグループ会社が受託、手数料収入を稼ぐ。 |
|
■2004/09/22
日本経済新聞夕刊 ニッキィの大疑問 ファンドの正体は何? 最近はファンドという言葉が経済ニュースの常連よね。個人投資の世界から企業買収にまで登場するけど、その正体は何なの。 日本経済新聞を愛読するニッキィさんには、マネーヘの関心が強い人が多い。今回の質問者である伊東絵理さん(仮名、38)と四方田夏子さん(同、30)はいずれも投資信託ファンドを購入する個人投資家だ。 都内でセラピストとして働く伊東さんは「様々なファンドのうち、個人が買えるのはどの範囲なのか」という疑問がある。東京在住のシステムエンジニア、四方田さんはファンドの仕組みが知りたい。2人は日経新聞証券部の牧野洋編集委員を訪ね、質問をぶつけた。 そもそもファンドって何ですか。 プロが資金運用 「運用の知識や経験がなくても投資家が株式や債券などに投資できるよう、集めたお金の運用をプロに任せるものです。分かりやすいのは個人が購入できる株式投信や公社債投信などの公募型の投資信託です。損失を出すリスクを分散したくても個人はそれほど多くの株・債券を買えませんから限界があります。でも、投信は集めたお金を分散できるので、リスクを軽くできます」 「商品化して売れるものであればファンドが投資できないものはありません。不動産や絵画のほか、アイドルや歌手でさえ対象になります」 四方田さんが尋ねた。 投信のパンフレットに責任者の写真が載っています。たった一人で運用するのですか。 「ファンドにはすべて運用責任者であるファンドマネジャーがいます。マネジャーの腕次第で収益は大きく変わります。証券会社などで働くアナリストがリポートをまとめて、お薦めの投資対象をマネジャーに売り込みます。全体の状況を見て運用の配分をマネジャーにアドバイスするストラテジストという役目の人もいます。アナリスト経験を積んだ人がマネジャーになりたがりますね」 「投信は悲しい過去があります。証券会社の手数料稼ぎを目的として、投資家の利益を考えないような運用があったのです。市場規模は今も米国に比べてかなり小さいです。ただ、最近は情報公開も進み、いいファンドも出てきています」 四方田さんが続ける。 個人が買えないファンドもあるのですか。 公募型と私募型 「企業再生ファンド、高度な金融技術を駆使するヘッジファンド、不良債権を扱うファンドなどがこれに当たります。不特定多数の人から資金を集める公募型ではなく、年金基金などのプロの機関投資家や米国やアラブの大富豪ら特定の投資家から集めた私募型が多いです。リスクが高い代わり見返りも大きいように設計しており、プロ中のプロが運用します」 「再生ファンドが注目されたのは、99年に米リップルウッド・ホールディングスが旧日本長期信用銀行(現新生銀行)の買収を決めた折です。企業を買いたたくハゲタカファンドと騒がれましたが、その後、国産ファンドが次々と誕生し、ハゲタカという言葉は鳴りをひそめました。国内勢では三菱自動車再建にかかわるフェニックス・キャピタルなどが有名です」 今度は伊東さん。 再生ファンドは外資でないと駄目ですか。 株主の目で再建 「ファンドは利益を出すことだけが目的です。そのために企業を売買するという行為が日本人の気質に合わなかったから、再生ファンドの発展が遅れました。でも最近はファンド資本主義という言葉もよく使われます。企業におカネを貸してもうける銀行は、企業の借金をゼロにしてその経営を健全にするという発想が苦手です。この点、株主の視点から企業を再建するファンドの力が認められつつあるのです」 「外資は資金力と人材が強みです。国内勢は銀行と事業会社しか資金の出し手がいないから、発展には限界があります。ただ、年金資産が参加したり、郵政民営化で多額の個人マネーが解き放たれれば、ファンドが伸びるかも。人材もこれから育っていくでしょう」 紙面ナビ 企業再生などきめ細かく 日本経済新聞は各種ファンドの登場・活躍に伴い、個人向けの投資信託の動向から企業再生ファンドの動きまで幅広く取り上げています。9月5日付朝刊1面では再生ファンド投資の規模・現状を独自調査した結果を報じました。 大手銀行が不良債権の処理を迫られる過程で急増した国内外の再生ファンドについては、日経金融新聞と連携して個別の動きや問題点などをきめ細かく伝えています。地域経済面も地方の再生ファンドの動向を報じています。 ちょっとウンチク 新興企業投資から買収へ 株式未公開の企業に投資するプライベートエクイティ・ファンドが誕生したのは100年ほど前の米国。ロックフェラー家など個人富裕層の資産運用が目的で、米電話会社AT&Tの前身企業などに投資したという。現在の形になった第二次大戦後は、買収ファンドというより、将来性のある新興企業に投資するベンチャーキャピタル(VC)が主体だったようだ。 1980年代には、多額の借り入れで企業を買収するLBO(レバレッジド・バイアウト)が盛んになり、LBOに欠かせない買収ファンドに注目が集まった。買収ファンドは経営不振企業をまるごと買い取り、株式未公開にして再生させる点などに特徴がある。当初は「暴利をむさぼる買収集団」と批判を浴びたが、今では「資本の論理を持ち込み、企業経営に規律をもたらした」(米カーライル・グループの共同創業者D・ルーベンスタイン氏)との評価も多い。 日本では80年代にVCブームという形でプライベートエクイティが活発になった。VCブームは90年代後半の情報技術(IT)バブル時にも起きた。本格的なLBOを伴う買収ファンドが出てきたのは昨年ごろからだ。 (編集委員 牧野洋) |
|
■2004/09/22
日本経済新聞 ジョイント・コーポ 不動産ファンド拡大 総額330億円、運用多様化 ジョイント・コーポレーションは静岡県浜松市の商業施設など6物件、資産総額250億円分を購入し、これらを運用する不動産ファンドを新設した。グループで運用するファンドの総資産規模を約330億円に拡大した。現在、賃貸マンションで運用するファンドに特化しているが、運用物件を多様化して賃料収入を安定させ、同事業を収益の柱に育てる。 17日付で「浜松プラザ・浜松ウエスト」(静岡県浜松市)など6物件を商社から一括購入した。浜松市の物件は資産規模150億円程度とみられる。 同日付で三つの特定目的会社(SPC)からなる私募ファンドを組成。SPCの構成は平均すると購入額の約7割をSPCが金融機関から借り入れ、残り3割分をジョイントと複数の機関投資家が出資する計算。ジョイントの総出資額は約50億円とみられる。 ファンド運用と購入物件の運営・管理はジョイントのグループ会社が受託、手数料収入を稼ぐ。 |
|
■2004/09/21
フジサンケイ ビジネスアイ UFJグループ 国際興業向け債権売却 米投資ファンドに約3000億円で調整中2000億円は放棄 UFJグループは、大口融資先で再建途上にある国際興業について、UFJ銀行をはじめ取引金融機関が全貸し出し債権約5000億円を米投資ファンドのサーベラスに約3000億円で売却する方向で最終調整に入った。差額分は事実上の債権放棄となる。9月中の決着を目指す。 この債権売却で、UFJにとっては大口融資先の不良債権処理でめどがつくのはアプラス、双日、国際自動車に続いて4社目となる。 全債権のうち、3000億円超を抱えるメーンバンクのUFJは、国際興業の優良資産の売却のほか、小佐野隆正社長ら創業者一族の個人資産も整理しての負債圧縮を目指してきた。 ただ、今回、債権売却の線が固まったことで今後の具体的な再建策はサーベラスが策定する方向となった。 国際興業は、筆頭株主として保有する帝国ホテル株式39.4%などの資産も当面保有を続ける。 国際興業は東京都、埼玉県などで路線バスを運営している。しかし、一部では採算性が低下しており、外資系ファンドの債権取得により、不採算路線などは順次廃止に追い込まれる可能性もある。 UFJ銀行は「国際興業グループが有利子負債削減に向け、自主再建案を検討している」としている。 |
|
■2004/09/15
フジサンケイ ビジネスアイ バックアップ アントレプレナー<15> エス・アイ・ピー 新ファンドでVB革新 ベンチャーキャピタル(VC)の経営に25年にわたり携わってきた齋藤篤エス・アイ・ピー社長が、新たに「SIP知的創造投資事業有限責任組合」を設立、ファンド(資金)の募集に乗り出した。 目標とするのは5億円で、これに同額の中小企業基盤整備機構からの出資を得て、主に設立5年以内のIT(情報技術)分野のベンチャー企業(VB)に投資する計画だ。 齋藤社長は、エス・アイ・ピーでこれまでも2つの投資組合を設立し、海外のVBも含めて4社を株式公開させている。それに加えて、新たなファンドをつくる目的について「新しいVBの育成・支援方法を実践したい」と説明する。 新しい方法というのはアドバイザリーボードの設置に加えて、投資先のVBのディスクロージャーとチームによる組織的経営などである。 まずアドバイザリーボードは大学教授やVB経営者、公認会計士などで構成し、このネットワークを生かして投資先のVBを支援する。 とくに、米国系企業の日本代表を務めるなど、ビジネスの世界でも実績のある池田誠金沢工業大学大学院教授を中心にボードを運営。MOT(技術経営修士)、MBA(経営学修士)などからも人材を発掘することで、VB支援の幅を広げる方針だ。 同時に、「経理、管理面の確立と創業経営者がワンマンにならない体制づくりを支援したい」と齋藤社長は強調する。 日本の中小企業は一般的に、公認会計士の監査により財務をディスクロージャーするという慣行がほとんどない。そのうえ、従来、銀行融資という間接金融が資金調達の中心であったことから、「経営者が個人保証をする」ケースが多く、「財務がわかりにくくて、ワンマン」という企業が少なくなかった。 このため、知的創造ファンドは、VCがVBの経営やマーケティング戦略などの企業活動全般にかかわるハンズオン支援を柱にして、投資先VBの経営状況を把握。併せて、「CEO(最高経営責任者)、COO(最高執行責任者)、CFO(最高財務責任者)などに権限委譲できる組織づくりをバックアップする」と齋藤社長は力を込める。 齋藤氏はVCの最大手、ジャフコの常務時代の82年、まだ法律面の整備がされる前に、日本で初めて組合方式によるファンドの設立を推進。その後もCSKの創業者である大川功氏に請われて、同氏が設立したVCの副社長に就くなど、日本のVCの“生き字引”の一人だといっていい。 知的創造ファンドは今年4月の投資事業有限責任組合法の改正により、ファンドが他のファンドに投資することが可能になったことから、他のVCが設立したファンドからの投資も受け、「VCのイノベーションを起こすような運営を」と齋藤氏は意欲を燃やす。 「夢の設計図ではなく、実行可能な事業計画書づくりも指導したい」(齋藤氏)。長年の経験が、夢を現実にする支援に生かされるのを期待したい。 (ジャーナリスト松浦利幸) 本社概要 ▽本社=東京都港区南青山5の11の2 共同ビル (О3・5464・9230) ▽従業員=3人 齋藤 篤社長 北大法卒。野村証券入社、投資信託部長などを経て、79年ジャフコ常務、その後、日本アジア投資副社長、CSKベンチャーキャピタル副社長など歴任。96年10月エス・アイ・ピー設立。72歳。北海道出身。 |
|
■2004/09/15
読売新聞 なるほど!経済 企業再生ファンド 成功すれば見返り大きく 法整備進み手続き簡単に/不良債権処理で銀行余力なし 投資家から集めた資金を元手に、経営再建中の企業に出資して再生を手がける企業再生ファンドが脚光を浴びている。三菱自動車やダイエーの再建などの大型案件にも登場して存在感が増してきた。企業再生に関する法整備が進んだことに加え、不良債権の処理に追われる銀行が企業再生に深くかかわる余裕がなくなったことが、再生ファンドを表舞台に押し上げている。(尾関航也) 企業再生ファンドは、経営不振企業に出資して株主となった上で、場合によっては経営陣も送り込んで財務内容を改善し、企業価値が高まったところで株を転売したり、上場させたりして利益を稼ぐ。出資金は外部の投資家から集める。経営不振企業の株式は一般に安く買えるため、再生に成功した場合に大きな見返りが期待できる点が投資家には魅力だ。 企業再生ファンドのフェニックス・キャピタル(本社・東京都)は、三菱自動車が実施した増資740億円を1株100円で引き受け、三菱自の支援から撤退した独ダイムラー・クライスラーを抜き、約3割を出資する筆頭株主に躍り出た。安東泰志代表は三菱自の社外取締役にも就任した。 ダイエーの経営再建では、主力行が主張する産業再生機構の活用に対抗し、ダイエーは再生ファンドなどを活用した自主再建を主張している。米ゴールドマンサックス、米リップルウッド・ホールディングス、米サーベラスなどがスポンサー候補だ。 債務超過に陥った老舗の靴下メーカー「福助」の再建は、MKSパートナーズ(本社・東京都)が手がける。現在9件の投資案件を抱えており、1999年以降、清算が済んだ3つの案件では、回収総額が投資額の約3倍にのぼったという。 日本での再生ファンドの走りは、98年10月に破たんした日本長期信用銀行(現新生銀行)を買収した米リッブルウッド・ホールディングスだった。その後も金融不安を背景に大型の経営破たんが相次いだため、ビジネスチャンスと見た外資系投資ファンドが、続々と日本に上陸した。 最近目立つのは、日本の再生ファンドの活躍だ。これは、政府が「金融と産業の一体再生」を打ち出し、金融機関に不良債権処理の加速を迫ったことが大きい。企業再生の主役だった銀行は、不良債権の処理を優先せざるをえず、再建中の取引先に新たな資金をつぎ込む余裕を失った。 一方、2000年4月に民事再生法が施行されるなど、経営再建を前提とした企業倒産の手続きが大幅に簡素化され、ファンドにとっては、より少ない時間やコストで再建を進められる環境が整った。 また、銀行の企業再生は、債権者の立場から、金利の減免や借金の棒引き(債権放棄)を行うのが主流だが、こうしたやり方が企業のいたずらな延命につながってきたとの批判もある。この点、再生ファンドは、資本効率を重視して事業分割や資産の売却などの外科的手法を駆使し、再建までのスピードが比較的速いのも魅力となっている。 MKSの松木伸男社長は「利益が出れば出るほど、投資家はより多くの資金を出してくれる。その資金を使って会社を再生できれば、結果的に、その業界全体の活力につながる」という。 再生ファンドの高い収益性に目を付け、自己資金で出資する投資会社も増えてきた。野村ホールディングスの100%子会社「野村プリンシパル・ファイナンス(PF)」は、再生を手がける長崎県の大型レジャー施設「ハウステンボス」に計110億円を投入する。大和証券グループの大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツは、東証一部上場の婦人服キャビンの筆頭株主となり、経営支援に当たっている。 三菱総合研究所によると、国内では現在、少なくとも50社の投資ファンドが企業買収を手がけ、97年以降に集められた資金の総額は1兆円を超える。田中雪絵専門研究員は「不良債権処理が進めば、再生案件は減っていく。今後は必ずしも業績が悪くない企業の再編にファンドがかかわるケースが増える」と予測している。 《国内で活動する主な企業再生ファンドや投資会社》 ●独立系 会社名==================設立年=====主な投資先 MKSパートナーズ=============1982=======福助 ユニゾン・キャピタル============1998====オリエント信販 アクティブ・インベストメント・パートナーズ=1999======東急観光 フェニックス・キャピタル==========2002=====三菱自動車 ●証券系 会社名===================設立年=====主な投資先 野村プリンシパル・ファイナンス=======2000====ハウステンボス 日興プリンシパル・インベストメンツ=====2000====タワーレコード 大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツ=2001===日興電機工業 ●銀行系 会社名===================設立年=====主な投資先 みずほキャピタルパートナーズ========2000======ベネックス ●外資系 会社名===================設立年=====主な投資先 カーライル・グループ============1987=====DDIポケット リップルウッド・ホールディングス======1995=====日本長期信用銀行 |
|
■2004/09/14
日本経済新聞 2004年9月14日 中小企業にファンド設立 アイフル子会社 アイフル子会社のニュー・フロンティア・パートナーズ(東京・中央、早野利人社長)は、中小企業基盤整備機構や日立製作所などと共同で中小企業向けの投資ファンド(基金)を月内にも設立する。出資総額は22億1000万円。日立が投資先企業の技術評価や提携先のあっせんを担当するほか、いちよし証券が株式公開を支援する。 設立するのは「ストラテジック・パートナーズ・ファンド」。投資分野は情報通信や環境・バイオ・健康関連のほか、流通・サービスなどで、10社以上が候補に挙がっているという。 |
|
■2004/09/13
日本経済新聞夕刊 2004年9月13日 中小再生へ新ファンド セントラル総研など 出資せずに不動産購入 資本参加を前提とせずに中小企業の再生を目指すファンドの設立が相次いでいる。中小企業が保有する不動産の買い取りなどで経営再建を支援する。ファンドによる経営再建は出資して将来の株式売却益を見込むケースが大半で、同族経営が多い中小に広がりにくかった。新ファンドは本業で一定の収益を上げながら、金融機関からの借り入れが多い中小企業の有力な支援策になりそう だ。 中小企業再生支援のセントラル総合研究所(東京・北、八木宏之社長)は9月末にも約16億円のファンドを立ち上げる。中小企業が営業拠点として所有しているビルなど5つの物件を実勢価格で購入、元の所有者に貸し出して賃貸収入を得る。中小企業は売却で得た資金で借入金を返済して利払い負担を軽減する。 16億円のうち、同社と不動産競売のアイディーユー、個人投資家が合計3億3000万円を出資する。残りは金融機関から借りる。目標利回りは年10―15%。 既存の企業再生ファンドより低めだが、株式公開を狙う再生手法が株式相場に左右されるのに比べ「安定した収益が期待できる」(セントラル総研)。 不動産投資会社のアセットパートナーズ不動産投信(東京・千代田、真部敏巳社長)も10月をメドに10億円のファンドを設ける。仕組みはセントラル総研のファンドと同様で、企業再生の専門家で構成する企業再建コンサルタント協同組合(CRC、東京・千代田)と協力する。 債権回収代行の山田債権回収管理総合事務所は、金融機関から中小企業への貸出債権を簿価を下回る実勢価格で買い取るファンドを100億円で設立した。中小企業を再生させて、簿価に近い金額を企業から回収する。 セントラル総研の八木社長は「今後、同様のファンドが増える公算が大きい」とみている。 |
|
■2004/09/10
日経金融新聞 2004年9月10日 ポジション 好機逃がす商品ファンド 米に比べ未熟な運用体制 原油など商品相場の上昇で、欧米では商品ファンドが有力な資金運用手段として定着した。日本でも市場拡大の好機のはずだが、なぜか販売は伸び悩んでいる。資金を運用する商品投資顧問会社(CTA)への参入が進まず、投資家にとって魅力のあるファンドが育たないことが背景にある。 日本で商品ファンドの販売が始まったのは1988年。当初は商社やリース会社が海外で組成されたファンドを輸入・販売。その後は商品取引会社などが加わり、独自ファンドを組成・販売するようになった。金利と連動する金の現先取引で元本部分を確保するタイプが主流となり、97年度の国内販売額は1400億円に達した。 しかし、98年に投資信託の窓口販売が解禁されると、銀行が商品ファンドの販売を休止。金利低下で金の現先取引による元本確保が難しぐなったこともあり、2000年度の販売額は49億円に落ち込んだ。 昨年度は商品先物取引の手数料完全自由化を控えた商取会社が販売に力を入れ始め、209億円に回復した。今年6月末の運用残高は573億円。それでも、日本の商品ファンドに相当する「マネージド・フューチャーズ」の世界全体の運用残高279億ドルに比べ、市場は極めて小さい。 伸び悩みの最大の要因は商品取引へのネガティブなイメージ。ある販売担当者は「パンフレットにも極力『商品』という単語を使わない」と打ち明ける。さらに資金運用の委託先となるCTAが、国内ではアストマックス、オカトーインベストメントマネジメント、ユタカ・フューチャーズ、カネツ投資顧問の4社しかないこともネックになっている。 CTAはそれぞれが独自の運用手法を持つ。優秀なCTAを探し出せるかどうかがファンドの利回りを大きく左右する。高利回りを追求しない半面、元本割れリスクも抑制する運用手法をとるようなCTAもあるので、CTAの数が多いほどファンドのバリエーションは広がる。国内では特徴あるファンドを組成するのは難しい。 マネージド・フューチャーズの販売が活発な米国のCTA数は7月末現在で797。豊富な選択肢の中から高いパフォーマンスをあげているCTAを見つけて運用を委託できればファンドの収益率を高められる。 米国にCTAが多いのは新規参入が容易なためだ。運用実績を記したトラックレコードを全米先物業協会(NFA)に申請、登録すると、個人でも営業できる。自己資金や知人の資金で取引していた個人投資家が、規模を拡大してCTAとして営業を始める例も珍しくない。 日本の商ファンド法は投資家保護の観点から、CTAは資本金1億円以上の株式会社であることを義務付けている。新規参入が進まず、結果的に魅力的なファンドが生まれにくい素地を作っている。豊商事の小林健常務は「投資顧問は運用を指示するだけ。参入規制は投資家保護策にはならない」と指摘する。かつては日本でも商社やリース会社が米国のCTAを起用したファンドを販売していた。だが手数料の高さや投資先構成比率の規制などがネックとなり撤退が相次いだ。現在は国内CTAを通じた商品取引会社のファンドが主流で、CTAの少なさが市場育成を妨げている。 商品ファンドは商品分野の投資ノウハウのない個人、機関投資家にとって数少ない投資手段。商品先物の新たな成長を探るうえでも、CTAの参入規制の緩和は一考に値するのではないだろうか。 (佐藤洋輔) |
|
■2004/09/09
日本経済新聞 みずほ証券 企業再生事業に進出 興銀第一ライフと組む 新ファンドを設立 みずほ証券が自己資金を投資して企業再生などを手がけるプリンシパル・ファイナンス事業に本格進出する。13日に投資顧問会社の興銀第一ライフ・アセットマネジメント(DIAM)と未公開株(プライベー卜・エクイティ)ファンドを運用する新会社を設立する。年内をメドに300億円程度で運用を始める。 新会社名は「ポラリス・プリンシパル・ファイナンス」。資本金はみずほとDIAMが50%ずつ出資する。国内外の未公開株などに投資し、高収益を狙う。みずほは4月にプリンシパル・ファイナンス業務推進室を立ち上げるなど、再生事業を新たな収益源とする準備を進めてきた。 運用資金300億円のうち、みずほが150億円を投資し、残りはみずほグループの取引先やDIAMの顧客である年金基金などから集める予定。 年金基金など幅広い顧客層を持ち、投資家としての経験も豊富なDIAMと組むことでみずほは投資家を確保し、財務・経営分析のノウハウも活用できるとみている。 新会社の社長には元東京三菱銀行の取締役で関西アーバン銀行の特別顧問を務めた高橋修一氏が就任する見通し。副社長はみずほとDIAMから1人ずつ就任する。 |
|
■2004/09/08
フジサンケイ ビジネスアイ 東京都の中小企業再生ファンド 運用者に大和プリンシパル 東京都は7日、10月下旬にも創設する中小企業の再生を支援するファンド、「中小企業再生ファンド(投資事業有限責任組合)」の運用者に大和証券グループ傘下の大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメンツ(東京都千代田区、以下大和プリンシパル)を内定したと発表した。 同ファンドの規模は100億円程度。このうち、東京都が25億円を出資し、残り約75億円を大和プリンシパルや地域金融機関から募る。約100億円の資金で経営再建を目指している中小企業の株式や債権を買い取る。大和プリンシパルは再建を果たした企業の株式売却で利益を上げる。 大和プリンシパルは、投資先の選定から再建計画の策定など経営再建までの助言業務を行う。北海道や栃木県が運営する企業再生ファンドなども運用実績があることが評価された。大和プリンシパルは大和証券グループ全体で収益の柱に育てようと注力する企業再生ビジネスの中核企業として位置付けられている。 |
|
■2004/09/07
フジサンケイ ビジネスアイ 熊本県 ベンチャー企業支援へ 「Vファンド」活用資金 熊本県は9月中に、優れた技術を持ちながらも財務状況などの理由で金融機関から通常の融資を受けることが難しいベンチャー企業を支援するため、三井住友銀行の「Vファンド」を利用した「くまもとベンチャー元気資金(SMBCVファンド活用型)」をスタートさせる。県の財政負担はないが、広報面で全面支援する。 同様のベンチャーファンドはほかにも存在するが、くまもとベンチャー元気資金の場合、借り手の手数料が減免される仕組みを全国で初めて取り入れた。 Vファンドは、企業が持つ技術や製品の評価をシンクタンクやコンサルタントに依頼して融資の可否を決定する同行の商品。原則として無担保・無保証で3000万―2億円を運転資金や設備資金として融資する。 財団法人くまもとテクノ産業財団が県内企業の窓口となり、同行に紹介。紹介を受けた同行は融資の審査に必要な手数料(通常30万―50万円)を一律15万円に優遇する。県はメールマガジンや広報誌などで融資制度の紹介を行う。県、同財団、三井住友銀行の三者で9月中に協定を結び、それからファンドの受付を開始する見通し。 |
|
■2004/09/07
日経金融新聞 不良債権処理で提携 リサ社のファンド活用 第四銀、不振企業向け売却 ペイオフ全面解禁にらむ 第四銀行は不動産・金融ベンチャーのリサ・パートナーズと不良債権処理で提携する。リサが設立する企業再生ファンド(基金)に第四銀が経営不振企業向けの貸出債権を売却する。ペイオフ(預金などの払戻保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)の全面解禁を控え、不良債権の残高を早期に圧縮し、経営の健全化を急ぐべきだと判断した。 第四銀の2004年3月期の不良債権残高は1607億円。前年同期に比べて20%減らした。6月末の不良債権比率(貸出残高に占める不良債権の割合)は6.16%だが、リサとの提携も含めて早期に5%台に引き下げる計画だ。 リサが設立するファンドは「にいがた事業再生ファンド」。投資先は新潟県内の中小企業で、貸出債権の回収に重大な懸念がある「破たん懸念先」が中心となる見込み。数社ごとに個別にファンドを設ける。 第四銀は取引先企業の同意を得たうえで、貸出債権を売却する。すでに売却先の選定作業を始めており、今期中に10社以上を対象に債権を売却する。売却は時価とするため、貸倒引当金が十分であれば問題ないが、不足していれば銀行には追加損失が発生する。 ファンドの運営・管理はリサが担当、債権は同社グループのアイ・アール債権回収(東京・千代田)が回収する。リサは新たな債権者の立場から、経営不振企業に対して不採算事業からの撤退やリストラを迫り、経営を立て直して収益に結びつける戦略。 ファンドにはリサ、アイ・アールのほか、機関投資家からも出資を募る。第四銀は当面、出資を見送る。不良債権を自らが出資したファンドに売却しても、連結べースで不良債権残高を削減したことにならない場合があるためだ。ただ将来的には出資も検討する。 リサは1999年の設立。社長は元日本長期信用銀行の井無田敦氏。不良債権の流動化や不動産投資事業を手掛け、2003年12月期の売上高は27億円。広島銀行、北日本銀行、滋賀銀行と再生ファンドを立ち上げ、第四銀が4行目。第四銀はリサと提携する理由を「再生を最優先させているため」(総合企画部)としている。 |
|
■2004/09/06
日経金融新聞 米ヘッジファンド・リサーチ 東京に事務所 指数連動型ファンド運用 ヘッジファンドの網羅的なデータベースを提供している米ヘッジファンド・リサーチ(HFR)グループが9月末にも東京に事務所を開設する。年金基金など日本の機関投資家がヘッジファンドでの運用を拡大しているため、指数連動型など透明性の高い運用手法でのビジネス機会を探る。 HFRグループはデータ提供部門のヘッジファンド・リサーチ社と資産運用部門のHFRアセットマネジメントの2社からなる。約3800のヘッジファンドの運用成績指数をタイプ別に日々公表しているほか、透明性が高い運用に合意したファンドを選び、ファンド・オブ・ファンズなどの形での運用を請け負っている。 東京に事務所を置くのは「保有証券を日々確認でき、時価を当社の基準で算定できるなど、機関投資家が納得しやすい仕組みで運用するヘッジファンドヘの需要が増えそうなため」(チーフマーケティングオフィサーのビル・サントス氏)。同社はシカゴ本社、ニューヨーク、ロンドン、ミラノに拠点を持つ。 |
|
■2004/09/05
日本経済新聞 再生ファンド投資 1兆円 本社調査 累計、前年の5倍 資金回収も拡大 企業の再生を支援する投資ファンド(基金)による国内企業への投資額が8月時点で累計1兆1794億円に上ることが日本経済新聞社の「再生ファンド調査」でわかった。前年調査の5.1倍に急拡大した。投資設定枠も計2兆3646億円に倍増し、投資余力は大きい。投資先企業を最終的な支援会社に売却するなど資金回収も進みつつある。資金全体のうち約9割を国内の出資者が拠出している図式も明らかになった。 調査では「企業の再生・成長を支援する投資を手がけている(予定を含む)」と答えた企業66社のうち、43社から具体的な投資額(すでに投資を回収した案件も含む)の回答を得た。あおぞら銀行を買収した米サーベラスなど具体的な投資額を回答していないファンドも加えると、国内企業への投資総額は1兆5000億円を超えるとみられる。 投資設定枠は前年調査の2.3倍となった。1社平均では約537億円で1.8倍に増えた。2004年度の新規投資目標は総額4011億円となり、当面、企業再生へ大規模な資金流入が続く見通しだ。 投資件数は延べ807社で、前回の418社から大幅に増えた。投資件数の増加に伴い、会社売却や株式上場などで資金回収した案件も増え始めている。ジャフコが2003年12月にトーカロを東証2部に上場させたほか、リップルウッドは買収した日本テレコムをソフトバンクに売却した。投資利回り(年率)の目標は平均で26.5%。ただ、実績は5%未満から50%超までかなり開きがあった。 ファンドヘの出資構成を回答した43社では、国内の出資者の比率(金額べース)が87.9%となった。63.6%のファンドが地方銀行など地域金融機関からの出資を受けているとしたほか、日本政策投資銀行など政府系金融機関から出資を受けているファンドも31.8%あった。 外資系ファンドでもカーライル・ジャパンのように日本企業向けファンドの過半数の出資を国内から受けているところがある。海外マネーが主体だったファンドに国内の資金が流れ込む図式が鮮明になっている。 ▼調査の方法 7月下旬から8月半ばにかけて147社の投資会社、ベンチャーキャピタル、事業会社などに調査票を送付し、78社から回答を得た。このうち企業の再生・成長を支援する投資事業を手掛けていると答えた66社(予定を含む)を対象に回答内容を集計した。 |
|
■2004/09/05
日本経済新聞 きょうのことば 再生ファンド ▽…機関投資家や個人から集めた資金を、破たん企業や経営不振企業の株式や債権に投資し、経営に深くかかわることでその企業の価値を向上させ、高い利回りを達成することを目的としたファンド(基金)。経営再建中の三菱自動車では再生ファンドが筆頭株主となり、ダイエーの再生でも出資の可能性が取りざたされている。 ▽…財務面のテコ入れだけでなく、人材や提携先の紹介、企業統治改革の提案など様々な手法で再生に取り組む。株式の持ち合いの解消やメーンバンクの弱体化などを背景にリスクマネーの供給役としての地位が高まっている。ただ、一般に株式保有期間は3−5年間で、長期安定株主にはなりにくい。 |
|
■2004/09/05
日本経済新聞 投資先 上位に非製造業 再生ファンド調査 再生ファンドによる投資のベースは年々、上昇している。日本経済新聞社の「再生ファンド調査」では2003年度には平均で8.9社に投資したと回答、前の年度の2.7倍に増えた。対象業種ではサービス、小売りという非製造業が上位につけた。ただ、フェニックス・キャピタルによる三菱自動車、カーライル・グループによるDDIポケットヘの投資など案件が大型化しており、各ファンドにとって出口戦略を間違えると、それまでの利益を帳消しにしかねないリスクも増大している。 回収手段 「事業会社へ売却」71% ファンドが主な投資対象とする業種(複数回答)にあげたのはサービスが69.7%でトップ。これに機械、小売りがともに62.1%で続いた。製造業と比べてサービス、小売りは一般に経営合理化が遅れているため、ファンドの支援で改善できる余地が大きいとみられる。 ファンドは技術革新が著しい分野の投資を避ける傾向が強い。投資後に急速に技術が陳腐化すると企業価値向上が難しくなるからだ。もっとも、金融を除くすべての業種で50%以上となり、「業種は制限していない」(アドバンテッジパートナーズのリチャード・フォルソム代表)ファンドも多いようだ。 一方、投資対象企業のタイプ(複数回答)を聞いたところ、60.6%のファンドが「大企業の一部事業」を挙げた。大企業の「選択と集中」の動きに注目しているようだ。56.1%は「後継者のいない中堅・中小企業」にも投資する。逆に「法的整理企業」「私的整理企業」はそれぞれ40.9%、39.4%と低かった。 投資回収の手段(複数回答)としては「事業会社への売却」が71.2%で最も多く、「株式上場」の62.1%を上回った。このほか「他ファンドヘの売却」が36.4%あった。 大半のファンドは一定期限内で運用成績をあげる必要がある。株式上場の場合、準備の手間がかかるため、早めに事業会社に売却した方が、運用成績を高めるのに有効なことも多いようだ。他ファンドヘの売却ではジャフコがアミューズメント施設運営のアムリードをラフィアキャピタルに売却した例などがある。 平均利回り34% 米系基金と同等の実績 これまでの投資の現時点での利回りを聞いたところ、有効回答があった9社の平均は34.8%となった。年率20―30%以上の利回りを目標とすることが多い米系投資ファンドと同等の実績をあげているようだ。 今後の投資利回り目標は回答があった29社平均で26.5%。引き続き高い水準を目指していく構えだ。 ただ、数多くのファンドが再生事業を手掛けるようになった結果、一つの案件の支援獲得を巡り、複数のファンドが競争し、落札価格が上昇する傾向にある。高い利回りへの期待で国内の多くの金融機関からファンドに資金が流れ込んでいるが、従来と同水準の利回りを確保できるかには不透明感が強い。 再生機構の評価 「役に立つ」47%に上昇 2005年3月末の債権買い取り期間まで半年となった産業再生機構への評価を尋ねたところ、「役に立つ」との回答は47.0%だった。支援決定案件がまだなかった前年調査より3.9ポイント上昇した。 ただ、「役に立つ」としたファンドの中にも「民業を圧迫しないようなやり方で機能してほしい」「銀行間の調整役に徹することができるなら有用」と指摘するなど、再生機構がファンドと競合することは望ましくないとの意見がみられた。 「どちらとも言えない」と「わからない」という慎重な見方は計40.9%あった。 |
|
■2004/09/05
日本経済新聞 資産運用 相場下落でも利益確保 商品ファンドの仕組み 元本割れのリスクあり 原油価格の高騰で、商品(コモディティー)投資に関心が集まっている。今夏来日した著名投資家、ジム・ロジャーズ氏も今後の有望な投資先として原油や穀物などの「商品」を挙げた。個人投資家でも簡単に商品投資できる「商品ファンド」の仕組みと運用のポイントをまとめた。 商品ファンドは一言でいえば投資信託の商品版。通常の投信が個人投資家から集めた資金を株や債券で運用しているように、商品ファンドは主に原油、穀物、貴金属などの市場で運用する。商社や商品取引会社などが販売しており、各社のホームページなどで説明書を入手し、窓口や郵便などで申し込みできる。投資家の資金を販売会社から分離保管する商品ファンドが多く、仮に販売会社が破たんしても投資家に不利益が生じない仕組みとなっている。 最低投資額は10万―100万円が一般的。購入時に1―3%程度の販売手数料がかかる。商社などが商品投資の専門家である商品投資顧問(CTA)へ運用を委託しており、運用中はCTAへの運用委託手数料や管理手数料などがそれぞれ年2%程度かかることが多い。運用期間は5年程度で満期になると償還される。 最大の特徴は株や債券相場(長期金利動向)とは違った値動きをする点。例えば1987年の株価大暴落「ブラックマンデー」の際に、米国株は3ヵ月で2割以上下がったのに対し、米商品ファンド指数は2割以上上昇した。右下のグラフからも相関関係があまりないことがうかがえる。「株価や債券相場と関連性が 薄い商品に分散投資するため」と説朋されている。 資産の2割メド 加えて投資対象の多くが先物市場のため、「売り」から入ることが多いのも特徴の一つ。CTAが相場下落を想定した場合、まず売って、下落後に買い戻せば利益を確保できる。貴金属アナリストの亀井幸一郎氏は「個人にとって、相場下落局面でも利益を上げられる数少ない商品の一つで、分散投資の一環として資産の2割をメドに投資する価値はある」と話す。 日本では商品ファンド法で資金の半分超を商品に投資するよう定めている。残りは通常の金融商品で運用することも多く、三井物産の「アセットトライ」は債券や金利先物などに投資、三菱商事の「ダイヤモンド・セレクトFX」は為替取引でも運用している。 運用手法には「裁定取引(アービトラージ)」と「トレンドフォロー」の2種類がある。裁定取引型は、同一商品でありながら市場が異なる場合などに生じる小さな価格差を利用して利益を稼ぐ手法。例えば東京穀物商品取引所の大豆価格が、主要産地である米国のシカゴ商品取引所の価格に海上運賃などを加えた理論値と差がある場合、この差を狙って売買する仕組みだ。右グラフのように変動幅が小さくなるため、利幅は小さいが、元本割れのリスクも低い。 一方、トレンドフォロー型はチャート分析などを基に、上昇、下落など相場の局面を予想して投資する。予測が当たって一方向の相場が長く続けば利益は大きいが、外れて損失を被る場合もある。裁定取引型よりリスクが大きく「相場の方向感が定まらない場合は収益をあげにくい」(商品投資顧問アストマックスの牛嶋英揚社長)。 最近では、豊商事の「ユタカ・オープン・トラスト」のように二つの型を組み合わせたファンドも登場。商品ファンド選びでは、まず運用手法がどのタイプか確認しよう。 運用成績確認を 運用状況はどうか。日本商品投資販売業協会の調べでは、運用開始後1年以上たったファンド30本のうち、6月末時点で過去1年の騰落率がプラスだったものは17本。逆に5%以上マイナスとなったものが7本ある。分散投資しても、元本割れの可能性が常にあることを認識する必要がある。 リスクを抑える仕組みを導入したファンドも多い。その一つがロスカットライン。運用に失敗し1口当たりの資産価値が一定水準(20―30%が一般的)まで目減りしたら、運用を中止し繰り上げ償還する仕組みだ。1口10万円で20%のロスカット水準を設定している場合、資産は8万円を割り込むことはない。 商品ファンド法では「契約前交付書面」でリスクを明示するよう義務付けており、細かな商品内容の確認が鉄則。CTAの運用手腕を知るには過去の成績が参考になるので、各社のホームページでチェックする必要がある。 購入後、中途解約できなかったり、手数料が必要になったりする商品もあるので、この確認も欠かせない。日本ユニコムの「オプション・マスター」は購入時の販売手数料がいらないうえ、購入から半年たてば解約手数料もかからない。こうした手数料コストを考慮してファンドは選ぶべきだ。 (商品部 佐藤洋輔) |
|
■2004/09/02
日経金融新聞 世界203REITに連動 みずほ信託銀行は今秋、企業年金向けに海外の上場不動産投資信託(REIT)を対象とした指数連動型ファンドを立ち上げる。世界各国のREITに分散投資するため価格が急落するリスクを抑えることができ、株式や債券などとの価格連動性も小さいとしている。企業年金はリスク分散のために、不動産投資の比重を高める傾向が強まっており、今年度200億―300億円の売り上げを目標に掲げている。 みずほ信託、年金向けファンド リスク抑制、安定配当 みずほ信託によると、企業年金向けの指数連動型海外REITファンドは国内で初めて。指数にはスタンダード・アンド・プアーズの世界REITインデックス「S&Pシティグループ・グローバルREITインデックス」から、日本のREIT分を除いた独自の計数を使うことにした。この独自指数は米国やオーストラリア、フランスなど9ヵ国の事務所や住宅、店舗、ショッピングセンターなどを含むREITの203銘柄で構成。新ファンドは原則として全銘柄に投資する。 同指数の過去10年の収益は年平均10%を超えるという。このうち7%超は賃料収入をもとにした配当収入が占めるため、安定性が高いと説明している。為替ヘッジはしない。 複数の不動産投信を組み入れるファンドは昨年7月に解禁になった。これまでのREITファンドは特定銘柄に絞って投資するアクティブ運用が多く、指数連動型はほとんどない。みずほ信託も年金向けに国内不動産の特定銘柄に絞って投資するJ―REITファンドを立ち上げている。 ただ、海外の不動産市況は安定的に推移するとみずほ信託はみている。数多くのREITに投資すれば、収益の安定性は増すと判断した。国内の不動産投信市場は1兆円に満たないが、米国市場は約30兆円、オーストラリアは5兆円に達する。 企業年金は収益源の分散と利回り向上が課題となっている。リスクの大きさで一般的に株式や債券の中間に位置づけられる不動産投資を強化している。 |
|
■2004/08/28
日本経済新聞 栃木版再生ファンド決定 経済産業省は27日、足利銀行の一時国有化に伴い資金繰りが苦しくなった栃木県内の中小企業を支援するため「とちぎ中小企業再生ファンド」(仮称)を9月に設置すると発表した。出資総額は50億円で、中小企業基盤整備機構が25億円を出資し、県内に本店を持つ金融機関も出資する。対象企業の株式取得、金融機関からの債権買い取りなどを行う。同様のファンドの設立は全国で4件目。 |
|
■2004/08/26
毎日新聞 不動産私募ファンド組成 セレコーポレーション 都心アパートが対象 集合住宅建築のセレコーポレーション(東京都港区、神農雅嗣社長)は、東京都心部の新築低層住宅(アパート)を投資対象とした不動産私募ファンド「エスパスファンド1号」を組成した。セレが同ファンドに売却した自社物件のアパートは6棟で、価格は約7億3000万円。今後さらに8物件をファンドに組み込み、総額20億円の資産規模とする。 首都圏で比較的需要が堅調なシングルタイプのアパートが対象。セレが物件の信託受益権を特定目的会社(SPC)のエスパスに譲渡。投資家からの出資を集める。 募集総額は5億円。すでに第1回募集を終え、国内の機関投資家などから1億9000万円の出資を得た。来年3月に第2回(5000万円)、同5月に第3回(2億6000万円)の募集を行う予定。 運用期間は5年間。グループの不動産コンサルティング会社が資産運用を行い、建物の賃貸管理・運営はプロパティマネジメント(PM)と呼ばれる不動産管理会社に委託している。5年間一括借り上げ方式で、配当は年平均10%を目指している。5年間の運用期間終了後は不動産投資信託(REIT)への売却も検討している。セレにとって不動産の保有リスクをなくし、グループ会社が手数料収入を得るメリットがある。最終的には100億円規模まで拡大させる方針だ。 |
|
■2004/08/26
日経金融新聞 5社に1億9000万円 伊予銀のVBファンド投資 【松山】伊予銀行といよぎんキャピタル(松山市、篠浦由一社長)は昨年7月に共同設立したベンチャーファンド(基金)の「いよベンチャーファンド1号投資事業有限責任組合」による投資実績を発表した。対象は5社、投資総額は合計1億9000万円。伊予銀は「結果は想定通り」(金融サービス部)としており、将来は20億円規模に投資額を広げる方針。 昨年8月に無細胞生命科学工学を研究する愛媛大学の遠藤弥重太教授らが設立したバイオ企業「セルフリーサイエンス」に9000万円を投資。このほかバイオや情報技術(IT)分野などの企業に1社当たひ600万―9000万円を投資した。大学発ベンチャーの発掘にも取り組んでいる。 いよベンチャーファンドの基金総額は5億円で、伊予銀が4億8500万円、いよぎんキャピタルが1500万円を出資した。瀬戸内圏域を中心に、将来性のある技術や商品を持つベンチャー企業を投資対象としている。 |
|
■2004/08/26
日本経済新聞 オリックスがファンド運営会社 投資銀行部門の一部分社 出資比率下げ 中立性高める オリックスは投資ファンド(基金)運営会社を新設した。経営者らによる買収(MBO)などのバイアウト案件、企業再生案件を中心に投資する。まず運営会社、基金ともオリックスの出資で発足。来年には運営会社へのオリックスの出資比率を下げるほか、投資家から資金を募って約500億円の新基金も組成する。基金の中立性を高め、投資案件を増やす狙い。 新設の運営会社はOPEパートナーズ(東京・港、嶺英俊社長)。オリックスの投資銀行本部の一部門が分社し、資本金5000万円はオリックスが全額出資した。従来はオリックス内部で投資活動をしてきたが、OPE設立に伴ってオリックス単独出資の200億円の基金をOPEが運用する形に移行した。投資の一部は売却などの回収段階にあり、運用成績は年率30%超という。 2005年中にOPEの役員・社員らがOPEに出資し、オリックスの出資比率を下げる。2005年3月をめどに外部の投資家から出資を受ける新基金も組成。2005年末まで募集を続け、約500億円を集める計画だ。運用期間は8―10年程度で、日本企業を中心にアジアの企業も含めて15件程度投資する。 運用の中立性を確保するため、新基金設立の段階でオリックス単独出資の基金は新規投資を中止する。OPEは当初9人で立ち上げ、大型基金の組成をにらみ中途採用で15人程度まで増やす。 |
|
■2004/08/25
朝日新聞 企業再生 下 新しい主役たち 官製ファンド 市場機能阻むリスク 「ユニホームの胸のスポンサーとなり、チームの一員として本腰を入れて応援したい」。リーグ第2ステージが開幕した14日、音楽プロデューサーの小室哲哉氏は大分トリニータの本拠地ビッグアイ(大分市)の会議室でユニホームを掲げ、そう発表した。 今年3月、年間収入の4分の1にあたる4億円を依存してきたスポンサーが突如、契約打ち切り方針を示した。約3億円の累積赤字を抱え、銀行の追加融資も難しい状態のトリニータは存続の瀬戸際に立たされた。 危機を救ったのは大分銀行の投資子会社が運営する「大分企業支援ファンド」だ。ここから受けた1億円余りの投資が呼び水となり、地元金融機関が約1億円の融資を決定、小室氏の会社など2社が大口スポンサーに名乗りをあげた。 お墨付き効果 「大分ファンド」は1月に中小企業基盤整備機構の資金を活用するファンドの第1号として生まれた。経済産業省が「産業再生機構の地方版」として導入した制度だ。大分銀行など地元金融機関も出資しており資金は50億円。これまでに6件の投資を決めた。 国や自治体の公的資金が入る官製の企業再生ファンドが全国各地に誕生している。中小機構は毎年度200億円強を出資向けに準備しており、出資対象のファンドは茨城、静岡で発足、近く栃木県でも設立される。自治体では北海道、宮崎県、長野県などが地元ファンドに出資している。 このほかに政府系の日本政策投資銀行も20以上のファンドに計1000億円超を出資した。 静岡の再生ファンドを運営する静岡キャピタルの鈴木庸夫社長は「国の出資があれば金融機関側も出資しやすい。支援する企業にも安心感を与える」と官製のお墨付き効果を評価する。 利益重視の民間ファンドと異なり、官製ファンドでは再生の可能性だけでなく、地方経済や雇用への影響なども考慮して投資先を決める。例えば、大分ファンドの最初の投資もそうだ。マンション事業の失敗で経営が傾いた地元の港湾土木会社への投資は地元建設業界への支援の意味もあった。 バラマキ行政 一方で、地元支援は一歩誤れば「ファンドを使ったバラマキ行政」(大手シンクタンク)になりかねない側面もある。 トリニータヘの投資では自治体の論理も見え隠れする。02年のサッカーW杯会場として約250億円の事業費をかけたビッグアイでは、年間約2億5000万円の赤字が続く。運営維持にはトリニータ存続が不可欠だからだ。「解散すれば県が笑い物になる」(大分ファンド関係者)というメンツの問題もあった。 民間ファンドの投資先選定では年率30%以上の利回りが目安とも言われる。これに対し、官の論理がはびこりやすい官製ファンドの期待利回りはずっと低い。大分では年率10%程度を見込むが、それさえも確実とは言えない。 納税者への情報開示の問題もある。公的資金を投じる支援企業の名前、支援額、選定理由などを公表している官製ファンドは少ない。「支援先企業に風評被害が起きかねない」という理由からだ。 小泉政権のデフレ対策の目玉として03年4月に発足した産業再生機構もいわば国の「官製ファンド」で、やはり同じ問題を抱える。日本経済への影響を考慮して企業救済の色彩を強めすぎると、公的資金を毀損(きそん)させたり、市場に影響を与えたりするからだ。 再生機構はこれまでに21件の支援を決めたが、民間ファンドと競うことも少なくなかった。カネボウ支援では民間ファンドや化粧品部門の買収をめざす花王と争った。ダイエー支援を巡っても民間ファンドとせめぎ合っている。このため「官業による民業圧迫」との批判も強い。 国や地域の経済再生に効果を発揮すると期待される官製ファンド。だが、その存在は常に市場原理をゆがめる危険をはらんでいる。 (永田稔、稲田清英) |
|
■2004/08/25
日経金融新聞 不良債権買取ファンド アジア潜在需要高い アジア開銀と組み設立 【香港=佐藤一之】アジア開発銀行(ADB)が香港の金融コンサルティング会社、アジア・デット・マネジメント(ADM)と組んで不良債権買い取りのファンドを設立した。同ファンドは過剰債務を抱え、財務再建を迫られているアジアの企業が対象。ADMのディレクター、クリストファー・ボツフォード氏に狙いなどを聞いた。 −−ADBとして初の不良債権買い取りファンドの設立だ。 「アイデアはこちらから持ち込んだ。対象地域インドや中国も含む。ファンドはこれらの地域の企業の貸し出し債権を買い取り、企業再生を支援する。ADBにとっても利点は大きい」 −−当初は1億3800万ドルでスタートする。ADBの出資額は。 「ADBはそのうち、2000万ドルを出資する中核の投資家だ。残りは15―20の欧米の機関投資家で賄う。日本の投資家からも出資を得たいと考えており、5年以内に5億ドルに引き上げたい」 −−なぜアジアなのか。 「不良債権買い取りの潜在需要が高いからだ。通貨危機後、多くのアジア企業が淘汰(とうた)の波にさらされたが、生き残った企業でも厳しい経営が続いている企業が少なくない。アジアの不良債権の残高は9000億ドル近くに達する」 「アジアは法体系が確立されている米国などと違い、企業再建には多くの困難を伴う。この種のビジネスは基本的には高リスクだが、よく研究して適切な戦略が打たれれば高リターンがもたらされる。我々にはそうしたノウハウがある」 |
|
■2004/08/25
日経金融新聞 外国株対象に指数運用 住友信託 年金向け新ファンド 住友信託銀行は9月上旬にも、アクティブ運用と指数連動運用を組み合わせてリスクを抑制しながらパッシブ運用を上回る運用成果を目指す「エンハンスト指数」運用で、初めて外国株式を対象にした企業年金向け合同口ファンドを設定する。金利先高観を背景とした国内債券の代替商品への需要の増加に応え、年内にも残高300億―400億円規模の受託を目指す。 大型年金基金を中心に、国内株対象のエンハンスト指数運用の組み入れが進んでいる。住友信託は日本株と同様の手法で外国株のポートフォリオを構成し、超過収益を狙う商品を開発した。 株価の動きが類似した国や業種などを30のカテゴリーに分類、リスク管理する。1000銘柄程度で構成する。 |
|
■2004/08/22
日本経済新聞 資産運用 塩漬けファンドで節税も 投信税制の活用法 特定口座で申告不要に 投資信託(ファンド)の税制が今年から変わり、基本的に来年の確定申告を考える必要のある商品になった。新税制では株式投信の売買で出た損益を、株式売却益などと相殺できる。10月からは、税の計算を証券会社などがしてくれる「特定口座」に、ほとんどの株式投信を入れることも可能となる。投信税制をうまく使うポイントをまとめた。 株式の場合、その年に売買した銘柄の値上がり益と値下がり損を相殺し、最後に残った利益部分だけが課税対象(税率10%)となる。この損益通算の仕組みを今年から株式投信にも適用できるようになった。税率も株式と同じ10%に統一された。 では実際に節税できるのはどのような場合か。典型的なのが今年、株式売買でもうけながら、ITバブル時などに購入した投信の含み損を抱えている人。塩漬けになっているファンドを換金して損失を確定すれば、課税対象となる株式売買の利益を圧縮できる。 例えば下図の場合だと、株式の売却で40万円の利益が出ているので、税額は4万円となる。しかし基準価格が下がったまま抱えていた投信を換金して30万円の損失を確定すれば、損益通算して税額を1万円に減らせる。 逆に株式投信で利益を確定する場合も、損が出ているほかの株式投信や株を同じ年に売却すれば、損益通算できる。 通算後に損失が出る場合は、損を翌年以降に繰り越し、最長3年先の利益と相殺できる。向こう3年間に株式売却益などが出れば、節税に使えるわけだ。投信の成績が回復する見込みがないと判断した場合は換金し、その資金をほかの運用に回すという利点も生まれる。 ただ、株式に比べて課税方式が複雑だ。 まず、損益通算できる投信は税制上、「株式投信」に分類される種類のみ。債券で運用する「公社債投信」は対象外となる。 ここで注意したいのは公社債だけで運用する投信にも「株式投信」に分類されるものがたくさんあること。外貨建て債券で運用する人気商品「グローバル。ソブリン・オープン」はその代表例だ。商品分類はパンフレットや目論見書に書いてあるので確認しよう。 なお外国の投信も株式投信なら損益通算の対象となり、税率も国内の株や投信と同じ10%だ。 また通算できるのは、投信の損益の中で、売買にかかわる「譲渡損益」部分のみ。株式の配当にあたる分配金は「配当所得」とみなされ、源泉徴収されるため、損益通算できない。 「買い取り」有利 投信の換金方法には2種類あり、それによって適用される税制が大きく違ってくる。一つは「買い取り請求」で、投信の販売会社がいったん自己勘定で顧客から買い取り、投信会社に持ち込んで解約する方式。この場合、損益は譲渡損益に分類され、ほかの損益と通算できる。 もう一つの「解約請求」は投信会社と直接、契約を解消する形式。解約損の場合は「みなし譲渡損失」という扱いとなり、ほかの譲渡益と通算できる。しかし解約益が出ると配当所得に分類されるため、ほかの譲渡損失とは通算できない。 購入時に支払った手数料の税制上の扱いも異なる。買い取り請求なら、手数料を経費として取得価格に上乗せできるので、課税対象となる利益を圧縮できる。一方、解約請求では、損失が出た場合は経費として認められるが、利益が出ていると経費として認められない。 つまり、基本的に買い取り請求の方が有利といえる。ただ販売会社や投信によっては買い取り請求に応じない場合もある。10月以降は大半が対応する見込みだが、「さわかみファンド」のようにまったく買い取り請求に応じない例もあるので注意しよう。 投信の損益計算はややこしい場合がある。取得時と売却時の基準価格を単純に差し引けば済むケースもあるが、途中で分配金が出ていると計算が複雑になることがある。損益に疑問があれば、証券会社などの販売会社に納得いくまで問い合わせよう。 確定申告などの手続きが面倒なら特定口座を活用しよう。 源泉徴収あり口座 特定口座は口座に入れてある株式や株式投信の年間損益を証券会社などが自動計算してくれるサービス。「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があり、「源泉徴収あり」の口座を選べば、納税も代行してくれるため、基本的に申告は不要となる。 今年4月までに外国の株式投信はすべて特定口座に入れられるようになったが、10月からは国内の株式投信も対象になる。株式運用のための特定口座を持っている証券会社で株式投信を買った場合、この投信を特定口座に入れてしまえば便利だ。 ただし「源泉徴収あり」の口座でも申告が必要になるケースがある。複数の証券会社の特定口座の間で損益通算する場合や、損失を翌年以降に繰り越す場合などだ。特定口座に入れる際は、証券会社などで税制をよく確認して選ぶべきだ。 (日経マネー編集部 臼田正彦) 投信税制3つのポイント 1.株式投信と株式の損益通算可能 ・株式投信と株式の年間譲渡損益を通算し、量後に残った利益にのみ10%課税 2.投信の換金方法で税額が異なる ・買い取り請求による損益は譲渡損益となり、ほかの損益と通算可能 ・解約請求による利益は配当所得となり、通算できない。損失のみ通算可能 ・外国の投信は買い取り請求しか選べない 3.特定口座の活用が便利 ・「源泉徴収あり」の特定口座を選べば、原則、確定申告が不要に ・国内の株式投信は10月から特定口座に入れられる。手持ちの投信を入れられるのは来年9月末まで ・外国の投信や上場投信は既に特定口座に入れられる。手持ちの投信を入れられるのは今年末まで |
|
■2004/08/24
朝日新聞 企業再生:上 新しい主役たち 台頭 民間投資ファンド 改革促進 旧来の経営断てる強み 企業再建の舞台で国内系の「企業再生ファンド」と呼ばれる投資グループが主役に躍り出ている。三菱自動車の立て直しで注目を集めたほか、ダイエー再建の舞台裏でも活躍している。投資家から集めた巨額の資金を不振企業につぎ込み、短期で再生させ株式売却益を稼ぎ出すのが狙いだ。地方の再生ファンドには官マネーが投入されるケースも目立つ。新しい再建の主役たちの現場を追った。 アイデア発掘 「安さ爆発」の宣伝で知られる家電量販店さくらや。競争激化や新規出店の遅れで販売不振に陥り、オーナー経営者は6月、再生ファンドのフェニックス・キャピタルに経営権を譲った。ダイムラークライスラーや三菱グループだけではできなかった三菱自動車の再建に乗り出し、筆頭株主となって名を上げた国内系ファンドだ。 フェニックスはさくらやに大手スーパー元役員や会計事務所出身者らで構成する経営チームを送り込み、85億円を投入した。改革第一弾は今週実施する主力店舗の改装。これまで利益率が高いという理由でプリンター用インクなどの消耗品で占められていた1階店頭を、売れ筋のデジタル機器売り場に変える。店員からの聞き取り調査で埋もれていたアイデアを掘り起こした。 改装の指揮をとる鈴木政貴さん(47)はフェニックスの抜擢(ばってき)人事で店長から取締役になった。「社員がゼロからつくり上げる喜びが今はある」 内外から次々 90年代半ばまでの企業再建では、主力銀行が債権者として経営監視を強めたり、法的整理で倒産したあとにスポンサーが事業管財人として入ったりするのが一般的だった。 再生ファンドは企業再生手法を組織のシステムとして確立し、かつての銀行やスポンサーの役割を一手に担う。「破綻(はたん)」のマイナスイメージを避けつつ、旧来の経営を断ち切った改革にも乗り出せるのが強みだ。3〜5年で再生して企業価値を高め転売すれば、巨利を得られる。リスクもチャンスも自らで抱える。 日本にファンドが根付く契機となったのは97〜98年の金融危機。最初に大型案件でこの手法を持ち込んだのが、旧日本長期信用銀行(新生銀行)を買収した米リップルウッド・ホールディングスだ。その後も銀行や事業会社の破綻が続き、投資案件が増加。経営に投入できる人材も容易に集められるようになった。このため、他の外資系も次々と参入。追うように日本の銀行出身者らが設立した国内系の民間再生ファンドも相次いで立ち上がった。 不良債権処理を迫られている銀行にとっても、ファンドを活用すれば不振企業向け債権を財務諸表から切り離せる利点があり、再生ファンドには追い風だ。三菱総研の調べによると、国内でファンドが集めた投資資金は04年前半だけで約2500億円と市場は急拡大している。 答えはまだ先 02年7月に会社更生法を申請して経営破綻した繊維資材メーカー、テザック(大阪市)。株主となった日本みらいキャピタルは社長ら役員4人を派遣し、生産現場での改革を積み重ねている。 大阪府貝塚市のロープ工場。受注したある仕事の工期についてベテラン課長の日根野喜代司さん(54)が経験を頼りに「30〜40日かかる」と説明すると、経営コンサルタントからは「就業時間中に機械を動かし続ければ18日でこなせる計算」と指摘された。話し合いの末、分刻みの目標を新設。工期を25日まで短縮した。 昨年6月に民事再生法を申請して破綻した老舗(しにせ)の靴下・下着メーカー福助。その新社長に伊勢丹出身のカリスマバイヤー藤巻幸夫氏(44)を送りこんだMKSパートナーズも再生ファンドだ。 本社を大阪からファッションの拠点とされる東京・原宿に移転。デザイナーを大幅に入れ替え、流行に敏感な女性社員の割合を4割近くにした。自社ブランドを立ち上げ、今秋には直営店も出店する。「繊維産業だった福助をファッション産業に変える。お客が欲しいものを作る」と藤巻社長は意気込む。 リップルウッドが今年2月に新生銀行(旧長銀)を再上場させた成功例も出ているが、大半のファンドは企業再生に着手したばかり。再生ファンドが日本経済の再生の追い風となるかどうか、答えが出るのはまだ先だ。(海東英雄、琴寄辰男) |
|
■2004/08/21
日本経済新聞 再生ファンド 旅館運営代行 みらいキャピタル 企業再生ファンドの日本みらいキャピタル(東京・港)は、2月末に買収した興人(東京・中央)の不動産部門の再建を加速する。不動産部門を母体に発足した「日本アセットアドバンス」(東京・千代田)が人材派遣事業、旅館の運営代行事業に進出する。 日本アセットはホテルやレストラン専門の人材派遣のオー・ビー・エス(東京・渋谷)をこのほど買収した。買収金額は1億円以下のもよう。オー・ビー・エスは約1200人の登録人員を抱え、年間売上高は約3億円。 |
|
■2004/08/20
日本経済新聞 政投銀出資1000億円に 企業買収ファンド ユニゾンなど2社を追加 民業圧迫批判も 日本政策投資銀行は企業買収ファンドを運営する独立系のユニゾン・キャピタル、みずほ系のみずほキャピタルパートナーズ(CP)に数十億円ずつ出資することを決めた。公的な信用補完により企業再生に必要な資金を民間の機関投資家から集めやすくするのが狙い。これにより政投銀の企業買収ファンドヘの出資は計12件、総額で約1000億円に達する。 政府系金融機関による「民業圧迫」との批判が出そうだ。一方で、民間ファンドが投資家の信用を得るために「政投銀依存」を一段と強めているとの指摘もある。 出資先はユニゾン・キャピタルの2号ファンド(総額500億円)、みずほCPの2号ファンド(同320億円)。ユニゾンとみずほCPはいずれも2000年までに組成した1号ファンドによる投資が順調に進み、新ファンド設立に動いた。 ユニゾンは一時、カネボウの買収にも名乗りを上げたほか、東ハ卜、アスキーなどの買収実績がある。政投銀は「欧米勢に対抗して大型案件を手掛けられる国内ファンド」と判断した。みずほCPは大手銀行系のファンドでは最も積極的に企業買収・再生に乗り出している点を評価した。 政投銀はこれまでMKSパートナーズ、アドバンテッジパートナーズ、フェニックス・キャピタルなど国内外の独立系・銀行系の10社のファンドに出資しているが、今回で主要ファンドヘの出資がほぼ一巡する。 政投銀は民業圧迫批判に配慮し、今後はファンドヘの出資基準を厳格にする方針。出資の重点対象を地方の企業再生を担う小口のファンドなどに徐々に切り替えていくとみられる。 |
|
■2004/08/20
日本経済新聞 ベンチャー向け300億円/不動産100億円 ミレアグループが投資ファンド ミレアグループが相次いで投資ファンドをつくる。企業年金など外部から資金を集め、年内にも300億円規模のベンチャーファンドを発足させるほか、首都圏や地方都市の商業ビルに投資する100億円規模の不動産ファンドを今秋以降に順次組成する。中核の損害保険事業は成長が鈍っているため、注命保険や海外など新規保険事業の強化に加えて、ファンドの運営管理による手数料収入を増やしていく狙いがある。 東京海上火災保険の子会社でベンチャー企業や情報技術(IT)企業などへの投資を手がける東京海上キャピタルは300億―350億円規模の新ファンドを設ける。生保や企業年金など機関投資家に加えて事業会社からも幅広く資金を集める。ファンドの運営管理費用として投資家から年に2―3%程度の手数料を徴収する。 ミレアの不動産関連事業を統括するミレア・リアルエステイトリスク・マネジメントは今秋以降、100億円規模の不動産ファンドを相次いで組成する。首都圏の大規模商業ビルに投資するファンドに加え、地方都市の中小物件に的を絞ったファンドも組成し投資家の多様な需要に応える。ファンドの組成時に出資額の1―5%程度を徴収するほか、四半期ごとにも運営管理費用を徴収する仕組みだ。 ミレアのファンド事業は三菱グループの厚い顧客基盤が強み。これに加え、ベンチャー投資や不動産鑑定に経験豊富な外部人材をトップに招へいするなど専門性を高めることで、さまざまな業種からの新規参入が盛んな同事業での生き残りを目指す。 |
|
■2004/08/17
フジサンケイ ビジネスアイ 検証i. 期待の投資対象 アニメファンド 規制緩和が普及の条件 市場がなく利便性に課題 アニメに投資しませんか―。コンテンツ(情報の内容・番組)分野における投資関連業務などを手がけるジャパン・デジタル・コンテンツ(JDC)は日本で初めて、テレビで放映されるアニメを投資対象とするファンド「アニメファンド!」を立ち上げた。個人投資家にとって投資先が、コンテンツ制作にかかわる企業には資金調達先が新たに誕生した。(松元洋平) 「アニメファンドヘの出資者は、株式などリスク商品への投資経験がある一般投資家になるのでは」。9月13日の募集開始日を前に、JDCの土井宏文社長はアニメファンドヘの出資者像をこう予測する。 アニメファンといえば、毎週末に東京・秋葉原界隈に出没する、いわゆる”アニメおたく”と連想されがち。アニメファンドヘの出資者も、だからアニメおたくが中心になると思いきや、そうではないと断言する。 こうした予測の根拠には、過去の経験測がある。昨年12月末にJDCが中心となって立ち上げた、5人の新人グラビアアイドルを投資対象としたファンド「新人グラビア☆アイドルファンド」への出資者の約7割が、株式投資の経験をもつ普通の個人投資家だったからだ。 こうしたコンテンツファンドの人気はどうか。グラビアアイドルファンドの例を見ると、人気は上々だ。ファンドの規模が2500万円(一口5万円)と少額だったことに加え、話題性も手伝って、募集開始初日で応募枠がほぼ埋まったというほどの人気ぶりを見せ付けた。 ただ、出資者はごくわずか。いわば“隠れた投資商品”に過ぎない。こうした現状を打破するには、投資家のすそ野拡大につながるコンテンツファンドのラインアップの拡充が欠かせない。 とはいえ、「コンテンツなら何でもファンドにできるわけではない」と土井社長は指摘する。ラインアップの拡充に立ちはだかる大きなハードルが存在しているためだ。 その障害とは規制だ。規制の緩い投資先進国の米国では、ブロードウェーのミュージカルやハリウッドの映画といったコンテンツヘの出資がごく当たり前に行われている。英国では歌手のデビット・ボウイさんの活動そのものを担保に発行した債券、通称ボウイ債が有名だ。 一方、日本では劇場などで公開される興行目的の映画への出資は商品ファンド法で厳しく制限されている。映画だけでなく、競走馬、絵画なども規制対象になっている。アニメもDVDやビデオなら投資対象になるが、映画はファンドにならないというわけだ。 また、利便性の観点からも課題が残る。コンテンツファンドは株式と違って売買できる市場が存在しない。このため、途中で売却や転売、譲渡ができない。こうした現状が、コンテンツファンドヘの出資に二の足を踏ませている。現状をみるかぎり、投資家、コンテンツ制作会社とも使い勝手がいいとはいえない。 欧米では広く浸透しているコンテンツファンドだが、日本ではようやく産声をあげた段階に過ぎない。こうした規制が緩和されてこそ、コンテンツファンドが市民権を得るとともに、“真のコンテンツ王国”になれるのかもしれない。 1口5万円で2億4000万円調達へ JDC「アニメファンド!」 配当制限に魅力減退の懸念も JDCが中心となって組み立てた「アニメファンド!」で集めた資金は、テレビ放映するアニメの制作費に充てるとともに、テレビ放映後に販売するDVDやビデオなどの売上高に応じて投資家に配当する仕組みだ(図表)。一口5万円から募集を受け付ける。 投資対象となるアニメ作品は、人気漫画シリーズとして累計販売部数が100万部を超える「バジリスク甲賀忍法帖」(講談社、原作・山田風太郎氏/漫画・せがわまさき氏)を原作としたテレビ用アニメ「バジリスク」(仮称)。制作費3億4000万円のうち、2億4000万円分を個人投資家からの出資で賄おうというわけだ。 ファンドの組成は、JDCが行い、アニメの制作はゴンゾ(社長・梶田浩司氏、東京都新宿区)が担当する。インターネット証券のジェット証券(社長・釜野真宏氏、東京都千代田区)と楽天証券(社長・國重惇史氏)が同ファンドを販売する。個人投資家は、今回のプロジェクト専用に設立されたSPC(特別目的会社)との間で匿名組合契約を締結することで出資する形をとる。 気になる投資の損益分岐点だが、アニメのDVDやビデオなどの合計販売本数がシリーズ累計で12万本を超えると元本が戻ってくる。配当金ももらえる。反対に、販売本数が12万本を下回れば、元本割れになる。 投資の醍醐味となる配当金はどうか。同ファンドには、配当率に上限10%を設けている。1口(5万円)を投資して、販売本数が100万本を超える大ヒットになっても、1口あたり、最大でも5000円の配当金しか手に入らない。投資家の名前が、DVD商品のなかに制作協力者としてクレジットが入るというが、それが株式経験者にとって妙味になるかは疑問だ。 |
|
■2004/08/16
日本経済新聞 シグナル発見 収益性重視で不動産利用 「大家はファンド」都市再生 不動産投資ファンドが都市を変え始めた。年金資金などの流入で続々設立されるファンドが商業施設再生やビルの用途転換で力をふるう。収益性重視の資本の論理が土地の有効利用を促している。 PM業界急成長 PM(プロパティマネジメント)と呼ばれる不動産管理業務会社が急成長している。ファンドが所有するビルの付加価値を上げる立役者だ。 PM業界の草分け、ザイマックス(東京・新宿)は、4月時点で360棟(床面積290万平方メートル)を管理する。1年で棟数は4割(床面積は7割)も増えた。 従来はビルを保有する企業の総務や営繕部門が担う業務だが、ファンドの登場で所有と経営が分離しPM会社が脚光を浴びた。リクルート傘下だった同社は2000年に経営陣による企業買収(MBO)で独立。まず外資系ファンドからの受託で成長した。 ファンドは不動産から少しでも多くの賃貸収入をあげ、高い利回りを得ようとする。PM会社は立地や構造を考え独自のノウハウでテナントを誘致。一方で入札で清掃業者を決めるなどコストは徹底して見直す。最近は外資だけでなく「地方レベルでも次々とファンドが立ち上がり、引き合いも増えた」(杉本和也取締役)。PM業界は、ビルメンテナンス大手の日本管財が新会社を設立し参入するなど100社を超す規模となった。 一方で不動産投資ファンドは今や不動産購入の主役。昨年度、上場企業が売却した土地・建物を都市未来総合研究所(東京・中央)が調べたところ購入先の4割以上を不動産投資信託(REIT)やファンド設立に使われる特定目的法人(SPC)が占め、主たる買い手だった建設・不動産を上回った。投資先を分散化したい年金基金や地方銀行の資金が流入している。 住信基礎研究所の試算によると、私募型ファンドの資産は今年3月末で1兆3000億円規模。1年で倍近くになったが、今後3年間で2兆7000億円にまで膨らむとみる。 REIT市場の拡大もファンドによる土地購入を促す。東京証券取引所では2001年の開始後13法人が上場、時価総額は約1兆5000億円。「今年度末には2兆円、その後も年1兆円ぺースで拡大する」(みずほ証券の石沢卓志シニア不動産アナリスト) 販売増市場命大 経営破たんした福岡市の商業施設スーパーブランドシティ(SBC)。ファンドが取得して昨年9月に“出直し”後、売上高が3割近く増えた。 福岡市の第三セクターが出資した会社が運営していたSBCは高級ブランド専門店街として99年に開業したが、販売不振などで破たんした。昨年3月からはREITの日本リテールファンド投資法人が所有する。 商業施設はテナントの売り上げと家賃収入が連動する。施設全体の売り上げ増は大家のファンドの至上命題だ。PM会社に選ばれたのはジオ・アカマツ(大阪市)。「商業施設というより美術館」と揶揄(やゆ)されたビルは生まれ変わり、「イニミニマニモ(どれにしようかなの意味)」と改称して再出発した。 入居していた「ルイ・ヴィトン」など高級ブランド店にはシニア層の固定客も多かったが、若者が少なかった。そこで一部の吹き抜けをつぶして若者向けブランドなど約20店を導入。入居店舗間や隣接するホテルとの連携も強化した結果、年間来館者数は8割も増えた。 ファンドが所有したことで全く別目的にビルが生まれ変わる例もある。三井不動産が4月から運用する私募型ファンド「三井ジェムストーンファンドT」はコンバージョン(用途変換)で収益性を高める。東京・中央のオフィスビル「銀座アイタワー」はホテルに改装中で、仏系大手ホテルチェーン、アコーに貸し10月に高級ビジネスホテル「メルキュールホテル銀座東京」として開業予定だ。 東京・新宿で取得したオフィスビルは専門性の高いクリニックを集めた医療ビルに転換した。「収益性が落ちたビルもノウハウ次第で再び価値を高めることができる」(三井不動産事業企画グループ) 都心部ではファンド間で土地取得競争が激化し一部で地価が上昇している。ただ「ファンドは収益還元の考えに基づく。多少、過熱しても昔のバブルのようなことは起きない」(住信基礎研の井上淳二氏)という声が多い。 (経済解説部 古田博士) |
|
■2004/08/16
日経金融新聞 ヘッジファンド 対日投資が急増 海外投資家の需要拡大 景気回復背景に すそ野広がる 日本のヘッジファンド運用関係者が注目する人物がいる。菊池真氏(38)。米英の大手投資顧問会社で日本株運用チームの責任者を務めた同氏がヘッジファンド運用会社ミョウジョウ・アセット・マネジメントを設立したのは昨年4月。特定分野を専門とするブティック型で日本向けのヘッジファンド運用会社を立ち上げた先駆者の一人だ。 ヘッジファンド運用の元祖米国では、ジョージ・ソロス氏やタイガー・マネジメントに代表される起業家精神旺盛な個人によるブティック型運用会社が主流だ。自己資金を投じて運用担当者自らリスクを背負い、成功すれば報酬も高いヘッジファンド運用はベンチャービジネスの要素が大きいからだ。菊池氏のようにブティック型会社を設立する動きが出てくることは日本市場のすそ野の広がりを示すといえる。 菊池氏は昨年12月に割安とみる日本株を買い、割高とみる株式を空売りするロング・ショートのヘッジファンドを設定。現在までの総収益率は56%に達する。データベース会社を通じて運用実績が公表されているため、「営業活動をしないにもかかわらず、欧米投資家やファンド・オブ・ファンズ(FOF)から受けた問い合わせは100件に上る」という。 日本向けのヘッジファンド運用会社の設立を支援するビジネスも生まれた。その一つ、テネオ・パートナーズは日本の金融業界に詳しい3人が設立。特に日本人がファンドを設定する際の手続きや海外投資家探しの支援をする。 パートナーの一人、奥野リチャード氏は最近、「米西海岸のコンサルタントから純資産2億―5億ドル程度の資産家に日本株ヘッジファンドを勧めたいのでいいものはないかとの問い合わせを受けた」という。「大学財団や年金基金、富裕投資家一族など日本に投資する欧米投資家の層が広がった」と指摘する。 こうした欧米投資家の需要を受け、伊藤忠商事の米ヘッジファンド運用子会社ACAMアドバイザーズは米投資家向けに日本株ヘッジファンドのFOFを6月に立ち上げた。「日本株運用で日系会社の優位性を出したい」(最高執行責任者の高橋正明氏) 「今、投資対象として一番魅力のあるのは日本だ」。米ヘッジファンド運用会社アーゴノート・キャピタル・マネジメントのD・ガーステンハバー社長は強調する。同氏はタイガー・マネジメントでマクロ投資のヘッジファンド運用を手掛けていた1990年代前半、日本が深刻な景気後退に陥りゼロ金利時代が来ることを予測して注目を浴びた。 同氏はヘッジファンドの対日投資急増の背景として、@金融機関の不良債権問題が改善し健全な景気回復につながっているA株式の持ち合い解消などの構造的変化B長い株価低迷で割安株が他の国に比べて豊富――と指摘する。今のところグローバル・マクロ運用のファンドを通じて日本の金融機関や不動産会社に投資するが、「日本投資専門ファンドの設定も視野に入れている」という。 日本専門も倍増 株式中心に対日投資をするヘッジファンドの数は昨年末時点で753本。うちアジア株やグローバル・ファンドを除いた日本投資専門ファンドの数は158本と2年前に比べ2倍強に増えた(米国大和証券調べ)。対日投資ヘッジファンドの運用手法の大半はロング・ショートだ。 「毎週のように新たな対日投資ファンドが設立されている」(日系証券のヘッジファンド向け日本株営業担当者)。それでも供給過剰になる気配はない。むしろ、「人気ファンドには資金が殺到し、キャパシティーに限界が来て投資家募集を締め切るファンドが後を絶たない」(米国大和証券の代替投資調査ディレクター、F・サンダーソン氏)という状況だ。 「黒船」実は日本のマネー 機関投資家がファンド支え 「日本株投資資金はキャッシュで1億ドルある」。ロサンゼルスに本拠を置くヘッジファンド運用会社ダルトン・インベストメンツの創業者J・ローゼンウォルド氏は流れ込む投資家の資金にうれしい悲鳴を上げる。 同氏は日本で経営陣による企業買収(MBO)を仕掛けて株価上昇を目指す「JMBOファンド」を昨年4月に立ち上げた。ロング・ショート投資が中心の対日投資ヘッジファンドの中では異色の存在だ。 同ファンドは今年4月、舞台装置メーカーの三精輸送機にMBOを持ちかけた。会社側は5月にMBOを拒否したが、しぶとく交渉を続けている。三精輸送機は大株主の三井住友銀行グループの影響力が強く、現社長も三井住友銀から転身した。 ローゼンウォルド氏は「MBOが成立して株価が上昇すれば大株主として収益を上げられるし、新たな融資もできる。三井住友銀にとってはいい提案のはず」と主張する。「三井住友銀本社では我々のMBOに興味を示しているが、大阪のある支店長が反対しているらしい。将来の天下り先がなくなっては困ると心配しているに違いない」とジョークをまぶしながらも不満そうだ。 外国人による対日投資を「黒船」ととらえる向きもある。だが、実はこうしたファンドに資金を振り向ける投資家の多くが日本人だということはあまり知られていない。 JMBOファンドの投資資金約4000万ドルのうち25%は日本の富裕個人投資家からのものだという。「攻撃的に見られるのを嫌う日本人はガイジンの陰で金もうけしているんだ」とローゼンウォルド氏は笑う。 保険会社や銀行、年金基金などの日本の機関投資家によるヘッジファンド投資の対象は今のところ、FOFが主流だ。 ヘッジファンドのFOF運用会社、パーカー・グローバル・ストラテジーズはこの秋、8―9本の日本株ヘッジファンドに投資するFOF、「ジャパン・エッジ」を設定する。顧客のターゲットは日本の機関投資家。最高経営責任者のV・パーカー氏は「1年間で1億ドルの資金を集めるのが目標」という。 米国大和証券のF・サンダーソン氏の推定によると、欧米FOF運用大手10社の昨年10―12月期の月間平均資金流入額のうち、最大で25―30%は日本の機関投資家の資金という。日本企業の経営や株価形成に影響を与えつつあるヘッジファンドを支える投資家として日本の機関投資家が重要な役割を担いつつある。 |
|
■2004/08/11
日経金融新聞 不動産ファンド設定 パシフィック、私募型270億円 パシフィックマネジメント(8902)は年金基金向けとして、オフィスビルで運用する私募不動産ファンドを9月と11月に追加設定する。9月分は資産規模120億円とし、11月分は150億円の計270億円を組成する予定。年金基金など機関投資家の需要が強いことが背景で、高い期待利回りをテコに投資家層の拡大につなげたい考えだ。 7月に公募増資で調達した約51億円を物件取得に充てる。運用期間は5年程度で、対象物件は東京都内にある30億円規模の優良オフィスビル。 テナント確保や内装などで購入したビルの価値を高め、テナントからの賃料収入や売却益で8%程度の期待利回りを見込む。 昨年末から機関投資家は不動産投資信託(REIT)よりも相対的に高い利回りの見込める私募ファンドヘ積極的に資金を振り向けている。 パシフィックはこれまで短期間での転売で売却益を狙う不動産投資を手がけてきたが、年金基金はリスクの低い不動産への需要が強いことから優良ビルで運用するファンドの組成を強化する。 |
|
■2004/08/10
日本経済新聞 ファンド資本主義 “役者”出そろう VC・企業金融 融合で地歩 MKSパートナーズ 経営陣による企業買収(MBO)や企業再生などバイアウト(買収)案件に取り組む独立系投資ファンドのMKSパートナーズ(東京・干代田)。ファンドの顔は「M」と「K」の2人の共同代表だ。ベンチャーキャピタル(VC)業界が長い松木伸男氏と、旧日本興業銀行出身で興銀証券執行役員などを歴任した川島隆明氏である。 松木氏の20年に及ぶVC時代の成果は華々しい。投資先にはカルチュア・コンビニエンス・クラブなど有力ベンチャーがずらりと並ぶ。「3000人以上の社長に会い、1000回以上の取締役会に出席した」という松木氏の目利きに、2001年に合流した川島氏の企業金融のノウハウが加わり、企業再生から大企業の事業部門買収まで多様な案件に取り組む体制ができた。 MKSらしさを発揮したのが2003年6月、民事再生法適用を申請した靴下メーカー、福助のケースだ。 「少量生産で高級品と非効率な事業を手掛ける企業」。松木氏はアパレル業界の有力者の言葉を聞いて「福助支援を決めた」という。百貨店の中では品質を評価する声が高く、技術力はある。「誤った仕事のやり方を変えれば再生は可能」(川島氏)とにらんだ。 福助には破たん前から支援の枠組みを準備するプレパッケージ方式を採った。企業価値の毀損(きそん)を最小限に抑えられる利点に着目。法的手続きの傍ら、長年続く取引先との関係を温存するには不可欠な手法と考えた。 支援決定後、ただちに福助のライセンス契約先に契約継続を働き掛けた。縦割りの組織を簡素化、営業、商品、管理の各担当部署を同じフロアに集約し、欠けていた社員間のコミュニケーションも徹底した。今秋から新ブランドを本格展開するなど改革は着々と進む。 福助の社長に招かれた伊勢丹出身の藤巻幸夫氏は「福助会長を兼務する川島氏は財務戦略の立案遂行にとどまらず、頻繁に現場に顔を出してくれる」とMKSの支援体制を評価する。 出資先企業をいかに活性化できるかはファンドの生命線だ。出向者が大半を占める大手金融機関系ファンドなどと異なり逃げ場もない。半面「特定の企業グループに属していないため、純粋に資本の論理に従って動ける」(川島氏)のが強みという。 投資するのは技術力があり、企業価値を高めることができると判断した場合。「日本に残すべき事業資質かどうか」との視点も忘れない。投資先の経営者や社員の士気を重視する川島氏は「乱暴に売り買いするのは日本の企業風土になじまない」と訴える。 1998年に設立した170億円のファンドに続き、現在新たなファンドを募集中で、すでに450億円を集めた。これまで福助など9件の投資を実行、うち3件を売却した。 懸念材料は投資ファンドの乱立で買収価格の高騰に巻き込まれかねないこと。かつて英シュローダーグループとの合弁VCを立ち上げた松木氏はこんな例を引く。「シュローダーグループのドイツのファンドは2年間、全く投資をしない時期があった。結局このファンドの運用成績は高水準だった」。経験に裏打ちされた堅実な投資の継続こそが成功のカギを握る。 (村山 浩一)=この項おわり 代表者 松木伸男氏、川島隆明氏 設立 1982年9月 主な出資者 銀行、保険、年金基金、事業会社 投資残高 95億円 投資案件 9件(福助、ザイマックス、ベネックスなど) 回収案件 3件(ニューコ・ワンなど) (注)投資実績はバイアウト(買収)案件のみで、MKSコンサルティングがアドバイスする海外ファンドを含む |
|
■2004/08/07
日本経済新聞 ファンド資本主義 ”役者出そろう”4 リップルウッド 著名企業再生、人脈が支え 6月29日。米投資会社リップルウッド・ホールディングスのティモシー・コリンズ最高経営責任者(CEO)は東京・赤坂でコロムビアミュージックエンタテインメントの株主総会に出席した。 コリンズ氏は5月末、日本テレコムをソフトバンクに売却する記者会見のために来日したばかり。リップルウッドはニューヨーク市に本部を置くが、同氏は月に1度のぺースで日本を訪れる。リップルウッドの主要な投資案件が日本に集中しているからだ。 リップルウッドの北米での投資総額は9億ドル(約1000億円)。これに対し、日本での投資は4200億円を超える。2000年3月の新生銀行買収を皮切りに、フェニックスリゾート(シーガイア)や日本テレコムなど著名企業に次々と投資し、企業再生・買収ファンドの代名詞になった。 だが、米国では自動車ディーラーや自動車部品メーカー、菓子メーカーに投資する地味なファンドにすぎない。本国でも新生銀買収でようやく名前が知れた。 無名のリップルウッドが日本で旋風を巻き起こせたのは、「日本にも再生ファンドを定着させるべきだ」と考える財界の有力者がコリンズ氏を支えたからだ。その筆頭が三菱商事の槙原稔相談役である。 コリンズ氏は95年に槙原氏のハーバード大時代の友人を介して、槙原氏と知り合った。当時、三菱商事の社長だった槙原氏は、日本でまだ知られていなかった再生ファンドに興味を示し、リップルと三菱商事は98年、日本にリップルウッド・ホールディング・ジャパンを設立した。コリンズ氏は日本での投資について槙原氏に頻繁に相談する。 リップルウッドは「インダストリアル・パートナーシップ」と呼ぶ仕組みで企業を再生する。外部から有能な経営者をスカウトし買収企業のトップに据えるやり方だ。 新生銀では元シティコープ日本代表の八城政基氏を社長に据えた。日本テレコムでは米通信大手スプリント元CEOのエズレー氏を会長、IBMビジネスコンサルティングサービス会長だった倉重英樹氏を社長に招へいした。自動車部品の旭テックでは元ホンダ副社長の入交昭一郎氏を会長に担ぎ出した。 それぞれのパートナーはコリンズ氏が米国で構築した人脈か、槙原氏を振り出しに広げた日本の人脈に連なる。頻繁に来日するコリンズ氏は日程の半分以上を人脈の拡張にさいている。 リップルウッドは2月の新生銀上場で2200億円の株式売却収入を得た。「もうけすぎ批判」に対し、槙原氏は「鮮やかに新生銀が再生したのは八城氏が改革を断行したからだ」と、八城氏を引っ張り出したコリンズ氏の手腕を評価する。 景気の回復で大企業による事業売却は一段落しているが、「日本での投資ぺ一スは落とさない」(リップルウッド・ジャペンの植田兼司マネージング・ディレクター)構え。コリンズ氏の人脈をフル活用し、幅広い分野で新たな投資案件を探している。 (大西康之) 《ファンドの概要》 代表者 ティモシー・コリンズ氏 設 立 1995年 主な出資者 GEキャピタル、メリルリンチ、三菱商事など 投資残高 約4350億円 (以下は日本) 投資案件 8件(フェニックスリゾート、旭テック、ナイルス部品など) 回収案件 2件(新生銀行、日本テレコム) (日本) |
|
■2004/08/07
東京新聞 米投資ファンドのロス会長 UFJ統合「明るい兆候」 金融機関と戦える 世界最大級の米投資ファンド、WLロス。アンド・カンパニーのウィルバー。ロス会長兼最高経営責任者(CEO)が、東京新聞との単独インタビューに応じた。三菱東京フィナンシャル・グループとUFJホールディングスの経営統合について「日本の金融界にとって非常に明るい兆候だ」と高く評価。統合に伴い加速するとみられる大口融資先の企業再生では、「米投資ファンドの多くが関心を持っている」と話した。(ニューヨーク・寺本政司) ――UFJの統合をどう見ているか。 「UFJの不良債権問題は、日本の金融システムにとって最大の懸案だった。統合で問題が解決し、さらに競争力のある世界最大の銀行が誕生するのだから、日本経済にとって非常に良いことだ」 ――三井住友フィナンシャルグループもUFJ争奪に名乗りを上げた。 「今回の動きが政府主導ではなく、民間の自助努力が動機になっている点は見逃せない。三菱東京は関西の営業拡大、三井住友は得意の中小企業向けを強化するという明確な戦略がある。透明性があり、非常にオープンで日本の銀行が変わったというシンボルとして世界に印象づけられるだろう。どちらがいいか分からないが、コンピューターシステムの統合や支店の統廃合などの合理化で、莫大(ばくだい)な利益が出る」 ――新メガバンク(巨大銀行)は世界のメーンプレーヤーになれるか。 「邦銀はここ数年、国内の不良債権問題などが足かせになり、海外展開に積極的ではなかった。しかし、製造業を中心に日本企業が国際化を加速する中、銀行が顧客である彼らを追って海外に出るのは理にかなう。低金利の日本よりも、高いリターンが見込める欧米での業務を拡大する方が、収益性から見ても正しい。逆に言えば、新銀行は国際化が必要条件で、統合によって欧米の金融機関と戦う体制は整うはずだ」 ――統合問題は、UFJが住友信託と一度は合意した信託部門の売却を白紙撤回したため、法廷にらみの様相となった。 「米国では企業の合併・買収(M&A)が行われる際、破談した場合を想定して『ブレークアップ・フィー(契約破棄金)』を盛り込むのが通例だ。買収総額の3−5%が相場。これによってより高い買収金額を提示する企業と自由に交渉できる。法廷闘争に持ち込まれることはない」 ――統合によって、ダイエーなどUFJの大口融資先の企業再生が加速する。米投資ファンドは興味があるか。 「産業再生機構との絡みもあるが、多くの外国企業が関心を示している。特に製造業に注目したい。個人的にはダイエーなど小売業には手を出すつもりはない」 ウィルバー・ロス氏 経営破たんした米企業や日韓企業を買収、再生するビジネスを手がけ、米国の「倒産王」の異名を持つ。第二地銀の旧幸福銀行(現・関西アーバン銀行)の再建を指揮したことは有名。米ハーバード大卒。66歳。 |
|
■2004/08/06
日本経済新聞 ファンド資本主義 “役者”出揃う B 転売せず上場、許されぬ失敗 みずほキャピタルパードナーズ 経営陣による企業買収(MBO)で投資した企業と共同でさらに別のMBOを仕掛ける――。ファンド運営会社のみずほキャピタルパートナーズは「ハイブリッド型MBO」と呼ばれる新しい企業買収を投資コンサルティング会社のみずほコーポレートアドバイザリーと共同で成功させた。 みずほキャピタルパートナーズは今年初め、投資先の非鉄金属商社、日商岩井アルコニックスと共同でレアメタル(希少金属)商社のアドバンストマテリアルジャパンを買収した。投資先の収益向上のために同業の企業を追加買収する手法の変型だ。 将来、アルコニックスの株式を公開する際には両社を合併させるが、それまではアドバンスト社は独自路線で収益性を高める。アドバンスト社の経営陣にとっては、合併までに企業価値を高めれば自分たちが保有する株式の価値が高まる。それが、経営に最善を尽くす動機づけになる。 みずほコーポレートアドバイザリーの大畑康寿社長は「投資の出口を株式公開に限っているからできた手法」と説明する。同ファンドは株式公開以外の出口戦略は考えないと投資家に明言している。転売の不安などがないから、経営陣や従業員が株式公開に向けて努力し、企業価値が高まりやすくなるという。 みずほグループが買収ファンド事業に力を入れるのは、取引の連鎖が期待できるためだ。今年から「ディール・アフター・ディール」を合言葉に、グループの連携強化を打ち出している。企業買収では、買収企業への融資をみずほ銀行が、株式公開の主幹事をみずほインベスターズ証券が引き受けるなど、相乗効果を生み出しやすい。 みずほコーポレートアドバイザリーに集まる情報が、外資系ファンドの大型買収に伴う融資を取り込むきっかけになったこともある。「小粒でもグループの金の卵」(みずほコーポ幹部)だ。 ファンドにとっても、みずほの広大な顧客基盤から集まるMBOなどの情報が強みになる。アドバンスト社の案件もみずほコーポの情報がMBOに取り組むきっかけになった。 ただ銀行系ならではの課題もある。普通の買収ファンドは失敗例を上回る収益を成功例で生み出し投資全体で利益を上げる方法を採るが、みずほは「十戦十勝が使命」(大畑氏)という。出口戦略を株式公開に絞るのは、メガバンクの名を背負った銀行系ファンドが企業再生に失敗すれば、銀行自体のイメージや評判を損ないかねないからだ。 「十戦十勝」と、必ず上場を目指して転売しない姿勢は買収先企業の経営陣や従 |